フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2014年4月30日付のプレスリリースにおいて、最終処分地のオルキルオトに設置している地下特性調査施設「ONKALO」について、最深部に至る全ての立坑の掘削が完了したことを公表した。(図参照)
立坑は、排気用、給気用、人員用の3本があり、このうち排気用立坑については2012年初期に掘削が完了していた。今回、給気用立坑と人員立坑のうち、残っていた深度290mから455m部分までの掘削が完了し、すでに掘削済みのアクセス坑道 を含めて、ONKALOで予定されていた掘削作業の大部分が完了したことになる。今回の掘削部分では、立坑と亀裂帯が交差していることから、掘削過程で低アルカリ性セメントとシリカコロイドを用いたグラウトを行っている。ポシヴァ社は、先に掘削済みの排気用立坑を含む3本の立坑について、2014年後半にも補強作業を開始するとしている。このほか、ONKALOを安全に使用するために必要な設備の設置、地上部分の建設作業も2014年後半まで継続する予定である。
ポシヴァ社は、2004年のONKALO建設開始以降 、建設と並行して、岩盤に関する特性調査を実施し、2012年12月の処分場の建設許可申請に必要なデータを収集してきた。ONKALOでは、建設許可申請書の提出後も、岩盤の調査や地下での処分技術に関する開発実証が行われることとなっている。また、建設許可申請の審査段階での手続きにより、最終的にONKALOを原子力施設である処分施設の一部として統合するとしている。
【出典】
(post by t-yoshida , last modified: 2023-10-11 )