英国の原子力廃止措置機関(NDA)は、2008年3月31日付のニュースリリースにおいて、英国放射性廃棄物管理会社(UKNWM社;URS社・ワシントン事業部門1 が率い、スタズビックUK社、AREVA NC、セルコ-アシュアランス社を含む企業グループ)と、ドリッグ低レベル放射性廃棄物処分場の管理契約を締結したことを公表した。この契約は、2008年4月1日に、原子力サイト許可の所有会社の株式が英国原子力グループ社(BNG)からUKNWM社に移転されることで発効する。
2004年エネルギー法によって設立された原子力廃止措置機関(NDA)は、原子力債務の管理の遂行に当たって、競争原理を導入することとされていた 。ドリッグ処分場の管理会社の選定については、2006年4月の競争入札説明会以降、入札への適合企業やUKNWM社を優先交渉権者として選定するなどの動きが進められてきた 。今回のドリッグ処分場の管理契約の締結は、原子力廃止措置機関(NDA)のサイトの競争入札が完了した最初の事例となる。
ニュースリリースによれば、英国放射性廃棄物管理会社(UKNWM社)の提案によるドリッグ処分場に関する費用の削減は1億ポンド(238億円)とされており、さらに英国における低レベル放射性廃棄物に関する債務の20%削減を目標とした革新的な技術の提案により節約できる金額は、10億ポンド(2,380億円)になるとされている。契約期間は、当初は5年であるが、UKNWM社の実績とNDAの経営陣の承認により、最大17年までの延長が可能とされている。また、契約金額は2億~5億ポンド(476億~1,190億円)になるとされている(1ポンド=238円で換算)。
【出典】
- 原子力廃止措置機関(NDA)、2008年3月31日付のニュースリリース、 http://www.nda.gov.uk/news/llwr-contract-award.cfm
- URS社・ワシントン事業部門ウェブサイト、 http://www.urscorp.com/divisions/washDiv.php
- 英国放射性廃棄物管理会社(UKNWM社)が優先交渉権者として決定された2007年8月時点では、UKNWM社を率いていたのはワシントングループ・インターナショナルであったが、2007年11月にワシントングループ・インターナショナルが米国のエンジニアリング会社であるURS社により買収されたことにより、ワシントングループ・インターナショナルはURS社のワシントン事業部門として再編された。 [↩]
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )