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《英国》エネルギー法が成立-原子力廃止措置機関(NDA)設立へ

2004年7月22日の貿易産業省(DTI)のプレスリリースで、2003年11月27日に上院に上程されて以降、議会で審議されていたエネルギー法が成立したことが発表された。同法は、原子力遺産と称される英国の原子力債務を管理するために設立される原子力廃止措置機関(NDA)に関する規定を主とした第1部「民間原子力産業」、沖合風力やその他の海洋再生可能エネルギー源の開発についての第2部「持続可能性と再生可能エネルギー源」、英国電力取引送電協定(BETTA)の実施についての第3部「エネルギー規制」の3部構成となっている。

NDAについての規定が記されているエネルギー法の第1部「民間原子力産業」は、以下の5つの章から構成されている。

  • 第1章 原子力廃止措置
  • 第2章 原子力債務引受けの移管
  • 第3章 民間原子力警察隊
  • 第4章 放射性廃棄物に関する承認
  • 第5章 原子力産業に関する諸規定

NDAの設立については、第1章において取り扱われており、同章ではNDAの設置、義務・権限、活動戦略・計画・報告、財政などについての規定がなされている。

当初、原子力債務管理機関(LMA)と呼ばれていたNDAの構想については、2001年11月に貿易産業省(DTI)によって設立方針が示された後、2002年7月のコマンドペーパー「原子力遺産の管理」(Cm5552)において具体的な提案がなされた。2003年6月には「原子力サイトおよび放射性物質法案」の草案が出され、NDA設立のための法整備に向けて関係機関などで協議された。最終的には、同草案に対する協議結果を反映したものがエネルギー法案に組み込まれ、上院に上程されていた

なお、DTIのウェブサイトによると、NDAは以下の点について政府に代わって機能することが求められている。

  • 原子力債務の戦略的なプログラム管理者として、サイト管理方法を決定する。
  • 最も効果的かつ安全な方法で債務を処理するために、NDAはサイトの許認可取得者(UKAEAおよびBNFL)および、安全、保安、環境規制当局と協力して作業を進める。
  • 競争原理の導入と促進によって、英国内の原子力債務管理および処理についての市場を拡大させる。
  • 管理効率を確保するための枠組みを構築する。
  • 英国の公的機関の商業用原子力債務の管理に対する公衆の信頼感を高める。

また、NDAは2005年4月1日までに政府外公共機関(NDPB)として設立されるとされている。

【出典】

  • Energy Act 2004
  • 貿易産業省(DTI)ウェブサイトの2004年7月22日付けのニュースリリース、 http://www.gnn.gov.uk/environment/detail.asp?ReleaseID=124405&NewsAreaID=2&NavigatedFromDepartment=False
  • 貿易産業省(DTI)の過去の原子力債務の管理に関するウェブサイト、http://www.dti.gov.uk/nuclearcleanup/index.htm、2004年7月

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )