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《フランス》原子力安全機関(ASN)が地層処分場の安全指針を発行-安全基本規則(RFS)III.2.fが改定される

フランスの規制当局である原子力安全機関(ASN)は、2008年3月21日付のプレスリリースで、放射性廃棄物の地層処分場に関する安全指針を公表した。同指針は、地層処分場の操業終了後の安全確保のために、1991年6月に当時の安全規制当局により策定された、処分場に関連する調査・建設段階における安全目標を定めた安全基本規則(RFS)III.2.fに代わるものとされている。

同プレスリリースによると、原子力安全機関(ASN)は、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が1991年放射性廃棄物管理研究法のもとに実施した研究から得られた知見、国際的な見解、2006年放射性廃棄物等管理計画法の規定を反映させるために今回の改定を行ったとしている。なお、ASNは、今回の改定文書が規則の性格を持つ安全目標に加え、目標の達成方法についても説明しているため、安全基本規則ではなく安全指針として位置付けることを決定したとしている。

また、同プレスリリースでは、今回の改定の主なポイントとして以下を挙げている。

  • 可逆性の概念の導入
    ただし、ANDRAが地層処分場の建設許可申請を提出した後に制定される法律によって規定されることとなっている可逆性の条件は示されていない。
  • 再処理されない使用済燃料の直接処分を考慮した廃棄物インベントリの拡大
  • 多重バリア概念における安全機能の概念の導入
    安全機能により多重バリア概念のロバスト性(頑健性)が実証されなければならない。
  • 監視プログラムの開発
    同プログラムが、プロジェクトの進展が想定範囲内であることの確認を可能とし、処分場の閉鎖を決定するための確実なデータを得ることを可能とする。
  • 廃棄物パッケージの安全目標を定めた手引き
    この手引きは、放射性廃棄物等管理計画法や改定安全基本規則に沿った多様な操業進展を包含することとなる廃棄物パッケージに関する指針(廃棄物パッケージの承認手続きの記述や各段階における関係者の規定等が含まれる)によって補足される。

原子力安全機関(ASN)は、2003年から安全規則(RFS)III.2.fの改定作業を開始しており、今回公表された安全指針は、2007年初頭に原案が作成され、同年6月にASNの諮問機関である「放射性廃棄物についての常設専門家グループ(GPD)」が示した意見を反映した後、2008年2月にASN内で承認されたものである。なお、ASNは同指針を関連機関である放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、AREVA社、フランス電力株式会社(EDF)、原子力庁(CEA)に2008年2月27日付で送付している。

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)、2008年3月28日のプレスリリース、http://www.asn.fr/sections/accueil/actualites/asn-publie-guide-surete-relatif-au
  • 原子力安全機関(ASN)、2008年2月27日の関連機関宛てのレター、http://www.asn.fr/sections/rubriquesprincipales/publications/publications-pour/listes-publications/downloadFile/attachedFile_unvisible_11_f0/lettre_version_diff.pdf

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )