Top » 海外情報ニュースフラッシュ(全記事表示モード)

米国

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2014年8月26日付のニュースリリースにおいて、使用済燃料の継続貯蔵(continued storage of spent nuclear fuel)による環境影響に関する連邦規則を承認するとともに、連邦規則が発効した後、一時的に中断していた原子炉の許認可発給・更新について再開することを公表した。今回承認された連邦規則は、NRCの原子炉等の許認可手続における環境影響評価について定めた10 CFR Part 51「国内許認可及び関連規制機能に対する環境保護規則」の第23条(a)である。

2012年6月の連邦控訴裁判所の判決において、2010年のNRCによる「廃棄物保証」規則の改定を無効とし、NRCに対して地層処分場が建設されない場合の使用済燃料の継続貯蔵が環境に影響を与える可能性の検討及び使用済燃料プールの漏えいと火災をさらに分析するよう指示していた。今回のNRCによる承認は、これに対するNRCの対応が完了したものとされている。なお、NRCは、2012年9月に、判決に対応した包括的環境影響評価書(Generic Environmental Impact Statement、GEIS)の作成及び連邦規則等の再改定については、24カ月以内に完了することとしていた

今回のプレスリリースによると、使用済燃料の継続貯蔵に関する連邦規則は、運転許可期間を過ぎた原子炉サイトにおける使用済燃料の貯蔵が環境に与える影響に関して、包括的環境影響評価書(GEIS)の知見を採用したものであるため、使用済燃料の継続貯蔵による一般的な環境への影響は、個別の許認可における環境に関する審査において再度分析する必要はないものとされている。なお、GEISは、運転許可期間を過ぎた原子力発電所において貯蔵されている使用済燃料が環境に与える影響について、60年(短期)、短期シナリオ終了後の100年(長期)、及び無期限の3つの時間枠で分析しているが、今回承認された連邦規則は、原子力発電所における使用済燃料の無期限の貯蔵を承認するものではないとされている。

なお、今回の連邦規則及び包括的環境影響評価書(GEIS)の承認に際して、これまで使用されていた「廃棄物保証」という名称が、「使用済燃料の継続貯蔵」と改められた。これは、最終規則の実体や内容を正確に反映すべきであるという大多数のパブリックコメントを反映したものとされている。

【出典】

 

【2014年9月2日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2014年8月26日付けで承認した使用済燃料の継続貯蔵による環境影響に関する連邦規則及び包括環境影響評価書(GEIS)等について、委員会決定文書、原子炉等の許認可発給の再開に関する委員会命令文書等を公表した。

NRCの委員会からスタッフに対する指示文書では、使用済燃料の継続貯蔵に関する連邦規則10 CFR Part 51について、連邦規則案と包括環境影響評価書(GEIS)案の細かな記述修正のほか、連邦政府が使用済燃料の長期貯蔵に係る費用を負担する可能性があることをパブリックコメントへの回答に反映すること、包括環境影響評価(GEIS)の知見を原子炉等のサイト個別の環境影響評価で活用する際には透明性のあるアプローチを採用することなどが指示されている。

なお、使用済燃料の継続貯蔵による環境影響に関する連邦規則及び包括環境影響評価書(GEIS)は、全委員の承認投票により決定されたが、委員長の投票では、包括環境影響評価書(GEIS)での無期限貯蔵の評価において制度的管理が喪失した場合についても解析すべきとして、一部が不承認とされた。委員長が投票に添えたコメントでは、制度的管理が喪失した場合についても可能な範囲で定量的評価を行った上で最悪の事態を想定した結果を示すべきであり、それによりエネルギー省(DOE)によるユッカマウンテン処分場の補足環境影響評価書(SEIS)における「何もしない」オプションに対する評価を拡充することが可能になるなどの見解が示されている。

また、NRCが一時的に中断していた原子炉等の許認可発給の再開に関しては、許認可手続中の全申請者に宛てた命令が発行され、使用済燃料の継続貯蔵による環境影響に関する連邦規則が発効した時点で中断を解除することが正式に決定されている。

【出典】

 

【2014年9月22日追記】

米国の連邦官報で、2014年9月19日に、使用済燃料の継続貯蔵に関する連邦規則である10 CFR Part 51「国内許認可及び関連規制機能に対する環境保護規則」の改定を反映した最終規則が告示された。今回改定された連邦規則は、2014年10月20日に有効となる。

なお、使用済燃料の継続貯蔵に関する包括環境影響評価書(GEIS)の最終版については、2014年9月10日付けで、原子力規制委員会(NRC)のウェブサイトで公表されている。

【出典】

米国ニューメキシコ州で廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)を操業するエネルギー省(DOE)カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)及び管理・操業(M&O)契約者は、2014年5月30日に、WIPPの地下処分施設における一部の廃棄物容器の隔離計画案をニューメキシコ州環境省(NMED)に提出した。WIPPでは、2014年2月14日に発生した放射線事象の原因究明の調査において、第7パネル第7処分室で廃棄物容器1本の蓋部の損傷が確認されており、NMEDは、2014年5月20日に、同様の廃棄物が処分されている第6パネル及び第7パネル第7処分室について、廃棄物容器の隔離計画を提出するように行政命令を発出していた。

WIPPの放射線事象については、原因究明のための調査が進行中であり、2014年4月2日からは地下処分施設への入坑による調査が数次にわたって行われている。2014年5月15日に行われた地下処分施設での調査では、第7パネル第7処分室に定置された廃棄物容器1本の蓋部の開口、発熱反応による変色が確認された。

蓋部の開口及び熱変色が確認された廃棄物容器(2014年5月15日撮影)

蓋部の開口及び熱変色が確認された廃棄物容器(2014年5月15日撮影)

蓋の開口部のクローズアップ(2014年5月22日撮影)"

蓋の開口部のクローズアップ(2014年5月22日撮影)

損傷が確認された廃棄物容器は、ロスアラモス国立研究所(LANL)から搬入されたものであり、硝酸塩とともに、硝酸塩との反応性が高い有機系物質が封入されていたことが確認されている。ロスアラモス国立研究所では、処分のために液体廃棄物を浸み込ませる吸収材が有機系の製品(猫砂(kitty litter)が使用されている模様)に変更されていたことが判明しており、今回の事象発生の原因として有力視されている。2014年5月30日に行われた地下処分施設の調査では、損傷した廃棄物容器の周辺からサンプルが採取されたが、2014年6月3日時点では分析結果は公表されておらず、最終的な原因特定はされていない。

WIPPでは、廃棄物の定置が完了した処分パネルから、パネルの第1次封鎖が行われ、その後に処分パネルへの坑道を埋め戻す恒久的封鎖が行われる計画となっているが、今回のニューメキシコ州環境省(NMED)による廃棄物容器の隔離計画の提出命令は、上記のロスアラモス国立研究所の硝酸塩を含んだ廃棄物容器が定置されている第7パネル第7処分室及び第6パネルにおいて、類似の事象発生による被害を未然に防ぐために発せられたものである。DOE等が提出した廃棄物容器の隔離計画案に拠れば、今回の事象で爆発は生じていないと見られており、第7パネルに設置されていた圧力隔壁に圧力が掛かった痕跡も認められないことから、圧力隔壁等による第1次封鎖でも十分に有効との評価を示した上で、第1次封鎖の完了後に早期に恒久的封鎖を行う計画が示されている。恒久的封鎖については、掘削時に発生した岩塩で坑道を埋め戻す方式が提案されている。

なお、ニューメキシコ州環境省(NMED)の2014年5月20日の行政命令では、廃棄物容器の隔離計画の実施スケジュールも求められていたが、今回の廃棄物容器の隔離計画案では、放射線事象の原因も最終的に確認されていない中で多くの前提条件に基づいていること、様々な作業を並行的に行うことなどから、主要な工程ごとの作業日数が示されているのみであり、具体的な実施期日は示されていない。

【出典】

 

【2015年6月3日追記】

米国エネルギー省(DOE)及びニューメキシコ州環境省(NMED)は、2015年6月2日に、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)で2014年2月14日に発生した放射線事象の原因となった廃棄物容器の隔離が完了したことを公表した。今回の廃棄物容器の隔離は、2014年5月20日のNMEDの行政命令を受けたものであり、WIPPの地下に設置された処分パネルのうち、放射線事象の原因と断定されたロスアラモス国立研究所(LANL)から搬出された硝酸塩を含むTRU廃棄物が処分されている第6パネル及び第7パネル第7処分室について、それぞれ2015年5月13日及び5月29日に早期封鎖が完了したとしている。

第6パネル及び第7パネル第7処分室の封鎖は、吸気側及び排気側のそれぞれの坑道について、定置された廃棄物容器の側に金網(chain link)及び張出布(brattice cloth)を設置した上で、鋼製バルクヘッド(steel bulkhead)を設置することにより行われている。第6パネルの封鎖では、下図に示すように、廃棄物面に接する形で岩塩等を積み上げた障壁が設置されている。

なお、WIPPでは、2014年9月30日に復旧計画が公表され、2016年第1四半期の操業再開に向けて復旧活動が行われている。WIPPの放射線事象については、2015年4月16日に、DOEの事故調査委員会(AIB)の「事故調査報告書(フェーズ2)」が公表されており、2013年12月にロスアラモス国立研究所(LANL)で処理した1本の廃棄物容器での有機物質と硝酸塩との混合による発熱化学反応が放射線事象及び放射性物質の漏洩の原因と結論づけられている。

第6パネル封鎖の概念図(坑道の断面図)

第6パネル封鎖の概念図(坑道の断面図)

第7パネル第7処分室の封鎖のための金網・張出布の設置作業

第7パネル第7処分室の封鎖のための金網・張出布の設置作業

第7パネル第7処分室の入り口を密封する鋼製バルクヘッド

第7パネル第7処分室の入り口を密封する鋼製バルクヘッド

【出典】

エネルギー省(DOE)の環境管理局(EM)は、2014年4月24日に、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の地下施設内で2014年2月14日に発生した放射線事象についての初めてとなる「事故調査報告書(フェーズ1)」を公表した。WIPPでは、今回の放射線事象における放射性物質の漏洩場所の特定及び原因究明のための地下施設内の調査を実施中であるが、本報告書では、事故調査の第1段階として、放射性物質の地上環境への漏洩とWIPP職員の被ばく、事象発生後の対応、管理体制が中心に取りまとめられている。なお、事故調査の進捗に伴って、放射性物質の漏洩の直接的な原因を中心とした補足報告書が発行される予定としている。

2014年4月23日に開催されたタウンホール・ミーティングで示されたDOEの事故調査委員会(AIB)の資料では、放射性物質の地上環境への漏洩の根本原因は、WIPPを運営・管理するDOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)と管理・操業(M&O)契約者とが、放射線の危険性を十分に理解・管理していなかったためとしている。また、換気システムの設計及び操作性が不適切であり、安全管理プログラムや安全文化の劣化と合わせて累積的に影響したこと、漏洩の認識及び対応が遅延し、効果的でなかったことが放射性物質の漏洩につながったとしている。

今回公表された事故調査報告書(フェーズ1)では、原子力安全、メンテナンス、放射線防護及び緊急事態管理の各プログラム、行動規範、安全文化・監督の各項目について、事故調査委員会の結論・問題点(CON)と措置必要事項(JON)が示され、一覧表に整理されている。

なお、2014年4月23日に行われた漏洩場所の特定及び原因究明のための調査では、漏洩場所と想定される地下処分施設の第7パネルの第7処分室に調査チームが到達しており、処分室の天井の崩落などは認められず、目視可能な範囲では廃棄物パッケージの異常も認められていない。

2014年4月23日の地下施設内の調査ルー

2014年4月23日の地下施設内の調査ルート

第7パネル第7処分室の状況

第7パネル第7処分室の状態

2014年4月23日のタウンホール・ミーティングでDOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)が示した復旧計画では、2014年5月末までに原因の特定と再開計画の策定を行い、2014年6月から除染、換気能力増強などの安全対応、是正プログラムの実施などの安全プログラムの強化を行った上で、施設の操業再開に向けた独立のレビューを受けるとの予定が示されている。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)の環境管理局(EM)は、2014年3月14日に、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の地下施設内で2014年2月5日に発生した岩塩運搬車の火災事故についての事故調査報告書を公表した。本事故調査報告書は、DOEが2014年2月7日に設置した事故調査委員会による調査結果の最終報告書である。

DOEのEMのニュースリリースでは、事故調査報告書は火災に繋がった事象と火災に対する対応について徹底的な検証を行ったものであり、今後のWIPPの安全な操業に多くの教訓を与えるものとしている。また、事故調査委員会の公式調査と並行して、独自のレビューと対策を実施してきているが、事故調査報告書で指摘された問題に対する正式な是正措置計画は策定中としている。

事故調査報告書では、火災事故の直接原因(DC)は、岩塩運搬車の油圧作動油、または軽油が過熱した触媒コンバータなどに接触したことでエンジンルームの火災となったとしており、タイヤ2本も焼失したとことが報告されている。また、火災事故の根本原因(RC)としては、日常のメンテナンス不足、火災抑制システム解除などの管理・操業(M&O)契約者の不適切な管理が問題とされており、さらに、火災事故に繋がった寄与要因(CC)として、放射性廃棄物に直接関連しない機器・活動の管理上の問題、不十分・不適切なメンテナンス・プログラム、訓練などの10項目が挙げられている。また、調査により確認された22項目の問題点(CON)及び35項目の措置必要事項(JON)も示されている。

なお、DOEは、2014年3月14日に、WIPPが立地するニューメキシコ州カールスバッド市でタウンホール・ミーティングを開催しており、事故調査委員会の委員長から火災事故に関する事故調査報告書の概要が説明されている。

【出典】

エネルギー省(DOE)は、2014年3月26日付けのニュースリリースにおいて、米国における超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、適合性再認定申請書(CRA)を環境保護庁(EPA)に提出したことを公表した。WIPPについては、廃棄物処分の開始以降の5年ごとにEPAの適合性再認定を受けることが必要とされており、これまで2回の適合性再認定申請・決定が行われており、今回が3回目の適合性再認定申請となる。

  • 第1回適合性再認定申請:2004年3月26日
  • 第1回適合性再認定の決定:2006年3月29日
  • 第2回適合性再認定申請:2009年3月24日
  • 第2回適合性再認定の決定:2010年11月18日

ニュースリリースでは、今回の適合性再認定申請により、2段階の手続きが開始されることが示されている。第1段階としては、EPAがDOEの適合性再認定申請書の完全性を判断し、必要に応じて審査のために必要な追加的情報の要求が行われる。また、EPAは、適合性再認定申請に対するパブリックコメントも考慮するとしている。第2段階として、EPAは、適合性再認定申請書の完全性について決定した後、6カ月以内の期間で技術的評価を実施し、WIPPの法令への適合性の認定についての最終決定を行うとしている。

なお、ニュースリリースでは、この適合性再認定の手続きは、最近の放射線事象等からの回復作業に関連するものではなく、過去5年間におけるサイトの変化が、EPAのTRU廃棄物処分の環境放射線防護基準に適合していることを証明するための手続きであるとしている。

【出典】

 

【2014年10月2日追記】

環境保護庁(EPA)は、エネルギー省(DOE)に宛てた2014年9月29日付けの書簡により、DOEが2014年3月26日にEPAへ提出した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の適合性再認定申請書について、完全性の審査を開始したことを通知した。

DOEに宛てた書簡の中で、EPAは、2014年2月にWIPPで発生した放射線事象への対応が進行中のため、適合性再認定申請書に係る完全性の審査を遅らせていたとしている。また、放射線事象の発生前に適合性再認定申請書が準備されたものであるため、DOEは、処分場の操業の再開に向けてWIPPの処分システムで変更が必要になることを表明しており、規制遵守に与える影響等に関してDOEから補足情報が提供される予定であることなどを伝えている。

【出典】

 

【2014年10月14日追記】

環境保護庁(EPA)は、エネルギー省(DOE)が提出した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)に係る適合性再認定申請書について、パブリック・コメントの募集を開始することを2014年10月10日の連邦官報に掲載した。EPAは、コメントの提出期限は適合性再認定申請書の完全性の確認後、改めて連邦官報に掲載するとしている。

EPAは、今回の連邦官報の中で、2014年2月にWIPPで発生した放射線事象は、適合性再認定申請書の審査において重要な考慮事項になるとしている。なお、EPAは、放射線事象についてEPAが行ったレビューにおいて、DOEはEPAの基準を遵守しているものの、事象発生時の情報提供には改善の余地があることが確認されたとしている。

また、適合性再認定申請書は放射線事象の発生前に準備されたものであるため、処分場の操業の再開に向けて必要とされるWIPPの処分システムの変更については、DOEから補足情報が提供される予定であること、提供された補足情報はウェブサイトで公開されることも連邦官報に示されている。

【出典】

 

【2014年12月22日追記】

環境保護庁(EPA)は、2014年12月17日に、エネルギー省(DOE)が2014年3月に提出した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)に係る適合性再認定申請書について、完全性の確認の審査に係るDOEに対する質問書を公表した。

DOEに対する質問書では、適合性再認定申請書の内容に係る技術的な質問などとともに、2014年2月14日に発生した放射線事象に関連する事項として、液体廃棄物を浸み込ませる吸収材として使用された猫砂(Kitty litter)が封入された廃棄物の特性・量などの詳細な記述、有機配位子や界面活性剤など廃棄物の溶解性に影響を与え得る有機物の量、猫砂が放射性核種の移行に与える影響などについて情報が要求されている。

なお、EPAは、完全性の確認の審査のため、今後もさらに質問を行う予定としている。

【出典】

 

【2017年2月28日追記(2017年3月28日再追記:コメント期限を2017年4月10日とする連邦官報2017月3月10日を出典に追加)】

環境保護庁(EPA)は、エネルギー省(DOE)が提出していた適合性再認定申請書に関して、適合性再認定申請書の完全性を確認して決定したこと(以下「完全性決定」という。)について、2017年1月13日付けの書簡でエネルギー長官に通知した。本書簡は、連邦政府の規制情報ウェブサイトの廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)適合性再認定のページにおいて、2017年2月24日に公表された。適合性再認定申請書についてEPAは、既に2014年10月10日からパブリックコメントの募集を行っており、今回の完全性決定に関するコメントの募集は本書簡の連邦官報への掲載から30日後まで続けられる。

EPAは、DOEの適合性再認定申請書を詳細に評価し、関連するパブリックコメントを考慮した上で、適合性再認定に関する最終決定を行うとしている。

【出典】

米国で2014年3月4日に、2015会計年度1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表された。2012年1月のブルーリボン委員会の最終報告書・勧告に基づいて、2013年1月にエネルギー省(DOE)が策定した「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」(以下、「DOE戦略」という。)の関連予算として、DOEが7,900万ドル(約77億円、1ドル=98円で換算)を要求している。なお、ユッカマウンテン処分場関連予算の要求はない。

大統領の予算教書とともに公表されたエネルギー省(DOE)の予算概要資料では、DOE戦略を実施に移すため、輸送、貯蔵、処分、サイト選定に係る研究開発及びプロセス開発に焦点を当てた活動を行うとしている。DOEの詳細な予算要求資料は、今後、DOEのウェブサイトで公表される見込みである。

なお、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査を実施している原子力規制委員会(NRC)については、大統領の予算教書・各省庁の予算概要に記載がない。また、NRCの予算概要資料では、2015会計年度の高レベル放射性廃棄物処分関連として、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の処分の将来的な代替戦略のためのデータ収集・モデル化が増加すること、米国としての高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料管理プログラムの変化に対応・サポートするための規制枠組み・可能性のある規則策定の評価などの予算が記載されているが、ユッカマウンテン処分場の審査に関する予算要求は記載されていない。

 【出典】

 

【2014年3月18日追記】

米国のエネルギー省(DOE)は、2014年3月14日に、2015会計年度の予算の説明資料を公表した。「使用済燃料処分等プログラム」(UFDプログラム)の予算要求額は7,900万ドル(約77億円、1ドル=98円で換算)であり、「研究開発活動(代替案を特定するための研究開発及び既存・将来の核燃料サイクルに係る放射性廃棄物処分等の研究開発)」とともに、「統合放射性廃棄物管理システムの設計に係る活動」の2分野から構成されている。なお、ユッカマウンテン処分場関連の予算要求額の記述は無いが、DOE原子力局(NE)の管理費の中で訴訟対応費用等が計上されている。

2015会計年度の予算による実施事項のうち、UFDプログラムの「研究開発活動」については、4,900万ドル(約48億円)の予算要求額で以下の事項を行うとしている。

  • 長期貯蔵に係る原子力規制委員会(NRC)の許認可を支援するための高燃焼度使用済燃料の検査能力・技術的知識の開発
  • 代替処分環境に関する長期的研究開発と国際協力の継続(フィールド試験を含む)
  • 既存の輸送・貯蔵キャニスタの直接処分への適用の可能性に係る研究開発の継続
  • 超深孔処分の代替設計概念の評価。超深孔処分の実証活動等の開始。
  • 結晶質岩、粘土/頁岩(シェール)及び岩塩の主要な3岩種の評価の継続(フィールド試験を3岩種について適宜実施)

さらに、2015会計年度の予算による実施事項のうち、UFDプログラムの「統合放射性廃棄物管理システムに係る活動」については、放射性廃棄物基金からの2,400万ドル(約24億円)を含む3,000万ドル(約29億円)の予算を要求しており、現行法の権限内で以下の事項を行うとしている。

  • 同意に基づくサイト選定プロセスのための計画策定の継続
  • 廃棄物管理システムへの情報を取りまとめる統合使用済燃料データベース及び分析システムの維持・拡張
  • 廃止措置された原子炉サイト等からパイロット規模の中間貯蔵施設への使用済燃料等の大規模な輸送の準備
  • 乾式貯蔵キャスク及び輸送システム標準化の評価を含め、貯蔵・輸送・処分の柔軟性のある統合アプローチの評価
  • 大規模な中間貯蔵施設の一般的な操業・概念設計オプションの評価(詳細な費用・スケジュールデータの開発を含む)
  • パイロット規模の中間貯蔵施設の一般的安全性評価レポートの策定とNRCのレビュー(キャスク受入・取扱施設を含む)
  • システム構成研究、意思決定分析能力、文書・知識管理の組織的インフラ、使用済燃料受入・許認可の支援などの完結
  • 中小サイズの標準輸送・貯蔵・処分(TAD)キャニスタの包括的な一般設計の完成
  • 処分場概念のシステムレベル解析のための改良モデル化・ツールの開発継続
  • 次世代廃棄物管理システムのロジスティクス分析ツールの検証・確立

UFDプログラムの研究開発活動に係る2015会計年度の予算要求額は、2014会計年度の要求額と比較して1,900万ドル(約19億円)増加しているが、DOEは、その主な要因として、高燃焼度燃料の長期貯蔵に関する技術的知識の開発、超深孔処分の実証活動の開始などを挙げている。

【出典】

 

【2014年7月17日追記】

米国の連邦議会下院は、2014年7月10日に、2015会計年度のエネルギー・水資源歳出法案を253対170で可決した。本法案では、2014年度の下院の歳出法案と同様に、ユッカマウンテン関連の放射性廃棄物処分予算として1億5,000万ドル(約150億円)、原子力規制委員会(NRC)のユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可手続の予算として5,500万ドル(約56億円)が割り当てられている。なお、エネルギー省(DOE)の予算要求では、2012年1月のブルーリボン委員会の最終報告書・勧告に基づいて、2013年1月にDOEが策定した「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」を実施に移すための予算が要求されていたが、今回下院で可決された2015会計年度の歳出法案では、ユッカマウンテン計画の中止に繋がる活動への歳出を禁じる条項が規定されている。

2015会計年度の歳出法案の審議過程では、ネバダ州選出の議員から、放射性廃棄物処分関連予算をゼロとするなどのユッカマウンテン計画の中止を求める2つの修正案が提出されたが、いずれも4分の3以上の大差で否決された。一方、ホワイトハウスは、下院で2015会計年度の歳出法案が採決される前日の2014年7月9日に、本法案が成立した場合には拒否権を発動するとの意向を表明しており、その理由の一つとしてユッカマウンテン計画への予算配賦等を挙げている。

米国では、1982年放射性廃棄物政策法において、エネルギー省(DOE)が1998年1月31日から民間の使用済燃料引取りを開始することが定められており、原子力発電事業者とDOEとの間で処分実施のための契約が締結されている。ユッカマウンテン計画の遅れから、DOEは使用済燃料の引取りを実施できないために債務不履行状態にあり、DOEの2013会計年度報告に拠れば推定債務額は前年より28億ドル(約2,900億円)増加して251億ドル(約2兆5,600億円)になることが、下院の2015会計年度の歳出法案に係る歳出委員会報告書で指摘されている。

一方、連邦議会上院でも歳出法案の検討が行われており、2014年6月17日に上院歳出委員会エネルギー・水資源小委員会で法案の原案が策定されたが、2014年6月19日に予定されていた上院歳出委員会での法案策定は、期限を定めず見送ることが決定された。上院歳出委員会エネルギー・水資源小委員会策定の法案原案は公表されていないが、法案の概要説明資料では放射性廃棄物処分に係る言及はされていない。

なお、2014年2月に地下施設での火災事故と放射線事象が発生して復旧に向けた調査・対応が行われている廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)については、下院の2015会計年度の歳出法案では1億2,000万ドル(約102億円)の予算が、上院の歳出法案概要説明資料では3億2,300万ドル(約329億円)の予算が、復旧に向けた活動のためとして記載されている。

【出典】

 

【2014年7月28日追記】

米国の連邦議会上院の歳出委員会は、2014年7月24日に、歳出委員会のエネルギー・水資源小委員会で2014年6月17日に承認された2015会計年度のエネルギー・水資源歳出法案の原案、及び委員会報告書の草案を公表した。ただし、連邦議会上院は、2014年6月19日の歳出委員会で、2015会計年度のエネルギー・水資源歳出法案の正式な策定は行わないことを決定している。

今回公表された2015年度のエネルギー・水資源歳出法案の原案では、2013年6月に上院で策定された2014年度のエネルギー・水資源歳出法案と同様に、2012年1月のブルーリボン委員会の勧告に基づいて、同意に基づくサイト選定プロセスによる使用済燃料の中間貯蔵のパイロット施設の開発等をエネルギー長官に命じるよう規定されている。

「使用済燃料処分等プログラム」(UFD)の歳出予算については、研究開発活動の予算として3,000万ドル(約29億円)が、中間貯蔵のパイロット施設の開発等を実施するための予算として8,900万ドル(約87億円)が、総額で1億1,900万ドル(約116億円)が計上されている。ユッカマウンテン処分場関連の歳出予算はゼロとなっており、これまでに計上された歳出予算の未支出残高も抹消されている。また、原子力規制委員会(NRC)のユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可手続の予算も割り当てられていない。

なお、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP) については、2014年2月に発生した地下施設での火災事故と放射線事象の復旧に向けた調査・対応が行われており、約3億1,800万ドル(約312億円)の予算が割り当てられているが、復旧活動に係る予算の内訳は示されていない。

【出典】

 

【2014年9月22日追記】

米国の連邦議会は、2014年9月18日に、2015年9月30日までの2015会計年度のうち、2014年10月1日~12月11日を対象とした継続歳出決議を可決した。本継続歳出決議は、エネルギー・水資源分野を含む予算項目に対して、2014会計年度の包括歳出法での予算と同レベルの歳出を認めるものである。継続歳出決議による予算では、原則として前年度予算と同率で比例配分され、特段の指定が無い限りは前年度で未計上の事業・プログラム等の実施は認められない。

今回可決された2015年度の継続歳出決議では、放射性廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について特別の規定が置かれており、歳出予算の範囲内において、処分場の復旧及び改修に必要な活動が必要に応じて実施できるよう認められている。なお、ユッカマウンテン処分場関連など、その他の放射性廃棄物処分に関する特別な規定は無い。

【出典】

 

【2014年12月15日追記】

米国の連邦議会は、2014年12月13日に、2015会計年度包括歳出・継続予算法案を可決した。本包括歳出・継続予算法案の条文には記載されていないが、付随する説明文書において、「使用済燃料処分等プログラム」(UFDプログラム)の歳出予算として、「研究開発活動」についてはエネルギー省(DOE)の予算要求額通りの4,900万ドル(約53億円)、「統合放射性廃棄物管理システムに係る活動」についてはDOE要求額より750万ドル少ない2,250万ドル(24億3,000万円)と示されている。

2015会計年度包括歳出・継続予算法案では、ユッカマウンテン計画に関する記述は無く、ユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物処分場に係る開発関連予算は与えられていない。ただし、連邦議会下院の歳出委員会が公表した法案の要約資料では、2014会計年度と同様に、政治的事項の一つとして「ユッカマウンテンの将来利用のための可能性を維持し、安全性評価報告(SER)を完成させるための先年予算の継続」が示されている。

また、2015会計年度包括歳出・継続予算法案の説明文書では、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、復旧の取り組みを支援するためとして、DOE予算要求額より約1億ドル多い3億2,000万ドル(345億6,000万円)の歳出予算が示されている。

なお、2015会計年度の歳出予算については、2015会計年度が開始される2014年10月1日までに歳出法が制定されず、2014年12月11日までの継続歳出決議による予算が執行されていたが、2015会計年度包括歳出・継続予算法の制定手続の遅れから、再度、2014年12月13日までの継続予算が執行されていた。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2015会計年度の予算は2014年10月1日からの1年間に対するものである。 []

廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)周辺の環境放射線モニタリングを行っているニューメキシコ州立大学付属のカールスバッド環境モニタリング・研究センター(CEMRC)は、2014年2月19日のWIPPから約1kmの観測地点での微量のアメリシウム241及びプルトニウム239/240の検出結果の公表に続いて、2014年3月5日に、WIPPの排気塔内のエアフィルター(直径47mm、1μmの細孔径を持った紙フィルター)から回収されたサンプルの放射線学的分析結果を公表した。これは排気塔内のHEPAフィルターの前後に設置されたエアーサンプリング装置のフィルターを分析したものであり、以下のような数値が報告されている。

(単位:Bq/m3
サンプリング地点 サンプル回収日時 アメリシウム241 プルトニウム239/240

HEPAフィルター通過前

2014/2/15 06:30

1,365

672

2014/2/15 23:30

130

17

2014/2/21 08:45

0.65

0.06

HEPAフィルター通過後

2014/2/18 16:55

1.81

0.224

2014/2/21 08:28

0.12

0.012

※エアーサンプリング装置のフィルターは、最初に回収されたサンプルは2014年2月14日の午前8時前に設置されたものであり、以後は約8時間毎に回収されている。なお、2014年2月21日の数字は1日当たりの放出量。

カールスバッド環境モニタリング・研究センター(CEMRC)は、放射線事象の発生直後のHEPAフィルター通過前のサンプルの放射能濃度は高い数値を示しているものの、約1日経過後には激減し、1週間後には非常に低いレベルに低下しているとしている。また、実際のWIPP周辺への影響を示すHEPAフィルター通過後の放射能濃度は、放射線事象の発生直後にはやや高くなったものの、環境保護庁(EPA)の基準値である37Bq/m3と比較すると非常に低いレベルであったことを指摘している。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)のニューメキシコ州のカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2014年2月15日のプレスリリースにおいて、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)で2014年2月14日の午後11時30分に放射線事象が発生したことを公表した。地下での放射線の検知後に換気システムが自動的にフィルターモードに切り替わり、地表への放射性物質の漏洩は最小限に抑えられ、健康や環境に影響はないとされたが、WIPPでの操業は中止されている。

WIPPは、軍事起源のみのTRU廃棄物の地層処分場であり、操業者であるDOEは、1999年3月26日の操業開始以降、順調に放射性廃棄物を受入れて、地下での処分を実施してきた。

DOEのプレスリリースでは、2014年2月15日の午後2時49分に放射線事象の発生の第一報と合同情報センター(JIC)の設置が公表され、2014年2月16日の午後6時32分にJICの閉鎖が伝えられるまで3度にわたる放射線事象報告で情報の更新が行われた。これらの放射線事象報告では、WIPPの敷地境界での放射線計測により、健康や環境に影響がないことが強調されるとともに、装置類・人員・施設の汚染はないが、重要業務以外の職員はサイト外へ退去したこと、放射性物質の発生源は調査中であることなどが公表された。

一方、2014年2月19日には、WIPP周辺の環境放射線モニタリングを行っているニューメキシコ州立大学に付属するカールスバッド環境モニタリング・研究センター(CEMRC)が、WIPPから約1kmの観測地点で微量のアメリシウム241とプルトニウム239/240を検出したことを公表した。これは、2014年2月16日の午前に回収された環境エアサンプリングステーションのフィルタを分析したものであり、アメリシウム241として0.64Bq、プルトニウム239/240として0.046Bqが検出されている。なお、これまでのCEMRCの観測では、アメリシウム241とプルトニウム239/240は過去に4回検出されているが(最高でアメリシウム241が0.004Bq、プルトニウム239/240が0.0005Bq)、何れもWIPP起源のものではなく、過去の核実験によるものとされている。

また、DOEも2014年2月24日のプレスリリースにおいて、新たな環境モニタリングデータを公表するとともに、「WIPP復旧情報センター」というウェブページを開設し、今回の放射線事象に関する最新の活動状況と複数地点でのサンプリングデータの公表を行っている。公表されたデータによれば、放射線事象の発生翌日の2014年2月15日にWIPPの隣接地点で検出された放射能量は0.87Bq、線量当量では0.03mSvであったが、2014年2月17~18日に同地点を含む複数箇所での簡易分析で検出された放射能量は0.02~0.07Bq、線量当量では0.001~0.003mSvと評価されている。なお、最終的な分析値が得られるまでには、サンプルの採取から最大で2週間が必要としている。

2014年2月19日のプレスリリースで、DOEは、引き続き放射線モニタリングを行うとともに、DOE、労働省鉱山安全保健管理局、防火、換気、鉱山安全等の専門家から成る事故調査委員会(AIB)を設置したことを公表した。また、地下施設への立入りのために他のDOEサイトや国立研究所からの支援を得て、地下施設の調査計画の検討が行われている。

なお、WIPPでは、2014年2月5日に、地下施設内において岩塩の運搬車の火災事故が発生していた。火災は、放射性廃棄物の処分エリアとは反対側の地下施設内で発生したものであり、近くに放射性廃棄物はなく、当日中に鎮火が確認され、被害は火災発生地点の至近範囲に限定されていた。

【出典】

 

【2014年3月10日追記】

ニューメキシコ州のエネルギー省(DOE)のカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2014年3月9日のプレスリリースにおいて、2014年2月14日に放射線事象が発生した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)で復旧に向けたプロセスを開始したことなどを公表した。また、「WIPP復旧情報センター」ウェブページの情報も更新され、最新のサンプリングデータや復旧活動の写真などが掲載されている。

WIPPの復旧プロセスは、下図のように6段階のプロセスとして示されており、2014年3月7~8日には空気取入立坑及び建設工事用立坑に計測機器を下ろして第1段階の無人での放射線・空気観測が行われた。簡易分析の結果では、空気中に放射性物質による汚染は検出されず、空気の状態も正常と見られている。DOEは、このプロセスは、作業員が地下に入る際の防護装備の決定のために重要としており、こうした安全検査の完了後、早ければ2014年3月17日の週の週末にも作業チームをWIPPの地下施設に送る予定としている。

 

6段階の復旧プロセス

6段階の復旧プロセス

usa_140310_4_image_3a usa_140310_3_image_2a usa_140310_2_image_1a

立坑での放射線検出作業の様子

空気取入立坑と建設工事用立坑の安全が確認された後は、両立坑間の汚染状況を検査し、放射線事象の発生直前に作業が行われていた処分エリアに作業チームが派遣される。作業チームは、放射線学的サンプリング等を実施して放出源を隔離し、汚染の危険性を取り除く計画を実施する予定とされている。

DOEのプレスリリースでは、WIPPで勤務する職員の被ばく検査の最新情報も公表されており、2014年3月8日現在で、17名の職員についてバイオアッセイで陽性の結果が出ていたが、追加検査の結果では肺への吸入等は認められず、被ばく線量は極めて低く、健康への影響は想定されないとしている。

また、WIPPサイト内及び近郊でのエアサンプリングのデータも更新されている。公表されたデータによれば、2014年2月17~18日の最終的な分析で検出された放射能量は0.00035~0.01Bq、線量当量では0.00001~0.0004mSvと簡易分析の結果よりも低く、また、2014年2月26日の簡易分析結果については、放射能量は0.019~0.045Bq、線量当量では0.0007~0.002mSvと評価されている。DOEのプレスリリースでは、サイト外では引き続き大きな汚染は確認されておらず、2014年2月14日の放射線事象による公衆の健康及び環境への影響は想定されないとしている。

【出典】

 

【2014年3月12日追記】

ニューメキシコ州のエネルギー省(DOE)のカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、WIPP復旧情報センター(WIPPの放射線事象のページ)の2014年3月10日の更新情報において、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)で2014年2月14日に発生した放射線事象の原因を調査するための変更計画を示しており、空気取入立坑及び建設工事用立坑での検査が順調であれば、作業チームが2~3週間以内には地下施設に送られる予定であることを公表した。作業チームは、岩塩の坑道の安定性を確認し、放射性物質の放出源を特定するため、連続的に派遣される計画である。

また、WIPP復旧情報センターでは、2014年3月11日にも追加の資料が掲載されており、2014年2月14日に発生した放射線事象及び2014年2月5日に発生した火災事故の場所が以下の位置図で示されている。

放射線事象と火災事故の場所

放射線事象と火災事故の場所

【出典】

 

【2014年4月4日追記】

ニューメキシコ州のエネルギー省(DOE)のカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)復旧情報センター(WIPPの放射線事象のページ)の2014年4月2日の更新情報において、WIPPで2014年2月14日に放射線事象が発生した以降、初めて作業チームが地下施設に入坑したことを公表した。

地下施設の作業チームによる調査は、8名編成の2チームによって行われ、最初の作業チームが2014年4月2日13時頃に入坑した後、13時半頃には2番目の作業チームが入坑した。作業チームは、空気取入立坑及び建設工事用立坑の周辺を調査して汚染が無いことを確認するとともに、連続エアモニタ装置や通信装置などを設置し、今後の地下施設での作業の基地を設営した。

WIPP復旧情報センターの2014年4月3日の更新情報では、今回の地下施設での作業エリアなどが下図の通り示されている。

 

2014年4月2日の地下施設の活動エリア

2014年4月2日の地下施設の活動エリア

WIPP地下施設のレイアウト図

WIPP地下施設のレイアウト図

次回の地下施設への入坑は、今回の地下施設への入坑による調査結果を評価した後、2014年4月7日の週に行われる見込みとされている。次回の入坑時には、地下施設内を処分エリアに近い南側に進み、連続エアモニタ装置を追加設置し、通信装置の試験が行われる予定であり、その結果により放射性物質の放出源特定のための第3段階の地下調査の詳細を決定するとしている。

【出典】

 

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2014年1月31日に、連邦控訴裁判所が2013年8月13日付けの判決で命令したユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査の再開について、2013年12月の月次状況報告書を公表した。本月次状況報告書は、連邦議会下院の関連委員会に送付されたものであり、2013年12月までの審査再開に係る活動状況が示されている他、再開された審査活動のプロジェクト計画書も添付されており、今後の審査活動の内容、取組体制、スケジュールなどが示されている。

今回NRCが公表した2013年12月の月次状況報告書では、以下が示されている。

達成事項

  • 2013年11月18日のNRCの委員会決定に対応するための「ユッカマウンテン審査活動プロジェクトプラン」の策定
  • 審査活動を実施するための体制の再編、人員の確保を進め、安全性評価報告(SER)の審査を開始
  • 規制支援機関である放射性廃棄物規制解析センター(CNWRA)に対する作業仕様書の策定
  • 法務官によるユッカマウンテン関連の訴訟対応、許認可審査の再開方法への申立ての処理

今後の活動のスケジュール及び費用

  • 安全性評価報告(SER)の完成は、約12カ月を要し、2015年1月に終了予定
  • 許認可支援ネットワーク(LSN)(詳細はこちら)に登録されていた文書のNRCデータベース(ADAMS)の非公開領域への登録を2014年5月までに完了
  • エネルギー省(DOE)に策定を要求した補足環境影響評価書(SEIS)の採択に向けた対応予定等の検討(スケジュールはDOEのSEIS完了予定に依存)
  • 安全性評価報告(SER)の完成・発行に要する費用は、2013年9月の見積で830万ドル(約8.1億円)であり、補足環境影響評価書(SEIS)の審査やADAMSへの文書登録を含めた総費用の見積額は約960万ドル(約9.4億円)

放射性廃棄物基金の状況

  • 放射性廃棄物基金から支出される金額は、2013年12月までに約23万ドル(約2,300万円)であり、2013年12月末の未使用予算残高は約1,300万ドル(約12.7億円)1

関係者とのコミュニケーション・対応など

  • エネルギー省(DOE)とのコミュニケーションを開始し、2014会計年度第2四半期2 にSEIS策定に係るパブリックミーティングを計画

なお、月次状況報告書に添付された「ユッカマウンテン審査活動プロジェクトプラン」では、NRCが取り組むユッカマウンテン関連のスケジュールが下図のように示されている。

usa_140203_fig_1

NRCのユッカマウンテン関連活動のスケジュール
(NRC「ユッカマウンテン審査活動プロジェクト計画」より引用)

また、「ユッカマウンテン審査活動プロジェクトプラン」では、これらのNRCの審査活動のため対応計画や実施体制などが示されており、実施体制、安全性評価報告(SER)の策定方法は以下の通りとされている。

実施体制

  • 安全性評価報告(SER)の完成に係るNRCの主たる組織は核物質安全・保障措置局(NMSS)の使用済燃料代替戦略部(SFAS)となるが、他の関連部局による支援に加え、規制支援機関である放射性廃棄物規制解析センター(CNWRA)が技術的支援を行う。
  • 使用済燃料代替戦略部(SFAS)内では、4部門の内の3部門が、閉鎖前チーム(安全性評価報告(SER)第2分冊)、閉鎖後チーム(SER第3分冊)、管理・プログラムチーム(SER第4・5分冊と補足環境影響評価書(SEIS))としてSER策定作業等に専念する。
  • 核物質安全・保障措置局(NMSS)が主導し、委員会秘書室(SECY)や議会調整局などの関連NRC内部局や原子力安全・許認可委員会パネル(ASLBP)などで構成される「ユッカマウンテン・コアグループ」がユッカマウンテン関連活動の状況を定期的にレビューする。

安全性評価報告(SER)の策定方法

  • ユッカマウンテンチーム(YMT)が、技術評価報告書(TER)と安全性評価報告(SER)の最新ドラフトとを比較した上で、最も効率的な対応を検討する(例えば、規制上の確認も行われていたSER第3分冊はドラフト報告書を基に作業し、他の分冊はTERを基にするなど)。
  • 目標期限遵守のため、例えば、DOEによる対応の遅れなどのスケジュールに影響する問題が確認された場合には各担当管理者に解決を求める。
  • 安全性評価報告(SER)の各分冊が完成した場合には、核物質安全・保障措置局(NMSS)の責任者の署名を経てNUREGシリーズの文書として発行する。
  • 既存の作業ファイルの活用体制、執筆体制などについては、ガイドラインとして示したとおりとする。

【出典】

 

【2014年4月8日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2014年3月28日に、連邦控訴裁判所が2013年8月13日付けの判決 で命令したユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査の再開について、2014年2月度の活動状況をまとめた月次状況報告書を公表した。今回の月次状況報告書では、2014年2月末時点までの達成事項・活動状況、今後の活動に要する費用・スケジュールの見通し、支出実績などが示されている。

特に、これまでの月次状況報告書で2015年1月に終了する予定が示されていた安全性評価報告(SER)の策定については、各分冊・章ごとに、策定作業及び公表に向けたマイルストーンがチャート形式で示されている。各分冊の公表予定は以下のとおりであり、閉鎖後の処分場の安全性に係る第3分冊は、最も早い2014年11月6日の公表が予定されている。

分冊名 全章の策定完了 レビューを経て公表
第1分冊「一般情報」 (完成、公表済み) 2010年8月23日

第2分冊「閉鎖前の処分場の安全性」

2014年9月24日

2014年12月4日

第3分冊「閉鎖後の処分場の安全性」

2014年8月27日

2014年11月6日

第4分冊「管理上及びプログラム上の要求事項」

2014年9月10日

2014年11月20日

第5分冊「許認可仕様」

2014年9月24日

2014年12月11日

なお、今後の活動に要する費用については、安全性評価報告(SER)の策定等に要する費用は以前の想定から変化がないとされているが、エネルギー省(DOE)が補足環境影響評価書(SEIS)を策定しないことによる影響については評価を実施中とされている。

【出典】


  1. NRCが保有するユッカマウンテン許認可手続のための未使用予算残高は約1,100万ドル(約10億円)とされていたが、その後に締結済みの契約の解除などにより約220万ドル(約2.2億円)が利用可能となったため、使用可能な予算残高は増加している。 []
  2. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、2014年1月~3月の四半期となる。 []

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会の委員長などは、2013年12月11日に、エネルギー長官に対して、ユッカマウンテン計画に係る連邦控訴裁判所判決等へのエネルギー省(DOE)の対応を問う書簡を送付した。本書簡では、ユッカマウンテン処分場の許認可申請の審査の再開を命じた2013年8月13日の連邦控訴裁判所判決、2013年8月13日の判決を受けて原子力規制委員会が決定した2013年11月18日の「覚書及び命令」、放射性廃棄物基金への拠出金の徴収停止を命じた2013年11月19日の連邦控訴裁判所判決について、DOEの具体的な対応計画などの質問が示されている。

書簡では、エネルギー長官やDOE高官が判決への適切な対応や法律の遵守を約束した証言を委員会の公聴会で行っているにも拘わらず、許認可手続再開についてはNRC指示への適合という限定的な対応を示唆したことに失望したとしている。また、2013年11月19日の連邦控訴裁判所判決においても、DOEは法律上の義務を未だに実施していないとされている状況を指摘した上で、質問に対する回答・情報を2014年1月2日までに提出するように要求している。なお、2013年11月19日の連邦控訴裁判所判決では、ユッカマウンテン計画を中止し、代替案を検討するのは1982年放射性廃棄物政策法に違反しているとの判断が示されていた。

書簡では、以下の7つの質問が示されている。

  1. 2013年11月19日の連邦控訴裁判所判決への対応について、DOEは、拠出金額をゼロに変更する提案を行うのか、あるいは、1982年放射性廃棄物政策法の遵守に着手するのか、いずれの意向であるかを示すこと。
  2. 仮に、DOEが拠出金額をゼロにする提案を連邦議会に提出するのであれば、提案の提出期限を示すこと。
  3. 仮に、DOEが1982年放射性廃棄物政策法の遵守に着手するのであれば、処分実施の担当部署である民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)の再設置及び処分場プログラム再開の計画(スケジュールと必要リソースの推定を含む)、関連する契約者の業務委託リストを提出すること。
  4. NRCの2013年11月18日の「覚書及び命令」で要求された、地下水の影響に対応する補足環境影響評価書(SEIS)の完成のための計画(費用・スケジュールの詳細を含む)を提出すること。
  5. NRCにおける許認可手続を完結させるために必要なDOEの推定リソースを提出すること(現状の推定が無い場合は、最も最近の推定)。
  6. DOE次官の月次状況報告書(2013年12月2日)で示された放射性廃棄物基金からの支出59万3,000ドル(約5,810万円)の活動項目別の詳細な明細及び今後2年間の推定支出を提出すること(元ユッカマウンテン従事者の年金債務の関連情報、同年金を放射性廃棄物基金から支給する基準なども提出)。
  7. 上記の月次状況報告書で示されたように、当面の拠出金の徴収継続を含めて放射性廃棄物基金の管理をDOEが行う中で、放射性廃棄物基金の状況に係るOCRWM月次報告書を2010年に廃止した理由を説明すること(以下を含む)。
    1. ある州の電力消費者による放射性廃棄物基金への拠出状況などを公衆が知り得る上記のような報告書の作成・公表を再開する時期
    2. 使用済燃料の発生者(使用済燃料引取り、放射性廃棄物基金への拠出金支払いに係る標準契約を締結した者)における使用済燃料発生日・発生量をDOEが把握している方法及びその公表可能性の説明
    3. これら情報の公表を中止した決定がDOEの公開性・透明性の考え方にどう適合するかの説明

【出典】