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米国

米国の核燃料サイクルのバックエンド政策の包括的な評価を行う「米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会」(以下「ブルーリボン委員会」という)は、2011年7月29日に、設立趣意書において18ヶ月以内に提出が求められていたドラフト報告書を公表した。ブルーリボン委員会では、2011年5月13日の全体会合において、3つの小委員会の勧告案を公表し、その後、各小委員会のドラフト報告書をパブリックコメントに付しており、今回のドラフト報告書は、ここで得られた意見を反映するなどにより作成されたものである。

ブルーリボン委員会のドラフト報告書では、核燃料サイクルのバックエンドの管理に関して、新たに包括的な戦略が必要であり、特に放射性廃棄物の貯蔵施設及び処分施設の立地のための新たなアプローチが必要としている。勧告された戦略には、以下の7つの重要な要素が含まれているとしている。

  1. 適応性があり、段階的で、同意に基づき、透明性があり、基準及び科学に基づいて、放射性廃棄物管理及び処分施設を立地し、開発するためのアプローチ
  2. 米国での放射性廃棄物の輸送、貯蔵及び処分のため、集中的で、統合されたプログラムを開発し、実施するための新しい、単一目的の組織
  3. 放射性廃棄物管理プログラムによる、放射性廃棄物基金の残高と毎年の放射性廃棄物拠出金の利用の保証
  4. 使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の安全な処分のための1つまたは複数の恒久的な地層処分施設の開発のための、可能な限り迅速な取組
  5. 核燃料サイクルのバックエンドの管理のための統合された包括的な計画の一部として、1つまたは複数の集中中間貯蔵施設の開発のための、可能な限り迅速な取組
  6. 現在の利用可能な技術に比較してかなりの利点を提供し、関連した人的ニーズ及びスキル開発の可能性がある、先進的な原子炉及び核燃料サイクル技術に関する研究開発・実証のための安定した長期的なサポート
  7. 地球規模の核不拡散に対応し、全世界の原子力施設及び核物質の安全性及びセキュリティを向上させるための国際的なリーダーシップ

また、ブルーリボン委員会の報告書では、これらの勧告の実現のため、1982年放射性廃棄物政策法及び他の関連法令の改正などの立法措置が必要であるとしている。

  • 新たな処分施設のサイト選定プロセスを確立する
  • 複数の集中中間貯蔵施設のサイト選定、許認可及び建設を認める
  • 新たな廃棄物管理組織を設立する
  • 専用の資金の利用を可能とする
  • 安全な放射性廃棄物管理をサポートするための国際的な取組の推進

一方、放射性廃棄物管理プログラムを再び軌道に乗せるため、放射性廃棄物管理施設のサイト選定に関して、以下に示す事項については、立法措置を待たずに迅速な行動が可能であるとしている。

  • 基本的な初期サイト選定基準を開発すること
  • サイト選定の初期において、一般的な基準を開発し、規制要件のサポートとすること
  • 潜在的な適性を有するサイトを持つような様々な地域からの関心表明を奨励すること
  • サイト選定プログラムの初期のマイルストーンを設定すること

なお、ブルーリボン委員会は、以下の点については検討対象でなかったため、取り扱わなかったとしている。

  • ユッカマウンテンサイトの適性、またはユッカマウンテン処分場の許認可申請の取り下げ申請に対する意見
  • 放射性廃棄物管理システムの構成施設のための特定サイトの提案
  • 米国の将来のエネルギーミックスにおける原子力発電の適切な役割についての判断

ブルーリボン委員会は、今回公表したドラフト報告書に対する意見募集を2011年10月31日まで行うこととしている。なお、ブルーリボン委員会は、設置から24ヶ月以内(2012年1月29日まで)に最終報告書を作成することとされている

【出典】

米国の連邦控訴裁判所1 は、2011年7月1日に、エネルギー省(DOE)によるユッカマウンテン処分場の許認可申請の取下げ申請の可否について、サウスカロライナ州エイケン郡、民間人3名、サウスカロライナ州、ワシントン州が起こした訴訟を併合して手続きを進めきたが、今般、これらの訴えを却下する判決を行った

今回の却下の判決において連邦控訴裁判所は、2010年6月29日に、原子力規制委員会(NRC)の原子力安全・許認可委員会(ASLB)が、DOEによる許認可申請の取下げ申請を認めないと決定したことについて、NRCの委員会がASLBの決定の再審理を行わない場合、またはNRCの委員会が再審理を行い、ASLBの決定を支持した場合に争訟性は失われるとしている。また、NRCの委員会がASLBの決定を再審理し、決定を覆す判断を行った場合にのみ争訟性があるとしている。このため、許認可申請の取下げ申請の可否に関する訴えについて、予測されたように起こらない可能性のある、または全く起こらない可能性のある将来の不確定な事象に基づいているとして、司法判断に適していないとしている。

【出典】

DC巡回区控訴裁判所、判決(2011年7月1日)


  1. 連邦控訴裁判所のうち、コロンビア特別区(DC)巡回区控訴裁判所が担当(米国の首都ワシントンDC地区における訴訟事件を取り扱う)。 []

「米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会」(以下「ブルーリボン委員会」という)は、2011年5月13日に、全体会合を開催し、処分小委員会、原子炉・核燃料サイクル技術小委員会、輸送・貯蔵小委員会からの各々の勧告案の検討を行った。

処分小委員会は、「技術的、社会的、経済的及び政治的に受け入れられる方法及び時間枠の中で、高レベル放射性廃棄物の恒久的な処分のための1つまたは複数の施設を設置することについて、如何に取り組むことができるか」との設問に対して、以下のような7項目からなる勧告案を提示した。

勧告1
  • 米国は、速やかに、高レベル放射性廃棄物の安全な処分のための1つまたは複数の恒久的な地層処分施設の開発を進めるべきである。
    • 恒久的な処分は、すべての合理的に予見できるシナリオの下で必要とされる。
  • 掘削された処分場での地層処分が、高レベル放射性廃棄物を長期間安全に隔離するために利用可能であり、最も有望で技術的に受入可能なオプションである。
勧告2
  • 放射性廃棄物の輸送、貯蔵及び処分のための焦点が絞られ、統合された計画の開発及び実施のため、新しい、単一の目的の組織が必要である。
  • この新しい組織は以下を有するべきである。
    • 焦点を絞り、適切に定義された使命
    • 任務を果たすための財政及び制度化された手段
    • 長期間にわたり制度的及び計画的な安定性を提供するため、十分に独立した権限(財政上、技術上、規制上の適切な監督を受ける)
  • 連邦議会は、新しい廃棄物管理組織の説明責任の確保に対して中心的な役割を担う。
勧告3
  • 放射性廃棄物基金の積立金及び料金支払者や電気事業者からの毎年の基金への拠出金による収入へのアクセスを保証することは、新しい放射性廃棄物管理組織にとって不可欠であり、提供されなければならない。
勧告4
  • 将来において放射性廃棄物管理及び処分施設を立地し、開発するためには、新しいアプローチが必要である。すべての当該施設のためのサイト選定プロセスは、以下のような場合、成功する可能性が高いと確信する。
    • 同意に基づく
    • 透明性が高い
    • 段階的な
    • 適応性のある
    • 基準及び科学に基づく
勧告5
  • 原子力規制委員会(NRC)と環境保護庁(EPA)との規制責任に係る現在の分担は、適切であり維持すべきである。
  • 加えて、これら2つの組織により、サイトに依存しない新しい安全基準が、すべての関連する団体を関与させてインプットを求め、公式に調整された共同プロセスの中で開発されることを要請する。
勧告6
  • 放射性廃棄物処分施設の立地及びその他の側面において、地方、州及び先住民族政府の役割、責任、権限は、連邦政府と処分施設の設置により影響を受ける自治体との間の交渉での一つの要素となる。
  • 地方、州、先住民族等の影響を受けるすべての階層の政府は、最低限、重要な意思決定において意味のある協議上の役割を持つべきである;加えて、州及び先住民族は、連邦より下の階層での監督が効果的に、かつ影響を受ける自治体及び市民の利益を守り、信頼を獲得する上で助けとなるように実施できる場合は、規制、許認可、操業の面にわたる直接的な権限を保持(または適切な場合、委任)すべきである。
勧告7
  • 放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)は、独立した技術的な助言及びレビューの貴重な組織として維持されるべきである。
  • 構成員は、慎重に考慮された、関連のある様々な専門性を有す科学者及びエンジニアを代表すべきである。

また、原子炉・核燃料サイクル技術小委員会は、以下のような勧告案を提示した。

  • 米国政府は、先進炉や核燃料サイクル技術に対する長期的に安定した研究、開発及び実証のための支援を行うべきである。
  • 連邦レベルでのエネルギー政策やプログラムをよりよく調整する必要がある。
  • 連邦の原子力研究、開発及び実証のための資源の一部は、NRCによる先進原子力システムの新しい要素に対する規制枠組みの開発の促進及び予測される研究の支援に向けられるべきである。
  • 米国は、世界的な核不拡散の懸念に対応するための国際的な取り組みにおいて、リーダーとしての役割を継続すべきである。

さらに、輸送・貯蔵小委員会は、以下のような勧告案を提示した。

  • 米国は、速やかに、一つまたは複数の集中中間貯蔵施設を設置すべきである。
  • 既存サイトでの貯蔵方法に関連し、管理不能となるような、安全、またはセキュリティ面でのリスクは存在しない。
  • 現在、廃止措置された原子力発電サイトで貯蔵されている使用済燃料は、利用可能となり次第、最優先で集中貯蔵施設に移すべきである。
  • 米国の放射性廃棄物プログラムを活性化するため、新たな統合された国家レベルのアプローチが必要である。
  • 処分施設のサイト選定及び開発の原則は、中間貯蔵施設、及び輸送の必要性に関する計画策定に対しても適用すべきである。

なお、ブルーリボン委員会は、設置から1年半以内(2011年7月末まで)にエネルギー長官に対してドラフト報告書の提出を行い、2年以内(2012年1月末まで)に最終報告書を提出することとされている

【出典】

【2011年6月21日追記】

ブルーリボン委員会では、2011年5月13日の全体会合において、3つの小委員会からの勧告案が示されていたが、今般、これらの勧告案を含めた各々の小委員会のドラフト報告書が公表された。今後、2011年7月29日には、ブルーリボン委員会全体としてのドラフト報告書を出す予定となっている。
ブルーリボン委員会全体のドラフト報告書の取りまとめに当たって、各小委員会のドラフト報告書をパブリックコメントに付すこととしており、パブリックコメントの期限は、処分小委員会及び輸送・貯蔵小委員会のドラフト報告書については2011年7月1日まで、原子炉・核燃料サイクル技術小委員会のドラフト報告書については2011年7月15日までとされている。

【出典】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会は、2011年3月31日付プレスリリースにおいて、オバマ政権がユッカマウンテン計画を中止すると決定したプロセスに関する調査の開始を通知したことを公表するとともに、エネルギー長官及び原子力規制委員会(NRC)の委員長に宛てた書簡を掲載した。

プレスリリースによると、日本における地震と津波の影響及び損傷を受けた原子炉の状況に鑑み、連邦議会は、使用済燃料の唯一の処分サイトの開発を中止するとしたオバマ政権の決定についての説明を求めるとしている。

また、エネルギー・商務委員会がエネルギー長官に宛てた書簡では、オバマ政権による以下の決定に関する情報を提供するように求めている。

  • ユッカマウンテン処分場の建設認可に関して、NRCが審査中の許認可申請を取り下げたこと
  • 許認可申請の取り下げ申請に関する訴訟が未解決であるにも関わらず、エネルギー省(DOE)がユッカマウンテン計画のサポートを中止したこと

さらに、エネルギー長官に宛てた書簡では、1982年放射性廃棄物政策法に基づくDOEの義務及び責任の実施状況の評価のため、また、DOEが、DOEや納税者の債務の増加につながる活動を行っていないかを判断するため、必要なすべての情報を要求している。

一方、エネルギー・商務委員会がNRCの委員長に宛てた書簡では、以下に関連してNRCの委員長及びNRCが行った特定の行為に疑問があるとしている。

  • NRCが審査中のユッカマウンテン処分場の建設認可に関して、許認可申請の取り下げの提案
  • NRCの全委員が予算の打ち切りを決定していない段階で、NRCのスタッフによる技術的及び安全レビューを含む、ユッカマウンテン処分場の許認可申請の許認可手続きに対する予算打ち切り及び手続きの中止

また、NRCの委員長に宛てた書簡では、1982年放射性廃棄物政策法に基づく法律上の義務及び責任に係るNRCの遂行状況の評価のため、NRCによる決定が、NRCの手続きに従ったものであるのか、また、政策上、法律上及び予算上の影響についての情報及び検討を含んだものであるのかを評価するため、必要な情報を求めるとしている。

さらに、NRCの委員長に宛てた書簡では、NRCの委員長及びNRC、NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)が行った行為及び決定を含め、ユッカマウンテンの許認可申請書に関するすべての行為・決定を時系列で示すことなど、7項目に要求を2週間以内に文書で回答することを求めている。

ユッカマウンテン処分場の開発に関して、DOEは、2010年3月3日、NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)に対して許認可申請を取り下げる申請書を提出していた。この取り下げ申請に対して、ASLBは、2010年6月29日に、申請を認めない決定を下したが、現在までのところNRCの最終判断は示されていない。また、NRCの委員長は、独自の判断に基づいて、ユッカマウンテン処分場の許認可申請書の技術的な審査を停止するよう、NRCスタッフに指示していた。さらに、2012会計年度の予算要求に関しては、歳出法案が成立していないものの、ユッカマウンテン処分場開発関連及びNRCの処分場の許認可申請書の審査に係る予算はゼロとされている

【出典】

米国の核燃料サイクルのバックエンド政策の包括的な評価を行う「米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会」(以下「ブルーリボン委員会」という)は、2011年3月25日、ブルーリボン委員会がこれまでに受けた証言やコメントの主要な論点を取りまとめた報告書(以下「証言等報告書」という)を公表した。証言等報告書は、ブルーリボン委員会が事務局に対して作成を指示したものであり、ブルーリボン委員会の設置から1年半以内にエネルギー長官に対してドラフト報告書の提出を行うこととされているが、ドラフト報告書を検討する上で、ステークホルダや公衆の主要な懸案事項を認識していることを確認するためのものとしている。

ブルーリボン委員会は、証言等報告書の公表により、以下のことを期待しているとしている。

  • これまでにブルーリボン委員会に対して意見を表明した個人や組織に対して、主要な主張が理解されているかを確認する。また、反映されていない点を主張する機会を与える。
  • ブルーリボン委員会の活動に関心を有しているが、これまでに意見などを表明していない個人や組織に対して、見落とされている課題として、ブルーリボン委員会がエネルギー長官への報告を準備する際に考慮すべきと考えられる点を提起する機会を与える。

証言等報告書では、以下の7つのテーマごとに、ブルーリボン委員会がこれまでに聴取した主な論点が示されている。

  1. 計画のガバナンス・実施
  2. 放射性廃棄物の拠出金及び基金
  3. サイト選定のアプローチ
  4. 原子炉及び核燃料サイクルの技術
  5. 高レベル放射性廃棄物の輸送
  6. 使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の貯蔵
  7. 高レベル放射性廃棄物の処分システム

主な論点のうち、サイト選定のアプローチに関しては、サイト選定プロセスにおいて信頼の構築、詳しい説明による合意形成、地域社会の関与が強調されるべきであり、これらはサイト選定だけでなく、貯蔵及び処分施設の建設、操業においても強調されるべきものであるなどの証言があったとされている。また、高レベル放射性廃棄物の処分システムに関しては、使用されている原子炉や核燃料サイクル技術によらず、特定の放射性廃棄物は長期的な隔離が必要であることが、米国だけでなく、国際的にコンセンサスが得られている考え方であるといった意見があったとされている。

今後、証言等報告書及び報告書に対して寄せられた意見は、ブルーリボン委員会がエネルギー長官への勧告案を策定するに当たってオプションの精査を行うために活用するとしている。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)は、2011年2月25日付連邦官報において、クラスCを超える低レベル放射性廃棄物(以下「GTCC廃棄物」1 の処分オプションに関するドラフト環境影響評価書(DEIS)を公表し、DEISに対する公聴会の開催及び意見募集の開始を告示した。今回のDEISでは、GTCC廃棄物に適用される複数の処分方策を提示しているが、最終的な特定には至っていない。処分方策を含む望ましい管理方策は最終環境影響評価書(FEIS)において提示する予定としている。

同DEISでは、GTCC廃棄物の将来の管理方策について、以下のように、現行の管理の継続という選択肢に加えて、4つの処分方策に関する評価が行われたことが示されている。

  1. 現行の管理の継続(現在実施されているGTCC廃棄物発生施設等での貯蔵の継続)
  2. 廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での処分
  3. ハンフォード・サイト、アイダホ国立研究所、ロスアラモス国立研究所、ネバダテストサイト、WIPP近傍やその他商業サイトにおける、新たな中深度ボーリング孔での処分
  4. 上記3.で示したサイトにサバンナリバー・サイトを加えたサイトにおける、新たな強化型浅地中処分施設で処分
  5. 上記4. で示したサイトにおける、新たなボールト処分施設で処分(地表面下約5mのボールトに処分)

GTCC廃棄物の処分のオプションに関する環境影響評価については、DOEが、2007年7月20日に実施することを公表しており、評価対象の一つとしてユッカマウンテン処分場での地層処分を示していた。しかし、オバマ政権が、ユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物の処分場開発が実行可能なオプションではなく、同計画は中止すべきであるとする方針を示していた。そのため、ユッカマウンテンにおいてGTCC廃棄物専用の処分場を建設するのは合理的なオプションではないとして、ユッカマウンテン処分場はGTCC廃棄物の処分オプションの評価対象とされていない。

また、DOEは、DEISに対する意見募集を2011年7月23日まで行い、さらに、2011年4月19日から5月25日の間に、9か所で公聴会を開催するとしている。

DEISでは、DOEがFEISにおいて示す望ましい管理方策は、複数の方策を組み合わせたものとなる可能性も示されている。また、望ましい管理方策は、DOEの役割及び責任を満たすものとして、以下を考慮に入れて特定するとしている。

  1. DEISに対する意見募集期間中に寄せられた意見
  2. DOE及び原子力規制委員会(NRC)の低レベル放射性廃棄物処分の要件(10 CFR Part 61及びDOE指令435.1)
  3. DEISに示された環境、技術、経済面及びその他の知見

DEISで検討された「GTCC廃棄物の将来の管理方策」の概念
図:GTCC廃棄物等に対するドラフト環境影響評価書 概要(DOE、2011年2月)より引用
処分方策1 処分方策2 処分方策3 処分方策4

DEISにおいて評価対象とされたWIPP処分場の鳥瞰図

DEISにおいて評価対象とされたWIPPの鳥瞰図

中深度ボーリング孔での処分

中深度ボーリング孔での処分

強化型浅地中処分施設で処分

強化型浅地中処分施設で処分

ボールト処分施設

ボールト処分施設

 

【出典】

 

【2013年7月23日追記】

米国のエネルギー省(DOE)の国家環境政策法(NEPA)の担当部署であるNEPA政策・コンプライアンス局は、クラスCを超える低レベル放射性廃棄物(以下「GTCC廃棄物」という。)の処分に関する最終環境影響評価書(FEIS)を2013年9月に公表するとした、2013年7月15日付けの主要スケジュールを公表した。

GTCC廃棄物処分については、2011年3月にドラフト環境影響評価書(DEIS)において複数の処分方策を提示した上で、2011年4月から5月に全米各地で公聴会を開催していたが、FEISの作成・公表は当初予定より遅延し、未定となっていたものである。

GTCC廃棄物処分の担当部署であるDOEの環境管理局(EA)は、GTCC廃棄物に関する特設サイトを開設して種々の情報を提供しているが、DEISの公聴会の発言録も本サイトで公表している。なお、DEISでは、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での処分がGTCC廃棄物に関する管理の選択肢の一つとなっているが、WIPPの地元であるニューメキシコ州カールスバッドにおいて2011年4月26日に行われた公聴会の発言録には、GTCC廃棄物の処分場を誘致する主旨の発言が見られる。

【出典】

 


  1. 米国では、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法及び同法に基づく原子力規制委員会の連邦規則(10 CFR Part 61)において、地下30m以浅に処分が可能な低レベル放射性廃棄物としてクラスA、B、Cの分類が定められている。GTCC廃棄物は、放射能濃度などがクラスCの制限値を超える放射性廃棄物で、同法・規則に基づいて操業されている低レベル放射性廃棄物処分場での処分は行えないものである。「GTCC」はGreater Than Class C(クラスCを超える)の略。 []

2010年2月14日、米国で2012会計年度1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表されるとともに、エネルギー省(DOE)のウェブサイトでDOEの予算要求資料が公表された。

DOEの予算要求資料では、2010会計年度末までに、ユッカマウンテンプロジェクトは中止され、DOEの民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は閉鎖されたとして、ユッカマウンテン処分場開発の予算要求額はゼロとなっている。また、オバマ政権がユッカマウンテン処分場開発は実行可能なオプションではないと決定し、2010会計年度中に処分場の許認可申請の取り下げ申請書を原子力規制委員会(NRC)に提出するとともに、放射性廃棄物管理及び処分の新たな戦略を策定しながら政権に報告するブルーリボン委員会を設置したとしている。

また、ユッカマウンテン処分場の許認可申請書の審査を行っているNRCは、許認可申請書の審査の中止作業が2012会計年度開始までに終了するとの理由から、2012会計年度の予算要求をゼロとしている。

一方、DOEのユッカマウンテン処分場開発関連の予算については、2011会計年度の予算要求においてもゼロとされていた。その後、連邦議会では、2011会計年度の歳出法案は可決されておらず、4度の継続予算決議が行われ、現在は2011年3月4日までの継続予算が成立している。

連邦議会下院歳出委員会は、2011年2月11日、2011会計年度の残りの期間を対象とした継続予算法案を提出した。同法案において、ユッカマウンテン処分場開発関連予算は、2010会計年度の歳出予算額から280万ドル削減された金額となっている。また、同法案では、NRCの委員が、NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)による処分場の許認可申請の取り下げを認めないとする決定を破棄するまで、処分場の許認可申請の審査に関連した活動を中止する目的で、予算が使用されることを禁止するとしている。

【出典】

【2011年4月19日追記】

2011年4月14日、米国の連邦議会は、2011会計年度の2011年9月30日までを対象とした継続歳出法案を可決した。同法案では、エネルギー省(DOE)に対するユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物処分場開発関連予算はゼロとされている。その他の高レベル放射性廃棄物関連では、原子力規制委員会(NRC)に対して放射性廃棄物基金から1,000万ドルが割り当てられている。なお、2011年2月11日に下院歳出委員会が提出した継続予算法案においては、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請の取り下げ申請を認めないとするNRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)の決定をNRCの委員が破棄するまで、許認可申請の審査に関連する活動の中止のために予算を使用することを禁止するとされていた。しかし、今回可決した継続歳出法案では、使途などについては記されていない。

【出典】

【2011年12月20日追記】

2011年12月17日、米国連邦議会は、エネルギー省(DOE)の歳出予算などを含む2012会計年度の一括歳出法案を可決した。同法案では、ユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物処分場に係る開発関連予算はゼロとされている。また、DOEに対しては、ブルーリボン委員会の2012年1月29日に予定されている最終報告書の公表後6カ月以内に、使用済燃料などの管理戦略を策定するよう指示している。なお、同法案では、原子力規制委員会(NRC)のユッカマウンテン処分場に係る許認可審査関連費用についても、予算が割り当てられていないものとなっている。

【出典】


  1. 米国における会計年度は前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2012会計年度の予算は2011年10月からの1年間に対するものである。
    []

米国の連邦議会下院のシンプソン議員(共和党、アイダホ州選出)ら14名の共和党議員は、2010年11月18日、原子力規制委員会(NRC)委員長がユッカマウンテン処分場の許認可申請書の審査を中止したことに対して、決議案を連邦議会下院に提出した。その中で、NRC委員長の一方的な決定を非難するとともに、連邦議会の更なる指示があるまでは審査を即座に再開するようNRCに対して求めている。NRC委員長は、独自の判断に基づいて、ユッカマウンテン許認可申請書の技術的な審査を停止するよう、NRCスタッフに指示したとされている

シンプソン議員の2010年11月18日付プレスリリースによると、NRC委員長は、2011会計年度の予算要求における現政権の考え方に基づいて、ユッカマウンテン処分場の許認可申請書の審査を中止するとしているが、2010年10月1日から始まる2011会計年度予算は承認されていないため、現在のNRCの活動は、暫定的に継続予算の下で運営されているとしている。

今回提出された決議案の前文には、次の13の項目が挙げられている。

  • 連邦議会上下両院は、1987年に、ユッカマウンテンを唯一の処分場サイトのオプションと指定するように1982年放射性廃棄物政策法を改正した(下院237対181、上院61対28で賛成多数)
  • 上下両院は、2002年に、ユッカマウンテンを唯一の処分場サイトのオプションとすることを再確認した(下院306対117、上院60対39の賛成多数)
  • 連邦議会下院は、2007年に、ユッカマウンテン計画の予算を削除する案を圧倒的多数で否決した(80対351の反対多数)
  • エネルギー省(DOE)は、電気事業者及び消費者からすでに240億ドル(2兆400億円)の拠出金を徴収している
  • 高レベル放射性廃棄物処分サイトとしてユッカマウンテンを検討するため、すでに連邦の納税者は、85億ドル(約7,200億円)以上を使用している
  • 民間の原子力発電所からの使用済燃料や高レベル放射性廃棄物を処分するとの契約の違反によるDOEの債務は、500億ドル(約4兆円)に達する可能性がある
  • NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)は、DOEはユッカマウンテン処分場の許認可申請書の取り下げが法的にできないとの決定を行った
  • 2010会計年度のエネルギー・水資源開発及び関連機関歳出法では、ユッカマウンテン処分場の許認可申請書の審査を継続するための費用が認められていた
  • 連邦議会は、ユッカマウンテン処分場の許認可申請の中止に関連した活動のための予算を認めていない
  • 2011会計年度での継続予算では、新規の計画を実施するための予算は認めていない
  • 連邦議会下院歳出委員会・エネルギー・水資源開発小委員会の共和党議員は、2010年10月20日付の書簡において、連邦議会がさらなる指示及び予算を与えるまで、NRCは2010会計年度の許認可申請書の審査を継続するものと想定すると述べている
  • 2名のNRC委員は、許認可申請書の審査を中止する決定に同意せず、審査の中止は2011会計年度での継続予算と矛盾していると言及していた
  • NRCの監察官(IG)は、ユッカマウンテン処分場の許認可申請書の審査を中止するとのNRC委員長の一方的な決定に関する調査を開始している

さらに、シンプソン議員はプレスリリースにおいて、連邦議会やNRCの他の委員の支持がない状態で、NRC委員長がユッカマウンテン計画を一方的に中止しようすることは不当であり、NRCの高い評価を脅かす行為であるなどとしている。

なお、2010年11月2日の連邦議会の中間選挙の結果により、2011年1月に開始される第112議会では、連邦議会下院は共和党が、上院は民主党が過半数を占める状態になる。

【出典】

米国の環境保護庁(EPA)は、2010年11月18日に、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)についての適合性再認定の決定を行った。WIPPは、1999年3月から軍事用のTRU廃棄物の地層処分が開始されているが、1992年WIPP土地収用法により、処分開始以降の5年毎に、廃止措置段階が終了するまで、連邦規則の要件に適合していることの認定を受けることが要求されている。前回は2006年3月29日に適合性再認定の決定が行われており、今回は2度目の適合性再認定に当たり、2009年3月24日に適合性再認定申請書を連邦エネルギー省(DOE)がEPAに提出していた

連邦官報に掲載された適合性再認定の決定文書において、適合性再認定の決定は、DOEが提出した書類の審査、独自の技術的な解析、パブリックコメントに基づいて行われたことが示されている。また、本決定は、WIPPの操業開始に係る適合性認定の決定を再検討するものではなく、WIPPでの種々の変更点を評価して、連邦規則の要件への適合性を判断するものであるとしている。さらに、EPAは、DOEが継続してWIPPに適用される全ての連邦規制の要件を満たしていることを確認したとしている。

なお、DOEの適合性再認定申請に関する説明資料においては、前回の適合性再認定申請書からの大きな変更はないものの、以下のような変更点があったとされている。

  • TRU廃棄物のインベントリ(既に処分された廃棄物、処分予定の廃棄物、将来発生が予測される廃棄物で情報をアップデート)
  • 遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物(RH廃棄物。WIPPでは2007年1月からRH廃棄物の処分が行われている)
  • 性能評価(処分場の長期性能評価で使用するコンピュータ・モデルでの、ガス発生モデル、パラメータなどの変更、コードの更新・改良)
  • 人工バリア(放射性核種の移行を遅延するために人工バリアとして使われる酸化マグネシウムの使用量の低減)
  • ピア・レビュー(RH廃棄物の目視検査データの確認及びロスアラモス国立研究所での密封線源に関するWIPPピア・レビューの文書化及び結果)

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)は、2010年10月7日付けのプレスリリースにおいて、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での廃棄物の受入れが、2010年10月5日(火)に、9,000回に達したことを公表した。WIPPでは、1999年3月から軍事関連で発生したTRU廃棄物の地層処分が開始されている。

同プレスリリースによれば、これまでに米国内の17のサイトにおいて、作業者、公衆及び環境に安全な方法により、TRU廃棄物のWIPPへの搬出を実施してきたとしている。具体的には、アイダホ・サイト、ロッキーフラッツ環境技術サイト、サバンナリバー・サイト、ハンフォード・サイト及びロスアラモス国立研究所を含む各地から70,800m3(200リットルドラム換算で35万4千本)以上のTRU廃棄物がWIPPにおいて処分された。この間、TRU廃棄物の総輸送距離は1,070万マイル(1,720万km)以上となっているが、これまでに大きな事故や放射性物質の放出は起こっていないとしている。

今回、9,000回目の受入れとなったTRU廃棄物は、アイダホ・サイトからの「直接ハンドリングが可能なTRU廃棄物」(CH廃棄物)とされている。WIPPが1999年の操業開始からこれまでに受入れたTRU廃棄物のうち、ほぼ半数がアイダホ・サイトからのものとされている。

WIPPでは、2006年9月に、TRU廃棄物の5,000回目の受入れを達成している。また、当初、CH廃棄物のみが処分されていたが、2007年1月からは「遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物」(RH廃棄物)の受入れも開始されている

なお、WIPPについては、環境保護庁(EPA)により5年ごとに連邦規則への適合性認定、または適合性再認定を受けることが必要とされており、2006年3月29日にEPAが最初の適合性認定の決定を行っている。また、2009年3月24日に2回目の適合性再認定申請が行われ、現在審査が行われている。

【出典】

【2011年9月30日追記】

米国のエネルギー省(DOE)は、2011年9月28日付けのプレスリリースにおいて、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での廃棄物の受入れが、2011年9月24日(土)に、10,000回に達したことを公表した。

同プレスリリースによれば、WIPPは、これまでに77,000m3(200リットルドラム換算で38万5千本)以上のTRU廃棄物を受け入れ、処分してきたとしており、この間、総輸送距離にして1,200万マイル(約1,930万km)以上、TRU廃棄物を安全に輸送してきたとしている。

また、2011年8月時点において、冷戦時代の遺産でクリーンアップが必要な面積を55%削減したとしている。米国復興・再投資法に基づく投資によりクリーンアップ作業を加速することができたとしており、TRU廃棄物プログラムのライフサイクルコストを12億ドル(1,020億円)低減することができたとしている。

【出典】