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フランス

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の6月30日付けのプレスリリースによれば、ANDRAが国家放射性廃棄物インベントリレポートの2009年版を策定し公開した。ANDRAは3年毎にインベントリレポートを改訂することが法律で規定されており 、前回のレポートは2006年に策定されていた

プレスリリースによれば、今回のレポートでは、2007年末迄に発生している放射性廃棄物のインベントリ情報に加えて、2020年及び2030年段階での発生量の予測値も含まれている。このような情報は、今後の廃棄物管理政策を実施するうえで、特に3年毎に政府が策定することとなっている「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR) の策定等において重要なツールであるとしている。また、今回の改訂での重要なポイントとして、過去の活動等により発生した放射性廃棄物等の情報に幅を広げていることが挙げられている。

公開された国家放射性廃棄物インベントリレポートは、次の3つの詳細レポートで構成されており、それらの内容を紹介する概説資料とともに、ANDRAのホームページからダウンロードが可能となっている(フランス語のみ)。

  • 総論レポート
  • 廃棄物分類別インベントリ(廃棄物の特性分類別のインベントリ情報を整理)
  • 地域別インベントリ(地域別のインベントリ情報を整理)

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr/

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の2009年6月24日付のプレスリリースによると、フランス政府は、長寿命低レベル放射性廃棄物(黒鉛及びラジウム含有廃棄物)処分の候補サイトとして、オーブ県にある2つの自治体(コミューン)、オークソンとパール・レ・シャヴァンジュを選定した。両地域では2009年から2010年にかけて詳細な調査が実施される。政府は処分サイトの最終決定を行う前の2011年に公開討論会を開催することも要請している。

同プレスリリースによると、両自治体は、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が地質学的に好ましい地域に属する3,115の自治体に対して2008年6月から開始した処分場の募集 に応じた約40の自治体の中から選定された。今後、2009年から2010年にかけての両地域における地質及び環境に関する調査の実施により、中深度(深度15m~200m)での処分の実現可能性が確認される。政府は今回の選定において、2008年12月末にANDRAが提出した地質及び環境に関する調査報告書を拠り所とした。更に政府は、関係地域からの選出議員との協議に加え、原子力安全機関(ASN)及び放射性廃棄物等の管理に関する研究進捗状況を評価する国家評価委員会(CNE)との協議も行っており、両組織はANDRAの報告書の内容確認も行っている。これらの協議により、選定された両地域がプロジェクトの遂行にとって最も望ましい指標を示すという結果が得られたとしている。

両自治体における調査が終了した後、処分サイトが決定される前の2011年には公開討論会が開催され、両自治体に対しては処分場立地の意思確認が行われる。また、同プレスリリースでは、今回の選定を含めた今後のスケジュールについて、次のように示している。

  • 2009年6月:政府による、詳細な調査を実施する2つの自治体の選定
  • 2009年~2010年:地質及び環境に関する調査、処分場に関する情報提供と対話、自治体による地域プロジェクト開発、処分場概念やエンジニアリングに関する検討等
  • 2011年:自治体の意思確認のための公開討論会の開催と政府によるサイトの選定
  • 2011年末~2014年:選定サイトにおける詳細調査の継続、処分場の設置許可の準備と申請
  • 2015年~2016年:公衆意見聴取と設置許可申請のレビュー、処分場建設の認可申請、地域情報委員会(CLI)の設置
  • 2017年~2019年:処分場の設置許可交付を条件としての、処分場の建設と施設の操業許可申請
  • 2019年~2040年:処分場の操業
  • 2040年~:処分場の閉鎖と監視

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、2009年6月24日付のプレスリリース

【2009年6月26日追記】

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は自身のウェブサイトで、長寿命低レベル放射性廃棄物の処分場に関する2009年6月24日付のプレスリリースを掲載するとともに、“2009年及び2010年におけるオークソン及びパール・レ・シャヴァンジュ自治体(オーブ県)での詳細調査”と題するプレス資料を公表した。同ウェブサイトやプレス資料によると、今後の詳細な調査は、今回選定された2つの自治体にある3つの候補サイトで実施される(オークソン自治体では北部と南部の2つの候補サイト、パール・レ・シャヴァンジュ自治体では1つの候補サイト)。また、公開されたプレス資料では、これまでの選定経緯として、約40の応募自治体の殆どがANDRAの既存の施設(低中レベル放射性廃棄物処分場や地層処分研究のためのビュール地下研究所)の周辺からのものであったこと、応募した自治体のうち、2009年5月までに9つの自治体が応募を取り下げたこと、2008年10月の応募締め切り後に、ANDRAが地質、環境、社会経済的な観点での評価を行い政府に報告したことが示されている。

また、今回の政府による候補サイトの選定に関して、原子力安全機関(ASN)は2009年6月25日付のプレスリリースにおいて、ASNは政府からの要請により、ANDRAが提出した地質及び環境に関する調査報告書に対する意見書を2009年1月15日に策定していたことを紹介し、同意見書を公表した。同意見書では、ANDRAが地質学的評価において採用した基準が、2008年5月にASNが策定した同処分の安全に関する一般方針に合致したものであるとしている。

【追記部出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr
  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の2009年6月24日付のプレス資料、http://www.andra.fr/download/site-principal/document/dossiers-de-presse/090624_projet_favl.pdf
  • 原子力安全機関(ASN)の2009年6月25日付プレスリリース、http://www.asn.fr/dechets-de-faible-activite-vie-longue-l%E2%80%99asn-publie-son-avis-relatif-l%E2%80%99analyse-du-contexte-geologique
  • 原子力安全機関(ASN)の2009年1月15日付の意見書、http://www.asn.fr/sites/default/files//files/AVIS-2009-AV-0068-ANDRA.pdf

【2009年7月10日追記】

オーブ県は2009年7月9日付のプレスリリースで、長寿命低レベル放射性廃棄物処分の候補サイトとして選定されていた同県のパール・レ・シャヴァンジュ自治体がサイト選定プロセスから辞退したことを公表した(同プレスリリースには辞退の理由等の情報は示されていない)。また、同プレスリリースでは、政府が代替候補サイトの選定の準備を進めていることも伝えられている。
放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のウェブサイトでは、2009年7月4日に同自治体の議会が辞退を決定したとされている。

【追記部出典】

  • オーブ県の2009年7月9日付のプレスリリース、http://www.aube.pref.gouv.fr/andra_un_point_presse_s_est_tenu_ce_soir_sur_le_processus_de_recherche_d_un_site_pour_accueillir_un_centre_de_stockage_de_dechets_radioactifs_de_faible_activite-h1128.html
  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr/index.php?id=actualite_6_6_1&art=5286

【2009年8月18日追記】

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が同機関のウェブサイトにおいて、長寿命低レベル放射性廃棄物処分の候補サイトとして選定されていたオークソン自治体の議会が、サイト選定プロセスからの辞退を2009年8月11日に決定し、併せて、同自治体長が同年8月4日付けで辞表を提出していることを伝えた。

オークソン自治体が属するオーブ県は、同自治体議会決定の法的有効性を踏まえて、オークソン自治体のサイト選定プロセスからの辞退を今後正式決定する予定である。ANDRAは、辞退の正式決定の後に、処分プロジェクトの今後についての発表を行うとしている。

なお、オークソン自治体長が8月4日付けで県に提出した辞表に関連して、フランスの国内メディアは次のように伝えている。

  • 辞表に対するオーブ県の対応は9月5日まで保留。
  • 自治体議会の賛成を得て昨年10月に自治体として候補サイトへの応募をしたにもかかわらず、今回の自治体議会議員の態度変化への落胆等が自治体長の辞意理由の1つ。

【追記部出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr/index.php?id=actualite_6_6_1&art=5293
  • France 2 ウェブサイト、http://info.france2.fr/environnement/56545041-fr.php

フランスの原子力安全機関(ASN)の2008年6月16日付のプレスリリースによると、ASNは16頁からなる「長寿命低レベル放射性廃棄物(黒鉛及びラジウム含有廃棄物)処分場のサイト調査等に向けた安全に関する一般方針」を発行した。同処分場のサイト選定については、2008年6月から放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が公募によって選定を開始し、2013年末までに処分場の設置許可を申請して2019年には操業を開始するというスケジュールを、既にフランス政府が公表している

同プレスリリースによると、原子力安全機関(ASN)は2006年より長寿命低レベル放射性廃棄物処分における、原子力安全、人の健康及び環境の保護に関連する要件の特定、及びその安全性の立証に必要となる基準の準備に向けた検討に着手していた。この要件や基準は、特に処分場が設置される地質環境特性と関連付けられるものとされている。これらを含む文書は、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の支援や放射性廃棄物管理機関(ANDRA)からの情報等を得て、今後の同処分場のサイトの調査及び施設設計段階において参照される、安全に関する一般方針として策定されたものである。また、この方針で示された要件や基準は、ASNが今後準備する「安全指針」に取り込まれるとされている。
なお、今回の安全に関する一般方針で示されている主要な項目は以下のとおりである。

  • 人の健康及び環境の保護に関する目標
  • 施設の安全原則及び設計の考え方
  • 施設閉鎖後の安全性の立証方法

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)、2008年6月16日付のプレスリリース、http://www.asn.fr/sections/accueil/actualites/asn-publie-note-d-orientations-generales

フランスのエコロジー・エネルギー・持続可能開発・国土整備省は、2008年6月5日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)に長寿命低レベル放射性廃棄物処分場(黒鉛及びラジウム含有廃棄物)のサイトの選定を公募により開始するよう求めたことを公表し、同サイト選定が地域の民主主義に則った立候補に基づく透明なプロセスによって進められると伝えている。

同プレスリリースでは、今後のスケジュールとして、2010年末までにサイトを選定し、2013年末までに処分場の設置許可を申請して2019年には操業を開始することが示されている。処分場の操業開始時期については、2006年の「放射性物質及び放射性廃棄物の持続可能な管理計画法」 の第4条では、2013年までに開始することとされていたが、2007年12月にANDRAは政府に対して操業開始時期を2019年にするという新たなスケジュールを提案し、政府は2008年6月2日付のANDRAへの書簡で、これを認めていた。

プレスリリースによれば、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2008年6月より地質学的な観点から潜在的に好ましいサイトを有する自治体(コミューン)の公募を開始する。その後ANDRAは、2008年末までに応募申請のレビューを行い、2つないし3つの候補サイトを選定し、2009年から2010年にかけてこれらの候補サイトに関する総合的な調査を実施する。また、今後の見通しとして、現場調査段階への移行は地元の議員や住民との意見交換などを経て実施されること、公衆との協議の結果や地域開発プロジェクトと処分事業の統合などがサイト選定の重要な基準になることが示されている。

2008年4月に公布された「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)に関連するデクレ(政令) では、長寿命低レベル放射性廃棄物は、短寿命低中レベル放射性廃棄物のような浅地中処分ができない廃棄物と位置付けられていた。今回のプレスリリースでも、長寿命低レベル放射性廃棄物の処分の技術的オプションとして、やや深い地層での処分が念頭に置かれている。

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)がウェブサイトで公表した資料によると、処分場の設置対象となる地層は透水性の高くない50m以上の厚さを持つ地層。処分深度は地下200mまでとしている。また、同資料では、長寿命低レベル放射性廃棄物処分場の深度について、同国で計画されている地層処分(高レベル・長寿命中レベル放射性廃棄物の処分)が予定している深度(地下500m程度)と同等とすることは適切では無いとしている。

【出典】

  • エコロジー・エネルギー・持続可能開発・国土整備省、2008年6月5日付のプレスリリース、 http://www.developpement-durable.gouv.fr/IMG/pdf/05_06_2008_-_Gestion_durable_dechets_radioactifs_cle5234dc.pdf
  • エコロジー・エネルギー・持続可能開発・国土整備省、2008年6月2日付の放射性廃棄物管理機関(ANDRA)への書簡、 http://www.andra.fr/IMG/pdf/FAVL-lettre_mission_favl.pdf
  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr/sommaire.php3

【2008年6月25日追記】

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2008年6月23日に同機関のウェブサイトにおいて、長寿命低レベル放射性廃棄物の処分場サイトとして地質学的に好ましい地域に属する3,115の自治体(コミューン)に対して、サイトの公募に関連する資料を6月中旬に送付したことを公表した。また、これらの関連資料は同ウェブサイトでも公開されており、サイトの選定方法、処分対象廃棄物やその処分概念、今後のスケジュール、処分場受け入れ地域への経済効果や地域振興などについての情報が提供されるとともに、これらの情報を取りまとめたパンフレットのダウンロードが可能である(これらの情報の一部を以下に抜粋して示す)。

  • 処分場サイトとして地質学的に好ましい地域に関する情報:地図を用いて具体的に提示。
  • 今後のスケジュールに関する情報:既に公表されていた操業を開始する2019年迄のサイト選定スケジュールに加え、自治体からの応募の締め切り時期(2008年10月末)及び2019年以降の事業スケジュール(2040年まで操業、2040年の操業停止後監視段階へ移行)を提示。
  • 処分概念:処分深度は15~200m。併せて、ANDRAが計画・検討している黒鉛及びラジウム含有廃棄物の処分概念例として、両廃棄物の同一深度(場所)への処分(レファレンス概念)、両廃棄物の同一サイトでの異なる深度(場所)での処分(代替概念)等を紹介。
  • 処分場受け入れ地域における経済効果や地域開発に関する情報:オーブ処分場、ラ・マンシュ処分場及びビュール地下研究所での事例を紹介。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr
  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr /interne.php3?&id_rubrique=180

フランスの原子力安全機関(ASN)は、2008年4月24日付けプレスリリースにて、ASNと産業省エネルギー・資源総局(DGEMP)によって2006年に策定された「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)に関連するデクレ(政令)が2008年4月18日に公布されたことを公表した。同デクレの制定は、2006年の「放射性物質及び放射性廃棄物の持続可能な管理計画法」(以下「放射性廃棄物等管理計画法」という)の第6条において規定されており、策定された国家計画を具体的に施行させるものである。

放射性廃棄物等管理計画法では地層処分について、2015年までに処分場の設置許可申請、2025年には操業が開始できるように研究・調査を実施することが規定されている。同デクレでは、放射性廃棄物等管理計画法の規定に従い、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が実施すべき事項や時期について、次のように具体的に規定している。

    処分場の建設許可申請に先立って実施される公開討論会のための書類作成を目的とする研究を地下研究所の周辺区域(250km2)において実施する1)

  • 2009年末までにエネルギー、研究及び環境担当の大臣に次のことを提案する。
    -処分場の建設に適した制限区域(30km2)の選定
    -設計、操業安全及び長期安全、可逆性に関するオプション
    -対象となる廃棄物のインベントリモデル
    -処分場を補完する貯蔵施設のオプション
  • 公開討論に資する研究成果や処分場サイトに関する提案を含む資料を、2012年末までにエネルギー、研究及び環境担当の大臣に提出する。
  • 遅くとも2014年末までに、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は地層処分場の建設許可申請書を提出する。

また同デクレでは、長寿命低レベル放射性廃棄物(黒鉛・ラジウム廃棄物)について以下を規定している。

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は2009年末までに、廃棄物を受け入れることができるサイトの現地調査に基づく分析結果をエネルギー、研究及び環境担当の大臣に提出する(処分場サイトに関する地質学的・環境的選定基準との適合性を評価するため)。
  • 2013年の処分場操業(放射性廃棄物等管理計画法で規定)までは貯蔵を行う。

【注1】
ANDRAによるムーズ県の南部からオート=マルヌ県の北東部にまたがるビュール地下研究所の周辺区域(250km2)における調査研究は、2007年9月に既に開始されている

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)、2008年4月24日のプレスリリース、http://www.asn.fr/sections/accueil /actualites/decret-precise-conditions-gestion
  • Décret n° 2008-357 du 16 avril 2008 pris pour l’application de l’article L. 542-1-2 du code de l’environnement et fixant les prescriptions relatives au Plan national de gestion des matières et des déchets radioactifs〔環境法典のL542-1-2条の適用のために採択され、放射性物質及び放射性廃棄物国家管理計画に関連する規定を定める2008 年4月16日付のデクレ2008-357〕
  • Plan National de Gestion des Matières et des Déchets Radioactifs 2007 – 2009 〔放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画(PNGMDR)〕

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2008年4月2日付のプレスリリースにおいて、ビュール地下研究所近傍で地層処分に関する技術センターの建設を開始したことを公表した。このセンターでは地層処分プロジェクトが公衆に紹介される予定であり、2009年上半期に一般公開される。技術センターは2008年3月より敷地整備等の建設工事が開始されている。

技術センターはビュール地下研究所の南西500mのオート=マルヌ県のソードロン(Saudron)に建設されている。同センターは、4,000m2の広さの施設であり、このうち3,000m2を占める部分では、可逆性のある地層処分に適用される各種設備や機器のプロトタイプなどの試験や有効性の確認が行われる。これらを公開することで、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2015年に設置許可申請を予定している地層処分場について、より具体的に理解できるようになることが期待されている。また、この技術センターには、多目的ホールと会議室からなる1,000m2の情報提供スペースが併設されることとなっている。

技術センターのイメージ(放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のプレスリリースから引用)

長寿命中レベル放射性廃棄物用コンテナ(左)及び廃棄物運搬機器の実証設備(右) (放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のプレスリリースから引用)

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、2008年4月2日のプレスリリース、http://www.andra.fr/popup.php3?id_article=1052

フランスの規制当局である原子力安全機関(ASN)は、2008年3月21日付のプレスリリースで、放射性廃棄物の地層処分場に関する安全指針を公表した。同指針は、地層処分場の操業終了後の安全確保のために、1991年6月に当時の安全規制当局により策定された、処分場に関連する調査・建設段階における安全目標を定めた安全基本規則(RFS)III.2.fに代わるものとされている。

同プレスリリースによると、原子力安全機関(ASN)は、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が1991年放射性廃棄物管理研究法のもとに実施した研究から得られた知見、国際的な見解、2006年放射性廃棄物等管理計画法の規定を反映させるために今回の改定を行ったとしている。なお、ASNは、今回の改定文書が規則の性格を持つ安全目標に加え、目標の達成方法についても説明しているため、安全基本規則ではなく安全指針として位置付けることを決定したとしている。

また、同プレスリリースでは、今回の改定の主なポイントとして以下を挙げている。

  • 可逆性の概念の導入
    ただし、ANDRAが地層処分場の建設許可申請を提出した後に制定される法律によって規定されることとなっている可逆性の条件は示されていない。
  • 再処理されない使用済燃料の直接処分を考慮した廃棄物インベントリの拡大
  • 多重バリア概念における安全機能の概念の導入
    安全機能により多重バリア概念のロバスト性(頑健性)が実証されなければならない。
  • 監視プログラムの開発
    同プログラムが、プロジェクトの進展が想定範囲内であることの確認を可能とし、処分場の閉鎖を決定するための確実なデータを得ることを可能とする。
  • 廃棄物パッケージの安全目標を定めた手引き
    この手引きは、放射性廃棄物等管理計画法や改定安全基本規則に沿った多様な操業進展を包含することとなる廃棄物パッケージに関する指針(廃棄物パッケージの承認手続きの記述や各段階における関係者の規定等が含まれる)によって補足される。

原子力安全機関(ASN)は、2003年から安全規則(RFS)III.2.fの改定作業を開始しており、今回公表された安全指針は、2007年初頭に原案が作成され、同年6月にASNの諮問機関である「放射性廃棄物についての常設専門家グループ(GPD)」が示した意見を反映した後、2008年2月にASN内で承認されたものである。なお、ASNは同指針を関連機関である放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、AREVA社、フランス電力株式会社(EDF)、原子力庁(CEA)に2008年2月27日付で送付している。

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)、2008年3月28日のプレスリリース、http://www.asn.fr/sections/accueil/actualites/asn-publie-guide-surete-relatif-au
  • 原子力安全機関(ASN)、2008年2月27日の関連機関宛てのレター、http://www.asn.fr/sections/rubriquesprincipales/publications/publications-pour/listes-publications/downloadFile/attachedFile_unvisible_11_f0/lettre_version_diff.pdf

フランスの原子力安全機関(ASN)の2008年3月4日のプレスリリースにおいて、2008年2月28日付のデクレ(政令)により、「原子力安全情報と透明性に関する高等委員会」(HCTISN)を構成する委員34名が任命され、同委員会が発足されたことが公表された。HCTISNは、2006年の原子力安全・情報開示法に基づいて設置される委員会である。
同法の規定では、HCTISNは原子力活動に伴うリスク、及びこれらの活動が人の健康、環境、並びに原子力安全に与える影響について、情報の提供を行うとともに討論などを行うための組織であり、以下のような活動を行うとされている。

  • 原子力活動分野における監視と情報に関するあらゆる問題に対する意見表明
  • 原子力安全に関する情報へのアクセスに関する事項を取り扱い、原子力分野における透明性の確保或いは向上のための措置の提案
  • 原子力安全担当大臣、上院・下院の所管委員会の委員長、議会科学技術選択評価委員会(OPECST)委員長、地域情報委員会(CLI)委員長、原子力事業者から依頼される、原子力安全及び監視に関するあらゆる情報に関する問題の検討

また、2006年の放射性廃棄物等管理計画法では、「原子力安全情報と透明性に関する高等委員会」(HCTISN)が放射性廃棄物等の持続可能な管理に関する協議や討論を定期的に行うことを規定している。原子力安全機関(ASN)のプレスリリースによれば、HCTISNは原子力安全・情報最高会議(CSSIN)に取って代る組織としており、CSSINはこれまで次のような組織として活動を行ってきた。

  • 原子力安全や放射線防護分野における、公衆及びメディアへの情報提供に関して幅広い役割を担う諮問機関
  • 議会議員、科学・技術・経済・社会の専門家、情報提供・コミュニケーションの専門家、労働組合、自然・環境保護団体、事業者、直接関係する行政(首相、防衛、環境、産業、内務、保健、労働)担当者で構成
  • 原子力安全や放射線防護分野における情報提供活動の効率向上につながる勧告を環境、産業、保健の各担当大臣に対して行う。

原子力安全機関(ASN)のプレスリリースによると、「原子力安全情報と透明性に関する高等委員会」(HCTISN)は、議会、地域情報委員会(CLI)、事業者、関連機関、労働組合、国の関係部局の代表者、学識経者等で構成されており、ASNの議長も委員となっている。なお、HCTISNの委員長には、現在議会科学技術選択評価委員会(OPECST)の委員長であるルヴォル上院議員が務める。

また、同プレスリリースでは、原子力安全機関(ASN)は、HCTISNの発足はフランスの原子力の安全と透明性にとって重要なステップであり、HCTISNが必要とされる支援を行うとしている。

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)、2008年3月4日のプレスリリース、 http://www.asn.fr/sections/accueil/actualites/haut-comite-pour-transparence
  • Loi no 2006-686 du 13 juin 2006 relative à la transparence et à la sécurité en matière nucléaire〔原子力に関する安全及び透明性に関する法律(2006-686/2006.6.13)(原子力安全・情報開示法)〕
  • Loi no 2006-739 du 28 juin 2006 de programme relative a la gestion durable des matieres et dechets radioactifs 〔放射性廃棄物及び放射性物質の持続可能な管理に関する計画法(2006-739)〕
  • Joint Convention on the safety of spent fuel management and on the safety of radioactive waste management, Second national report on the implementation by France of the obligations of the Convention, September 2005〔放射性廃棄物等安全条約に基づくフランス国別報告書(第2回)〕

フランスのビュール地下研究所の地域情報フォローアップ委員会(CLIS)のウェブサイトにおいて、CLIS委員長に国民議会(下院)のバタイユ議員が任命され、2008年2月6日付のムーズ県及びオート=マルヌ県の両県議会議長によるアレテ(命令)が公布されたことが公表された。CLISは地下研究所または地層処分場のある地域において、実施主体と地元住民との間の情報の仲介、放射性廃棄物処分に関する研究の監視、情報提供、協議に関する全般的な使命を担う組織である。

ビュール地下研究所のCLISは1991年放射性廃棄物管理研究法(通称バタイユ法)に基づいて設置されていたが、2006年に制定された放射性廃棄物等管理計画法により改組されることが決定された。2007年5月7日付のデクレ(政令)によりCLISの構成員等が規定され、地下研究所を有する県の県議会議長によるアレテによってCLISの委員長及び委員が任命されることとなっていた。

今回CLISの委員長に任命されたバタイユ議員は、1990年に議会科学技術選択評価委員会(OPECST)委員として高レベル放射性廃棄物等の管理について分析した報告書を取りまとめ(同報告書をもとに1991年に放射性廃棄物管理研究法が制定された)、その後の地下研究所のサイト選定では、調停官として公募方式を導入するとともに応募地域との事前協議を実施した。また、2006年の放射性廃棄物等管理計画法制定前の2005年には、OPECST報告書として放射性廃棄物の管理に関わる勧告を取りまとめるなど、ビュール地下研究所の設置や高レベル放射性廃棄物等の管理方策等の検討において深く関与してきた人物である。

地域情報フォローアップ委員会(CLIS)の委員は、政府の代表、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の代表、国民議会(下院)と上院それぞれから2名、関係する地方自治体の議員、環境保護団体のメンバー、農業その他の職能団体の代表、学識経験者などによって構成されている。CLISの会合は少なくとも年に2回開かれることになっており、CLISには処分に関する研究の目的、内容と成果に関する情報が提供される。CLISは地下研究所に関して、環境及び周囲に影響を及ぼすようなすべての問題を討議し、外部専門機関の活用やヒアリングを行うこともできる。

1991年放射性廃棄物管理研究法のもとでは、地域情報フォローアップ委員会(CLIS)の活動資金はムーズ県及びオート=マルヌ県の公益事業共同体(GIP)によって賄われてきたが、2006年放射性廃棄物等管理計画法によって、CLISの活動資金は、国の補助金と処分関連事業者による拠出金で均等に負担される形に変更されている。なお、1991年の放射性廃棄物管理研究法に基づき、ビュール地下研究所のある2つの県に2000年より設置されていたGIP(ムーズ県GIPとオート=マルヌ県GIP)も、2006年の放射性廃棄物等管理計画法に基づき2007年に改組されている。このGIPは、以下の3つの役割を果たすこととされている。

  • 地下研究所または地層処分場の設置及び操業の促進
  • 地下研究所または地層処分場の周辺区域などにおける国土整備及び経済開発事業の自県内での推進
  • 地下研究所内において研究されている諸分野及び新しいエネルギー技術分野などにおける、人材養成事業ならびに科学的技術的知見の開発、活用及び普及事業の推進

なお、これらの役割を果たすための財源として、GIPには原子力基本施設(INB)に課税される連帯税及び技術普及税による税収の一部が割り当てられている。

【出典】

  • 地域情報フォローアップ委員会(CLIS)ウェブサイト、 http://www.clis-bure.com/
  • Loi no 2006-739 du 28 juin 2006 de programme relative a la gestion durable des matieres et dechets radioactifs 〔放射性廃棄物及び放射性物質の持続可能な管理に関する計画法(2006-739)〕
  • Loi no 91-1381 du 30 decembre 1991 relative aux recherches sur la gestion des dechets radioactifs 〔放射性廃棄物管理研究に関する法律〕
  • 経済・財政・雇用省ウェブサイト、http://www.minefe.gouv.fr/
  • Décret no 2007-720 du 7 mai 2007 relatif à la composition et aux modalités de fonctionnement du comité local d’information et de suivi institué par l’article L. 542-13 du code de l’environnement auprès des laboratoires souterrains de recherche sur la gestion des déchets radioactifs et modifiant le décret no 99-686 du 3 août 1999〔CLIS改組デクレ〕
  • Mission de médiation sur l’Implantation de Laboratoires de Recherche Souterrains, Rapport du Médiateur, Christian Bataille Député du Nord aux Ministres de l’Industrie et de l’Environnement, 20 décembre 1993〔地下研究所の立地に関する交渉活動-廃棄物交渉官の1993年の報告書〕
  • Décret no 2006-1606 du 14 décembre 2006 relatif aux groupements d’intérêt public régis par l’article L. 542-11 du code de l’environnement〔公益事業共同体(GIP)改組デクレ〕

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のウェブサイトにおいて、ANDRAにおける情報公開活動に関する評価やフォローアップを行うための委員会(COESDIC)が同機関内に設置され、その初会合が2007年11月13日に開催されたことが公表された。COESDICは、ANDRAによる地元住民に対する情報公開手続を支援するために設立された委員会であり、その対象は高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物処分プロジェクト(HAVLプロジェクト)であるが、長寿命低レベル放射性廃棄物である黒鉛・ラジウム廃棄物の処分プロジェクトも、必要に応じて対象に含まれるとされている。

同ウェブサイトによると、今回の初会合により表記委員会(COESDIC)の活動の枠組が決定された。COESDICは、これまで設置されていた地下研究所の運営をフォローするためのANDRA内の委員会を踏襲するもので、今後、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の科学評議会と連携してANDRA理事会に意見を示すとされている。また、マリー=クロード・デュピュイANDRA理事長は、放射性廃棄物等管理計画法に規定されている公開討論会に備え、実用的かつ革新的な公衆参加方法を推進したいとの意向を表明しているとのことである。

表記委員会(COESDIC)の最初の使命は、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物処分プロジェクト(HAVLプロジェクト)の枠内で提案されている情報提供や住民意見反映方法の取りまとめについて支援することとされている。この方法については、現在、報告書として取りまとめられているところであるが、これにより放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、全国および地方の窓口機関と、これらの方法に関する事前協議を開始することができるとしている。更にANDRAは、この事前協議が理想的には地元関係者との協議につながり、これらの協議を経て、今後のサイト選定における科学的な基準に加えて、地域の社会環境等に関する基準が開発されることも期待している。

同ウェブサイトによると、同委員会(COESDIC)は公衆参加の分野に関する専門家で構成されており、放射性廃棄物管理事業者や国際的に著名な学識経験者も含まれている。なお、COESDICの委員は以下のとおりである。

  • ミシェル・カロン:放射性廃棄物管理機関(ANDRA)科学評議会評議員、パリ国立高等鉱業学校教授、パリ鉱山大学イノベーション社会学センター所属社会学者
  • アンヌ・ベルグマンス:社会学者、アントワープ大学助教授
  • ピェール・ブノア・ジョリー:経済学者、社会学者
  • サイダ・ララロチ・エングストローム:スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)の環境影響評価・情報公開部門の責任者
  • ブライアン・ウィン:物理学博士、英国ランカスター大学社会学教授、ゲノム技術経済的社会的影響研究センター副所長、気候変動研究センター研究部長、ロンドン王立協会社会科学委員会委員

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr/interne.php3?id_article=1010&id_rubrique=80