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ドイツ

連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2011年12月15日付のプレスリリースにおいて、同日開催された発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する会合の場で、BMU大臣と全ての州(16州)の代表が、2012年半ばまでに連邦法で制定予定とする新たなサイト選定手続の工程について合意したことを発表した。BMUは、今回のプレスリリースと併せて、BMUと州が合意したサイト選定手続の工程を示した文書「ドイツにおける発熱性放射性廃棄物の安全処分」を公表した。

ドイツ連邦政府は将来のエネルギー政策における重点項目を2011年6月に公表しており、その中でゴアレーベンでの探査活動と並行して、実行可能な代替処分オプションを確定するための手続きを検討する方針を示していた 。この方針を受けて、2011年11月11日、BMU大臣と全ての州代表は発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する会合(第1回)を開催し、BMUと州(8州)の共同作業グループにおいてサイト選定手続の検討作業を開始するとともに、今回開催された第2回目の会合において再度協議する予定としていた。

今回公表された「ドイツにおける発熱性放射性廃棄物の安全処分」には、以下のように、発熱性放射性廃棄物の処分場選定を確実に進めていく上での基本的な考え方と、6段階から成るサイト選定の工程が示されている。

「ドイツにおける発熱性放射性廃棄物の安全処分」

<基本的な考え方>

  • 発熱性放射性廃棄物処分の解決方法は、連邦、州、市民などのコンセンサスの下で決定する。
  • 現世代で解決すべき課題である。
  • 自国内で発生した放射性廃棄物は自国内において国家の責任で処分する。
  • サイト選定は科学に立脚した最善の安全基準に則って実施する。
  • 手続の全段階において透明性及び市民の参加を確保する。
  • 全国及び地方レベルでの適切な参加方式により、全ての参加者が意思決定プロセスに参加できるようにする。
  • 発熱性放射性廃棄物の安全管理に係る方策は、連邦議会及び州の代表で構成される連邦参議院(上院)の議決により決定する。

<サイト選定の工程>

  • 第1段階(~2012年半ば):連邦議会と連邦参議院において、サイト選定手続の各段階の詳細を定めた法律を制定。
  • 第2段階(2012年末~2013年半ば):一般的な安全要件、回収可能性の検討、母岩(岩塩、粘土、結晶質岩)ごとの適性基準(あるいは排除基準)などを含めたサイト選定基準案を策定し、連邦議会と連邦参議院に提案。
  • 第3段階(2012年末~2013年半ば):第2段階で作成されたサイト選定基準案について連邦議会と連邦参議院の議決による決定
  • 第4段階(2014~2019年末):第2段階で策定されたサイト選定基準に基づき、地上探査の適性を有する複数の探査地域の選定と地上探査の開始(~2014年半ば)。地上探査の結果を基に、地下探査のための候補サイトを選定(~2014年末)。連邦議会と連邦参議院の議決により地下探査サイトを決定。
  • 第5段階:第4段階で決定された地下探査サイトにおいて地下探査を実施し、代替案の比較と処分場候補サイトの選定。連邦議会と連邦参議院の議決により処分場建設地を決定。
  • 第6段階:計画確定手続(許認可手続)の実施、処分場の建設・操業開始。

上記のサイト選定の工程では、現在地下探査が実施されているゴアレーベン を、今後選定されるサイトとの比較を行うためのサイトと位置付けており、処分場建設地として決定されたものではないことを強調している。なお、他サイトとの比較を行うためにゴアレーベンにおいて今後どのような調査が必要となるのか、また上記工程においてゴアレーベンを地下探査サイトに加えるのか否かに関しては、今後議論を行う必要があるとしている。

【出典】

【2012年7月20日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)の、2012年7月19日付のウェブサイト情報によると、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、BfSに対して、2012年9月30日で失効するゴアレーベンの主操業計画について、12月31日までの3ヶ月間の延長を申請するよう指示した。現在ドイツでは、発熱性放射性廃棄物の地層処分の新たなサイト選定手続の詳細とともに、ゴアレーベンの今後の扱いについて検討が進められている(上記サイト選定工程の第1段階)。今回の主操業計画の暫定的な延長は、ゴアレーベンでの探査継続、探査の一時停止(モラトリアム)、或いは、探査の中止(廃止)など、いずれの検討結果への対応においても必要なものとされている。

また、ゴアレーベンが所在するニーダーザクセン州環境省は、高レベル放射性廃棄物の処分に関する州政府の見解を2012年7月18日付で公表した。同見解は、原則、公衆の関与、専門的・学術的観点、並びに、ゴアレーベンの4点で整理されており、ゴアレーベンに関しては次のように示されている。

  • ゴアレーベンでの探査は今年中に終了し、法的基盤を整備した上で、新たなサイト選定手続に移行すべきである。
  • 新たなサイト選定手続は、いかなる事前の決定もなしに進められるべきである。新たな手続において、ゴアレーベンサイトは比較、或いは参照用サイトのいずれでもなく、要件を満たさなければ今後の手続から除外されなければならない。
  • ゴアレーベンに関する専門的知見の維持に配慮すべきである。ゴアレーベンが候補サイトでなくなったからといって、これまでの作業従事者が大幅に削減され、専門能力が失われるようなことがあってはならない。したがって州は、ゴアレーベンが新たなサイト選定手続から除外された場合には、地下研究所として転用されることを支持する。
  • 予備的安全評価は、処分サイトとしての適性を確認するための方法論の基礎となるものである。ゴアレーベンを対象として現在進められている予備的安全評価作業については、これまでの結果を検証した上で、適切な形で完了すべきであり、また、処分サイトとしての適性に関する言及は避けるべきである。

【出典】

ドイツ連邦政府は、2011年6月6日、連邦政府プレスリリースにおいて、原子炉閉鎖に関する規定を盛り込んだ原子力法改正案を国会に提出することを明らかにするとともに、将来のエネルギー政策に関する39項目の重点課題を公表した。重点課題の一つとして、連邦政府は「放射性廃棄物処分は原子力を利用する現世代が解決すべき課題である」との認識を明らかにした上で、発熱性放射性廃棄物1 の最終処分場に関連する法案を2011年末に提出するとしている。
具体的に、将来のエネルギー政策に関する重点課題においては、発熱性放射性廃棄物の最終処分場としての適性を判断するために実施されているゴアレーベン・サイトでの探査活動 、アッセⅡ研究鉱山の廃止措置について、以下のことが示されている。

  • 発熱性放射性廃棄物の処分:ゴアレーベン・サイトについて、結果を先取りすることのない探査活動を推進する。また、ゴアレーベン・サイトでの探査活動と並行して、最終処分場としての適性を判断するための一般的な地質学的な選定基準、及び実行可能な代替処分オプションを確定するための手続きを検討する。そのため、連邦政府は、2011年末までに法案を提出する。
  • アッセⅡ研究鉱山の廃止措置:核燃料税による歳入を、アッセⅡ研究鉱山の廃止措置に充当することを検討する。

また、同日の2011年6月6日に、連邦政府は、2022年までに全ての原子炉を閉鎖し、再生可能エネルギーや省エネルギーなどの推進を含めた、将来のエネルギー政策の見直しを閣議決定した。

連邦環境・自然保護・原子炉安全省のプレスリリースによれば、連邦政府は、東京電力・福島第一原子力発電所の事故を受けて、1980年代に運転を開始した原子炉を停止するとともに、2010年秋に決定していた既存の原子炉の運転期間を平均で12年延長する政策も凍結した。また、連邦政府は、既存の原子炉について、原子炉安全委員会(RSK)に安全性のチェックを実施させるとともに、2011年4月に「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」(以下「倫理委員会」という)を設置して、将来のエネルギー政策に関する見解を取りまとめるよう諮問した。2011年5月16日に、RSKは「国内の原子炉は洪水等の外部事象に対して堅固である」とする安全性のチェック結果を報告した。また、2011年5月30日に、倫理委員会は「今後10年以内に原子力から撤退し、エネルギー供給の転換を図ることは可能である」とする最終報告を行っている。今回の将来のエネルギー政策に関する連邦政府の決定は、これらの報告を踏まえて行われたものである。

なお、倫理委員会の最終報告において、放射性廃棄物処分は原子力からの撤退という路線に関係なく重要な課題とした上で、特に、発熱性放射性廃棄物の処分に関して以下を勧告している。

  • 極めて厳格な安全要件に基づいて、回収可能な方法を用いて処分を行うことを勧告する。これによって、国内で最終処分サイトとしての適性調査を行う対象地域が、ゴアレーベンだけでなく、拡大されることになる。ただし、国内で発生した放射性廃棄物を自国内で最終処分するという点は変わらない。

【出典】


  1. 注:わが国の高レベル放射性廃棄物に相当する。 []

ニーダーザクセン州環境省は、2011年4月21日付のプレスリリースにおいて、連邦放射線防護庁(BfS)によるアッセⅡ研究鉱山からの低・中レベル放射性廃棄物の回収について、回収方法を検討するための処分坑道内での試験的な掘削及び調査(現状確認調査の第1段階)に対して、原子力法に基づく許認可を発給したことを公表した。BfSは許認可申請を2010年10月に行っていた

アッセⅡ研究鉱山は、岩塩鉱山跡を利用して、1960~70年代に、現在のミュンヘン・ヘルムホルツセンター(HMGU)が放射性廃物の試験的な処分を実施していた。その後、地下水の浸入により岩塩から成る処分坑道の安定性が確保できなくなるおそれがあることから、早急に処分場としての閉鎖方策を検討することが課題となっていた。BfSは、2009年1月からアッセⅡ研究鉱山の閉鎖手続きの実施主体になったことから、閉鎖方策の検討作業を行い、2010年1月に廃棄物を回収することを決定した。BfSは、回収計画の策定に先だって第7及び12処分室において現状確認調査を行うとして、「試験的な掘削及び調査」、「処分室の掘削」、並びに「廃棄物の試験的な回収」の3段階の工程を公表していた

現状確認調査の第1段階では、放射性廃棄物が実際に処分されている2カ所の処分室について、廃棄物の状態を確認するためにボーリング調査を行うことになっている。調査対象の処分室の1つ(第12処分室)では、定置された廃棄物が岩塩で埋め戻されていない状態にある。

プレスリリースによれば、州環境省は、現状確認調査が安全に実施されるようにするため、BfSに対して32の附帯条件を許認可書類で設定している。また、許認可書類では、次のような事項について詳細な検討を求めている。

  • 処分室から漏出した放射性物質の安全な取り扱い
  • 掘削によって火災や爆発が発生した場合の措置
  • 作業員の放射線防護措置
  • 放射性ガスや放射性ダストの放出の継続的監視

なお、BfSが現状確認調査の第1段階を開始できるようになるには、原子力法に基づく許認可(州環境省が所管)に加えて、鉱山法に基づく操業計画の許認可(州鉱山当局が所管)が必要である。BfSは2010年12月から2011年1月にかけて、主操業計画と3つの特別操業計画の許認可申請を行っている。州環境省のプレスリリースによれば、原子力法に基づく許認可と同時に、鉱山法に基づく特別操業計画も発給されるとしている。

【出典】

参考:廃棄物の回収措置に関するこれまでの検討経緯

ドイツでは、放射性廃棄物処分に関する調査を実施するため、旧岩塩鉱山であるアッセⅡ研究鉱山において、1967年から1978年にかけて低・中レベル放射性廃棄物の試験的な処分が行われ、その後、放射性廃棄物処分に係る地下研究所として調査活動が続けられた。その後、近年になって、地下水の浸入により、岩塩から成る処分坑道の安定性が確保できなくなるおそれが示されたことから、処分場としての閉鎖方策を早急に決定することが急務とされていた。そこで、2009年1月からアッセⅡ研究鉱山の閉鎖手続きの実施主体となった連邦放射線防護庁(BfS)は、処分場としての閉鎖方策として、廃棄物の回収、同鉱山のより深い地層への処分、特殊なコンクリートによる埋め戻しという3つのオプションについて比較検討を行い、2010年1月に、廃棄物の回収が最良な方法であるとする評価結果を公表した

BfSは、2010年5月に、廃棄物の回収計画の立案に先立って、回収に伴う不確実性を評価するために処分坑道の一部(第7及び第12処分室)の試験的な掘削及び調査することを明らかにし、さらに2010年6月には廃棄物の試験的な回収を行うとして、以下の3段階から成る現状確認調査の工程を公表した。

  • 第1段階:処分坑道の一部の試験的な掘削及び調査
  • 第2段階:処分室の掘削
  • 第3段階:放射性廃棄物の試験的な回収

現状確認調査の第1段階に当たっては原子力法及び鉱山法に基づく操業計画の許認可が必要であることから、BfSは、2010年10月に原子力法に基づく許認可申請をニーダーザクセン州環境省に対して行い、2010年12月及び2011年1月に鉱山法に基づく主操業計画及び特別操業計画の許認可申請を同州鉱山当局に対して行っている。その後、州環境省は、連邦放射線防護庁(BfS)の許認可申請に未提出の書類があるとして、BfSに対して追加書類の提出を求めたことから、BfSは、2010年11月以降、追加の申請書類を提出していた

 

【2011年6月13日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2011年6月10日付のプレスリリースにおいて、アッセⅡ研究鉱山での試験的な掘削及び調査(現状確認調査の第1段階)について、第7処分室の試験的な掘削を開始するまでの詳細な作業工程を公表した。

プレスリリースによれば、BfSが今回公表した作業工程は、処分坑道内での試験的な掘削及び調査について原子力法に基づく許認可発給に当たって、ニーダーザクセン州環境省が設定した32の附帯条件への具体的な対応を示したものであり、約850の作業工程から成るものである。

なお、BfSは、順調に行けば11月初頭にも、第7処分室の試験的な掘削を開始できるとしている。

【出典】

 

【2012年6月11日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2012年6月1日付のプレスリリースにおいて、アッセⅡ研究鉱山での試験的な掘削及び調査(現状確認調査の第1段階)に関して、第7処分室の試験的な掘削が開始されたことを公表した。

なお、同研究鉱山からの放射性廃棄物の回収開始時期について、BfSが2012年5月18日に連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)に提示した予備的なスケジュール案に対して、BMUはその遅れを危惧していた。回収開始時期の具体的な情報はウェブ等では公表されていないが、今回のBfSのプレスリリースでは、BfS長官が、2036年からの回収開始は受け入れられず、試験的な掘削及び調査等をとおしてスケジュールの短縮が検討されると発言したことを紹介している。

【出典】

処分場の設置に関する許認可権限を有するドイツのニーダーザクセン州は、2010年11月9日付のプレスリリースにおいて、実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)が同州に申請していた、ゴアレーベン・サイトでの探査に係る鉱山法に基づく枠組み操業計画の延長、並びに主操業計画の許認可の即時執行命令を、同日付で発したことを公表した。プレスリリースによれば、これによって、操業計画の許認可発給に係る第三者による訴訟が係争中の場合でも、BfSによる同サイトでの探査活動が可能となったとしている。

ドイツでは、1998年に成立した連立政権の脱原子力政策により、2000年からゴアレーベンでの新たな探査活動が凍結されていたが 、2009年秋に成立した中道右派の連立政権は、ゴアレーベンにおける探査活動の凍結を撤廃し、探査を再開する方針を示していた。その後、2010年3月に連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、複数の段階から成る探査手続によって、ゴアレーベン・サイトについて最終処分場としての適性を確認し、適性が確認された場合には、原子力法に基づく計画確定手続を実施することを発表していた

BfSは、ゴアレーベン・サイトの適性を確認するための探査活動に必要な鉱山法上の許認可(枠組み操業計画)の期限が2010年9月30日に切れることから、同年3月30日に、枠組み操業計画の期限を2020年9月30日まで延長する申請を当局であるニーダーザクセン州に提出していた。これと並行して、BfSは、ゴアレーベン・サイトの「調査エリア1」と「調査エリア3」を対象とした探査活動を行うため、2010年4月30日に、鉱山法に基づく主操業計画の許認可をニーダーザクセン州に申請していた。プレスリリースによれば、これらの申請に対して、2010年9月21日と27日にそれぞれ許認可が発給されたとしている。

また、プレスリリースによれば、BfSは、2010年9月22日に、両操業計画の即時執行命令を求める申請をニーダーザクセン州に提出していた。その後、両操業計画に対する第三者による訴訟が起こされ、これらの訴訟は、ゴアレーベン・サイトでの探査活動の再開を差し止める効力を有するものであったが、今回の即時執行命令により、その効力は失われることになるとしている。

以上の状況を踏まえ、プレスリリースにおいてニーダーザクセン州は、放射性廃棄物処分から住民を保護するために、BfSは原子力法に基づいて処分場を建設する義務を有していることから、今後のゴアレーベン・サイトでの探査活動は、公共の利益に適うものであるとしている。また、今回の探査再開は、高レベル放射性廃棄物を含む発熱性放射性廃棄物を安全に処分するために岩塩層が適性を有するか否かを判断するために不可欠なものであるとしている。

【出典】

【2010年12月7日追記】

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、ゴアレーベン探査に関する情報提供等のために立ちあげた自身のウェブサイト「ゴアレーベン・ダイアログ」において、2010年11月11日にゴアレーベンでの探査活動を再開したことを公表した。ウェブサイトによれば、坑道内での電磁探査を開始したとしている。また、電磁探査に続いて、各種機器類の設置、岩塩試料の採取及び炭化水素の分析、探査孔の掘削、並びに探査に必要なインフラの整備等を行う計画であるとしている。

【出典】

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2010年8月5日付のプレスリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物等の最終処分場候補サイトであるゴアレーベン・サイトに関する予備的な安全評価を、施設・原子炉安全協会(GRS)に委託したことを公表した。この予備的な安全評価では、ゴアレーベン・サイトに関するこれまでの知見と調査結果を取りまとめるとともに、同サイトでの発熱性放射性廃棄物(高レベル放射性廃棄物を含む)の処分について、2009年7月にBMUが策定した「発熱性放射性廃棄物の最終処分に係る安全要件」 への適合性を検討することになっている。

プレスリリースによれば、ゴアレーベン・サイトに関する予備的な安全評価では、長期安全性に重点を置き、同サイトでの安全な処分が可能か否かを明らかにするとともに、どのような条件において処分が可能になるのかが、検証可能な形で示されることになるとしている。さらに、予備的な安全評価の結果を基に、安全操業のために最適な最終処分場概念の策定、及び今後調査すべき項目の確定が必要になるとしている。

ゴアレーベン・サイトに関する予備的な安全評価は、2012年末までに終了する予定であり、その後、評価結果についての国際ピア・レビューが予定されている。予備的な安全評価に関する中間結果と報告書はBMU、GRS及び連邦放射線防護庁(BfS)の各ウェブサイトにおいて公開されるほか、BfSは、予備的な安全評価に関する作業、ゴアレーベン・サイトでの探査活動などの取組の進捗状況を積極的に公開していくとしている。

プレスリリースによれば、予備的な安全評価においては、GRSのほかに、ゴアレーベン・サイトに関する専門的な知識を有する以下の機関の研究者の協力も得るとしている。

  • 連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)
  • DBEテクノロジー社(ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE)の子会社)
  • カールスルーエ研究所放射性廃棄物研究所(INE)
  • ライプツィヒ岩盤力学研究所(IfG)

また、安全評価の品質保証については、クラウスタール工科大学最終処分技術研究所が外部機関として監視・評価を担当するとしている。

なお、ドイツでは、1998年に成立した連立政権の脱原子力政策により、2000年からゴアレーベンでの新たな探査活動が凍結されていたが 、2009年秋に成立した中道右派の連立政権は、連立協定においてゴアレーベンにおける探査活動の凍結等をただちに撤廃し、探査を再開する方針を示していた 。その後、2010年3月にBMUは、今回公表された予備的な安全評価の実施を含む、複数の段階からなる探査活動によってゴアレーベン・サイトの最終処分場としての適性を確認し、適性が確認された場合には、原子力法に基づく 計画確定手続を実施することを発表していた

【出典】

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2010年3月15日付のプレスリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物等の最終処分場候補サイトである、ゴアレーベンでの探査活動再開について、ノルベルト・レトゲンBMU大臣の発言内容を公表した。プレスリリースによれば、レトゲン大臣は、未解決のままである高レベル放射性廃棄物の最終処分は避けて通れない問題であり、その解決を次世代に先送りしないためにも、ゴアレーベンでの探査活動を可能な限り迅速に再開し、最終処分場としての適性を判断しなければならないとしている。

また、今後、複数の段階から成る探査に係る手続きにより、ゴアレーベン・サイトの最終処分場としての適性が確認された場合には、原子力法に基づく計画確定手続が実施されることになるとしている。具体的には、計画確定手続に至るまで、以下の取組が予定されるとしている。

  • 2009年7月に公表された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場に関する安全要件」 のゴアレーベン・サイトへの適用について、BMUは、許認可当局であるニーダーザクセン州政府との協議を実施し、2010年中に承認を得る。
  • 同安全要件に係る州政府の承認に基づき、探査活動凍結までに得られたデータ及び知見から、ゴアレーベン・サイトに関する予備的な安全評価を実施し、その結果についての国外の専門家による国際的なピア・レビューを実施する。この安全評価とピア・レビューの結果は、今会期中の連邦議会に提出される見込みである。
  • 探査活動凍結後の状況変化を踏まえ、ゴアレーベン・サイトの最終処分場概念及び最終処分計画を必要に応じて見直す。
  • ゴアレーベンについて最終処分場サイトとしての適性が確認された場合、原子力法による計画確定手続を開始する。

これらの取組及び原子力法に基づく計画確定手続には、すべての段階において市民参加が組み込まれる予定であり、これによって手続きの透明性と立証の可能性が確保されるとしている。

なお、ドイツでは、1998年に成立した連立政権の脱原子力政策により、2000年からゴアレーベンでの新たな探査活動が暫時凍結されていたが 、2009年秋の総選挙の結果を受けて新たに誕生した中道右派の連立政権は、その連立協定において、ゴアレーベンにおける探査活動の凍結等をただちに撤廃し、探査を再開する方針を示していた

【出典】

【2010年3月25日追記】

許認可当局であるニーダーザクセン州環境大臣は、2010年3月18日のプレスリリースにおいて、緑の党及び社会民主党(SPD)の質問に答える形で、ゴアレーベンでの探査活動凍結を解除し、あくまで処分サイトとしての適性の確認を目的として探査を再開すること(結論ありきではなく、処分サイトとしての適性を否定する結果が示される可能性もある)に同意したと発表した。また、同プレスリリースにおいて大臣は以下の点について言及している。

  • 探査活動に必要な鉱山法上の許認可(枠組み操業計画)の期限が2010年9月30日に切れるため、連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年3月30日までに枠組み操業計画に係る許認可を再申請する必要がある。
  • ゴアレーベン探査活動凍結の解除に関する連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)大臣の発言内容を支持する。

また、実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年3月19日付のプレスリリースにおいて、ゴアレーベンでの探査活動再開に関する下記の3段階からなるスケジュールを発表した。

  • 2010年10月1日までに、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場に関する安全要件」 について各州と合意し連邦官報に掲載する。その後地下探査活動を再開する。
  • 2012年末までに、ゴアレーベン・サイトに対する予備的な安全評価を行い、安全評価に基づく処分概念を示す。その後、2013年前半までに、処分概念についての国際ピア・レビューを実施する。
  • 連邦議会の次の立法会期が終了するまで(7年以内)に、ゴアレーベン・サイトに対する原子力法に基づく計画確定手続のための計画書の作成を含めた探査活動を終了する。

【追記部出典】

  • ニーダーザクセン州、2010年3月18日付プレスリリース、http://www.umwelt.niedersachsen.de/master/C62499727_L20_D0_I598.html
  • ニーダーザクセン州、2010年3月18日付プレスリリース、http://www.umwelt.niedersachsen.de/master/C62499867_L20_D0_I598.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)2010年3月19日付プレスリリース、http://www.bfs.de/de/endlager/gorleben/vorgehen.html

【2010年3月31日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年3月30日付プレスリリースにおいて、ゴアレーベンの探査に係る鉱山法に基づく枠組み操業計画の許認可について、同日、当局であるニーダーザクセン州に再申請したことを公表した。プレスリリースによれば、同申請では、枠組み操業計画の許認可を2020年9月30日まで延長するとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)2010年3月30日付プレスリリース、http://www.bfs.de/de/endlager/gorleben/verlaengerung_rbp.html

【2010年5月20日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年5月18日に自身のウェブサイトにおいて、ゴアレーベンの探査に係る鉱山法に基づく主操業計画の許認可について、2010年4月30日に当局であるニーダーザクセン州に申請したことを公表した。BfSによれば、同申請はゴアレーベン・サイトの「調査エリア1」と「調査エリア3」を対象としたものであり、対象期間は2010年10月1日から2012年9月30日までとされている。

また、ゴアレーベンでの探査活動を実施し、将来、最終処分場として操業する上で必要となる岩塩採掘権について、2015年12月31日に譲渡契約が失効するため、譲渡契約の延長(既報を参照)をゴアレーベン・サイトの岩塩採掘権を有する者と合意する必要がある。現在、BfSは、岩塩採掘権の現状を調査するとともに、岩塩採掘権の譲渡契約の延長に向けて当事者と会合を開くとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)ウェブサイト、2010年5月18日、http://www.bfs.de/de/endlager/gorleben/salzrechte_gorleben_weitere_schritte.html

ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年1月15日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物の処分場、地下研究所であったアッセⅡ研究鉱山の閉鎖に関して、廃棄物の回収、同鉱山のより深い地層への処分、特殊なコンクリートによる埋め戻しという3つのオプションのうち、廃棄物の回収が最良な方法であるとする評価結果を公表した。これらの3つのオプションは、地下水の浸入によって処分坑道の安定性が確保できない可能性が見出されたことから、処分場としての閉鎖方策を早急に決定するために検討されたものであり、2009年9月3日にBfSによって公表され、その後、最良な方法を選定するための比較評価の作業が行われていた 。 今回行われた評価に当たっては、各オプションについて特に次の点に留意されている。

  • アッセⅡ研究鉱山の坑道の状態が不安定なため、いずれのオプションを講じるにしても時間的な猶予はほとんどないこと。
  • 既に定置されている放射性廃棄物のインベントリと収納容器の状態についての情報が不足していること。
  • 地下水(塩水)が浸入しているアッセⅡ研究鉱山の状態の推移を予測することは困難であり、原子力法で求められている処分場としての長期安全性の立証は困難であること。

これらの留意点を踏まえて評価が行われた結果、廃棄物が定置されている坑道の特殊なコンクリートによる埋め戻しについては、長期安全性が立証できるか否かは現状では判定できないとされた。また、アッセⅡ研究鉱山のより深い地層への処分については、適切な処分エリアが見つからない場合のリスクがあるだけでなく、他のオプションよりも実施に最も時間を要するものであると評価された。 以上のように、いずれのオプションも不確実性を有しており、最良の方法と言えるものはないとした上で、浸水量が今後増加し、鉱山に定置している廃棄物の状態が現状よりも悪化し、回収などの緊急対応が困難になる事態が発生する可能性が否定できないことから、安全性の確保を第一とし、廃棄物の回収を優先するオプションが最良な方法であるという評価に至ったとしている。 最良のオプションとして選定とされた廃棄物の回収については、今後、以下の計画などを検討していくとしている。

  • 実施可能な回収計画の立案
  • 処分坑道のデータを収集し、回収に係る不確実性を体系的に評価するための包括的方法を策定
  • 坑道の安定化に必要な技術的措置の実施
  • 浸水の影響を抑える緊急措置の実施

これらに加えて、BfSは、廃棄物の回収に伴う不確実性の低減を図るため、廃棄物が定置された坑道へのアクセスを確保しつつ、廃棄物収納容器の状況を調査するための方針を提示するとしている。 なお、BfSは、同庁のアッセⅡ研究鉱山に関するウェブサイトにおいて、今回のオプションの比較評価結果に関する情報を掲載した他、2010年1月18日に、アッセⅡ研究鉱山が位置するヴォルフェンブュテルにおいて、閉鎖オプションに関する説明会を開催している。

【出典】

【2010年4月30日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年4月27日付のプレスリリースにおいて、同日、アッセⅡ研究鉱山の廃止措置に係る緊急時対応計画に関する説明会を地元レムリンゲン村のコミュニティセンターで開催したことを公表した。説明会では、地下水の浸入によって、低中レベル放射性廃棄物が定置されている処分坑道の安定性が確保できない可能性があることを説明するとともに、実施体制、地下水が侵入するリスクを低減する措置、処分坑道の安定化に係る措置、廃棄物回収措置、及び監視から成る緊急時対応計画の説明が行われた。なお、BfSは、2010年2月末に、緊急時対応計画を策定したとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)アッセⅡ研究鉱山のウェブサイト、2010年4月27日付プレスリリース、 http://www.endlager-asse.de/cln_137/SharedDocs/Termine/DE/2010/0427_info_notfallplanung.html、 http://www.endlager-asse.de/cln_137/SharedDocs/Termine/EN/2010/0427_emergency_planning.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)アッセⅡ研究鉱山のウェブサイト、 アッセⅡ研究鉱山の廃止措置に係る緊急時対応計画 http://www.endlager-asse.de/cln_137/EN/3_WhatHappens/C_SafetyAnd_RadiationProtection/emergency_preparedness.html

【2010年5月7日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年5月5日付のプレスリリースにおいて、アッセⅡ研究鉱山での低中レベル放射性廃棄物の回収計画の立案に先立ち、回収に伴う不確実性を評価するために年内にも処分坑道の1つを試験的に掘削し、調査する意向であることを明らかにした。プレスリリースによれば、1970年代に低中レベル放射性廃棄物が試験的に処分された地下750mの処分坑道(第7処分室)まで掘削し、30年間にわたって廃棄物が閉じ込められてきた処分室の状態(処分室内部の空気の汚染状況、処分室及び廃棄物収納容器の状態、処分室内での地下水浸出の有無)を調査することにより、以下の事項を明らかにしたいとしている。

  • 回収作業により、作業員に対してどの程度の被ばくの発生が想定されるか
  • アッセⅡ研究鉱山内に定置されている約126,000体の廃棄物の回収には、どの程度の時間を要するか
  • 遠隔操作技術によって、どの程度の廃棄物を回収することができるか

BfSは、処分坑道内部の現状に関する最初の調査結果を2010年末までに取りまとめるとしている。なお、今回の確認作業の実施に当たっては、鉱山法に基づく特別操業計画に対するニーダーザクセン州鉱山当局の許認可に加えて、原子力法に基づく許認可を取得する必要があるとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、アッセⅡ研究鉱山のウェブサイト、2010年5月5日付プレスリリース、 http://www.endlager-asse.de/cln_095/SharedDocs/Kurzmeldungen/DE/2010/0505_probephase_gestartet.html

【2010年6月2日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年6月1日付のプレスリリースにおいて、アッセⅡ研究鉱山での低中レベル放射性廃棄物の回収について、回収計画の策定に先立って実施を計画している処分坑道の試験的な掘削及び調査に関して、今後の作業スケジュールを明らかにした。プレスリリースによれば、BfSは、2010年5月に処分坑道の掘削及び調査の計画を示した文書を公表しており、以下の3段階の工程により掘削及び調査を進めることとしている。

  • 第1段階:処分坑道の一部の試験的な掘削及び調査
  • 第2段階:処分室の掘削
  • 第3段階:放射性廃棄物の試験的な回収

また、BfSは、2010年中に開始するとしていた第1段階の処分坑道の一部の試験的な掘削・調査について(2010年5月7日付追記参照)、2010 年11月初旬に処分坑道の掘削を行い、2010年11月末に調査を開始する予定であり、2010年末には最初の調査結果が得られるとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、アッセⅡ研究鉱山のウェブサイト、2010年6月1日付プレスリリース、http://www.endlager-asse.de/cln_137/SharedDocs/Kurzmeldungen/DE/2010/0601_kammer7_november.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)、「アッセⅡ研究鉱山の処分坑道の試験的な掘削に関する確認調査-第1段階 第7処分室(750m)及び第12処分室(750m)の試験的な掘削の計画案」http://www.endlager-asse.de/cae/servlet/contentblob/1004886/publicationFile/64027/faktenerhebung_anbohren.pdf;jsessionid=BAF005045235497A44B4FAE7129491C0

【2010年8月17日追記】

ドイツ連邦議会は、2010年8月13日付のプレスリリースにおいて、原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物処分の費用に関する連邦議会資料を公表し、この中でアッセⅡ研究鉱山の閉鎖措置の費用見積を明らかにした。連邦議会資料によれば、アッセⅡ研究鉱山の閉鎖措置については、2009年までに3億8,600万ユーロが支出されたこと、及び2010年から2035年までに20億8,500万ユーロの費用が発生する見込みであるとしている。なお、2010年以降に発生する閉鎖費用については、モルスレーベン処分場の廃止措置 費用から推定したものとしているが、アッセⅡ研究鉱山の閉鎖オプションを検討する際に、放射性廃棄物の回収オプションの費用として見積られた37億ユーロという試算もあるとしている。

【追記部出典】

【2010年11月5日追記】

ニーダーザクセン州環境省は、自身のウェブサイトにおいて、アッセⅡ研究鉱山の処分坑道の一部の試験的な掘削及び調査(2010年6月2日付追記参照)の実施のため、2010年10月27日に連邦放射線防護庁(BfS)が、原子力法に基づく許認可申請を同省に提出したことを公表した。ただし、同省は、現時点では環境影響評価書、掘削技術の系統仕様書、並びに安全性及び事故の分析に関する書類などが未提出のため、BfSに対してこれらの申請書類を近日中に提出するよう求めている。 なお、試験的な掘削及び調査の実施に当たっては、原子力法に基づく許認可に加えて、鉱山法に基づく特別操業計画に対するニーダーザクセン州鉱山当局の許認可を取得する必要があるとされている(2010年5月7日付追記参照)が、今回の情報では、鉱山法に基づく許認可手続の状況については言及されていない。

【追記部出典】

【2011年2月7日追記】

ニーダーザクセン州環境省は、自身のウェブサイトにおいて、2011年2月1日時点でのアッセⅡ研究鉱山の処分坑道の一部の試験的な掘削及び調査(2010年6月2日付追記参照)の実施に係る許認可手続の状況を公表した。ニーダーザクセン州環境省及び同州鉱山当局は、原子力法に基づく許認可(州環境省が所管)及び鉱山法に基づく操業計画の許認可(州鉱山当局が所管)をそれぞれ2011年第1四半期末までに発給するとの意向を示している。

同ウェブサイトによれば、BfSは、処分坑道のうちの第7処分室及び第12処分室の試験的な掘削及び調査のため、2010年10月27日に原子力法に基づく許認可申請書類を提出した後(2010年11月5日付追記参照)、2010年11月9日、19日及び26日に追加の申請書類を提出した。その後、BfSは、2011年1月に州環境省から許認可申請書類に関する25の未解決項目を明らかにするよう求められたことを受けて、同月、17の申請書類の改訂版と新たに作成した1つの書類を州環境省に提出した。ただし、州環境省は、その他に未提出の重要な申請書類の改訂が残されているとしている。

また、鉱山法に基づく操業計画の許認可手続こちらについては、2011年2月1日時点での情報として、BfSによる許認可申請及び審査の状況が以下のように示されている。

 アッセⅡ研究鉱山での試験的な掘削・調査に係る、
鉱山法に基づく操業計画の許認可手続の状況(2011年2月1日時点)
操業計画 申請受理日 審査状況
主操業計画:試験的な掘削・調査(第1段階)措置のための目標の拡大に関する主操業計画2009/2011の補遺1 2010年12月8日 審査中
特別操業計画08/2010:第7処分室(750m)エリアの掘削(確認調査) 2010年12月13日 審査中
特別操業計画09/2010:ラドンモニタリング坑IIの掘削(第12処分室の調査を行うために必要となる条件) 2010年12月23日 審査中
特別操業計画01/2011:深度750mの東部方向北側坑道東部エリアの修復(第12処分室の調査を行うために必要となる条件) 2011年1月5日 審査中

【出典】

ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)は、2009年10月26日付のプレスリリースにおいて、CDU、キリスト教社会同盟(CSU)及び自由民主党(FDP)の各党首と各党の議会会派代表が、同日、連立協定に署名したことを発表した。

2009年9月27日に行われたドイツ連邦議会選挙では、CDUが194議席、FDPが93議席、CSUが45議席を獲得し、3党合計で過半数(総議席数622)を獲得した。その後、3党は保守・中道の新連立政権の発足に向けて、2009年10月5日から連立協議を開始し、2009年10月24日に連立協定案に合意していたところである。

ドイツでは、1998年に誕生した社会民主党(SPD)と緑の党の連立政権が脱原子力政策を推し進め、2001年6月に原子力からの段階的撤退や高レベル放射性廃棄物等の最終処分場候補サイトとして調査中であったゴアレーベンにおける新たな探査活動の凍結等に関する電力会社との協定に署名していた。2002年4月には、原子力発電からの段階的撤退を規定する原子力法が制定された 。その後、2005年11月に発足したキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とSPDの連立政権においても、脱原子力政策が継続されていた。

今回、CDU、CSU及びFDPによって署名された連立協定では、原子力発電を、再生可能エネルギーによって確実に代替されるまでの過渡的なエネルギーとして位置づけており、原子力法に基づく原子力発電所の新設禁止は堅持するものの、既設原子力発電所の運転期間延長を承認するという方針が示されている。また、放射性廃棄物処分に関しては、次の方針が示されている。

  • 責任ある原子力利用では、放射性廃棄物の安全な最終処分もその条件となる。したがって、結果の出ていない調査作業を進めるためにも、ゴアレーベン(旧岩塩鉱山)における探査活動の凍結等をただちに撤廃する。ゴアレーベンが最新の国際基準に達しているか否かについては、国際的なピアレビュー・グループと共に検討する必要がある。これにより、プロセス全体が明らかになり、透明性が確保される。
  • アッセⅡ研究鉱山 及びモルスレーベン処分場 を、速やかに透明性のある手続により閉鎖しなければならない。閉鎖に当たっては、人と環境の安全確保を最優先事項とする。アッセⅡ研究鉱山の閉鎖については、電力会社が費用を負担する。
  • 国にとって重要な処分場を受け入れた地域に対しては、法的に補償を行う。

【出典】

  • キリスト教民主同盟(CDU)、2009年10月26日付プレスリリース、
    http://www.cdu.de/home/index_29125.htm
  • キリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)、自由民主党(FDP)間の連立協定、2009年10月26日
    http://www.cdu.de/doc/pdfc/091026-koalitionsvertrag-cducsu-fdp.pdf

【2009年12月2日追記】

2009年11月18日に、高レベル放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)は、ゴアレーベンでの探査活動の凍結を早期に撤廃するという新連立政権の方針を受け、放射性廃棄物の最終処分場に関する問題を解決するため、目標を迅速に遂行するとするプレスリリースを公表した。また、BfSは、2000年から探査活動が凍結されていた間も、再開に向けて調査方法の検討などの準備を進めており、今後、国民の信頼を得て探査を進めていくためには、次の課題への対応が必要としている。

  • 1999年まで実施された調査計画について、最新の科学・技術レベルからの判断、安全要件への適合性の確認
  • 2015年に失効する、探査活動に必要な岩塩の採掘権の再取得
  • ゴアレーベンでの探査活動において、ステークホルダーや住民の参加プロセスを採用すること

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2009年11月18日付プレスリリース
    http://www.bfs.de/de/endlager/gorleben/gorleben_erkundungsmoratorim.html

【2009年12月2日追記】

ニーダーザクセン州環境省は、2009年11月26日付のプレスリリースにおいて、ゴアレーベン・サイトの適性を早期に確認するために、新しい安全要件に適合した方法で同サイトをさらに調査する必要があるとする同州の環境大臣のスピーチを公表した。大臣は、現時点でゴアレーベンの探査は90%が完了しており、順調に行けば7年後に探査が完了するとしている。

また、今後の探査では透明性を確保することが信頼を回復するために極めて重要であることから、今後の探査及びその結果の評価に協力することを目的とした、専門家と公衆とで組織されるゴアレーベン監視グループを支援すると述べている。

【追記部出典】

  • ニーダーザクセン州環境省、2009年11月26日付プレスリリース
    http://www.umwelt.niedersachsen.de/master/C60054136_N11281_L20_D0_I598.html

ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)は、2009年10月21日付のプレスリリースにおいて、2009年10月22日よりザクセン・アンハルト州農業・環境省(MLU)が、モルスレーベン低中レベル放射性廃棄物処分場(ERAM、以下「モルスレーベン処分場」という。)の廃止措置に関するBfSの計画書等の資料を公開することを発表した。計画書等は、BfSが2005年9月に計画確定手続(詳しくは こちら)のために、手続を所轄するザクセン・アンハルト州農業・環境省(MLU)に提出していたものである。プレスリリースによると、計画書等は2009年12月21日まで公開され、閲覧することが可能であり、その間に計画書等に対して異議申し立てを行うことができるとされている。

プレスリリースによれば、モルスレーベン処分場は、原子力法に基づいて廃止措置が行われる初めての処分場となることから、将来の処分場にとって先駆的役割を持つものとされている。現在、BfSは、この旧鉱山の安定化を図るために、2003年から放射性廃棄物が定置されていない領域に、岩塩・コンクリートを充填する作業を行っており、この作業は今後数ヶ月で完了するとしている。

また、計画書等の公開期間中に提示された異議申し立てについては、異議申し立て者との公開討論などが行われ、許認可官庁であるMLUにより審査される。これらの手続きを経て、最終的にMLUがモルスレーベン処分場の廃止措置に関する計画確定を決議することになる。BfSは、計画確定手続に基づいてモルスレーベン処分場の廃止措置が許可された場合、廃止措置の完了までに15~20年の期間が必要になるとしている。

なお、モルスレーベン処分場は、廃止された岩塩鉱山であり、旧ドイツ民主共和国(旧東ドイツ)の所轄官庁によって選定・許可されて1981年に操業が開始された低中レベル放射性廃棄物の処分場である。1990年10月の東西ドイツ統一によりモルスレーベン処分場の権限がドイツ連邦共和国に移管され、BfSが操業者となった。BfSは、2000年6月末までの操業許可を得てモルスレーベン処分場の操業を継続していたが、1998年のザクセン・アンハルト州上級行政裁判所の決定を受け、同年にモルスレーベン処分場の操業は停止された。その後、BfSは、安全性の問題から2001年に最終的にモルスレーベン処分場での放射性廃棄物の処分を断念した。モルスレーベン処分場には、1998年までに、3万7,000m3の低中レベル放射性廃棄物が処分されている。

【出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2009年10月21日付プレスリリース、
    http://www.bfs.de/de/bfs/presse/pr09/pr0934.html
  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)ウェブサイト、モルスレーベン低中レベル放射性廃棄物処分場(ERAM)
    http://www.bmu.de/atomenergie_ver_und_entsorgung/endlagerung/morsleben/doc/36634.php
  • 連邦放射線防護庁(BfS)ウェブサイト、モルスレーベン処分場に関する年表
    http://www.bfs.de/en/endlager/morsleben.html/Stilllegung.html

【2010年8月17日追記】

ドイツ連邦議会は、2010年8月13日付のプレスリリースにおいて、原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物処分の費用に関する連邦議会資料を公表し、この中でモルスレーベン処分場の廃止措置の費用見積を明らかにした。連邦議会資料によれば、モルスレーベン処分場の廃止措置については、2009年までに6億2,400万ユーロが支出されたこと、及び2010年から2035年までに14億2,300万ユーロの費用が発生する見込みであるとしている。

【追記部出典】

ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)は、2009年9月3日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物処分の地下研究所であったアッセⅡ研究鉱山の閉鎖に関して、廃棄物の回収、同鉱山のより深い地層への処分、特殊なコンクリートによる埋め戻しという3つのオプションの中から、2009年末までに最良のオプションを決定すると発表した。BfSは、この決定を透明性の高い形で行うことが可能としている。

プレスリリースによれば、連邦放射線防護庁(BfS)は、最良の閉鎖オプションの選定のため、市民運動家などを中心としたアッセⅡ監視グループとの協議を経て策定された評価基準と手続を公表しており、この評価基準に沿って選定が行われるとしている。

また、プレスリリースによれば、3つのオプションは、以下の観点において評価されるとされている。

  • 作業時の安全性
  • 制御できない地下水の浸入が生じた場合の環境への影響
  • 予備的な長期安全性に関する評価
  • 実現可能性
  • 必要とされる期間

プレスリリースによれば、以下のスケジュールでいずれの閉鎖オプションが最も安全かが決定され、2009年12月中旬に発表するとしている。

  • 2009年10月初めに、3つのオプションの実現可能性及び影響に関する研究が完了
  • インターネット及び公式のワークショップにおいて研究成果を公表
  • 2009年12月中旬までに、実現可能性の研究に対する連邦放射線防護庁(BfS)の専門的評価
  • BfSが2009年12月中に専門的評価の結果を公表
  • BfSの提案に対する公衆の意見聴取
  • BfSがアッセⅡ研究鉱山の閉鎖に関する最終決定

ドイツでは、放射性廃棄物処分に関する調査を実施するため、1965年に、現在のミュンヘン・ヘルムホルツセンター(HMGU)が岩塩鉱山であったアッセ鉱山を取得し、1967年から1978年まで低中レベル放射性廃棄物の試験的な処分が行われた。その後、アッセⅡ研究鉱山では、放射性廃棄物処分に係る地下研究所として調査活動が続けられた。一方で、近年になって、地下水の浸入により岩塩から成る処分坑道の安定性が確保できなくなる可能性が示されたことから、処分場としての閉鎖方策を早急に決定することが急務とされていた。なお、原子力法の改正(2009年3月改正)により、アッセⅡ研究鉱山の廃止措置が同法の規制を受けることとなった。また、2009年1月からは連邦放射線防護庁(BfS)がアッセⅡ研究鉱山の閉鎖手続の実施主体となっている。

【出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2009年9月3日付プレスリリース、
    http://www.bfs.de/de/bfs/presse/pr09/pr0929.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)ウェブサイト、アッセⅡ研究鉱山:岩塩層での廃棄物処分の経緯
    http://www.bfs.de/en/endlager/asse/grundlagen/geschichte.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)ウェブサイト、アッセⅡ研究鉱山:地層及びその安定性の問題
    http://www.bfs.de/en/endlager/asse/grundlagen/geologie.html
  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)、2008年11月19日付プレスリリース、
    http://www.bmu.de/pressemitteilungen/aktuelle_pressemitteilungen/pm/42605.php