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《ドイツ》「高レベル放射性廃棄物処分委員会」が最終報告書を採択

ドイツの高レベル放射性廃棄物処分委員会(以下「処分委員会」という)は、2016年6月27日に開催された第33回会合において、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づくサイト選定手続きに関する最終報告書を採択した。最終報告書は2016年7月5日に、連邦政府及び連邦議会に提出されると同時に処分委員会ウェブサイトにおいて公開される予定である。また、処分委員会は7月5日に、最終会合となる第34回会合を開催し、公衆に向けて最終報告書の勧告などの説明を行うとしている。

処分委員会は32名の委員(委員長2名除く)で構成されるが、このうち最終報告書に関する議決権を持つのは、学術界代表及び社会グループ代表の各8名の計16名である。最終報告書の採決は、16名の全員一致、もしくは、これらの16名の委員のうち3分の2以上の賛成が必要とサイト選定法に規定されているが、14名が賛成し、環境団体代表の1名が反対した(1名は欠席)。

最終報告書の主な勧告内容

処分委員会は2016年6月28日付のプレスリリースにおいて、採択した最終報告書は500ページを超えるものとなり、ドイツにおいて可能な限り高い安全性を有する高レベル放射性廃棄物処分場サイトを選定するための勧告・基準、及び公衆参加を組み込んだ公正で透明性の高いサイト選定手続きが含まれているとしている。

連邦議会のウェブサイトによると、最終報告書には、主に以下の勧告が示されている。

  • 放射性廃棄物は地層処分場に最終処分する。その際には、欠陥が認識された際に是正が可能となるよう、意思決定の可逆性及び定置された廃棄物の回収可能性を重視する。
  • 可能な限り高い安全性を有する処分場サイトを3段階の手続で絞り込み、連邦法で確定する。
  • 連邦、地域横断、地域の各レベルで委員会・合議体を設置し、包括的な公衆参加のもとでサイト選定を実施する
  • 岩塩、粘土層、結晶質岩を候補母岩として検討対象とする。
  • 旧処分場候補地であるゴアレーベン・サイトを、今後実施されるサイト選定手続きから除外しない。

【出典】

(post by tokushima.hideyuki , last modified: 2023-10-10 )