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米国で2017年5月23日に、2018会計年度1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表された。また、エネルギー省(DOE)のウェブサイトでDOEの予算要求資料が公表され、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「使用済燃料等」という。)の管理については、新たに「ユッカマウンテン及び中間貯蔵」プログラムが設けられ、120,000千ドル(約136億円、1ドル=113円で換算)が要求されている。また、原子力規制委員会(NRC)のウェブサイトでも予算要求資料が公表され、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査手続の継続のための予算として、30,000千ドル(約33億9,000万円)が要求されている。

DOEの予算で新たに設けられた「ユッカマウンテン及び中間貯蔵」プログラムは、使用済燃料等に対する連邦政府の責務を満足するとともに、国家安全保障を強化し、将来の納税者の負担の軽減に資するものとされている。本プログラムは、ユッカマウンテン許認可申請書の審査手続を復活させるという現政権の決定を実施に移すものであり、処分場が開発されるまでの近い将来については、中間貯蔵の体制を確立するものとしている。本プログラムでは、2018会計年度の実施事項として、以下が示されている。

ユッカマウンテン(110,000千ドル(約124億円))2

  • 高度に技術的・詳細な質問への対応のため、処分場の閉鎖前・閉鎖後の解析活動を実施
  • 訴訟対応として技術的・科学的・法的支援を提供
  • 争点の解決に係る成果を反映して許認可申請書及び関連文書を更新・維持
  • 許認可申請書の支援文書との一貫性等を確保
  • 証言書の準備・レビュー
  • NRCの原子力安全許認可委員会(ASLB)の裁決手続によるヒアリングにおけるDOE側の証人・証言の準備
  • 裁決手続での証拠開示手続の準備
  • 裁決手続での質問書への対応・準備
  • 裁決手続での動議その他法的手続の支援
  • 許認可手続の支援に必要な地質学的試料・施設の維持
  • 他の政府機関、地方政府、公衆等に対する効果的なコミュニケーション提供の義務を支援する包括的なコミュニケーション戦略の構築

中間貯蔵(10,000千ドル(約11億3,000万円))3

  • 商業的な使用済燃料中間貯蔵サービスの競争的調達の計画・策定の開始
  • 使用済燃料等の将来における輸送を支援する、輸送計画・調達・国家環境政策法(NEPA)分析を加速する活動の開始
  • 将来の使用済燃料等の輸送に備えるため、地域・州等の輸送当局との関係の維持
  • 物流上の要件や解析能力に対する最低限の支援の維持

DOEの予算要求資料では、現在は停止されている原子力発電事業者からの放射性廃棄物基金への拠出金について、2020会計年度から徴収を再開することが示されている。拠出金の徴収には、金額の妥当性評価報告書が必要であることが1982年放射性廃棄物政策法で規定されており、DOEは2018会計年度において、拠出金の妥当性評価報告書の策定を開始するとしている。

なお、DOEの高レベル放射性廃棄物処分関連の活動としては、前政権ではDOE原子力局(NE)の燃料サイクル研究開発プログラムの下で、「使用済燃料処分等研究開発プログラム」(UNFD研究開発プログラム)及び「統合放射性廃棄物管理システム」(IWMS)として、研究開発活動、同意に基づくサイト選定プロセスの構築、超深孔処分フィールド試験などが実施されてきたが、今回公表されたDOEの予算要求文書では、両プログラムとも廃止が提案されている。ただし、中間貯蔵及び輸送計画に関する活動については、新設された「ユッカマウンテン及び中間貯蔵」プログラムに移管するものとされている。

一方、NRCの予算要求資料では、高レベル放射性廃棄物の予算として30,000千ドル(約33億9,000万円)が計上されており、主な活動として、処分場建設認可に係る許認可申請書の審査活動の継続、裁判形式の裁決手続再開の準備、関連訴訟への参加と準備が挙げられている。これまでNRCにおけるユッカマウンテン処分場の許認可申請書に係る審査活動は、過年度の歳出予算の未使用残高の範囲内で限定的に行われていた

また、2017年1月に操業を再開した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)については、2016~2017会計年度と比較して約18,000千ドル(約20億円)増の323,041千ドル(約365億円)の予算が要求されている。要求額には換気システムや排気立坑の費用が含まれているが、主な増加要因として、2017年に操業が再開されたこと、是正活動の維持、輸送回数増加のための対応などが挙げられている。

【出典】

 

【2017年6月23日追記】

米国の連邦議会において、2017年6月20日~23日に、エネルギー省(DOE)の2018会計年度の予算要求に関するヒアリングが実施された。ヒアリングは、以下に示す日程で上下両院の関連委員会が開催したものであり、エネルギー長官が証人として出席して2018会計年度の予算要求について説明するとともに、各委員会の委員による質疑が行われた。

開催日 開催委員会

2017年6月20日

下院歳出委員会(エネルギー・水資源小委員会)

2017年6月21日

上院歳出委員会(エネルギー・水資源小委員会)

2017年6月22日

上院エネルギー・天然資源委員会

エネルギー長官が各委員会に提出した証言書では、高レベル放射性廃棄物処分に係る前進が必要との認識の下、ユッカマウンテン処分場に係る許認可活動の再開及び使用済燃料の中間貯蔵プログラムの開始のために1億2,000万ドル(約136億円、1ドル=113円で換算)の予算を要求していることが示されている。その上で、長期にわたり停止していたユッカマウンテン処分場の許認可活動の再開及び中間貯蔵施設の確保を明確に示した2018会計年度の予算要求は、高レベル放射性廃棄物に対応する連邦政府の義務を満足し、国家安全保障を強化し、将来の米国納税者の負担を軽減するものとしている。これはまた、原子力安全・安全保障に対する公衆の信任を増し、原子力が米国のエネルギー需要に貢献し続けることを支援するものとしている。

エネルギー長官は、各委員会の質疑での回答においても、ユッカマウンテン計画の再開と中間貯蔵プログラムの開始に強い意欲を示している。これに対し、ネバダ州知事及びネバダ州選出の連邦議会議員は、ネバダ州はユッカマウンテン処分場計画に一貫して反対を続けており、DOEは同意に基づくサイト選定の取組を継続すべきであるなどの主旨で、エネルギー長官が一連のヒアリングで示した見解を批判するプレスリリースを発出している。

【出典】

 

【2017年7月13日追記】

米国の連邦議会下院の歳出委員会は、2017年7月12日に開催した法案策定会合において、2018会計年度4 のエネルギー・水資源開発歳出法案の草案(以下「歳出法案草案」という。)を承認した。本歳出法案草案では、エネルギー省(DOE)のユッカマウンテン関連の高レベル放射性廃棄物処分予算として120,000千ドル(135億6,000万円、1ドル=113円で換算)、原子力規制委員会(NRC)のユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可手続の予算として30,000千ドル(33億9,000万円)と、いずれもエネルギー省(DOE)等の予算要求と同額が割り当てられている。

歳出法案草案では、DOEに計上されたユッカマウンテン関連の高レベル放射性廃棄物処分予算の一部について、ネバダ州及び影響を受ける自治体等に対し、許認可活動への参加に係る費用などとして補助金等を財政支給することが規定されている。ただし、これらの資金は、訴訟費用や中間貯蔵活動等には使用できないことなどが規定されている。また、2017会計年度の下院歳出法案と同様に、ユッカマウンテン計画の中止に繋がる活動への歳出を禁じることも規定されている。

また、歳出法案に付随する下院歳出委員会報告書では、「使用済燃料処分等(UNFD)プログラム」の一般的な研究開発活動を継続するための予算として45,000千ドル(50億8,500万円)が計上されている。DOEが2017年5月23日に公表した予算要求では、同プログラムの予算は要求されていなかった。

なお、2017年7月12日に開催された下院歳出委員会の法案策定会合において技術的な事項に係る修正案が承認されているが、これらの修正事項を反映して、法令番号を付した歳出法案は2017年7月12日時点では公表されていない。

【出典】

 

【2017年7月25日追記】

米国の連邦議会上院の歳出委員会は、2017年7月20日に、2018会計年度5 のエネルギー・水資源開発歳出法案(S.1609)を承認し、上院本会議に提出した。本歳出法案では、使用済燃料の中間貯蔵について、前年度に上院で可決された2017会計年度の歳出法案と同様に、中間貯蔵施設のパイロットプログラムの実施等をエネルギー長官に命じる規定が置かれている。また、本歳出法案では、エネルギー省(DOE)の予算要求では廃止とされた予算として、使用済燃料処分等(UNFD)研究開発及び統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)プログラムの予算が計上されている。なお、ユッカマウンテン関連の予算及び記述は盛り込まれていない。

下表は、2018会計年度の歳出法案での高レベル放射性廃棄物関連予算について、上下両院で提出された歳出法案における予算計上金額及びポイントを示したものである。

項目 連邦議会上院の歳出法案 連邦議会下院の歳出法案
研究開発 65,000千ドル(73億4,500万円、1ドル=113円で換算) 45,000千ドル(50億8,500万円)
  • 使用済燃料処分等(UNFD)研究開発として、処分及び貯蔵に係る一般的な研究開発活動を継続するための予算を計上
地層処分 【予算計上なし】 120,000千ドル(135億6,000万円)
  • ユッカマウンテンに関する記述はなし
  • ユッカマウンテン処分場計画の再開のため許認可活動予算等を計上
中間貯蔵 35,000千ドル(39億5,500万円) 【予算計上なし】
  • 統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)として集中中間貯蔵計画の実施のための予算を計上
  • 予算金額のうち10,000千ドル(11億3,000万円)については、集中中間貯蔵に係る民間事業者との契約締結をエネルギー長官に許可
  • 集中中間貯蔵のパイロットプログラムの実施をエネルギー長官に命じる規定(第307条)
  • 集中中間貯蔵プログラムの実施に関する記述はなし
高レベル放射性廃棄物の規制 【予算計上なし】 30,000千ドル(33億9,000万円)
  • ユッカマウンテンに関する記述はなし
  • 原子力規制委員会(NRC)における許認可手続予算を放射性廃棄物基金から引き出す

今回、上院本会議に提出された歳出法案に盛り込まれた中間貯蔵関連の条項では、以下のような内容が規定されている。

集中中間貯蔵のパイロットプログラム(歳出法案第307条)

  • 使用済燃料等を中間貯蔵するため、1つまたは複数の連邦政府の集中中間貯蔵施設の許認可取得、建設、操業のためのパイロットプログラムを実施することをエネルギー長官に許可
  • エネルギー長官は、歳出法の施行後120日以内に、集中中間貯蔵施設の建設許可取得や輸送等の協力協定についてのプロポーザルを公募
  • 集中中間貯蔵施設の立地決定前に、立地サイト周辺等での公聴会の開催、地元州知事、地方政府等との書面による同意協定の締結をエネルギー長官に義務付け
  • エネルギー長官は、上記プロポーザル公募から120日以内に、推定費用、スケジュール等を含むパイロットプログラム計画を連邦議会に提出
  • 集中中間貯蔵のパイロットプログラム活動に係る資金の放射性廃棄物基金からの支出を許可

今回、上院本会議に提出された歳出法案にユッカマウンテン計画再開のための予算が含まれなかったことについて、ネバダ州選出の連邦議会議員からは、これを評価した上で、今後も闘いを継続する旨のプレスリリースが発出されている。また、ネバダ州選出の連邦議会下院議員は、ユッカマウンテン計画の再開を図る下院の歳出法案に対して、ユッカマウンテン関連の予算を削除するなどの修正案を提出している。

下院では、2017年7月12日の歳出委員会会合での承認を経て、2017年7月17日にエネルギー・水資源開発歳出法案(H.R.3266)が本会議に提出されているが、安全保障に関連する4つの歳出法案をまとめた「米国安全保障歳出法案」(H.R.3219)として下院本会議で審議を行うことが予定されている。

【出典】

 

【2017年8月2日追記】

米国の連邦議会下院は、2017年7月27日の本会議において、2018会計年度6 「米国安全保障歳出法案」(H.R.3219、以下「本歳出法案」という。)を、235対192で可決した。本歳出法案は、2018会計年度の国防歳出法案(H.R.3219)に「エネルギー・水資源歳出法案」(H.R.3266)などを統合し、安全保障に関連する4つの歳出法案をまとめたものである。本歳出法案での高レベル放射性廃棄物管理に係る予算については、2017年7月12日に下院歳出委員会で承認された内容から変化はなく、歳出法案に付随する委員会報告書についても、2017年7月12日に下院歳出委員会で承認されたものとなっている。

本歳出法案及び付随する下院歳出委員会報告書では、2018会計年度の高レベル放射性廃棄物関連予算について、以下のとおり規定されている。

  • エネルギー省(DOE)のユッカマウンテン関連の高レベル放射性廃棄物処分予算として120,000千ドル(135億6,000万円、1ドル=113円で換算)、原子力規制委員会(NRC)のユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可手続の予算として30,000千ドル(33億9,000万円)を計上
  • DOEに計上されたユッカマウンテン関連の高レベル放射性廃棄物処分予算の一部について、ネバダ州及び影響を受ける自治体等に対し、許認可活動への参加に係る費用などとして支給(ただし、訴訟費用や中間貯蔵活動等には使用できない)
  • ユッカマウンテン計画の中止に繋がる活動への歳出を禁じる条項(第507条)を規定
  • 「使用済燃料処分等(UNFD)プログラム」の一般的な研究開発活動を継続するための予算として45,000千ドル(50億8,500万円)を計上

本歳出法案で計上された予算のうち、ユッカマウンテン関連の予算金額についてはDOE等の予算要求と同額が割り当てられているが、使用済燃料処分等(UNFD)プログラムとしての一般的な研究開発予算については、DOEの予算要求では要求されていなかった。

なお、本歳出法案の下院本会議での審議において、ユッカマウンテン計画の中止に繋がる活動への歳出を禁じた第507条を削除する修正案がネバダ州選出の下院議員から提出されたが、発声投票により否決された。

本歳出法案の下院本会議での可決及びネバダ州選出議員提出の修正案の否決について、ネバダ州選出の連邦議会の上院議員及び下院議員からは、これを非難し、今後も反対を続けることなどを表明するプレスリリースが発出されている。

【出典】

 

【2017年9月11日追記】

米国の連邦議会では、上院が2017年9月7日に、下院が2017年9月8日に、2018会計年度(2017年10月1日~2018年9月30日)のうち、2017年10月1日から2017年12月8日を対象とした継続歳出法案をそれぞれ可決し、2017年9月8日に大統領の署名を得て継続歳出法として成立した。かねてから検討されていたユッカマウンテン許認可手続の再開等については、今回の継続歳出法では予算が付かないものとなった。

2018会計年度の継続歳出法は、エネルギー・水資源分野を含めて、2017年12月8日までの期間について、2017会計年度の予算を規定した包括歳出予算法での予算と同じレベルでの歳出を認めるものである。継続歳出法による予算は、原則として前年度予算と同率で比例配分され、特段の規定が無い限り、前年度で未計上の事業・プログラム等の実施は認められない。

今回制定された2018会計年度の継続歳出法では、ユッカマウンテン処分場関連、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)関連、中間貯蔵施設関連を含め、放射性廃棄物貯蔵・処分に関する特別な規定は無い。

【出典】

 

【2017年9月25日追記】

米国の連邦議会下院は、2017年9月14日の下院本会議において、2018会計年度の全期間(2017年10月1日~2018年9月30日)を対象とした「米国安全保障・繁栄歳出法案」(H.R.3354、以下「包括歳出法案」という。)を211対198で可決した。本包括歳出法案は、2018会計年度の内務省・環境分野の歳出法案(H.R.3354)に対して、すべての他分野の歳出法案を統合して、包括歳出法案としてまとめたものである。
エネルギー関連については、2017年7月12日に下院歳出委員会で承認された「エネルギー・水資源歳出法案」(H.R.3266)、及び同法案を統合して2017年7月27日に下院本会議で可決された「米国安全保障歳出法案」(H.R.3219)から変更はなく、2018会計年度の高レベル放射性廃棄物関連予算は以下のとおり規定されている。

  • エネルギー省(DOE)のユッカマウンテン関連の高レベル放射性廃棄物処分予算として120,000千ドル(135億6,000万円、1ドル=113円で換算)、原子力規制委員会(NRC)のユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可手続の予算として30,000千ドル(33億9,000万円)を計上
  • DOEに計上されたユッカマウンテン関連の高レベル放射性廃棄物処分予算の一部について、ネバダ州及び影響を受ける自治体等に対し、許認可活動への参加に係る費用などとして支給(ただし、訴訟費用や中間貯蔵活動等には使用できない)
  • ユッカマウンテン計画の中止に繋がる活動への歳出を禁じる条項(第507条)を規定
  • 「使用済燃料処分等(UNFD)プログラム」の一般的な研究開発活動を継続するための予算として45,000千ドル(50億8,500万円)を計上

2018会計年度の高レベル放射性廃棄物関連予算に関して、連邦議会上院の歳出委員会で2017年7月20日に承認された上院版歳出法案(S.1609)では、ユッカマウンテン関連の予算及び関連する記述は盛り込まれず、集中中間貯蔵計画の実施のための予算が計上されるなど、今回下院で可決された包括歳出法案とは内容が大きく異なっている。包括歳出法案が法律として成立するためには、上院で同じ内容の法案が可決されることが必要であり、上院で異なる内容の歳出法案が可決された場合には両院協議会等で調整が行われることとなる7

【出典】

 

【2017年12月11日追記】

米国の連邦議会は2017年12月8日に、2018会計年度(2017年10月1日~2018年9月30日)のうち、2017年12月22日までを対象とした継続歳出決議(CR)を可決し、また、同日に大統領の署名を得て公法(Public Law No.115-90)として成立した。2018会計年度の歳出予算については、2017年12月8日までを対象とした継続歳出法(H.R.601)が2017年9月8日に成立していたが、今回、上下両院合同で可決された継続歳出決議は、前回の継続歳出法で設定された継続予算の期限を2017年12月22日まで延長するものとなっている。

なお、今回可決された2018会計年度のうちの2017年12月22日までの継続歳出決議では、ユッカマウンテン処分場関連、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)関連、使用済燃料の中間貯蔵施設関連を含め、放射性廃棄物の貯蔵・処分に関する特別な規定はない。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2018会計年度の予算は2017年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  2. プログラム管理費用(19,600千ドル(約22億1,000万円))を含む []
  3. プログラム管理費用(3,400千ドル(約3億8,000万円))を含む []
  4. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2018会計年度の予算は2017年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  5. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2018会計年度の予算は2017年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  6. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2018会計年度の予算は2017年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  7. なお、上院では本会議での歳出法案の審議は進んでおらず、上院版の歳出法案を審議・可決することなく下院との調整が行われる可能性もある。 []

ドイツの連邦放射性廃棄物機関(Bundesgesellschaft für Endlagerung, BGE)は、2017年4月25日にウェブサイト(https://www.bge.de/)を開設し、これまで連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)傘下の連邦放射線防護庁(BfS)が担っていた放射性廃棄物処分の実施主体としての役割を引き継ぎ、活動を開始したことを公表した。BGEは、BMUBの監督下にある100%国有の有限会社として設立されており、原子力法に基づいて、連邦政府の委託を受けて放射性廃棄物処分場の設置・操業を行うこととなっている。

また、BGEは、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づいて、高レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定手続きの実施者として、今後、候補地域及び探査サイトの提案、サイトの探査計画及び評価基準の策定、サイトでの探査の実施、予備的安全評価などを行う。

今回活動を開始した新たな実施主体であるBGEを含めた、ドイツの放射性廃棄物処分に関わる主な各機関の役割は下表・下図のようになっている。

ドイツの放射性廃棄物処分の実施体制

ドイツの放射性廃棄物処分の実施体制

連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)

連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)

連邦放射性廃棄物機関(BGE)

最終処分分野における政策責任者であり、最高監督官庁。また、出資者としてBGEを監督する。

BMUB傘下の専門官庁として、放射性廃棄物処分に係る規制監督・許認可発給を行う。また、高レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定手続きの管理責任者である。

放射性廃棄物処分の実施主体であり、100%国有の有限会社。既存・建設中の処分場の操業者である。また、高レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定手続きの実施主体でもある。

 

連邦放射性廃棄物機関(BGE)の設置の背景

サイト選定法に基づく「高レベル放射性廃棄物処分委員会」(以下「処分委員会」という)は2015年3月に、発生者の利害とは独立した形で放射性廃棄物の処分事業が実施されるようにするため、新たな実施主体となる「連邦放射性廃棄物機関(BGE)」を100%国営組織として設置することを提案していた 。本提案は、2016年7月8日に成立した「最終処分分野における組織体制刷新のための法律」において法制化された。本法に含まれる原子力法を改正する条文では、放射性廃棄物処分事業の実施責任をBMUBの監督下に置かれる「連邦が100%所有する私法上の組織」に一任すると規定しており、BGEはこの組織に相当する。なお、BGEが設置される以前の実施主体であった連邦放射線防護庁(BfS)は、放射線防護・原子力防災に関する専門官庁として存続している。

連邦放射性廃棄物機関(BGE)の現状と今後の予定

BGEは、これまで放射性廃棄物処分の実施主体であった連邦放射線防護庁(BfS)の他、BfSの委託を受けて処分場の設置・操業などの作業を実施していたドイツ廃棄物処分場建設・運営会社(DBE社)及びアッセII研究鉱山の管理作業等を行っていたアッセ有限会社の役割のすべてを継承することになっている 。2017年4月25日時点では、これまでBfSが行っていた放射性廃棄物処分実施に係る業務が移管され、関係する職員がBGEに移籍した状態である。今後数カ月内には、DBE社及びアッセ有限会社もBGEに統合される予定であり、統合の完了により、BGEの実施主体としての体制が整うこととなる。

【出典】

 

【2017年8月14日追記】

ドイツの連邦放射性廃棄物機関(Bundesgesellschaft für Endlagerung, BGE)は2017年8月4日に、各州の地質調査所及び鉱山・水利関連官庁に対して、保有する地質学的データの提供を求める書簡を送付することにより、全国の地質学的データの収集を開始したことを公表した。

サイト選定法では、サイト選定手続きの最初のステップとして、BGEが地球科学的な除外基準及び最低要件を適用し、最終処分に好ましい地質学的な前提条件を満たす「サイト区域」を選定することが規定されている。今後BGEは、サイト区域の選定結果を中間報告書に取りまとめ、サイト選定手続きを監督する連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)に提出することになっている。

【出典】

ロシアにおける放射性廃棄物管理の実施主体である国営企業ノオラオ社(NO RAO)1 は、2017年4月25日のプレスリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物等の処分が計画されているクラスノヤルスク地方エニセイスキーのニジュネカンスキー花崗岩における地下研究所について、建設工事に関する一般競争入札の公告を行ったことを公表した。 プレスリリースによると、今回の入札は、地下研究所の建設の第一段階を対象としたものであり、既存のインフラの解体・撤去や、次の段階での建設・設置作業を円滑に実施するための、地上の建屋や複合施設、通信インフラの建設・設置に関する予備作業のほか、サイトの準備、現場へのアクセス道路の敷設、給水施設の建設が含まれる。第一段階の作業の工期は2019年11月15日までとされている。

地下研究所の概念図(ノオラオ社ウェブサイトより引用)

地下研究所の概念図(ノオラオ社ウェブサイトより引用)

ノオラオ社は、地下研究所の建設を2024年までに完了させる計画であり、深さ450~525mにおける岩盤特性を調査することにより、高レベル放射性廃棄物と長寿命中レベル放射性廃棄物の最終処分の実現可能性を調査することを目的としている2 。ノオラオ社は、地下研究所での調査結果に基づいて、地下研究所を拡張して最終処分施設とする可能性について検討を行うとしている。なお、地下研究施設では、放射性物質は使用されないこととなっている。

計画されている地下研究所の建設予定地(クラスノヤルスク地方エニセイスキー)

【出典】

 

【2017年8月1日追記】

ロシアにおける放射性廃棄物管理の実施主体である国営企業ノオラオ社(NO RAO)は、2017年7月31日のプレスリリースにおいて、クラスノヤルスク地方エニセイスキーのニジュネカンスキー花崗岩に計画している地下研究所の建設工事に関して、一般競争入札の再公告を行ったことを公表した。

ノオラオ社は、2017年4月に、地下研究所の建設の第一段階にあたるインフラ整備等の作業を対象とした一般競争入札を公告していたが、当初予定していた作業工程の組み直しが必要となったため、改めて一般競争入札を行うとしている。なお、再公告となった今回の第一段階の建設作業の工期については、前回の公告からの変更はなく、2019年11月15日までのままである。

 

【出典】

【2017年10月31日追記】

ロシアにおける放射性廃棄物管理の実施主体である国営企業ノオラオ社(NO RAO)は、2017年10月26日のプレスリリースにおいて、クラスノヤルスク地方エニセイスキーのニジュネカンスキー花崗岩で計画している地下研究所について、2018年に建設開始予定であることを公表した。 ノオラオ社は、2017年4月に、地下研究所の建設の第一段階にあたるインフラ整備等の作業を対象とした一般競争入札の公告を行っていたが、作業工程の組み直しが必要となったため、2017年8月に一般競争入札の再公告を行っていた。 なお、プレスリリースでは、地下研究所の建設地が所在するジェレズノゴルスク市3 の住民に向けて、ノオラオ社の事業と地下研究所における研究活動を紹介するインフォメーションセンターが建設されることも公表している。

 

【出典】


  1. ロシアでは、2011年に放射性廃棄物管理法が制定され、同法で規定された安全で経済的な放射性廃棄物管理を実施する国家事業者として、2012年3月に国営企業ノオラオが設立された。 []
  2. ロシアでは処分方法に関連させて放射性廃棄物を6つのクラスに分類している。クラス1は発熱性高レベル放射性固体廃棄物、クラス2は高レベル放射性固体廃棄物と長寿命中レベル放射性廃棄物に分類され、いずれも地層処分が適切であるとされている。クラス3は100mの深さまでの浅地中処分施設への処分相当の低中レベル放射性固体廃棄物、クラス4は地表レベルの浅地中処分施設への処分相当の低レベル放射性固体廃棄物及び極低レベル放射性固体廃棄物に分類される。クラス5は低中レベル放射性液体廃棄物、クラス6は探鉱や精錬等で発生する廃棄物に分類されている。エニセイスキーで計画されている地層処分場では、クラス1と2の放射性廃棄物の処分が検討されている。 []
  3. ジェレズノゴルスク市にある鉱業化学コンビナート(MCC)には、ロシア型加圧水型原子炉(VVER)や黒鉛減速沸騰水型原子炉(RBMK)の使用済燃料中間貯蔵施設がある。 []

英国政府は2017年4月13日に、地層処分と地域との協働に関する公衆対話(以下「公衆対話」という)の実施結果をまとめた報告書、対話の実施プロセス等についての分析報告書を公表した。公衆対話は、科学コミュニケーションの促進を目的とした英国政府のプログラム「サイエンスワイズ」(Sciencewise Expert Resource Centre)1 を活用して実施されたプロジェクトである。英国政府は、地域との協働プロセスの策定に向けて「地域の代表のための作業グループ」(CRWG)を2015年に設置して検討を進めており、今回の公衆対話プロジェクトの成果をCRWGの作業に役立てるとしている。

サイエンスワイズによる公衆対話プロジェクトでは、科学技術に関する政策立案に資するため、少人数の一般市民との対話を通じて、理解を深めてから参加者自身の見解を評価してもらうという手法が用いられている。今回の公衆対話は、世論調査や市場調査の専門機関を活用して実施されており、対話の設計と実施を3KQ社、対話の実施プロセスの独立した立場での分析をURSUSコンサルティング社が担当している。

■地層処分と地域の協働に関する公衆対話

今回の公衆対話は、2015年12月から2016年3月にかけて、マンチェスターとスウィンドンの2都市で、それぞれ2日間(いずれも土曜日)で実施された。参加者は各都市とも27名(2都市で合計54名)である。開催地は、以下の点を考慮して選定されている。

  • イングランド北部と南部にある中心地域
  • 原子力施設が立地していない地域、また比較的原子力問題への関心が低い地域であって、これまで地層処分に関連する議論に関与してこなかった地域
  • 都市・郊外・農村の各エリアに居住している住民の参加が可能な地域

公衆対話の参加者は、以下の4項目についての情報提供を受け、少人数のグループに分かれて相互に議論しながら、自身の意見を評価する作業を行う。公衆対話では、このような参加者の議論を通じた対話を分析することにより、幅広い公衆の見解を深く探求することが意図されている。

  • サイト選定プロセスにおいて実施主体とコンタクトする地域の代表
  • サイト選定プロセスへの参加可否についての住民の支持を調査・確認(test)する方法
  • サイト選定プロセスから撤退する権利(撤退権)
  • サイト選定プロセスに参加した地域への投資

参加者から示された主な意見を以下に示す。

○地域の代表(Community representation)

  • 地域にある組織、または地域のための活動を行うことに信頼や正当性を有する者が、地域の代表及び将来を決定する者として必要な資質を有している
  • 地域の代表の存在意義は住民・地域の利益にある
  • 地域の代表には信頼性、独立性、地域への関心・配慮があることが望まれる
  • 地域への関心・配慮のために自治体の関与を求める意見も多かったが、信頼性や代表性の欠如から、自治体の排除を強く求める意見もあった
  • 独立性や公平性の点から、規制機関や専門家が関与することが望ましい
  • 地域の代表は、情報提供・継続的なコミュニケーション・住民意見の認知・信頼と信用を維持することが重要である
  • 地域の代表への信頼はプロセス全体への信頼につながる

○住民の支持を調査・確認(test)する方法(Test of public support)

  • 参加者に例示された3つの方法(統計的手法に基づいた世論調査、住民投票、公開協議による意見募集)に対して、地域住民全員が意見を示せること、サイト選定プロセスについて学習し、意見が固まるまでの時間を確保することが重要である
  • 公開協議による意見募集の実施後に、最終的に住民投票(住民の意見調査などを含む)を実施する複合的なアプローチが好まれる

○撤退権(Right of withdrawal)

  • 撤退に関する意向は、信頼の欠如と不確実性の存在(例えば、証拠が矛盾するなど)から生じる可能性が高い
  • 地域の代表、または地域と密接に協議をした地域の代表が撤退について最終決定することを支持する傾向にあった。住民の支持を調査・確認(test)する方法と比較して、撤退権のタイミングについて不明瞭であることから、サイト選定プロセスの撤退権の部分を説明する際に、明確に伝えることが必要である

○地域への投資(Community investment)

  • 地元のプロジェクト、地域に長期的な利益を与えるプロジェクト、地域のより広範な人々の利益になるプロジェクトに投資する
  • 地域独自の優先順位や選定基準に基づいて投資する

■公衆対話で示された意見の分析

今回の公衆対話を設計・実施した3KQ社は、参加者による議論の状況に関する全般的な所見として、参加者の議論を通じて意見が集約され、広く合意が得られた事項として、以下の二つを挙げている。

  • 住民の支持を調査・確認(test)する方法として、公開協議による意見募集の実施後に最終的に住民投票を実施すること
  • 全てのプロセスにおいて、透明性があること、また全ての関係者間で定期的にコミュニケーションが取れていること

3KQ社は、参加者の意見集約が進まなかった事項として、以下を挙げている。

  • 自治体がどの程度までその地域を代表しているといえるか
  • 住民投票及びその他の住民の支持を調査・確認(test)する方法において、どこまでの住民を対象とするのか(人数、居住地域、年齢等)

また、3KQ社は、今後、同様な公衆対話を実施する場合には、以下の点を考慮することが望ましいと指摘している。

  • 今回の公衆対話で広く合意が得られた意見について、別の公衆対話においても広く合意されるか否かを確認する
  • 住民投票の実施対象範囲や住民の支持を調査・確認(test)する方法など、意見が集約しなかった事項について、より確固たる結論が導き出せるか否かを確認する
  • 規制機関や専門家をオブザーバーやアドバイザーとして地域代表グループに入れるべきか等、いくつかの事項については、より詳細な調査対象とする

■公衆対話の実施プロセス等についての分析報告書

公衆対話の実施プロセスの独立的な分析を行ったURSUSコンサルティング社は、英国政府が最も難しいと位置付けている地域に係わる問題について、問題を解決するために役に立つものとして、公衆の意見、その背景・理由及び多くの新たな考え方を得ることができたとしている。また、このような公衆との対話プロセスを注意深く設計して実施することは、政策の策定においてプラスとなる良好事例であると評価している。

 

【出典】


  1. サイエンスワイズは、科学技術に関する政策立案に関して、早い段階から市民との対話を促進することを目的として2004年から始まった英国政府のプログラムである。英国政府が資金支援をしたプログラムの実施主体であり、政策策定プロセスにおいて利用される公衆との対話の効果を増加させ、政策を改善するためのプログラムを実施することが目的とされている。なお、2011年に政策評価を受けて、サイエンスワイズの活動期間は2012年4月1日から2016年3月31日までとなっている。 []

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会は、2017年4月19日付けのプレスリリースにおいて、「2017年放射性廃棄物政策修正法案」に係るヒアリングを実施することを伝えるとともに、法案の討議用ドラフトを公表した。2017年放射性廃棄物政策修正法案は、1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)を修正するものであり、同プレスリリースでは、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の処分に係る連邦政府の義務の履行を確実にするため、米国の放射性廃棄物管理政策の現実的な改革を行うものであるとしている。また、今回公表した法案の討議用ドラフトは、放射性廃棄物管理政策の改革について、ステークホルダーからのフィードバックを促進するものであるとしている。

2017年放射性廃棄物政策修正法案の討議用ドラフトにおける法案の構成及び主要条文タイトルは、以下の通りとなっている。

第I章 監視付き回収可能貯蔵1
監視付き回収可能貯蔵(第101条)、権限と優先度(第102条)、協力協定の条件(第103条)、サイト選定(第105条)、便益協定(第106条)、許認可(第107条)

第Ⅱ章 永久的な処分場
土地収用・管轄権・保留地(第201条)、水利権(第202条)、申請手続とインフラ活動(第203条)、申請中の処分場許認可申請(第204条)、軍事廃棄物専用処分場開発の制限(第205条)、輸送経路に関する連邦議会意見(第206条)

第Ⅲ章 エネルギー省(DOE)の契約履行
物質[使用済燃料]の所有権

第Ⅳ章 立地自治体に対する便益
同意(第401条)、協定の内容(第402条)、対象となる地方政府(第403条)、使用済燃料処分(第406条)、更新レポート(第407条)

第Ⅴ章 資金
見積り及び拠出金の徴収(第501条)、放射性廃棄物基金の使用(第502条)、一定金額の利用可能性(第503条)

第Ⅵ章 その他
基準(第601条)、民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)(第602条)

下院エネルギー・商務委員会のプレスリリースでは、法案の討議用ドラフトにおける提案は、過去6年間に亘る数多くのヒアリング記録等に基づいて綿密に策定されたものであるとしている。主要な規定として、具体的には以下のようなポイントが含まれている。

  • 中間貯蔵
    第Ⅰ章の監視付き回収可能貯蔵(MRS)は、使用済燃料の中間貯蔵施設プログラムについて規定するものであり、ユッカマウンテン処分場の建設に係る許認可申請に対する原子力規制委員会(NRC)による決定が行われることを条件として、民間事業者との協力契約の締結を含む中間貯蔵の実施権限などを、エネルギー長官に認める規定などが置かれている2
    また、第Ⅲ章では、中間貯蔵を目的としてエネルギー長官が民間の使用済燃料を引取り、所有権を取得する権限を認める規定が置かれている。
  • 処分場プログラム
    水利権に係る州の差別的対応を禁止し、エネルギー長官による水利権取得を認める規定、処分場建設に必要な土地の収用を認める規定などが置かれている3
    また、ネバダ州がラスベガス近郊における使用済燃料輸送について懸念を示していることから、エネルギー長官は可能な限りラスベガスを回避する輸送経路を検討すべきであるとの連邦議会意見も規定されている。
  • 立地地域への便益
    便益の提供を受けることは処分場立地への同意を意味しないとして、処分場計画に反対する州も便益提供の対象とすること(ただし、訴訟費用等への充当は制限)、エネルギー長官は、州のみでなく地方政府とも便益協定を締結することを認めること、放射性廃棄物政策法に規定された以外の便益協定を締結可能とすることなど、放射性廃棄物政策法における便益提供の枠組みを修正する規定が置かれている。
  • 資金
    放射性廃棄物基金からの支出については、各年度の連邦政府の歳出法における承認が必要とされているが、ユッカマウンテンサイトにおける使用済燃料等の受入れ開始後は、処分事業進捗の段階に応じて一定金額を歳出法による承認なしに使用可能とする規定が置かれている。

今回の2017年放射性廃棄物政策修正法案の討議用ドラフトの公表に対して、ユッカマウンテンが立地するネバダ州ナイ郡は、同法案がネバダ州の懸念点の多くに対応するものであることを評価し、ネバダ州は検討手続に参加すべきであるなどとして、連邦議会の動きを歓迎する声明を出している。

一方、ナイ郡を選挙区に含むキヒューエン下院議員は、2017年9月19日付けのプレスリリースにおいて、ヒアリングへの参加要求をエネルギー・商務委員会に送付したことを公表するとともに、ネバダ州の代表者が参加しない委員会で審議検討を進めることは不適切であるとの見解を表明している。

【出典】

 

【2017年4月25日追記】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会は2017年4月24日に、同委員会ウェブサイトの「2017年放射性廃棄物政策修正法案」に係るヒアリングのページにおいて、2017年4月26日に実施が予定されているヒアリングでの証言者のリストとともに、本ヒアリングに係る背景メモを公表した。

「2017年放射性廃棄物政策修正法案」に係るヒアリングは2部構成で行われ、第1部ではネバダ州及びサウスカロライナ州4 選出の連邦議会議員が、また、第2部では各分野のステークホルダー組織、及びエネルギー省(DOE)民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)の元局長が、それぞれ証言者として予定されている。

また、今回公表された背景メモでは、放射性廃棄物管理に係る背景・経緯に係る情報とともに、「2017年放射性廃棄物政策修正法案」の討議用ドラフトの逐条解説が示されているほか、本ヒアリングで検証する問題点として以下の5点が示されている。

  • 「2017年放射性廃棄物政策修正法案」討議用ドラフトの条項
  • 処分場に関する許認可と要件
  • 監視付き回収可能貯蔵(MRS)の承認、及び中間貯蔵プログラムを実施するためのDOEの契約上の仕組み
  • MRS、または処分場の立地州・自治体等とのパートナーシップの可能性
  • DOEサイトの環境修復を迅速化する取組

なお、今回開催されるヒアリングに対してネバダ州知事は、2017年4月21日付けのプレスリリースにおいて、ヒアリングを主宰するエネルギー・商務委員会の委員長及び少数党最上席議員に宛ての書簡を公表した。今回のネバダ州知事の書簡では、ユッカマウンテンにおける処分場建設に対して強く一貫して反対を行うこと、あらゆる手段を用いてプロジェクトを阻止する意向であることが示されている。また、ヒアリングに参加するネバダ州選出議員からもプレスリリースが出されており、ヒアリングへの参加が認められたことは評価しつつも、ユッカマウンテン計画に対するネバダ州民の反対は強固であることなどが訴えられている。

【出典】

 

【2017年4月27日追記】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会は、2017年4月26日に、「2017年放射性廃棄物政策修正法案」に係るヒアリングを実施した。これを受けてエネルギー・商務委員会は、2017年4月26日付けのプレスリリースにおいて、本ヒアリングにおける証言者の証言等を伝えている。また、エネルギー・商務委員会ウェブサイトのヒアリングのページでは、証言者の証言書、委員長等の冒頭声明書、その他のヒアリング提出文書とともに、ヒアリングの様子を伝えるビデオが公開されている。なお、本ヒアリングで証言を行ったネバダ州選出の下院議員3名からは、再度、反対の意向を示したプレスリリースが出されている。

一方、ネバダ州知事は、本ヒアリングが実施された2017年4月26日にプレスリリースを発出しており、エネルギー長官を訪問して以下の事項について意見交換したことを公表した。

  • ユッカマウンテン計画への反対を改めて表明し、放射性廃棄物問題に対する現実的で安全な代替策の検討を要求した。
  • コミュニケーション強化のためにネバダ州とエネルギー省(DOE)のワーキンググループを再確立する必要性を議論した。
  • ネバダ国家セキュリティサイト(ユッカマウンテンの立地サイト)における研究開発任務強化の重要性を議論した。
  • DOEとネバダ州高等教育組織とのパートナーシップ強化に向けた両者の要望について議論した。
  • DOEのネバダ州に貯蔵されている低レベル放射性廃棄物の厳重な監督継続に係るネバダ州の要望を議論した。
  • サイバーセキュリティの重視と州・DOEの協力方法を議論した。

なお、下院エネルギー・商務委員会の2017年4月26日付けのプレスリリースでは、2017年3月20日に同委員会からエネルギー長官に宛てた書簡に対して、エネルギー長官が発出した返書を掲載している。この中で、ユッカマウンテン処分場の建設に係る許認可手続再開の重要性については、2017年3月27日のユッカマウンテン視察時により明確となったとして、連邦議会と協力して短・長期の取組の前進を図りたいとするエネルギー長官の意向は示されているものの、2017年3月20日付けのエネルギー・商務委員会の書簡で示された具体的な政策への言及はない。

【出典】

 

【2017年5月19日追記】

米国ネバダ州の州議会は2017年5月17日に、ネバダ州のユッカマウンテンにおける使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「使用済燃料等」という。)処分場の開発に反対を表明する合同決議を可決した。本合同決議案は、2017年3月に同州議会下院に提出され、下院では2017年4月21日に32対6で、上院では2017年5月17日に19対2の賛成多数で可決されていた。

今回ネバダ州議会で採択された合同決議は、ユッカマウンテンにおける処分場開発に対して改めて反対を表明した上で、以下について、上下両院が合同で決議を行ったものである。

  • ネバダ州議会は、ユッカマウンテン処分場計画の復活を図る連邦議会における動きに最大限の抗議(protest)を行う。
  • ネバダ州において使用済燃料等の貯蔵施設、処分施設の立地を図る法案には、拒否権を発動するよう大統領に要求する。
  • ユッカマウンテン処分場は不適切(unsuitable)であることを確認し、ユッカマウンテンにおける処分場立地の検討を断念し、革新的で成功を収めるような戦略を米国が再び取り組むプロセスを開始するようエネルギー長官に要求する。
  • ユッカマウンテンにおける処分場開発、及びネバダ州内での使用済燃料等の貯蔵や処分に対するネバダ州議会の強い反対を改めて公式に表明する。
  • 本合同決議の写しを、大統領、連邦議会上下両院議長5 、エネルギー長官、及びネバダ州選出の連邦議会議員に送付する。
  • 本決議は可決と同時に発効し、ネバダ州議会の公式見解となる。

【出典】

 

【2017年6月19日追記】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会環境小委員会は2017年6月15日に、「2017年放射性廃棄物政策修正法案」の審議検討を行う会合(以下「法案策定会合」という。)を開催した。エネルギー・商務委員会の法案策定会合に係るウェブサイトでは、法案のドラフト、修正案、背景メモ、付属資料、委員長等の冒頭声明書などとともに、法案策定会合の様子を伝えるビデオが公開されている。エネルギー・商務委員会が2017年6月15日に公表したプレスリリースでは、環境小委員会の法案策定会合において、2017年放射性廃棄物政策修正法案のドラフトを満場一致で承認しており、今後、エネルギー・商務委員会の本委員会に送られるとしている。

今回の法案策定会合で検討が行われた2017年放射性廃棄物政策修正法案のドラフトは、2017年4月19日に公表された討議用ドラフトから大きな変更は行われていないが、中間貯蔵施設関連、許認可審査関連、便益協定関連、処分基準関連などで軽微な字句修正が行われている。

なお、本法案に係るヒアリングでの証言や書簡を通して反対の意を表明していたネバダ州選出の連邦議会議員からは、改めて法案に対して反対の意向を示したプレスリリースが出されている。

【出典】

 

【2017年6月29日追記】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会は、2017年6月28日に、「2017年放射性廃棄物政策修正法案」(H.R.3053)を含む8法案の検討・策定を行う会合(以下「法案策定会合」という。)を開催した。エネルギー・商務委員会ウェブサイトの法案策定会合のページでは、各法案及び修正案、背景メモ、委員長の冒頭声明書などとともに、法案策定会合の様子を伝えるビデオが公開されている。

2017年放射性廃棄物政策修正法案(H.R.3053)については、4本の修正案が承認され、これら修正案を反映した法案が49対4の賛成多数で承認された。

今回の法案策定会合で承認された2017年放射性廃棄物政策修正法案(H.R.3053)に係る修正事項の多くは、2017年6月15日に開催されたエネルギー・商務委員会環境小委員会における法案策定会合で示された懸念に対応したものとなっている。今回承認された法案の主な修正点は、以下のとおりである。

  • 監視付回収可能貯蔵(MRS)施設の開発について、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請に対する原子力規制委員会(NRC)の決定が行われる前段階においても、エネルギー長官が1件のMRS協力協定を締結することを認める
    • 2020~2025会計年度6 におけるMRSプログラムの歳出予算を承認
    • 最初のMRS施設では、廃止措置済みの原子力発電所からの使用済燃料の受入れを優先
    • ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請に対するNRCによる決定時期が迫るまでは貯蔵の開始は認められない
  • ユッカマウンテン処分場における水利権や大気質に係るネバダ州の許認可事項について、許認可取得を規定していた条項を削除
  • 第2処分場が操業を開始するまでのユッカマウンテン処分場における処分容量制限を撤廃するとした条項を廃止し、同時点までの処分容量上限を7万トンから11万トンに変更7
  • 五大湖近傍での放射性廃棄物処分及び長期貯蔵に対する連邦議会の反対意思を表明する条項を追加
  • 高レベル放射性廃棄物の海洋処分(ocean water disposal)及び海洋底下処分(subseabed disposal)を禁止する条項を追加し、海洋底下処分の評価等について規定した1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)の規定(第224条)を削除

なお、本法案に係るヒアリングでの証言や書簡を通して反対を表明していたネバダ州選出の連邦議会議員からは、改めて反対の意向を示したプレスリリースが出されている。

【出典】

 

【2017年10月25日追記】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会は2017年10月19日に、2017年6月28日に開催した「2017年放射性廃棄物政策修正法案」(H.R.3053)を含む8法案の検討・策定を行う会合(以下「法案策定会合」という。)において承認された修正等を反映した法案とともに、本法案に付随する委員会報告書(H.Rept.115-355)を下院本会議に報告した。「2017年放射性廃棄物政策修正法案」は、エネルギー・商務委員会の他に下院軍事委員会及び下院天然資源委員会にも付託されていたが、両委員会ともにさらなる審議は行わないことを公式に表明しており、「2017年放射性廃棄物政策修正法案」の下院本会議における審議・採決の準備が整ったことになる。

2017年10月24日に連邦議会資料室ウェブサイトで公表された委員会報告書(H.Rept.115-355)では、「2017年放射性廃棄物政策修正法案」の条文に続いて、法案の目的・概要、背景・経緯、手続経過、連邦議会予算局(CBO)によるコスト評価8 、逐条解説、1982年放射性廃棄物政策法など現行法の改正状況の整理などが示されている。

なお、下院軍事委員会に所属するネバダ州選出の連邦議会議員は、ユッカマウンテン処分場への輸送経路が空軍訓練等に影響するなどとして、「2017年放射性廃棄物政策修正法案」に反対するよう下院軍事委員会に申し入れている。

【出典】


  1. 監視付き回収可能貯蔵(MRS、Monitored Retrievable Storage)施設は、1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)において、高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料を監視付きの回収可能性を有する中間貯蔵施設に長期貯蔵することが、安全・確実な管理の選択肢であるとし、エネルギー長官に中間貯蔵施設の設置に係る権限を与えている。 []
  2. 中間貯蔵については、これまで連邦議会上院の歳出法案等において、中間貯蔵の早期実施のための規定が盛り込まれていたが、下院の歳出法案ではユッカマウンテン計画の実施が最優先として、中間貯蔵施設開発に係る予算要求を認めていなかった。 []
  3. また、ネバダ州ユッカマウンテンにおける処分場開発については、NRCが策定した安全性評価報告(SER)において、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係るDOEの許認可申請書は、土地の所有権及び水利権に関する要求事項 を除いては、NRCの連邦規則の要求事項を満足しているとの結論が示されていた。 []
  4. サウスカロライナ州では、4カ所の商業用原子力発電所のほか、DOE保有の高レベル放射性廃棄物等が貯蔵されているサバンナリバー・サイトが立地している。 []
  5. 上院は副大統領 []
  6. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、例えば2020会計年度は2019年10月1日からの1年間となる。 []
  7. 1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)では、第114条(d)項において、原子力規制委員会(NRC)による第1処分場に対する許可では、第2処分場が操業を開始するまでは7万トンを超える量の使用済燃料等の処分は禁止されることが規定されている。 []
  8. 議会予算局(CBO)が「2017年放射性廃棄物政策修正法案」制定による財政への影響等を評価したものであり、本法案に規定された地元支援等で2億6,000千ドル(約290億円、1ドル=113円で換算)の支出増が見込まれるものの、今後10年間における政府財政に大きな影響を与えるものではないなどとの評価が、2017年10月4日付で公表されていた。 []

米国のホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)は、2017年4月6日付のハイライト情報において、ニューメキシコ州のカールスバッド市近傍の自治体で構成されるエディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)サイトにおける使用済燃料の中間貯蔵施設について、2017年3月31日に原子力規制委員会(NRC)へ建設に係る許認可申請書を提出したことに関する記者会見のビデオを公表した。

ホルテック社は、2015年8月3日に、許認可申請の意向通知をNRCに提出してNRCとの事前協議を進めてきたほか、採用する地下貯蔵方式のHI-STORM UMAX(Holtec International STORage Module Underground MAXimum securityの頭字語)システムについて、米国で使用中のすべての乾式貯蔵キャスクの受入れ・貯蔵が可能となるよう、適合承認(CoC)の変更申請を2016年8月30日にNRCに提出している

ホルテック社が許認可申請書を提出した中間貯蔵施設は、HI-STORE CIS(CISは集中中間貯蔵施設(Central Interim Storage)の略)と呼ばれ、HI-STORM UMAXシステムにより、ELEAサイトの最大貯蔵容量である10,000基の乾式貯蔵キャスクが貯蔵された状態でも、環境放射線量は実質的にゼロで無視できるレベルであるとしている。また、ホルテック社は、今回の許認可申請では、同様な貯蔵システムを採用して許認可までを取得し、中止された民間燃料貯蔵(PFS)社の集中中間貯蔵施設の計画において、許認可申請書の審査を通じて得られた10,000年間での再来地震(return earthquake)等の知見が活かされているとしている。さらに、ホルテック社の貯蔵システムは、ウクライナのエネルゴアトム社による集中中間貯蔵施設でも採用されているとしている。

なお、ホルテック社は、今回の許認可申請書の提出に際し、ニューメキシコ州、ELEAを構成するエディー郡、リー郡、カールスバッド市及びホッブズ市など地元自治体等の支持に感謝を示すとともに、エネルギー省(DOE)が民間による中間貯蔵施設の開発の動きを支持する姿勢を見せていることを評価するとの見解を示している。

【出典】

 

【2017年5月25日追記】

原子力規制委員会(NRC)は、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)が計画している使用済燃料の中間貯蔵施設について、2017年3月31日にNRCが受領した建設・操業に係る許認可申請書を公開した。本許認可申請書は、初期分として5,000トンの使用済燃料の40年間の貯蔵について、NRCの連邦規則10 CFR Part 72「使用済燃料、高レベル放射性廃棄物及び原子炉関連のクラスCを超える廃棄物の独立貯蔵の許認可要件」に基づく許認可の発給を求めて申請されたものである。

ホルテック社の許認可申請に係るNRCのウェブサイトでは、下記の許認可申請書などが公表されている。

  • 許認可申請書の提出書簡
  • 安全解析書(SAR)
  • 環境報告書
  • 許認可付帯条件案

ホルテック社が建設・操業を申請した中間貯蔵施設は、HI-STORE CIS(CISは集中中間貯蔵施設(Central Interim Storage)の略)と呼ばれるものであり、地下貯蔵方式のHI-STORM UMAX(Holtec International STORage Module Underground MAXimum securityの頭字語)システムが採用されており、安全解析書(SAR)においては既にNRCが承認済みのHI-STORM UMAXシステムが参照されている。ホルテック社は、HI-STORM UMAXシステムについて、米国で貯蔵されているすべての乾式貯蔵キャスクの受入れ・貯蔵が可能となるよう、適合承認(CoC)の変更申請を2016年8月にNRCへ提出している

ホルテック社の環境報告書では、最終的に想定される10万トンの使用済燃料の貯蔵に係る環境影響等が評価されている。また、中間貯蔵施設の建設については、20段階に分けて20年間で進める予定が示されている。なお、ホルテック社の環境報告書及び安全解析書(SAR)では、想定するスケジュールとして、2019年 3月に許認可申請書をNRCが承認し、2022年6月に建設が完了して使用済燃料の受入を開始することが示されている。

【出典】

 

【2017年7月11日追記】

原子力規制委員会(NRC)は、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)がニューメキシコ州で計画している使用済燃料の中間貯蔵施設について、2017年3月31日にNRCへ提出した建設・操業に係る許認可申請書に関する情報の十分性を確認する受理審査を実施した。その結果、技術的情報等が十分に示されていないとして、2017年7月7日付けのNRCの書簡及び添付書類において、ホルテック社に対する補足情報要求(RSI)等が示された。

NRCは、補足情報要求(RSI)への対応の期限を書簡の日付けから28暦日としており、対応ができない場合は2週間以内にNRCに通知することを求めている。NRCは、補足情報要求(RSI)へ十分に対応できない場合、許認可申請書を受理しない可能性もあるとしている。

なお、NRCは、補足情報要求(RSI)に加えて、許認可申請書の受理審査を通じた所見(Observations)として課題・問題点も示している。所見については、許認可申請書の受理のために必要となる補足情報要求(RSI)をする段階には達していなが、許認可申請書が受理された後に、さらなる明確化を要求する場合があるとしている。

【出典】

 

【2017年9月26日追記】

原子力規制委員会(NRC)は2017年9月25日に、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)がニューメキシコ州で計画している使用済燃料の中間貯蔵施設について、許認可申請書に対する補足情報要求(RSI)に関して行われた2017年8月21日の公開ミーティングの議事要旨を公開した。

2017年7月7日付けのNRCの補足情報要求(RSI)では、RSI通知書簡の日付から28暦日以内の情報提出がホルテック社に要求されていた。ホルテック社は、2017年7月21日にNRCへ提出した対応計画において、ほとんどの項目については2017年10月6日までに、残る3項目については2017年12月22日までに補足情報を提出する予定を示していた。2017年8月21日に行われた公開ミーティングでは、NRCの補足情報要求(RSI)への対応計画等についてホルテック社から説明が行われ、その後、NRCとの質疑応答が行われている。

【出典】

英国政府のビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)と原子力廃止措置機関(NDA)は、2017年4月3日に、放射性廃棄物インベントリ報告書の最新版である2016年版を公表した。放射性廃棄物インベントリは、英国政府とNDAが実施している共同研究プログラムの一部であり、放射性廃棄物の管理計画を立案する上での重要なデータとして、今後対策が必要となる1 放射性廃棄物の廃棄物量、放射能量等を3年毎に評価したものである。

今回の2016年版の放射性廃棄物インベントリ報告書に示されている下表の廃棄物量(単位:m3)は、2016年4月1日時点において処理されて貯蔵されている廃棄物量と、今後発生が見込まれる廃棄物量を合計したものである。この廃棄物量には、既に操業しているドリッグ村近郊にある低レベル放射性廃棄物処分場(LLWR)及びドーンレイ低レベル放射性廃棄物処分場で処分された低レベル放射性廃棄物、並びに民間の産業廃棄物処分場で処分された極低レベル放射性廃棄物の量は含まれていない。

2016年版の放射性廃棄物インベントリ報告書では、下表のように、前回の2013年版の放射性廃棄物インベントリ  報告書に比べて、低レベル放射性廃棄物が減少する一方で、極低レベル放射性廃棄物、中レベル放射性廃棄物及び高レベル放射性廃棄物がそれぞれ増加している。これらの放射性廃棄物の増減に関してNDAは、放射性廃棄物の再評価、国家戦略などによる廃棄物パッケージや処理処分オプションなどの変更によるものであると説明している。

英国の分類別の放射性廃棄物インベントリ

廃棄物分類 2013年版報告書 2016年版報告書
極低レベル放射性廃棄物 2,840,000m3 2,860,000m3
低レベル放射性廃棄物 1,370,000m3 1,350,000m3
中レベル放射性廃棄物 286,000m3 290,000m3
高レベル放射性廃棄物 1,080m3 1,150m3
合計 4,497,080m3 4,501,150m3

【出典】


  1. 原子力施設の運転・廃止措置に伴って発生する放射性廃棄物の推定量を含む。 []

米国で2018会計年度1 の大統領予算教書に係る予算方針を示した文書(以下「予算方針文書」という。)が、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表され、エネルギー省(DOE)の予算として、ユッカマウンテン処分場に係る許認可活動の再開及び中間貯蔵プログラムの開始のために1億2,000万ドル(約125億円、1ドル=104円で換算)が計上されている。ユッカマウンテン処分場の許認可手続については、2013年8月13日の連邦控訴裁判所の判決 により原子力規制委員会(NRC)における許認可申請書の審査の再開が命じられたものの、連邦議会はNRCによる許認可手続の予算を計上せず、過年度の残予算の範囲内で安全審査等の活動が実施されたが、許認可発給のための裁判形式の裁決手続は再開されていなかった

2018会計年度の予算方針文書では、これらの投資は、放射性廃棄物に対する連邦政府の義務の履行を加速し、国家安全保障を強化し、将来の税負担を軽減するものとしている。なお、今回公表された予算方針文書では、主な省庁のみが対象とされており、原子力規制委員会(NRC)の予算は示されていない。DOE全体の予算については、約5.6%の削減要求となっている。また、大統領府予算管理局(OMB)からは、2017会計年度の予算において軍事費を増額して他の一般歳出を削減する修正要求も公表されているが、軍事費以外の詳細については示されていない。

予算方針文書の公表についてDOEは、エネルギー長官の声明がニュースリリースとして公表されているが、放射性廃棄物関連を含め、具体的な内容についての言及はない。また、連邦議会上下両院の歳出委員会の委員長からもプレスリリースが出されているが、予算要求の内容についての具体的な言及はない。

ユッカマウンテン計画に反対するネバダ州選出の連邦議会議員からは、ユッカマウンテン関連の予算が要求されたことを非難するプレスリリースが出されている。一方、原子力エネルギー協会(NEI)は、DOEの研究開発費の削減には懸念を示しながらも、ユッカマウンテン処分場の許認可活動の再開と中間貯蔵プログラムの両者に予算要求が行われたことについて歓迎することを趣旨とするニュースリリースを出している。

なお、テキサス州は2017年3月14日に、連邦政府は1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)に定められた高レベル放射性廃棄物処分に係る義務を果たしておらず、同意に基づくサイト選定プロセスの取組などは同法に違反しているなどとして、連邦政府を相手取った訴訟を起こしている。テキサス州の訴状では、違法性の確認などとともに、DOE及びNRCがユッカマウンテン処分場に係る許認可手続の予算を要求すること、許認可申請書の審査の再開を命じることを旨とする判決が出されることを求めている。

【出典】

 

【2017年3月22日追記】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会及び同環境小委員会の委員長は、連名での2017年3月20日付け書簡において、今回就任したエネルギー長官に対して、大統領予算教書に係る予算方針においてユッカマウンテン処分場の許認可手続再開のための予算が含められていることを評価する旨を表明した。また、エネルギー省(DOE)の放射性廃棄物管理政策について、以下の事項を要請した。

  • 法律で要求されているOCRWMの再設置
    1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)(以下「放射性廃棄物政策法」という。)では、エネルギー長官に対して直接的に責任を負う民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)について、同法による高レベル放射性廃棄物処分プログラムの実施に係る組織として設置する旨が規定されており、放射性廃棄物管理政策の実施には専門的に設置された機関が必要である。
  • 軍事起源廃棄物の独立した処分に係る2015年決定の見直し
    軍事起源の高レベル放射性廃棄物 (以下「軍事起源廃棄物」という。)の処分については、1985年の大統領決定を受けて、既に37億ドル(約3,800億円、1ドル=104円で換算)の税金を使用してユッカマウンテン処分場の開発を行ってきており、軍事起源廃棄物の独立した処分場を開発するのであれば、2015年決定の基となった費用・スケジュールの再評価が必要である。
  • ネバダ州及びナイ郡への資金提供
    放射性廃棄物政策法は、処分場により影響を受ける地方政府の技術的活動を支援するための資金提供を認めており、ネバダ州のステークホルダーとの建設的対話構築の一歩として資金提供を行うことが望ましい。
  • 放射性廃棄物政策法の修正に向けた協働
    DOEが使用済燃料の中間貯蔵施設の開発が必要とするのであれば、処分場での処分という確立された放射性廃棄物管理政策と抵触しない形でプログラムが推進できるよう、放射性廃棄物政策法の修正のために協力することを期待する。
  • 放射性廃棄物基金からの支出の月次報告
    2013年8月13日の連邦控訴裁判所の判決 以降、DOEの放射性廃棄物処分勘定の残高及び支出対象活動の説明に係る月次報告書を要求しており、今後も同様に、放射性廃棄物基金からの支出の詳細な報告を継続するよう要求する。

なお、下院エネルギー・商務委員会では、連邦議会議員とともにユッカマウンテンの視察を計画しており、本書簡ではエネルギー長官の視察参加も呼び掛けている。

【出典】

 

【2017年3月29日追記】

米国のエネルギー省(DOE)は、2017年3月27日付のニュースリリースにおいて、ペリー・エネルギー長官がネバダ州のユッカマウンテン処分場予定地を視察し、その後、ネバダ州知事と会談したことについて、エネルギー長官の声明を公表した。この中でエネルギー長官は、大統領は2018会計年度の予算においてユッカマウンテン許認可手続の再開のために1億2,000万ドルを要求しており、今回のネバダ州知事との会談は、様々な連邦、州及び民間のステークホルダーとの対話を含むプロセスの第一歩であるとしている。

公表されたエネルギー長官の声明では、ネバダ州知事とは率直で生産的な対話が行われたこと、ネバダ州知事はエネルギー長官の訪問を評価しつつも、ユッカマウンテン計画への反対を改めて表明したことを伝えている。エネルギー長官は、ネバダ州知事に対し、以前から親交があるネバダ州知事と今後も様々な問題について協議を続けていくこと、ネバダ州が米国の核・軍事産業に果たしてきた貢献への感謝とともに、今後も使用済燃料管理において重要な役割を維持し続ける必要性などを伝え、冷戦初期から米国の安全保障に貢献してきたネバダ州が、今後も主導的な役割を維持することへの期待を示したとしている。

これに対してネバダ州知事は、2017年3月27日付のプレスリリースを発出しており、ネバダ州は連邦政府機関と様々な問題で協力してきているが、ユッカマウンテンにおける処分問題は考慮する意思のない問題であるとして、今回のエネルギー長官との会談はユッカマウンテンに関する交渉の開始ではないことを表明している。また、ネバダ州選出の連邦議会議員数名も、2017年3月27日付のプレスリリースを発出しており、ユッカマウンテン計画には反対する立場を改めて表明している。

 

【出典】

 

【2017年3月31日追記】

米国のネバダ州知事は、2017年3月29日のプレスリリースにおいて、エネルギー長官との会談の後、ユッカマウンテン計画への反対を継続するために州が取るべき行動について、ネバダ州原子力プロジェクト室と協議したことを公表した。本プレスリリースの中で知事は、自身がネバダ州司法長官であった当時にユッカマウンテン問題の訴訟を提起したことなどを示した上で、ネバダ州における高レベル放射性廃棄物処分に係る連邦政府のいかなる取組みに対しても、訴訟を含む手段を尽くして反対することの他、ユッカマウンテン計画を復活させる動きを見直すよう政権に要求し続けることなどを表明している。

【出典】

 

【2017年4月18日追記】

米国のネバダ州知事は、2017年4月13日のプレスリリースにおいて、テキサス州がエネルギー省(DOE)及び原子力規制委員会(NRC)を相手取って、ユッカマウンテン処分場の許認可手続に係る予算を要求することなどを求めた2017年3月14日の訴訟について、訴訟参加の申立てを第5巡回区連邦控訴裁判所に提出したことを公表した。

ネバダ州知事はプレスリリースの中で、テキサス州の訴訟は、ユッカマウンテン計画に反対するネバダ州の力量を著しく削ぐものであるなどとしている。また、ネバダ州知事は、今回のネバダ州の申立ては、今後数週間、数カ月における一連の行動の一歩に過ぎないとしている。

この他、ユッカマウンテン計画に反対するネバダ州の動きとしては、ネバダ州選出のヘラー上院議員も、連邦議会上院歳出委員会の幹部議員に対して、ユッカマウンテン計画に対する予算計上を行わないように求める書簡を提出している。

なお、テキサス州による連邦政府に対する訴訟については、原子力エネルギー協会(NEI)及び原子力事業者7社が2017年4月5日に訴訟参加の申立てを行っている。これは、テキサス州の訴訟において、DOEとの契約に基づいて原子力発電事業者が拠出した放射性廃棄物基金について、処分場開発のために使用されていない状況に関連した救済請求の一部に、不当利得返還などの放射性廃棄物基金の制度破綻に繋がる項目が含まれている点について申立てを行ったものである。

【出典】

 

【2017年6月15日追記】

米国のネバダ州知事は、2017年6月14日付けのプレスリリースにおいて、エネルギー省(DOE)と原子力規制委員会(NRC)とに対してユッカマウンテン処分場の許認可手続に係る予算を要求することなどを求める2017年3月14日のテキサス州による訴訟について、訴訟却下の申立書を第5巡回区連邦控訴裁判所に提出したことを公表した。ネバダ州は、2017年4月12日に本訴訟への参加を求める申立てを行っており、第5巡回区連邦控訴裁判所は2017年5月19日に、これを認める決定を行っていた。

ネバダ州が2017年6月12日に提出した訴訟却下の申立書では、以下に示す理由から、テキサス州による訴えは却下されるべきであるとしている。

  • テキサス州の請求内容は、認められる可能性がない他、第5巡回区連邦控訴裁判所は本件の管轄権を有していない。
  • 予算に関するテキサス州の要求は、司法判断に適さない政治的な問題である。
  • 仮処分を必要とするような現状変更の理由がない。

ネバダ州知事はプレスリリースの中で、テキサス州の訴訟はユッカマウンテン処分場に係る許認可申請に関して、NRCの審査手続の短縮などを求めているが、仮に現政権や連邦議会がユッカマウンテン処分場計画を再開する場合には、NRCの審査手続におけるネバダ州の適正な手続の権利を断固として守り抜くとしている。なお、ネバダ州知事は、訴訟、NRCの審査手続及び法改正を通して、ユッカマウンテン計画に反対するための計画を策定済みであり、テキサス州による訴訟に対する訴訟却下の申立ては、計画された法的闘争の第一歩に過ぎないことを改めて表明している。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2018会計年度の予算は2017年10月1日からの1年間に対するものである。 []

フランスの原子力安全機関(ASN)は2017年2月27日に、2016~2018年を対象とした「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)を公表した。PNGMDRは、フランスにおける全ての放射性廃棄物の管理の現状分析と管理方策の実現に向けた、研究開発を含む取組を取りまとめたものである。

PNGMDRは2006年の放射性廃棄物等管理計画法により、政府が3年ごとに策定・改定することが義務付けられているものである。初めてのPNGMDRは2007年に策定されており、今回のPNGMDRは第4版となる。現在、PNGMDRの取りまとめは、原子力安全機関(ASN)及び環境・エネルギー・海洋省のエネルギー・気候総局(DGEC)が担当しており、PNGMDR(第4版)は2010年に制定された環境に関する取組を強化する法律の制定に伴う関連法令改定を受け、初めて環境行政の観点からの評価を組み込んでおり、環境・エネルギー・海洋省の環境庁(AE)の見解も聴取された。

PNGMDR(第4版)は、以前の計画に沿って実施された放射性廃棄物の管理方法の改善・最適化に向けた取組みの成果と2015年に公表された廃棄物インベントリの内容に基づいて、廃棄物の管理方法ごとのアプローチ、特に、包括的な産業レベルでの処分計画の作成・見直しを強化するものである。また、PNGMDR(第4版)では、特に放射性廃棄物の最終処分の開始期限を決定するために必要となる、放射性廃棄物の中間貯蔵の能力や貯蔵設備に関する調査も要請している。さらに、極低レベル放射性廃棄物の発生量の予測を明確化する必要性や、一部の放射性物質を再利用する可能性の妥当性の証明を強化する必要性を改めて確認している。

PNGMDRにおいて計画された内容の実施は、デクレ(政令)及びアレテ(省令)によって規定されることになっており、2017年2月23日付のデクレ(政令)及び同デクレ(政令)の施行に関する2017年2月23日付のアレテ(省令)が同月25日付官報に公示された。

PNGMDR(第4版)に関する2017年2月23日のデクレ(政令)の規定では1、放射性廃棄物の管理・研究の基本的な枠組みを定めている。このうち、極低レベル放射性廃棄物、長寿命低レベル放射性廃棄物に関しては、包括的な産業レベルでの処分計画を放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が策定することを規定している。また、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物については、原子力・代替エネルギー庁(CEA)が核種分離・変換の研究を、ANDRAが地層処分場の設置許可申請に向けて必要な研究及び貯蔵の研究をそれぞれ実施することを規定している。

なお、同デクレ(政令)の施行に係る2017年2月23日付アレテ(省令)では、長寿命低レベル放射性廃棄物の管理、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理に関して、それぞれ以下のような具体的な内容が規定されている。

<長寿命低レベル放射性廃棄物の管理>

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2017年3月末までに、処分場の操業開始に向けた目標日程を提案する。
  • ANDRAが2018年6月末までに、処分場の安全要件と設計研究を原子力安全機関(ASN)に提出する。
  • ANDRAが2019年6月末までに、概念設計段階の技術オプションと安全オプションをASNに提出する。
  • ANDRAが2021年末までに、基本設計段階の安全オプション文書をASNに提出する。

<高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理>

  • 放射性廃棄物の発生者であるフランス電力株式会社(EDF社)、AREVA社及び原子力・代替エネルギー庁(CEA)は2017年末までに、その時点までに調整された放射性廃棄物の廃棄体の地層処分場への受け入れ可能性について、ANDRAが提出した予備的な受け入れ仕様と比較して分析を実施する。ANDRAの仕様との乖離が明らかになった場合、事業者とANDRAが技術的協議を行う。
  • CEAは2015年までに発生した長寿命中レベル放射性廃棄物の特性評価と調整に関する研究を継続し、2017年6月末までに、今後の研究計画を政府に提出する。
  • CEAはANDRAと協力し、ビチューメン(アスファルト)廃棄物の挙動に関する研究を継続する。CEAは2017年6月末までに、研究結果に関する報告書を政府に提出し、ANDRAはこの研究結果について、ビチューメン廃棄物を地層処分場に受け入れた際の条件への影響について分析し、報告書を2018年6月末までに政府に提出する。
  • EDF社、CEA及びAREVA社は2017年6月末までに、今後少なくとも20年にわたる期間について、全ての高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の中間貯蔵の必要性を提示する。

 

【出典】


  1. 同デクレは、環境法典の規則の部において放射性廃棄物管理に関する規則を定める第5巻第4編第2章に第1節~第8節(第R542-1~R542-73条)の後に、PNGMDRに関する新たな節として第9節を追加する内容となっている。 []

台湾における原子力規制行政機関である行政院原子能委員会(AEC)は2017年2月15日に、原子力発電事業者であり、放射性廃棄物管理に責任のある台湾電力公司が提出していた「低レベル放射性廃棄物処分計画の代替策及び暫定対策の具体的実施案」(以下「実施案」という。)及び「蘭嶼貯蔵施設の移設に関する計画の報告」を審査し、その結果を公表した。この中で、処分計画が進捗を見ない中、台湾電力公司による低レベル放射性廃棄物及び使用済燃料の集中中間貯蔵計画を尊重するものの、蘭嶼島からの早期の搬出を実現するよう、低レベル放射性廃棄物の集中中間貯蔵施設の立地を優先的に進めるべきことが勧告された。

台湾には現在、操業中の低レベル放射性廃棄物処分場はなく、一部の低レベル放射性廃棄物は、蘭嶼島の貯蔵施設において貯蔵されている。低レベル放射性廃棄物処分に向けて、2006年5月に「低レベル放射性廃棄物最終処分場設置条例」が施行された。同条例に基づいて、行政院経済部の下に設置されたサイト選定委員会によってサイト選定が進められ、2012年7月には2カ所の低レベル放射性廃棄物処分場の推薦候補サイトが公告されたものの、同条例の規定によってサイトの決定のために必要となる住民投票は未だ実施されていない。こうした状況を踏まえて原子能委員会は台湾電力公司に対して、低レベル放射性廃棄物最終処分計画の代替策を検討し、2016年末までに原子能委員会に提出するよう求めていた。

「実施案」に対する原子能委員会の審査報告によると、台湾電力公司は低レベル放射性廃棄物の最終処分に先立ち、暫定対策として集中中間貯蔵施設の建設を提案した。原子能委員会は、これを了承するものの、集中中間貯蔵施設建設計画の開始から施設の操業開始までの期間を8年間、サイト選定及び用地取得は計画の開始後3年以内の期間で完了するべきとし、3年間でサイト選定と用地取得が完了しなかった場合、放射性物料管理法に基づいて3,000万新台湾ドル(1新台湾ドル=約3.5円で換算して約1億1千万円)の罰金を課すとしている。

また、審査報告によると、台湾電力公司は、集中中間貯蔵施設において、低レベル放射性廃棄物に加えて使用済燃料も貯蔵する計画を提示していた。原子能委員会は、この計画も了承するものの、使用済燃料の貯蔵の開始を前倒しするため、低レベル放射性廃棄物の貯蔵が遅延するのは避けるべきであるとしている。そのために、集中中間貯蔵は段階的に進める必要があり、低レベル放射性廃棄物の貯蔵を優先的に進め、蘭嶼島に貯蔵されている廃棄物の搬出を前進させるべきであるとしている。

さらに、原子能委員会は、集中中間貯蔵施設のサイト選定は、2016年6月に原子能委員会が制定した「放射性廃棄物集中中間貯蔵施設サイト選定基準」に即して客観的・科学的に行うべきであるとしている。また、集中中間貯蔵は暫定的な対策に過ぎず、台湾電力公司は低レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組を進めるべきとしている。

【出典】