米国の連邦エネルギー省(DOE)は、2007年10月4日付けのプレスリリースにおいて、ユッカマウンテン処分場に関する補足環境影響評価書(SEIS)のドラフトをウェブサイト上にて公表し、2007年10月12日より90日間のコメント募集を行うことを報じた。今回公表された補足環境影響評価書(SEIS)は、ユッカマウンテンの処分場開発に関する補足環境影響評価書(SEIS)のドラフト、処分場への使用済燃料などの鉄道輸送に関する補足環境影響評価書(SEIS)のドラフトの2つの文書である。
処分場開発に関する補足環境影響評価書(SEIS)は、2002年に発行されたユッカマウンテン最終環境影響評価書(FEIS)を補足するものであり、最終環境影響評価書(FEIS)の発行以降に実施された処分場の設計、操業計画などに基づくユッカマウンテン処分場の建設及び操業による環境影響評価を実施したものである。ユッカマウンテン処分場については、使用済燃料の輸送を標準化した容器で行い、処分場の地上施設が「クリーン」な状態で操業するとの変更方針が2005年10月にDOEから発表されており 、2006年10月には、輸送・貯蔵・処分(TAD)キャニスタの採用による処分概念の変更などを反映した処分場開発に関する補足環境影響評価の実施意向告示が連邦官報に掲載されていた 。
一方、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の処分場への鉄道輸送に関する環境影響評価書は2部構成となっている。第1部では、2002年の最終環境影響評価書(FEIS)で評価されていなかったミナ・ルートでの輸送による環境影響評価 及び最終環境影響評価書(FEIS)以降に得られたその他のネバダ州内のルートに関して、情報及び検討内容をまとめたネバダ鉄道ルートに関する補足環境影響評価書(SEIS)のドラフトが示されている。また、第2部では、ミナ及びカリエンテ・ルートにおける鉄道施設及び操業に関する環境影響評価についてまとめた鉄道路線環境影響評価書(EIS)のドラフトが示されている。ユッカマウンテンへの鉄道施設に関する環境影響評価の範囲の拡張についても、2006年10月に連邦官報に修正実施意向告示が掲載されていた 。
なお、同プレスリリースによると、DOEは11月13日から12月5日までの間に、ネバダ州を中心とする8都市で公聴会を開催するとしている。
【参考】
連邦エネルギー省(DOE)民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)ウェブサイト
処分場開発に関する補足環境影響評価書(SEIS)のドラフト:
www.ocrwm.doe.gov/ym_repository/seis/docs/SEIS_all.pdf
(※ファイルサイズが約53MBと大きいのでご注意下さい)
処分場への鉄道輸送に関する環境影響評価書(SEIS)のドラフト:
www.ocrwm.doe.gov/transport/draft_eis/docs/rail_eis_all.pdf
(※ファイルサイズが約123MBと大きいのでご注意下さい)
【出典】
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )