2007年9月19日付けの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のプレスリリースで、2007年9月18日にANDRAがビュール地下研究所の周辺地域において新たな調査を開始したことが公表された。今回の調査は、ビュール地下研究所がある地質とその特性が類似しているムーズ県の南部からオート=マルヌ県の北東部にまたがるビュール地下研究所周辺の250km2の区域について、その地質環境に関する知見を得ることを目的としている。また、今回の調査結果は、深度400m~600mの粘土層における、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の可逆性のある地層処分場の設置を可能とする約30km2の区域を確定することに寄与するとされている。なお、2006年の放射性廃棄物等管理計画法では、地層処分場に関する今後のスケジュールとして、2015年に処分場の設置許可申請、2025年に操業開始ができるよう研究・調査を実施することを規定している。ANDRAはこのスケジュールに基づいて、2009年には候補サイトの提案を行うことを予定している。
同プレスリリースによれば、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は6基のプラットフォームから14本のボーリング孔掘削を行う予定であり、2007年9月18日にはムーズ県のトレヴレイ(Tréveray)において掘削作業が開始され、ゴンドルクール=ル=シャトー(Gondrecourt-le-Château)、モンティエ=シュール=ソー(Montiers-sur-Saulx)、ポワッソン(Poissons)、シュビヨン(Chevillon)において2008年6月まで実施されることとなっている。また、これらのボーリングにより得られる測定結果は、2007年10月~11月に実施される振動装置を用いた物理探査による地球物理学的研究によって補完されるとのことである。
【出典】
- 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、 http://www.andra.fr/interne.php3?id_article=1000&id_rubrique=80
- Rapport d’activité 2006 – Rapport de gestion et états financiers(ANDRAの2006年活動報告書)
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )