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《米国》ユッカマウンテン処分場の設計及び輸送容器を見直しへ -より簡素で安全、費用効果の高い設計検討を指示

米国の連邦エネルギー省(DOE)は、2005年10月25日のプレスリリースにおいて、DOEの民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)が、ユッカマウンテン高レベル放射性廃棄物処分場の設計を変更し、安全性や施設の操業、長期的性能を改善する検討を管理・操業契約者に指示したことを公表した。この変更指示では、各原子力発電所等からの使用済燃料の輸送を標準化容器によるものとし、基本的には処分場施設が汚染されない「クリーン」な状態で操業するものとしている。

プレスリースによれば、この変更指示は、ほとんどの使用済燃料を標準化された容器によって輸送し、処分場における処分前段階での使用済燃料の取扱い作業を減らすものである。搬入された標準化容器は、個々の容器に対する特別な作業を行うことなく処分場定置用の廃棄物パッケージに収納される。こうした変更は、処分場の建設及び使用済燃料取扱い作業を簡素化し、処分場建設後段階での操業の複雑さを軽減するためのものとされている。
従来の計画では、使用済燃料はさまざまなタイプの容器で搬入され、一つの燃料集合体当たり最大4回にわたって作業員による取扱いが必要とされていた。

このDOEのプレスリリースでは、このクリーン施設への変更により、数十億ドルを要する数十万m²規模の使用済燃料取扱い施設が不要となることが示されている。また、むき出しの使用済燃料が取扱い作業中に酸化されることで生じ得る危険も回避されるとしている。従来の計画では、取扱い施設内を不活性化するという、独特で、過去米国において建設または許認可された実績のない設計となっており、NRCの認可取得においても複雑性と不確実性を増すものであったとされている。

プレスリリースによると、地上施設と容器取扱い作業の簡素化に対応する容器の概念設計(CD-1)の開発が、管理・操業契約者への変更指示の中で示されている。最終的な容器は、エネルギー長官の調達諮問委員会の承認を得た段階で処分場開発の基礎となる設計に組み込まれる予定とされている。

なお、ユッカマウンテン処分場開発スケジュールの遅延については予算の制約も要因の一つとして挙げられていたが、2005年10月から既に始まっている2006会計年度における歳出予算は連邦議会の両院協議会で検討中となっている。(歳出予算案の審議状況についてはこちら

【出典】

【2005年11月7日追記】

DOEは、2005年11月1日付けの第6回月次状況報告書において、今般の設計変更が承認されてプロジェクトの基礎設計に組み込まれるまで、及び許認可支援ネットワーク(LSN)登録書類に関する不服申立てが決着するまでは、LSNへの書類登録証明及びNRCへの認可申請書提出の時期は見通すことが出来ないことを明らかにした。(LSNの詳細についてはこちら

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )