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《米国》クラスCを超える低レベル放射性廃棄物処分の環境影響評価を実施-連邦エネルギー省(DOE)が実施意向告示

米国のエネルギー省(DOE)は、2007年7月20日のニュースリリースにおいて、クラスCを超える(GTCC)低レベル放射性廃棄物(以下「GTCC廃棄物」)1 の処分オプションに関する環境影響評価を実施することを公表した。GTCC廃棄物は、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法に基づく原子力規制委員会(NRC)の連邦規則(10 CFR Part 61)による処分が認められない放射性廃棄物で、連邦政府が処分責任を負っている。GTCC廃棄物の環境影響評価書(EIS)準備については、2005年5月に事前告示が行われていた

ニュースリリースによれば、検討対象となるGTCC廃棄物は全米で約2,600m³と推定されており、主に以下の3つに分類される。

  • 放射化金属
    主に原子力発電所の補修、廃止措置に伴って発生する廃棄物
  • 密封線源
    医療、食品照射等で使用された密封線源の廃棄物
  • 雑廃棄物
    産業用研究開発などで発生する汚染された機器など

また、エネルギー省(DOE)が自ら処分することとされている低レベル放射性廃棄物及び超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の内、GTCC廃棄物と似通った特性を持つもの(約3,000m³)についても、EISの検討対象とされている。

米国の規則では、GTCC廃棄物は、原子力規制委員会(NRC)の許認可施設における代替的処分案がNRCによって承認されない限りは、地層処分によることが必要とされている。ニュースリリースによれば、今回のEISでは、GTCC廃棄物の処分方法及び場所について、以下の3つの代替案及びその組み合わせについて評価が行われる予定としている。

  1. 廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)またはユッカマウンテン処分場における地層処分
  2. ハンフォード・サイトを始めとするDOE各サイトやWIPP近傍、その他商業施設における強化型浅地中処分
  3. 2.と同じサイトにおける中深度ボーリング孔処分

ニュースリリースによれば、DOEは、環境影響評価の項目、手法などについての意見募集を2007年7月23日から60日間実施する。さらに、EIS手続きにおける公衆の参加促進のため、ミーティングが9カ所で予定されている。

なお、2005年エネルギー政策法の規定により、DOEは、処分方針を決定する前に、最終環境影響評価書(FEIS)の完成後に連邦議会に報告書を提出し、連邦議会の措置を待つこととされている。

【出典】

  • 連邦エネルギー省(DOE)ニュースリリース(2007年7月20日)(www.energy.gov/news/5255.htm)
  1. 米国では、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法及び同法に基づく原子力規制委員会の連邦規則(10 CFR Part 61)において、地下30m以浅に処分が可能な低レベル放射性廃棄物としてクラスA、B、Cの分類が定められている。GTCC廃棄物は、放射能濃度などがクラスCの制限値を超える放射性廃棄物で、同法・規則に基づいて操業されている低レベル放射性廃棄物処分場での処分は行えないものである。「GTCC」はGreater Than C Class(Cクラスを超える)の略。 []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )