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《米国》廃棄物輸送の安全確保のための訓練支援プログラムについて意見募集

米国のエネルギー省(DOE)は、2007年7月23日のニュースリリースにおいて、ユッカマウンテン処分場への使用済燃料や高レベル放射性廃棄物の輸送で通過が予定される州等に対して提供される公衆安全係官の訓練支援方針について、意見募集することを公表し、同日付の連邦官報に掲載した。この訓練支援は放射性廃棄物政策法(NWPA)に規定されたもので、DOEは、処分場への廃棄物の輸送に備え、廃棄物が通過する州等の消防士、警察官、その他の緊急要員などの訓練に対して、資金的、技術的な支援を行うこととされている。

連邦官報によれば、訓練は、通常時の安全輸送及び緊急時対応の両方が対象とされている。DOEの提案する支援案は、連邦議会の歳出承認を条件として、計画段階の支援が年間20万ドル、実際の訓練の支援が年間10万ドルを超えないレベルとなっている。対象となる州等は、計画段階の支援については廃棄物が実際に輸送開始されるまでの最長4年間程度、訓練支援については輸送開始までの3年間程度及びその後輸送が実施される各年において、この資金を受けることができる。支援の対象は、使用済燃料または高レベル放射性廃棄物の輸送によって特に必要となる事項とされている。

連邦官報によれば、ユッカマウンテンへの使用済燃料や高レベル放射性廃棄物の輸送は最善な場合で2017年に開始される予定であるが、DOEは2008会計年度には訓練支援のパイロットプログラムを開始したいとしている。DOEは、意見募集やパイロットプログラムの結果などを踏まえて最終方針を策定し、輸送開始の4年前から支援金の支給を開始する計画としている。

連邦官報では、支援プログラムの方針、費用の見積りや資金提供方法、州等からの申請の評価方法などについて詳細な案が示されている。また、特に意見を募集する項目として、計画/訓練各段階向けの支援金額・配分方法の妥当性、ルートが行政境界近くの場合の配分・取扱い、計画/訓練支援の提供必要時期、使用済燃料等の輸送に係る州等の賦課金がある場合の取扱い、他の類似支援プログラムとの関係など、6件の質問項目が示されている。

なお、意見募集は、2007年10月22日までの期間で実施される。

【出典】

【2008年11月5日追記】

DOEは、2008年10月31日付の連邦官報において、訓練支援方針案の修正版を公表し、2009年1月31日までの期間で意見募集を開始した。修正版の訓練方針案では、支援対象となる連邦政府が認知している先住民族への資金配分方法の追加などの修正が行われている。なお、2008会計年度中に開始との意向が示されていたパイロットプログラムの実施時期についての記述は削除されている。

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )