2002年7月9日、米国の上院本会議は、米国における高レベル放射性廃棄物処分場サイトとしてネバダ州のユッカマウンテンを認める決議案を承認した。この決議案は、2002年4月8日の地元ネバダ州知事による不承認通知を覆し、ユッカマウンテン・サイトを承認するためのものである。これにより1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)において唯一のサイト候補地とされてきたユッカマウンテンが最終的に承認され、今後は処分場建設の許認可手続が開始されることになる。
ネバダ州知事の不承認を覆してユッカマウンテンが高レベル放射性廃棄物処分場サイトとして承認されるためには、連邦議会上下院における過半数での承認決議が必要とされていた。連邦議会では、既に2002年5月8日に下院本会議、2002年6月5日には上院エネルギー・天然資源委員会で各々承認が行われており、残すは上院本会議のみとなっていた 。今回の上院本会議の承認により、1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)に定められたサイト決定手続は最終的に完結したこととなる。
現在ネバダ州から合計5件の訴訟が起こされてはいるが、基本的な今後の動きとしては、実施主体である米国エネルギー省(DOE)が建設許可申請を原子力規制委員会(NRC)に提出することとなる。1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)の規定では、この建設許認可申請はサイト決定から90日以内とされているが、DOEに拠れば申請書の提出は遅れる見込であり、2002年2月のエネルギー長官から大統領へのサイト推薦書の中では2004年末の予定と述べられている。
【出典】
- 米国エネルギー省(DOE)のプレスリリース (http://www.energy.gov/HQPress/releases02/julpr/pr02140.htm)
- 1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正) (Nuclear Waste Policy Act)
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )