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《米国》連邦議会上院歳出委員会が歳出予算法案を承認 -使用済燃料の中間貯蔵なども規定

米国の連邦議会上院の歳出委員会は、2006年6月29日、高レベル放射性廃棄物処分を含むエネルギー関係等の2007年度予算の歳出法案を承認した。歳出法案に盛り込まれた高レベル放射性廃棄物処分場関連予算の金額は4億9,450万ドルで、連邦エネルギー省(DOE)の要求額を5,000万ドル下回っている。また、歳出委員会のプレスリリースによると、使用済燃料の中間貯蔵施設の建設などを進めるための規定も上院歳出法案には織り込まれている。今回採択された歳出法案は、今後上院本会議で審議されることとなる。

上院の歳出法案に示された歳出金額4億9,450万ドルには、使用済燃料の中間貯蔵施設のための費用1,000万ドルが含まれており、中間貯蔵関連費用を除いたユッカマウンテン関連のみの予算としては、DOE及び先に下院で承認された歳出法案(詳細はこちら)における金額を6,000万ドル下回っている。なお、下院の歳出法案では、中間貯蔵のための歳出予算額は3,000万ドルが計上されていた。

上院の歳出法案に関しては、上院エネルギー・天然資源委員会もプレスリリースを公表しており、使用済燃料の中間貯蔵のための統合・準備(CAP)施設などについて規定する条文のポイントが、以下の通り示されている。

  • 法の施行後180日以内にCAP施設を民間原子炉の所在の各州に立地する勧告を含めた報告書提出
  • 報告書提出後90日以内に、知事と協議の上でサイトを指定
  • サイト指定後30日以内に建設許可申請
  • DOEは原子力規制委員会(NRC)に環境報告書を提出し、NRCは許可発給前に環境影響評価書(EIS)を発行
  • NRCは32カ月以内に許認可決定
  • CAP施設は連邦所有とし、25年操業で更新なし
  • 停止した原子炉の所有者から要求がある場合には、使用済燃料の所有権と責任はDOEに移転
  • CAP施設関連費用は、放射性廃棄物基金(NWF)から支出
  • 本規定及び放射性廃棄物政策法(NWPA)による処分場設置義務をもって、原子炉新設等における廃棄物保証の判断は十分なものとする

なお、歳出委員会プレスリリースによれば、上院歳出法案では、使用済燃料リサイクル計画を含む国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)については、DOEの要求額通りの2億5,000万ドルを認めた上で、DOEの国立研究所における施設改修費3,600万ドルが増額されている。使用済燃料リサイクル施設における中間貯蔵については、下院歳出委員会では中間貯蔵施設の併設が指示されていたが、上院の歳出法案では、使用済燃料リサイクル施設における中間貯蔵は研究開発のための限定的なものにするとの規定が織り込まれたとされている。

【参考】
2007会計年度エネルギー・水資源開発歳出法案(H.R.5427)、2006年6月27日上院本会議提出

【出典】

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )