2006年2月6日、米国で大統領の2007会計年度の予算教書が連邦議会に提出され、連邦エネルギー省(DOE)のウェブサイトにおいても予算要求資料が公表された。ユッカマウンテン・サイトにおける高レベル放射性廃棄物処分場建設プロジェクトに関する予算要求額は、5億4,450万ドルで、2006会計年度の歳出予算決定額 は上回っているが、2006会計年度の要求額と比較すると約1億ドル低いレベルとなっている。
また、処分場建設の認可申請については、DOEの予算要求資料では明確な申請書提出時期は明示されていない。
下の表はこの2007年度の予算要求におけるユッカマウンテン関連の要求額について、2006年度の当初要求額と歳出予算決定額とを比較する形で示したものである。なお、2006年度の歳出予算決定においては、高レベル放射性廃棄物予算の中に統合使用済燃料リサイクル計画関連費用が5,000万ドル計上されていた が、2007年度予算要求において統合使用済燃料リサイクル関係の予算については、これまでの先進燃料サイクル計画(AFCI)を含めた国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)に関する予算が別途要求されている。(下表はユッカマウンテン関係の予算のみを表示)
民間分 | 国防分 | 合計 | |
2006年度要求額(a) | 3億 | 3億5,145万 | 6億5,145万 |
2006年度歳出予算決定額(b) | 9,900万 | 3億4,650万 | 4億4,550万 |
2007年度要求額(c) | 1億5,642万 | 3億8,808万 | 5億4,450万 |
前年度要求比(c-a) | △1億4,358万 | + 3,663万 | △1億695万 |
同歳出予算比(c-b) | +5,742万 | +4,158万 | + 9,900万 |
DOEの予算要求資料では、ユッカマウンテン処分場関連の2007会計年度目標は以下のように示されている。
- 認可申請書完成のため、設計及び安全文書の開発を完了
- 認可申請書に関連する原子力規制委員会(NRC)からの追加情報要求への対応
- 許認可支援ネットワーク(LSN、詳細は こちら)登録の再証 明
- 管理的費用比率の1割削減
- 鉄道線路特定の国家環境政策法に基づく意思決定記録(ROD)発行
また、原子力規制委員会(NRC)の予算要求書では、2007会計年度の実施予定項目として、DOE計画の技術的検討の継続に加え、環境保護庁(EPA)の環境放射線防護基準に適合するNRC最終規則の発行、関連ガイドライン等の見直しなどが示されており、予算要求の前提としては、DOEからNRCへの認可申請書提出は2008会計年度後半と仮定していることが示されている。
【出典】
- 連邦エネルギー省(DOE)、2007会計年度予算要求資料(第4巻の民間放射性廃棄物管理部分)、2006年2月〔pdfファイル:640KB〕
- 原子力規制委員会(NRC)、2007会計年度予算要求資料(NUREG-1100 第22巻)、2007年2月〔pdfファイル:約2MB〕
【2006年3月23日追記】
2006年3月15日、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)局長代行による下院歳出委員会エネルギー・水資源開発等小委員会での議会証言において、この春には新しい地上施設及び容器の設計 を入手して レビューを行うこと、今夏遅くには原子力規制委員会(NRC)への認可申請書提出時期が明らかになる見込みであることなどが示された。
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )