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《米国》サンディア国立研究所がユッカマウンテン処分場開発の主研究所に -ベクテル・SAIC社に代わり科学的作業を取りまとめ

米国のエネルギー省(DOE)民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は、2006年1月18日のニュースリリースにおいて、ユッカマウンテン高レベル放射性廃棄物処分場開発プロジェクトの科学的作業を統合する主研究所としてサンディア国立研究所(SNL)を指定し、従来のベクテル・SAIC社から変更することを公表した。OCRWMは、2005年10月にユッカマウンテン処分場の設計を変更する方針を明らかにしたが、今回の変更もその流れに続くものであるとしている。

ニュースリリースによると、サンディア国立研究所は閉鎖後の全ての科学的課題を集中的に取扱い、地上施設の設計については引続きベクテル・SAIC社が担当するものとされている。サンディア国立研究所は、操業中の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP、こちらなどを参照)における閉鎖後の安全性について、単一の国立研究所が取りまとめを行うという特異な経験を有しており、今回の計画もこの実績に基づくものであるとしている。

ニュースリリースでは、サンディア国立研究所を主研究所とすることにより、民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は科学的プログラムにおける集約的で強力なリーダーシップ、及び技術的信頼性の向上を得ることができるとしている。サンディア国立研究所は、ユッカマウンテンの科学的プログラムに必要な全ての管理及び統合業務を行い、原子力規制委員会(NRC)への建設認可申請書提出、その後の審査への対応、他の国立研究所を含む支援機関への委託業務の管理などを含めてOCRWMをサポートするものとされている。

また、同ニュースリリースでは、アイダホ国立研究所(INL)のTAN-607建屋を民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)に譲渡する計画についても示されている。TAN-607建屋は、無線式クレーンを含む米国で最大の遮へい遠隔操作施設などを有し、今後、ユッカマウンテンで使用されることになる機器も備える大型施設とされている。TAN-607建屋の譲渡は2006年3月の予定で、OCRWMは同施設を将来におけるユッカマウンテン作業員の訓練施設として確保しておく計画であることが示されている。

【注】速報掲載当初は一部に不正確な表現があったため、2006年3月8日に修正を行った。

【出典】

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )