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《米国》2012会計年度の予算要求-ユッカマウンテン処分場予算はゼロ

2010年2月14日、米国で2012会計年度 1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表されるとともに、エネルギー省(DOE)のウェブサイトでDOEの予算要求資料が公表された。

DOEの予算要求資料では、2010会計年度末までに、ユッカマウンテンプロジェクトは中止され、DOEの民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は閉鎖されたとして、ユッカマウンテン処分場開発の予算要求額はゼロとなっている。また、オバマ政権がユッカマウンテン処分場開発は実行可能なオプションではないと決定し、2010会計年度中に処分場の許認可申請の取り下げ申請書を原子力規制委員会(NRC)に提出するとともに、放射性廃棄物管理及び処分の新たな戦略を策定しながら政権に報告するブルーリボン委員会を設置したとしている。

また、ユッカマウンテン処分場の許認可申請書の審査を行っているNRCは、許認可申請書の審査の中止作業が2012会計年度開始までに終了するとの理由から、2012会計年度の予算要求をゼロとしている。

一方、DOEのユッカマウンテン処分場開発関連の予算については、2011会計年度の予算要求においてもゼロとされていた。その後、連邦議会では、2011会計年度の歳出法案は可決されておらず、4度の継続予算決議が行われ、現在は2011年3月4日までの継続予算が成立している。

連邦議会下院歳出委員会は、2011年2月11日、2011会計年度の残りの期間を対象とした継続予算法案を提出した。同法案において、ユッカマウンテン処分場開発関連予算は、2010会計年度の歳出予算額から280万ドル削減された金額となっている。また、同法案では、NRCの委員が、NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)による処分場の許認可申請の取り下げを認めないとする決定を破棄するまで、処分場の許認可申請の審査に関連した活動を中止する目的で、予算が使用されることを禁止するとしている。

【出典】

【2011年4月19日追記】

2011年4月14日、米国の連邦議会は、2011会計年度の2011年9月30日までを対象とした継続歳出法案を可決した。同法案では、エネルギー省(DOE)に対するユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物処分場開発関連予算はゼロとされている。その他の高レベル放射性廃棄物関連では、原子力規制委員会(NRC)に対して放射性廃棄物基金から1,000万ドルが割り当てられている。なお、2011年2月11日に下院歳出委員会が提出した継続予算法案においては、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請の取り下げ申請を認めないとするNRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)の決定をNRCの委員が破棄するまで、許認可申請の審査に関連する活動の中止のために予算を使用することを禁止するとされていた。しかし、今回可決した継続歳出法案では、使途などについては記されていない。

【出典】

【2011年12月20日追記】

2011年12月17日、米国連邦議会は、エネルギー省(DOE)の歳出予算などを含む2012会計年度の一括歳出法案を可決した。同法案では、ユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物処分場に係る開発関連予算はゼロとされている。また、DOEに対しては、ブルーリボン委員会の2012年1月29日に予定されている最終報告書の公表後6カ月以内に、使用済燃料などの管理戦略を策定するよう指示している。なお、同法案では、原子力規制委員会(NRC)のユッカマウンテン処分場に係る許認可審査関連費用についても、予算が割り当てられていないものとなっている。

【出典】


  1. 米国における会計年度は前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2012会計年度の予算は2011年10月からの1年間に対するものである。
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(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )