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《韓国》高レベル放射性廃棄物管理委員会が始動

韓国の高レベル放射性廃棄物管理委員会(以下「委員会」という)は、2026年2月23日に第1回会合、同年3月20日に第2回会合を開催した。同委員会は、2025年9月26日に施行された「高レベル放射性廃棄物管理特別法」(以下「特別法」という)に基づき、国務総理(首相)の下に設置される独立組織であり、高レベル放射性廃棄物の管理や、管理施設のサイトの調査・選定に必要な方針の決定等を行うことになっている

委員会の発足

委員会は特別法の施行に伴って設置され、委員の選定、任命が進められてきた。委員は、原子力や環境、放射線安全や放射性廃棄物管理の専門家で、9名で構成される。このうち委員長1名を含む5名は政府推薦、4名は国会推薦の委員である。政府推薦委員のうち、委員長及び常任委員1名は、任期付きの上級公務員(常勤)として処遇される。その他の委員は非常任委員と位置づけられる。2025年10月2日には李在明大統領が、ともに民主党所属の元国会議員である金賢権(キム・ヒョングォン)氏を、同委員会の委員長に任命した。その後2026年1月29日までに、1名の常任委員と3名の非常任委員が任命され、政府推薦の5名の委員任命が完了した。常任委員は環境・エネルギー政策及び市民コミュニケーションの専門家、非常任委員3名はそれぞれ、原子力技術・規制分野、科学技術社会論、環境法務の専門家である。残る4名の国会推薦委員は、国会の承認が完了しておらず空席であるが、委員の任命が定数の過半数に達したことから、2月23日に第1回の会合が開催されることになった。

委員会の業務計画

第1回会合では、委員会の2026年における主要業務として、以下の4点が確認された。

  • 第3次高レベル放射性廃棄物管理基本計画の策定
    特別法では、30年を計画期間とする「高レベル放射性廃棄物管理基本計画」を5年ごとに策定することを義務づけている。特別法により、高レベル放射性廃棄物処分場の操業開始目標が、従来の2063年から2060年に繰り上げられた。第3次高レベル放射性廃棄物管理基本計画はこのスケジュールを反映するとともに、サイト選定計画や技術開発、国民とのコミュニケーション方針などを総合的に盛り込む。
  • 高レベル放射性廃棄物貯蔵・処分施設の確保・サイト選定への取組
    2026年第1四半期中にサイト適合性調査計画を策定し、サイト選定の手続きに着手する。年内を目標に不適合地域の排除作業を進める。また2027年に予定される調査対象自治体の公募開始に向け、国民への情報提供等を強化する。
  • 立地地域への支援策策定
    サイト選定における住民の受容性を高め、公募への参加を促すため、調査対象地域や最終的な立地地域及び周辺地域に対する、具体的な支援策の方向性を策定する。
  • 韓国の地質環境に適した処分技術の開発・確立
    江原道太白市(カンウォン道テベク市)に立地が決定した地下研究所について、2026年内に着工する。また、大学院等における専門人材育成を支援する。

委員会情報の公開範囲

委員会の議事録は原則として公開だが、一部の情報は非公開とされることが確認されている。特にサイト適合性調査計画に関する議論については、都度、前回会議の議事の公開是非や範囲を確認することとされた。なお、非公開と判断された内容についても、計画が最終的に確定した後に公表される。

今後の予定

委員会の運営細則では、定例会合を偶数月に各1回開催することを定めている。しかし、今後のスケジュールや処理すべき案件の多さを踏まえ、当面の間、委員会の定例会合を毎月第3金曜日に開催することが決定された。この決定に基づき、第2回会合は、2026年3月20日に開催された。第2回会合では、委員会議事録のうち非公開とする対象について決議が行われたほか、各原子力サイトにおける使用済燃料管理状況及び管理計画案の報告、またサイト適合性調査計画案の報告が行われた。

放射性廃棄物処分の実施体制変更

特別法は2025年9月26日に施行された後、同年10月1日に、政府組織再編を反映した改正が行われた。特別法では、独立組織として上述の委員会を設置するとともに、「韓国原子力環境公団」(KORAD)を高レベル放射性廃棄物の管理事業者に指定している。所管官署は従来、産業通商資源部(MOTIE)であったが、組織再編により、新設の気候エネルギー環境部(MCEE)に移管された。

 

【出典】

(post by eto.jiro , last modified: 2026-03-24 )