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《ベルギー》放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)が地層処分のサイト選定に向けた意思決定プロセスに関する公開協議を開始

ベルギーの放射性廃棄物管理の実施主体である放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)は、2026年1月7日のプレスリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物及び長寿命低・中レベル放射性廃棄物の地層処分のサイト選定に向けた意思決定プロセスを定める案(王令案)を公表するとともに、3月8日までの公開協議を開始した。

今回公表された意思決定プロセスを定める案は、2022年10月に高レベル放射性廃棄物及び長寿命放射性廃棄物を自国内で地層処分する方針を決定した「高レベル及び長寿命の放射性廃棄物の長期管理に関する国家政策の最初の部分を制定し、この国家政策の他の部分を段階的に制定するプロセスを規定する王令」に基づきONDRAF/NIRASが作成したもので、公開協議終了後、公衆からの意見を取りまとめて反映し、連邦政府へ提出される。連邦政府は、これを王令として法制化する。

2022年10月に法制化された王令において、ONDRAF/NIRASは、高レベル放射性廃棄物及び長寿命放射性廃棄物の地層処分の実施に向けた意思決定プロセスを提案することが義務付けられており、今回の提案は、意思決定プロセスを具体化し、最終的に1カ所あるいは複数のサイトを選定するための枠組みを示すものとなっている。また、今回の王令案では、意思決定プロセスは、以下を確実に行うことを基本原則としている。

  • 放射性廃棄物管理に関して、様々な側面(安全性、核セキュリティ、環境保護、科学的、技術的、財政的、社会的、規制的側面)を考慮する。
  • 意思決定は、参加型で、公平かつ透明性のある方法で実施する。
  • 地層処分施設が選定されたサイトを有する地域に融合するための社会的基盤の確立を可能とする。

3段階で進められる意思決定

ONDRAF/NIRASは、上記の基本原則に基づき、以下の3段階の意思決定プロセスを提案している。

第1段階

  • ONDRAF/NIRASが処分場受け入れに関心のある自治体や自治体グループ1 に対し、地層処分場設置の可能性に関する考えを確認するための協議を実施する。
  • ONDRAF/NIRASが、協議の結果を踏まえ、文献等による調査に基づく予備的評価(処分システムの隔離及び閉じ込め性能、頑健性、実証可能性)を行う。
  • 上記調査と並行して、自治体及び自治体グループに、対話のためのプラットフォームを設置する(第1段階のみ)。
  • ONDRAF/NIRASが、サイト選定プロセスを継続する自治体または自治体グループを提案し、連邦政府へ提出する。

第2段階

  • ONDRAF/NIRASが、現地調査(地球物理探査、ボーリング等)を実施し、予備的セーフティケースを作成する。
  • 規制当局が、作成されたセーフティケースを評価(évaluation)し、ONDRAF/NIRASに対し、許認可に向けた勧告を示す。
  • ONDRAF/NIRASが、第3段階へ進む自治体または自治体グループを提案し、連邦政府へ提出する。
  • 調査を実施する自治体または自治体グループごとに、ステークホルダーや市民及びONDRAF/NIRAS、当該自治体で構成される地域組織が設置される。組織は地層処分プロジェクトが地域に融合するための社会経済的条件等を提案する。

第3段階

  • ONDRAF/NIRASが、1カ所あるいは複数のサイトを選定する。
  • ONDRAF/NIRASが、選定された自治体または自治体グループの地域組織と地層処分場の設置に関する具体的な可能性について協議する。
  • ONDRAF/NIRASが、上記の協議及び規制当局等の意見に基づきサイトを連邦政府へ提案し、閣議で審議されサイトが選定される。

また、今回の提案では、プロセスのさまざまな関係者に対して公平性を確保するための独立した組織である「保証機関(Garant)」を創設するとしている。この組織は、意思決定プロセスの実施について、プロセス全体を監視し、倫理的枠組みを設定するとともに公衆への学術的な情報提供を行うとしている。

【出典】

  1. 今回の王令案には、処分場受け入れに関心のある自治体や自治体グループを見つけるためのプロセスについての記載は見られない。 []

(post by nunome.reiko , last modified: 2026-01-20 )