米国のDC巡回区控訴裁判所1 は、2004年9月1日、原子力エネルギー協会(NEI)による環境保護庁(EPA)規則に関する再審理請求を棄却した。NEIは、EPAのユッカマウンテン環境放射線防護基準の一部を無効とするなどの連邦控訴裁判所判決を不服として、控訴裁判所での再審理を2004年8月23日に請求していた 。棄却決定から7日後には判決が執行されるため、EPAのユッカマウンテン環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)において1万年という基準遵守期間を定めた規定は、2004年9月8日には無効となる。
ユッカマウンテン環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)に定められた1万年という基準遵守期間については、全米科学アカデミー(NAS)の勧告に基づいて同基準を制定することを求めた1992年エネルギー政策法の規定に反するため無効であるとの判決が、2004年7月9日にDC巡回区控訴裁判所から示されていた 。
なお、2004年9月7日現在では、NEI、EPA、連邦エネルギー省(DOE)および原子力規制委員会(NRC)からのプレスリリースは公表されていない。
【出典】
- DC巡回区控訴裁判所2004年9月1日決定文書
(再審理請求棄却、全員法廷審理請求棄却)
【2004年9月22日追記】
本棄却決定を受けて、NEIは9月8日に判決の執行停止の申立てを行った。このため9月22日現在では判決は執行されていない。
【2004年10月14日追記】
NEIによる判決の執行停止の申立ては、2004年10月8日に棄却された。なお、ユッカマウンテンに係る判決は棄却決定から7日後に有効となる。
- DC・・・コロンビア特別区。DC巡回区控訴裁判所は、米国の首都ワシントンDC地区における訴訟事件を取り扱う。 [↩]
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )