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《米国》原子力エネルギー協会(NEI)がEPA基準無効判決に再審理請求

米国の原子力エネルギー協会(NEI)は、2004年8月23日、環境保護庁(EPA)のユッカマウンテン環境放射線防護基準の一部を無効とするなどの連邦控訴裁判所判決を不服として再審理の請求を行ったことをニュースリリースで公表した。EPAによるユッカマウンテン環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)に定められた1万年という遵守期間については、全米科学アカデミー(NAS)の勧告に基づいて同基準を制定することを求めた1992年エネルギー政策法の規定に反するため無効であるとの判決が、2004年7月9日にDC1 巡回区控訴裁判所判決で示されていた

NEIのニュースリリースでは、再審理を請求した理由として以下のような点が示されている。

  • EPAは、NASの報告書を先ず踏まえた上で、政策上の検討要因を加えて基準を策定したのであり、[法律の規定に]従っている
  • EPA環境放射線防護基準の1万年という遵守期間は、他の放射性廃棄物管理における例(基準)と整合性がある
  • NASは1995年のEPAに対する勧告の中で、NASの調査では科学的なことしか扱っていないため、EPAは規則制定に当たって政策的問題を考慮する必要があると述べている

また、同ニュースリリースでは、EPAが地下水について独立の防護基準を設けたことが1992年エネルギー政策法違反であるとしてNEIが起こしていた訴訟についても、NEIの再審理請求に含まれていることが示されている。EPA基準における線量限度は地下水からのものも含む全ての経路を考慮しており、基準の追加によって新たに保護されるものは何もないとNEIは主張している。

なお、連邦控訴裁判所における再審理請求は45日以内までに行うものと規定されているが、この期限を過ぎた2004年8月27日現在でも、EPAや連邦エネルギー省(DOE)からは本件に関する公式なプレスリリースは発表されていない。

また、EPA基準における1万年の放射線防護の遵守期間がNASの勧告に従っていないとする訴訟は、ユッカマウンテンの地元ネバダ州などがEPAなどを相手取って起こした訴訟であるが、NEIによる地下水防護基準に対する訴訟などと併合して取り扱われていた

【出典】

  • 原子力エネルギー協会リリース(2004年8月23日)
    (http://www.nei.org/index.asp?catnum=4&catid=615)
  1. DC・・・コロンビア特別区。DC巡回区控訴裁判所は、米国の首都ワシントンDC地区における訴訟事件を取り扱う []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )