カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、使用済燃料処分場のサイト選定の取組に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に伴う行動制限等による影響を考慮し、1カ所の好ましいサイトの選定を約1年遅らせ、2024年秋に改めたことを公表した。NWMOのサイト選定担当副社長は、「サイト候補自治体における活動に関して、対面での関与や交流がほとんどできない状況であったことから、サイト選定の時期を延期することにより、サイト候補自治体が事業の受入れに関して検討するための時間を得ることができる」と述べている。
NWMOは2022年6月には、オンタリオ州北部のイグナス・タウンシップ、同州南部のサウスブルース自治体の候補2サイトの技術的な有望性を示した報告書を取りまとめており、これら2自治体との間で、処分場受入れに関する合意につながる正式な協定文書の策定に向けた協議を進めていた 。NWMOの計画では、1カ所の好ましいサイトの選定の後、当該サイトにおける詳細なサイト特性調査のほか、環境アセスメント等の許認可手続きも開始される予定である。
NWMOは、今回のサイト選定時期の変更は、使用済燃料処分の全体スケジュールには影響を与えないとしており、2033年の処分場建設開始、2040年代当初の操業開始に変更はないとしている。
【出典】
- 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)、プレスリリース、2022年8月
https://www.nwmo.ca/News/The-NWMO-updates-the-timeline-for-site-selection-to-2024 - 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)、2022-2026年実施計画書(2022年3月)
https://www.nwmo.ca/-/media/Reports-MASTER/Corporate-reports/APM-REP-06411-52861-Implementing-Adaptive-Phased-Management-2022-to-2026-2022-03.ashx?sc_lang=en
(post by nunome.reiko , last modified: 2023-12-26 )