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《ドイツ》連邦放射性廃棄物機関(BGE)がサイト選定に関するイベントを開催し、除外条件等を公衆と議論

ドイツの放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)は、2019年12月12日から14日の3日間にわたり、ニーダーザクセン州の第2の都市であるブラウンシュヴァイクにおいて、サイト選定に関する情報提供のイベント「サイト選定デー」を開催した。初日及び2日目には、主に専門家を対象とした講演セッションが開催され、20名の地質学分野の研究者からの地質学的モデルの作成方法や地質情報にある不確実性についての説明のほか、ポスター発表が行われた。最終日は、一般市民を対象にした情報提供セッションが開催され、今後BGEがドイツ全土からサイト区域を特定していく際に、地球科学的な除外基準や最低要件をどのように適用するかについての情報提供と議論が行われた。

「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)に基づくサイト選定手続きでは、最初のステップとして、BGEが地球科学的な除外基準及び最低要件を適用し、最終処分に好ましい地質学的な前提条件を満たす「サイト区域」を提案することになっている

現在BGEは、地球科学的な除外基準及び最低要件 の具体的な適用方法を検討しており、2019年11月19日に、除外基準の一つである「現在または過去の鉱山活動の影響の存在」の適用方法の案を公表するとともに、ウェブフォーラム「BGEフォーラム」(https://forum-bge.de/)を新たに設置し、2019年12月31日まで一般市民も対象とした意見募集を開始していた。イベント3日目の市民との議論では、除外基準の適用方法についての情報提供が行われた。BGEは、2019年12月16日にウェブサイトに掲載した「サイト選定デー」の開催報告において、イベント会場から大きな反対意見は出なかったものの、環境団体等から、市民が複雑な科学的テーマに関わるためには専門家の十分な支援が不可欠であること、BGEが実施している研究に関する情報が市民に対して十分に提供されていないといった指摘がされたことを明らかにしている。

なお、BGEは今後、その他の除外基準及び最低要件についても順次、具体的な適用方法についての案を公表し、ウェブフォーラムでのコンサルテーションを実施していくとしている。

 

【出典】

(post by tokushima.hideyuki , last modified: 2023-10-10 )