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《英国》高レベル放射性廃棄物等の 地層処分場サイト選定の初期スクリーニングが開始

西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップ[ERROR: 既報(1256)がみつかりません]は、2010年6月付プレスリリースにおいて、関心表明を行った自治体を対象として、地質学的に不適格な地域を判断するための初期スクリーニングが開始されたことを公表した。初期スクリーニングは、英国政府に委託された英国地質調査所(BGS)によって既存情報に基づき行われるとしている。BGSによる調査結果は、2010年9月に公表されると見込まれている。

英国政府が実施している地層処分場のサイト選定プロセスでは、カンブリア州のコープランド市が2008年7月、カンブリア州が2008年12月、同州のアラデール市が2009年2月にそれぞれ関心表明を行っていた。また、今回の初期スクリーニングは、同プロセスの第2段階として実施が予定されていた

同プレスリリースによると、英国地質調査所(BGS)は、アラデール市とコープランド市全域、及び沖合5kmまでの地質に対する既存情報を精査し、放射性廃棄物管理に関する白書『放射性廃棄物の安全な管理-地層処分の実施に向けた枠組み』に示されたスクリーニング基準に基づき、地層処分場に対して明らかに不適格な地層の地域を排除するとしている。また、机上での調査であり、既存の情報のみを使用し、ボーリング調査、フィールド調査などは実施しないこと、徹底的・詳細なものではなく、地質学的以外の要素は調査しないとしている。なお、今回の初期スクリーニングは、地層処分場のための潜在的なサイトを特定したり、評価するために必要なプロセスの一部を構成するものではないとしている。広範な基準に基づく、より綿密な評価が行われるのは、西カンブリア地域がサイト選定プロセスの更なる段階に参加すると決定した場合のみとされている。

また、英国地質調査所(BGS)の調査により、西カンブリア地域が不適格地域として排除されなかった場合、西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップは、2010年9月に包括的な公衆・ステークホルダーの関与プログラムの次の段階を開始するとしている。さらに、同パートナーシップは、西カンブリア地域がサイト選定プロセスに引き続き参加すべきかどうか2011年後半には決定する見込みであるとしている。

【出典】

【2010年10月14日追記】

西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップ は、2010年10月付プレスリリースにおいて、2010年10月28日に次回の会合を開催し、その場で西カンブリア地域の初期スクリーニングの結果を政府が発表することを公表した。

初期スクリーニングでは、既存情報から天然資源などを含む地域を除外する作業が英国地質調査所(BGS)によって実施されていた。本会合では、BGSが石炭、石油、ガスなどの天然資源が存在する地域の精査を行い、アラデール市とコープランド市全域及び沖合5kmまでのどの程度が、明らかに地層処分に適さないかが示されるものとされている。ただし、今回の調査結果は、地層処分に適さないとされた地域以外が、処分場の設置に適していることを示しているものではなく、次の段階に進むことが決定した場合、さらなる調査が実施されるとされている。

同プレスリリースによると、同パートナーシップは、英国政府が同パートナーシップの今年度の資金提供を承認しなかったため、2010年9月に活動を停止していた。しかし、政府と資金提供について合意に至ったため、西カンブリア地域が地層処分場サイト選定プロセスに参加すべきかの検討を再開するとしている。

【出典】

(post by f-yamada , last modified: 2023-10-11 )