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《韓国》中・低レベル放射性廃棄物処分場の竣工予定を2014年6月に再変更

韓国放射性廃棄物管理公団(KRMC)は、2012年1月13日付のプレスリリースにおいて、建設中の中・低レベル放射性廃棄物の処分場である慶州市の「月城(ウォルソン)原子力環境管理センター」の竣工予定を再度変更し、2014年6月としたことを公表した。

月城原子力環境管理センターは2008年8月に着工した。当初は2010年6月の竣工(工期53ヶ月)を予定していたが、2009年6月には、竣工時期が予定から2年以上遅れた、2012年12月に変更された。今回、さらに18ヶ月工期が延長(総工期71ヶ月)されることになる。

KRMCは、2011年10月に新体制になった後、処分場建設事業全般に対して精密な見直しを実施した。その結果として、工法の改善にもかかわらず工期が不足するという結論に至ったとしている。延期の理由として以下の3点をあげている。

  • 岩盤特性を反映した設計の再検討の結果、建設予定の6つの処分坑道のうち、第1、第2処分坑道の工期として7ヶ月程度の延長を要する。
  • 地下水の湧水量の増加にともなう進入坑道の掘削工事に5ヶ月の延長を要する。
  • 処分坑道の施工のための設計審査に約3ヶ月(2011年1月~2011年3月)を要するほか、進入坑道のライニング工事に別途3ヶ月を要する。

さらに、KRMCは、処分場の安全性について、これまでにも許認可審査過程や国内外の専門機関による確認を受けているが、韓国国民の不安を解消するため、今後、海外の専門機関による安全性の検証を進めることを明らかにした。また、原子力発電所で発生している中・低レベル放射性廃棄物については、2010年12月に操業を開始した貯蔵施設での貯蔵容量を増やすことで、管理に支障がないようにするとしている。なおプレスリリースによると、処分場の施工会社から、処分場を部分的に竣工させることにより、処分場の建設と操業を並行して進める代替案の提示を受けていたが、KRMCは、工期を延長してでも安全に操業するほうが望ましいと判断したとしている。

【出典】

 

【2014年7月4日追記】

韓国放射性廃棄物管理公団(KORAD)は、2014年6月24日付のプレスリリースにおいて、慶州市で建設中である中・低レベル放射性廃棄物処分施設「月城(ウォルソン)原子力環境管理センター」の建設工事が2014年6月30日に完了し、2014年7月中旬に竣工検査を実施予定であることを公表した。

この発表に先立ち、KORADの監督官庁である韓国産業通商資源部(MOTIE)は、 2014年6月23日付の告示において、月城原子力環境管理センターの建設事業の事業期間が2014年6月末の予定から2014年12月末に延長される見通しであることを公表した。MOTIEは、建設事業期間の延長の理由について、中・低レベル放射性廃棄物処分施設の操業開始に必要な許認可を取得するため、必要な協議等の期間を暫定的に確保するためと説明している。

建設事業期間の変更(MOTIE発表)

変更前:2007年7月~2014年6月(総工期84カ月)

変更後:2007年7月~2014年12月(総工期90カ月)

【追記部出典】

【2014年12月15日追記】

韓国原子力環境公団(KORAD)は、2014年12月11日付のプレスリリースにおいて、原子力安全委員会(NSSC)による使用前検査の結果の承認により、中・低レベル放射性廃棄物処分施設「月城(ウォルソン)原子力環境管理センター」の第一段階の処分施設(地下空洞型処分)の操業が可能になったことを公表した。

 月城原子力環境管理センターは、2008年7月に建設・操業に係る 許可を受けていた。今回の原子力安全委員会により承認を受けた処分施設に係る使用前検査は、原子力安全委員会の規制支援機関である韓国原子力安全技術院 (KINS)が「原子力安全法施行令」第101条の規定に基づいて約6年間にわたって実施してきた。

今後、韓国原子力環境公団(KORAD)は、今回承認された第一段階の処分施設の建設事業の完了を受け、第二段階の処分施設の建設事業(浅地中処分、事業期間:2012年1月~2016年12月)を推進していくとしている。

【追記部出典】

【2015年7月16日追記】

韓国原子力環境公団(KORAD)は、慶州市の中・低レベル放射性廃棄物処分場「月城(ウォルソン)原子力環境管理センター」の第一段階の地下空洞型処分施設において、2015年7月13日より廃棄物の処分を開始した。2015年7月13日付のプレスリリースにおいては、同日に容量200リットルのドラム缶に封入された廃棄物16本を処分し、2015年末までに計3,008本を処分する計画としている。 第一段階の処分施設は、地表から深さ80~130mに建設されたサイロ6基から構成されており、ドラム缶10万本分の廃棄物を処分できる。

【追記部出典】

(post by yokoyama.satoshi , last modified: 2023-10-11 )