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《スウェーデン》SSMが使用済燃料最終処分場の立地・建設許可申請に対する安全審査の中間結果(第一回)を公表

スウェーデンの放射性廃棄物処分の規制監督機関である放射線安全機関(SSM)は、2015年6月24日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書に対する安全審査について、その第一回目となる中間結果を公表した。SSMは、今回示した結果は中間的なものであり、全体的な結論に至るには早すぎるとしつつも、SKB社が進めている処分概念に対して、慎重ながらも肯定的な見方であることを示した。

SKB社は、KBS-3概念1 と呼ばれる処分概念による使用済燃料の最終処分の実現に向け、2006年11月にはオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を提出し、その後、2011年3月にフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書を提出した 。現在、スウェーデンにおける使用済燃料処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請では、環境法典及び原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている(下記の囲みを参照)。

※:使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請
②オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出済、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
③フォルスマルクにおける使用済燃料処分場の建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請

今回、SSMは、第一回目となる中間結果として、①「使用済燃料の処分施設の建設・操業」、②「長期の放射線安全に係る処分場の初期状態及び建設・操業のフィージビリティ」に関する2つの中間報告書を公表した。SSMは、処分場の建設・操業期間に行われる岩盤の掘削や地下施設におけるキャニスタの搬送・定置等の活動について、SSMが定める原子力安全及び放射線防護に関する基準を満たすことをSKB社は立証しているとの予備的な見解を示している。また、処分場閉鎖後の安全解析の開始時点となる初期状態についても、銅製キャニスタの製造に関連した課題があるものの、慎重ながら肯定的な見方をしているとのSSMの考えを示している。また、最低でも10万年という期間にわたって放射線安全の要件が満たされうるかという質問に対してSSMが見解を示せるようになるには、安全審査にさらに時間が必要としている。

今後の安全審査のスケジュールについてSSMは、次の中間結果を2015年内に公表し、2016年春にSKB社の立地・建設許可申請の全体に対する意見を土地・環境裁判所に提出し、2017年に包括的な最終審査結果を政府に提出するとしている。

【出典】

【2015年11月18日追記】

スウェーデンの放射性廃棄物処分の規制監督機関である放射線安全機関(SSM)は、2015年11月17日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書 に対する安全審査の第二回目の中間結果を公表した。

SSMは、長期安全性の観点から、SKB社が行った代替サイトの適合性の評価を含めてサイト選定プロセス自体の精査を行っており、今回の中間結果において、処分場建設予定地であるフォルスマルクは岩盤の亀裂が限定的であり、地下水流動が小さいことから、放射線安全の観点からの評価として、使用済燃料処分場のサイトとして最も適切なサイトであるとしている。また、SSMは、将来の処分場からの放射性物質の放出による影響評価に関して、SKB社が用いた方法についても審査を継続しており、現時点では、慎重ながらも肯定的な見方をしていることを示している。

【出典】

  1. KBS-3概念とは、スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に縦置きに定置して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様な概念を採用している。 []

(post by sahara.satoshi , last modified: 2024-07-24 )