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《ドイツ》「高レベル放射性廃棄物処分委員会」の第2回会合議事録が公開

ドイツ連邦議会は自身のウェブサイトにおいて、2013年7月に制定された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という) に基づいて設置された「高レベル放射性廃棄物処分委員会」(以下「処分委員会」という)について、2014年6月30日に開催した第2回会合の議事録を公表した。

公表された議事録によれば、第2回会合では、処分委員会の規約や2014年の活動計画の採決が行われたほか、高レベル放射性廃棄物を含む発熱性放射性廃棄物の処分に関するさまざまな問題について議論が行われた。また、同会合では、サイト選定法で原則として2015年末までに行うとされている委員会の最終報告について、委員会の活動開始が遅れたことから、サイト選定法で認められている半年の延長を行い、全体で2年間の活動期間を確保する方針であることが確認された。さらに、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(Bundesministerium für Umwelt, Naturschutz, Bau und Reaktorsicherheit, BMUB)からは、連邦放射性廃棄物処分庁(Bundesamtes für kerntechnische Entsorgung, BfE) 1 の設置の進捗状況についての説明が行われ、2014年内に設置されるとの見通しが示された。

処分委員会の規約の概要

第2回会合において採択された規約では、委員長選出過程で合意されたように、連立政権を構成する政党からの代表者2名が交代で委員長を務めることが定められている。また、広範なコンセンサスを得ることが処分委員会の活動の成否を左右するとの認識のもと、委員全員は、あらゆる問題について委員全員が合意可能な結論を導くよう努力することが規約に盛り込まれている。処分委員会の会合は原則公開とし、会合の模様をインターネットで中継するほか、録画映像もインターネット上で公開することも取り決めている。さらに、公衆参加を獲得するため、処分委員会活動、サイト選定法に関する討論会、ワークショップを全国レベルで開催すること、インターネットや電子メールでの意見受け付けを行うことが盛り込まれている。

また、委員の議決権を明確にしており、処分委員会の最終報告書に関する決定、及び活動期間延長に関する決定については、サイト選定法の規定どおり 、議決権が学術界と社会グループ代表の委員に限定されるものの、その他の議決事項については全ての委員が議決権を有することが明記されている。

さらに、規約では、委員6名以上の提案により、予算の範囲内で外部専門家への調査の依頼や意見聴取を実施できること、委員会の議論に資する検討を行う目的で、テーマ別の作業グループの設置ができることが規定された。

2014年の活動計画

処分委員会の第2回会合において合意された2014年の活動計画では、2014年に開催される4回の会合(開催日時は下表を参照)において、以下の議題が取り扱われることが示されている(順不同)。

  • 放射性廃棄物処分のあり方の共有
  • 高レベル放射性廃棄物処分に関する国内外の最新知見の確認
  • 高レベル放射性廃棄物のインベントリや、連邦政府による廃棄物管理に関する国家計画に関する議論
  • 過去の事例として、サイト選定手続委員会(Arbeitskreises Auswahlverfahren Endlagerstandorte, AkEnd)の活動及び2002年に公表されたAkEndの報告書・勧告と現在の取組の紹介
  • 長期貯蔵や核種分離・変換などの地層処分の代替オプション

また、これらの議題に関連し、以下の活動などを行うことが示されている。

  • サイト選定法の評価や海外における処分に関する問題、核種分離・変換などを含む地層処分の代替オプション等に関する意見聴取
  • 以下の事項に関する専門家からの助言の受領
    • 現在の科学技術的知見に照らしたAkEndの報告書・勧告の評価
    • 放射性廃棄物処分に関する国内外の研究開発状況及び今後必要となる知見
    • 処分費用に係る資金確保
  • 国際原子力機関(IAEA)などの国際機関やスイス、英国、フランス、北欧諸国、米国の視察

また、テーマ別の作業グループとして、以下のテーマを取扱う4つのグループが設置されることが示されている。

  • アッセII研究鉱山からの経験(他の処分・貯蔵施設の事例も参照)
  • 放射性廃棄物処分に関する社会との対話の基準や形態
  • 放射性廃棄物処分に関する科学技術上の決定基準(安全要件、除外基準、母岩固有の基準など)
  • 回収可能性、可逆性などの欠陥是正措置に関する基準

2015年夏までの処分委員会の開催予定

第2回会合で合意された2015年7月までの処分委員会の開催予定は、以下の通りである。

2014年 2015年
第3回 9月8日 第7回 1月19日
第4回 9月22日 第8回 2月2日
第5回 11月3日 第9回 3月2日
第6回 12月5日・6日(2日間) 第10回 4月20日
  第11回 5月18日
第12回 7月3日・4日(2日間)

(※)2014年の会合はすべてベルリンで開催。2015年にはベルリン以外の地域でも開催される。

 

【出典】

 

【2014年9月26日追記】

ドイツ連邦議会は自身のウェブサイトにおいて、2014年9月8日に開催された「高レベル放射性廃棄物処分委員会」(以下「処分委員会」という)の第3回会合の議事録を公表した。

議事録によれば、第3回会合では、2014年中の処分委員会の会合で取り扱う議題や3つの作業グループを設置することなどについて合意したとしている。

2014年中の処分委員会開催予定と議題

処分委員会の第3回会合で合意された2014年中の会合での議題は、以下の通りである。

開催日程

議題

第4回

9月22日

  • 放射性廃棄物の回収可能性
  • サイト選定法の評価及び国際的な知見に関する意見聴取の実施に向けた準備
  • 処分委員会のあり方について

第5回

11月3日

  • サイト選定法の評価に関する意見聴取
  • 放射性廃棄物インベントリ

第6回

12月5日(※)

  • サイト選定手続委員会(Arbeitskreises Auswahlverfahren Endlagerstandorte, AkEnd)の取組についての評価

第7回

12月6日(※)

  • 2014年の活動内容の評価
  • 2015年の活動について

(※)12月5日、6日の会合については、「国際的な知見」に関する意見聴取を議題として加えることも今後検討される。

作業グループの設置

処分委員会の第3回会合では、2014年の活動計画でテーマ別に4つ設置することが示されていた作業グループについて議論を行い、最終的に以下の3つの作業グループを設置することを決定した。

 

検討テーマ

作業グループ1「社会対話と公衆参加」

アッセII研究鉱山、ゴアレーベン、コンラッド処分場、モルスレーベン処分場での教訓を踏まえた社会対話、公衆参加、透明性

作業グループ2

委員会活動の評価

作業グループ3

アッセII研究鉱山、ゴアレーベン、コンラッド処分場、モルスレーベン処分場での教訓を踏まえた社会・科学技術上の意思決定基準ならびに欠陥是正措置に関する基準

作業グループ1「社会対話と公衆参加」はすでに設置済みであり、処分委員会の第3回会合後に、作業グループ1の第1回会合が開催された。他の2つの作業グループについては、今後、議長や参加者が決定される。

【出典】


  1. 2013年7月にサイト選定法とともに制定された連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)設置法に基づく新設官庁であり、サイト選定法に基づく処分場サイト選定の監督や処分事業の規制を担う。[]

(post by tokushima.hideyuki , last modified: 2023-10-11 )