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《韓国》使用済燃料公論化委員会が「使用済燃料管理方策に関する課題及び検討意見書」を受領

韓国産業通商資源部(Ministry of Trade, Industry and Energy, MOTIE)が設置した使用済燃料公論化委員会(以下「公論化委員会」という)は、2014年8月11日のプレスリリースにおいて、使用済燃料管理方策の課題導出のための専門家検討グループ(以下「専門家検討グループ」という)から「使用済燃料管理方策に関する課題及び検討意見書」(以下「検討意見書」という)を受領したことを公表した。今後、公論化委員会は、検討意見書に基づいて、使用済燃料管理方策に関する具体的かつ詳細な議論を行う予定である。

専門家検討グループは、使用済燃料管理方策の課題を導出するために公論化委員会が設置した諮問会議であり、地質学、材料学、原子力、経済、社会、法律などの関連分野の15人の専門家で構成されている。今回作成された検討意見書は、このグループが、2014年2月から7月まで行った議論の成果を取りまとめたものである。

検討意見書では、使用済燃料は特別な管理を実施する必要性があることを前提に、現状及び当面の課題、並びに中・長期の管理方法を統合的に検討した上で、現時点で解決すべき課題とこれに対する検討の方向性を示す次の5つの事項を提言している。

1.法律上の用語の再整備

現在の法律で使われている用語の一部には、未定義もしくは適切な定義がされていないため、不必要な誤解と障害を引き起こしていると推測される。これらの用語の定義は、科学技術的基準(放射線量、発熱量、被ばく線量等)に基づいて明確にする必要がある。

  •  例:「一時貯蔵」及び「中間貯蔵」: 「一時」及び「中間」には特に期間は設定されていない。しかし、これらの用語を使って中・長期の管理方法が表現されている。

2.専門家の議論への参加を制度化

使用済燃料を含めた放射性廃棄物の管理方法を準備していく過程で、原子力分野はもとより、岩盤工学、地質学、コンクリート/材料学などのさまざまな分野の専門家が参加し、使用済燃料の貯蔵施設及び貯蔵プール/貯蔵容器の設計(臨界、遮へい、熱、構造などの要素を考慮)、管理などのための徹底的な議論を常時実施することを支援するシステムが必要である。

3.管理方法検討及び処分施設確保作業の継続

すべての中・長期管理方法(永久処分、リサイクル/再処理、長期中間貯蔵)を同時に検討する必要がある。また、許可された乾式貯蔵容器の確保と使用済燃料の貯蔵と処分施設の確保のための努力を同時に推進する必要がある。具体的には以下の事項を実施する必要がある。

  •  乾式貯蔵容器の材料、設計、製作に関する技術開発及び許認可関連基準の設定
  •  永久処分のための関連技術開発及び地質調査の実施

4.放射性廃棄物管理スケジュールの整合性の確保

2016年には既存の使用済燃料貯蔵施設は満杯となる見通しである。中・長期管理方策と整合させつつ直近の貯蔵容量確保を図る対応策も検討する必要がある。

5.複数の使用済燃料管理方法の検討

月城(ウォルソン)原子力発電所の重水炉1 4基から発生する使用済燃料は、他の原子力発電所で導入された軽水炉19基から発生する使用済燃料とは物理的特性が異なるため、工学的な観点からも別の方法で管理する必要がある。

【出典】

  1. 天然ウランを燃料として使用するカナダ型重水炉(CANDU) []

(post by yokoyama.satoshi , last modified: 2023-10-11 )