ドイツにおける放射性廃棄物最終処分場の選定手続について検討を行ってきたAkEnd(サイト選定手続委員会)の最終報告書が、2002年12月17日に公表された。ドイツでは1970年代から調査が行われてきたゴアレーベンにおける新たな探査活動が凍結されており、AkEndは連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)により設置され、1999年から検討を行っていた。同日にはBMUからのプレスリリースも出されており、この最終報告における重要な勧告として、以下のポイントが挙げられている。
- 2030年までに、ドイツ国内の深い地層で最終処分開始
AkEndでは、運転の準備を終えた最終処分場を2030年までに確保する目標を設定した。国外における放射性廃棄物の最終処分の可能性は否定している。 - 少なくとも2カ所のサイトで地下調査
AkEndの提案する選定手続きは5段階で進められる。地理的にあらかじめ定められた地域はなく、いかなる地域も事前に手続きのうちで排除されたり、「最初から決められたり」することはない。第3段階では、可能であれば5カ所、最低でも3カ所の地上調査の候補地域を選定するが、そのためには地元が調査を受け入れる用意があることを表明する必要がある。
次の第4段階で、地上調査が実行される。最後に第5段階において(受け入れ表明がなされると仮定した上で)、2カ所のサイトの地下調査が実行され、相互に比較される。 - 適性基準としての透明性
AkEndによる提案の基本的な要素は、選定手続の開発・確認・実行に公衆が参加していることである。
また、BMUによれば、今後のスケジュールとしては、来年の第1四半期に社会の広範な層の代表が参加した審理グループを設立してAkEndの勧告について今後2年間に公開の場で議論を行い、その後選定手続きについて法的な拘束力のある決定が下される予定とされている。従って具体的なサイト選定作業は、その後に初めて開始されることになるとの見解が示されている。
【出典】
- 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)プレスリリース(Nr.303/02, 17 Decemberl 2002) (www.bmu.de/fset1024.htm)
- Auswahlverfahren fur Endlagerstandorte Empfehlungen des AkEnd -Arbeitskreis Auswahlverfahren Endlagerstandorte (AkEnd最終報告書)〔独語〕: www.akend.de/aktuell/veranstaltungen/dateien/abschluss.pdf)
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )