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《スイス》連邦評議会が特別計画「地層処分場」を承認

スイスの連邦エネルギー庁(BFE)は、2008年4月2日付のプレスリリースにおいて、地層処分場のサイト選定手続等を定めた特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)のうち方針部分(詳細は こちら)を連邦評議会が承認したことを公表した。同プレスリリースによれば、今回の承認によって地層処分場のサイト選定を開始することが可能になったとしている。

特別計画は、放射性廃棄物の処分場サイトを公正で透明性の高い参加型手続によって評価・選定するための基準や手続を定めたものである。今回承認された特別計画は、公表されていた草案を基に、連邦省庁、各州、近隣諸国などにより、2年間に亘って詳細に検討されたものである

特別計画に示されたサイト選定は、以下の3段階の手順で進められる

  1. 低中レベル放射性廃棄物(LILW)と高レベル放射性廃棄物(HLW)それぞれに複数の地質学的候補エリアを選定
  2. LILW、HLWそれぞれについて少なくとも2カ所以上の処分場候補サイトを選定
  3. LILW、HLWそれぞれについて処分場サイトを1カ所選定(または全ての廃棄物を処分する処分場サイトを1カ所選定)し、概要承認手続を開始

承認された特別計画に示されたスケジュールによれば、上記のサイト選定と概要承認の発給は2016年から2018年まで1 に完了するとされている。また、特別計画では、概要承認発給以降のスケジュールが変更され、以下のように示されている。

手続 時期
概要承認に対する連邦会議(上下両院の合同会議)の承認(1年) 2017~19年まで
地球科学的調査と地下特性調査施設の建設許可手続(2-4年) 2019~23年まで
処分場サイトでの地下特性調査施設の建設・操業、地層処分場の建設許可手続(LILWの場合6-8年、HLWの場合16-18年) LILWの場合:
2025~31年まで
HLWの場合:
2035~41年まで
処分場の建設と操業許可手続(5-7年) LILWの場合:
2030~38年まで
HLWの場合:
2040~48年まで
処分場の操業開始 LILWの場合:
2030年以降
HLWの場合:
2040年以降

BFEのプレスリリースによれば、連邦評議会は、原子力法により廃棄物処分義務者(実際には放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA))が提出を義務付けられている処分の実施計画などを含んだ放射性廃棄物管理プログラムについて、地質学的候補エリアの提案と同時に提出させることを決定したとしている。

なお、NAGRAの2008年4月2日付プレスリリースによると、NAGRAは、サイト選定の開始となる地質学的候補エリアの提案を2008年中に行うことを示している。

【出典】

  • 連邦エネルギー庁(BFE)、2008年4月2日付プレスリリース
    http://www.bfe.admin.ch/energie/00588/00589/00644/index.html?lang=de&msg-id=18051
  • BFE、特別計画「地層処分場」(2008年4月2日)
    http://www.bfe.admin.ch/radioaktiveabfaelle/01277/01306/index.html?lang=de&dossier_id=01374
  • 放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)、2008年4月2日付プレスリリース
    http://www.nagra.ch/index1.tpl?lang=3&iid=l118a1b10&iid2=118&r=122&cart=11515509182686571
  1. 概要承認の発給時期については追加のボーリング調査の必要性により変動する。 []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )