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米国

米国の連邦控訴裁判所1 は、2013年11月19日に、全米公益事業規制委員協会(NARUC)などが放射性廃棄物基金への拠出金の徴収の停止を求めていた訴訟 に関して、エネルギー省(DOE)に対して、拠出金額をゼロに変更し、実質的に徴収しないよう命じる判決を下した。放射性廃棄物基金への拠出金については、連邦控訴裁判所の指示により、DOEが2013年1月に拠出金額の妥当性評価報告書を公表していたが、妥当性評価報告書には欠陥があり、拠出金の徴収は停止されるべきとするNARUCらの主張が認められたものである。

今回の連邦控訴裁判所の判決では、DOEは法的に適切な拠出金額の妥当性の評価を行うことは明らかに不可能とした上で、DOEが1982年放射性廃棄物政策法を遵守する選択をするか、または、連邦議会が代替の廃棄物管理計画を法制化するまでは拠出金額をゼロに変更するとの提案を連邦議会に提出することが命じられた。

判決理由では、DOEが拠出金額の妥当性の評価の前提とした「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」(DOE戦略) は、1982年放射性廃棄物政策法に直接的に反する前提に基づいているとして、以下の点が指摘されている。

  • 1982年放射性廃棄物政策法は、ユッカマウンテン以外のサイトを代替の処分候補地と見なさないとしているが、DOE戦略はユッカマウンテン以外の選択を前提としている。
  • DOE戦略では、原子力規制委員会(NRC)による処分場の建設認可の発給がない状況で、2025年までの中間貯蔵施設の操業開始を想定している。しかし、1982年放射性廃棄物政策法は、そのような前提条件を置いている。暫定施設を利用することにより、ユッカマウンテンの建設の遅延の影響を回避できるよう制度設計されている。
  • DOE戦略は処分場立地に州等の同意が必要としているが、1982年放射性廃棄物政策法は連邦政府に州の反対を覆す権限を与えている。
  • DOE戦略では処分場の操業開始を2048年としているが、1982年放射性廃棄物政策法は1998年までの処分場完成を命じている。

なお、1982年放射性廃棄物政策法においては、DOEが拠出金額をゼロに変更する提案を連邦議会に提出した場合、連邦議会が送達を受けてから90日間の経過時点で変更した拠出金額が有効となるが、上院または下院が不承認決議をした場合は変更した拠出金額が無効になることが規定されている。

 

【出典】

 

【2014年1月6日追記】

エネルギー省(DOE)は、2014年1月3日に、放射性廃棄物基金への拠出金額をゼロに変更し、実質的に徴収しないよう命じる2013年11月19日の連邦控訴裁判所による判決に対して、連邦控訴裁判所の大法廷での再審理を求める申立てを行った。

DOEは、連邦控訴裁判所の判決に対して再審理が認められるべき理由として、以下のような点を主張している。

  • 1982年放射性廃棄物政策法は、原子力発電の販売電力に対して1ミル(0.001ドル)/kWhを標準の拠出金額とし、その変更については、「収入が不足または超過」することが確認された場合に「全費用の回収を確実にするため」に行うとの前提条件を規定しているが、連邦控訴裁判所の判決は本条文に反している。
  • 連邦控訴裁判所の判決では、ユッカマウンテン処分場の費用想定を使用することも、ユッカマウンテン以外の処分場の費用想定を使用することも不可とする、矛盾し誤った命令を下しているため、DOEは拠出金の妥当性評価を行うことが実質的に不可能である。
  • 本件は異例の国家的な重要事項のため、判決を正すために大法廷での審理が必要である。

 

【出典】

 

【2014年1月14日追記】

エネルギー長官は、2014年1月3日に、連邦控訴裁判所の2013年11月19日の判決での指示に従い、放射性廃棄物基金への拠出金額を現状の1ミル(0.001ドル)/kWhからゼロに変更する提案を連邦議会に提出した。

エネルギー長官は、連邦議会の上院及び下院の議長に宛てた書簡の中で、この拠出金額の変更提案の位置付けを以下のように説明している。

  • 変更提案は、1982年放射性廃棄物政策法で必要とされるエネルギー長官の妥当性評価の結果に基づくものではない
  • エネルギー長官は拠出金額が過剰とも不足とも決定していない
  • したがって、連邦控訴裁判所に指示された本変更提案は、1982年放射性廃棄物政策法に規定された拠出金額の変更プロセスと一致していない

エネルギー長官は、本変更提案を提出した2013年1月3日に、連邦控訴裁判所に対して大法廷での再審理を求める申立ても行っており、今後の司法決定により変更もあり得るとの前提で本変更提案を提出するとしている。

また、エネルギー長官は、連邦議会が変更提案を受領してから90日以内に上院または下院が不承認決議を行った場合には変更提案が無効になるという1982年放射性廃棄物政策法の規定は最高裁判所で違憲(一院のみによる拒否規定が違憲)とされていること、本規定は、連邦議会は90日の検討期間内に立法措置によって変更提案を覆すことが出来ると解釈されていることを書簡中で付言している。

なお、今回の判決での原告である原子力エネルギー協会(NEI)は、2013年1月9日付けのニュースの中で、エネルギー省(DOE)が法律上・契約上の義務を果たすまでは拠出金は徴収されるべきでないなどとした上で、連邦控訴裁判所の判決は維持されるべきであり、原子力発電事業者や消費者は、DOEが意図的に中止した計画のための支払いから開放されるべきとの見解を示している。

【出典】

 

【2014年3月19日追記】

放射性廃棄物基金への拠出金額をゼロに変更して実質的に徴収しないよう命じる2013年11月19日の判決について、エネルギー長官が大法廷での再審理等を求めて2013年1月3日に申立てを行っていたが、連邦控訴裁判所は、2014年3月18日に、その申立てを却下した。

エネルギー長官は、連邦控訴裁判所の2014年11月19日の判決の指示に従って、放射性廃棄物基金への拠出金額を現状の1ミル(0.001ドル)/kWhからゼロに変更する提案を2014年1月3日に連邦議会へ提出している。このため、本提案を連邦議会が受領してから90日2 の検討期間内に連邦議会が変更提案を覆す立法措置を取らない場合には、本提案が有効となり、放射性廃棄物基金への拠出金額がゼロとなる。

なお、今回の放射性廃棄物基金への拠出金の徴収停止に係る訴訟の原告である全米公益事業規制委員協会(NARUC)及び原子力エネルギー協会(NEI)は、2014年3月18日付けのプレスリリースなどにおいて、本判決は原子力発電による電気の消費者にとって勝利であるとの歓迎の意向とともに、ユッカマウンテン計画の再開などを求める見解を示している。

【出典】

 

【2014年5月16日追記】

米国のエネルギー長官は、連邦控訴裁判所の2014年11月19日の判決の指示に従って、放射性廃棄物基金への拠出金額を現状の1ミル(0.001ドル)/kWhからゼロに変更する提案を2014年1月3日に連邦議会へ提出していたが、2014年5月16日に本提案が有効となり、放射性廃棄物基金への拠出金が実質的に停止される。今回の提案が有効となったのは、1982年放射性廃棄物政策法の規定に基づいており、連邦議会が提案を受領してから90日以内に、拠出金額をゼロとする提案を覆す立法措置を取らなかったため、自動的に有効となったものである。

今回の放射性廃棄物基金への拠出金の徴収停止を求めていた訴訟の原告であり、原子力産業界を代表する原子力エネルギー協会(NEI)は、2014年5月15日付けで公表したニュースにおいて、拠出金の徴収停止を歓迎するとした上で、連邦議会はユッカマウンテン処分場の許認可手続の完了のために予算を配賦すべきであること、連邦政府は高レベル放射性廃棄物管理計画を確立し、ユッカマウンテンまたは新しい地層処分場とともに、使用済燃料の集中貯蔵施設を実現すべきなどとした見解を示している。

また、連邦議会下院エネルギー・商務委員会の環境・経済小委員会の委員長は、2014年5月15日のプレスリリースにおいて、エネルギー長官が法的義務を果たしてユッカマウンテン計画を再開することが必要とした上で、今回の拠出金の徴収停止を歓迎するコメントを出している。

【出典】


  1. 連邦控訴裁判所のうち、コロンビア特別区(D.C.)巡回区控訴裁判所が担当(米国の首都ワシントンD.C.地区における訴訟事件を取り扱う)。 []
  2. 「連続する会期の90日間」とされ、上院・下院いずれかが休会の日は計算に含まない。 []

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2013年11月18日に、連邦控訴裁判所が2013年8月13日付けの判決で命令した、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査の再開について、安全性評価報告(SER)の完成などを優先して行うことを決定し、NRCの決定文書として「覚書及び命令」を公表した。

今回のNRCの決定文書では、審査の再開への対応として以下が示されている。

  • 安全性評価報告(SER)の完成及び発行
  • 許認可支援ネットワーク(LSN)(詳細はこちら)に登録されていた文書をNRCデータベース(ADAMS)に登録
  • 国家環境政策法(NEPA)で必要とされる許認可申請の審査に必要な補足環境影響評価書(SEIS)の策定をエネルギー省(DOE)に要求
  • 原子力安全・許認可委員会パネル(ASLBP)が設置した建設認可委員会(CAB) での裁決手続及びLSNの再構築は上記3項目の完了まで引き続き停止

NRCは決定の理由として、裁決手続再開など他事項との対応順序の違いはあるものの、関係者全員がSERの完成を要求したことを指摘した上で、SER及びSEISの完成はNRCの連邦規則(CFR)での次のステップとして位置付けられること、限られた残予算の中でSERとSEISの完成は可能であるが、裁決手続などは意味ある進展が望めないことなどを挙げている。

SERは、DOEによるユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書に対する審査結果を取りまとめたものであり、2010年8月に第1分冊「一般情報」が公表され、第3分冊「閉鎖後の処分場の安全性」も2010年9月の発行見込みとされていたが、NRCの許認可手続の停止により、結論部分が示されない技術評価報告書(TER)の公表にとどまっていた 。SERは、以下の5分冊から構成され、今回のNRCの決定により第2分冊から第5分冊が完成・発行される予定である。

  • 第1分冊「一般情報」
  • 第2分冊「閉鎖前の処分場の安全性」
  • 第3分冊「閉鎖後の処分場の安全性」
  • 第4分冊「管理上及びプログラム上の要求事項」
  • 第5分冊「許認可仕様」

NRCの決定文書では、SERの第2分冊から第5分冊の作業は同時並行で行われ、完成した分冊から順次公開されること、作業開始から約1年の期間と約830万ドル(約8億円)の費用を要することが示されている。また、別途NRCスタッフに宛てられた指示文書では、SERの作業停止時に行われていたアプローチで効率的に作業を進めること、月次状況報告書を提出すること、SERの完成は優先課題と位置付けるが廃棄物保証に係る作業の障害とならないことなどが指示されている。

なお、LSNに登録されていた文書のADAMSデータベースへの登録については、すべての文書を早急に非公開領域のADAMSに登録すること、SER及びSEISの参照資料となるものは公開することが命令されている。

【出典】

 

【2014年3月3日追記】

ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査の再開については、原子力規制委員会(NRC)が決定文書で4項目の対応を示していた。これに対してエネルギー省(DOE)は、2014年2月28日に、4項目のうち、DOEに策定を要求していた補足環境影響評価書(SEIS)について、SEISの十分性を最終的に判断するNRCに委ねるとして、自らは策定を行わない旨を回答した。

ただし、DOEは、2009年7月30日付けの技術報告書「ネバダ州ユッカマウンテンでの使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物処分のための地層処分場での閉鎖後の地下水影響の解析」の改定版をNRCに提出するとしており、補足環境影響評価書(SEIS)の策定に必要な技術的情報は、基本的にすべて提供されることになるとしている。

【出典】

 

【2014年4月11日追記】

原子力規制委員会(NRC)によるユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査再開への対応として、NRCがエネルギー省(DOE)に要求していた補足環境影響評価書(SEIS)の策定に関して、NRCとDOEとの会議が2014年4月7日に開催された。本会議は、SEISの策定は行わないとするDOEからの2014年2月28日の回答を受け、2014年3月19日にNRCが開催を要求したものである。

本会議にDOEが提出した資料では、以下のような内容が示されている。

  • DOEは、2009年7月の技術報告書「ネバダ州ユッカマウンテンでの使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物処分のための地層処分場での閉鎖後の地下水影響の解析」の改定版を2014年6月までに策定する。
  • 新たな情報を踏まえてレビューした結論として、DOEは以下のように結論した。
    • 2009年以降にサイトでの物質の物理的変化はない。
    • 2009年に使用した数値モデルが無効という事実はない。
    • 2009年に使用した数値モデルへの入力データは安全側であり、現在も変わらない。
    • 前回の報告書からの大きな相違は存在しない。
  • 2009年の技術報告書でのすべての結論は、2014年の技術報告書でも不変である。
  • 技術報告書の改定は、DOEの原子力局(NE)使用済燃料処分研究開発室が担当し、前回も分析を実施した契約者を起用する。

DOEの資料では、改定が行われる技術報告書での主要な解析項目、今回の改定作業で新たに反映される情報の内容なども示されている。

【出典】

米国の連邦控訴裁判所1 は、2013年8月13日付けの職務執行令状において、原子力規制委員会(NRC)に対して、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査を再開するように命令した。

NRCは予算制約を理由として、この審査手続きを2011年9月に停止していたが、これを不服として、ワシントン州などが審査手続きの再開を求めて連邦控訴裁判所に提訴していた。裁判での口頭弁論においてNRCは、許認可申請書の審査の停止理由について、審査を完了するには十分な予算が連邦議会により割り当てられていないことなどを主張していた。このため、当初、連邦控訴裁判所は、2012年8月3日に、連邦議会における2013会計年度の歳出法案での許認可申請書の審査予算の検討動向などを踏まえるため、一時的に訴訟手続を停止し、2012年12月14日までに、2013会計年度の予算に関する最新の情報を提出するよう求める決定を行っており、最終的な決定を先送りした形となっていた。

一方、2013会計年度の歳出法については、継続予算決議として成立したため、2012会計年度の予算が継続されることとなり、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書のNRCによる審査予算はゼロとなっていた。

今回の判決において連邦控訴裁判所は、NRCが許認可申請書の審査を停止したことは、NRCに対してユッカマウンテンの許認可申請書の審査を行うように規定する法律に違反していると判決した上で、連邦議会が他の決定を下すか、残存している歳出予算を使い切るまで、NRCは即座に法的に命令された許認可プロセスを継続しなければならないとする命令を行った。

なお、NRCのユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査予算は、2012会計年度以降ほぼゼロとされていたが、NRCには、それ以前に割り当てられた許認可申請書の審査予算のうち、約1,100万ドル(約10億円)が未使用で残っていることが認識されている。

【出典】

【2013年9月2日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2013年8月30日付けのプレスリリースにおいて、連邦控訴裁判所が2013年8月13日の職務執行令状によって、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査を再開するよう命令したことを受け、2013年9月30日までに、どのように審査を再開するかを関係者に問うための意見の収集を開始したことを公表した。なお、連邦裁判所の命令は、2013年9月3日に発効するとされている。

今回の意見収集は、2011年に停止した許認可審査の手続きを再開するに当たって、約1,100万ドル(約10億円)の未使用の審査予算を効率よく生産的に使用するために実施するものとしている。具体的には、予算を適切に編成するための情報収集をNRC職員に指示するとともに、職員からの情報とともに関係者から出される意見を分析することにより、許認可審査の手続きを進める方法を決定するとしている。

一方、連邦議会下院のエネルギー・商務委員会は、2013年8月23日のプレスリリースにおいて、NRCの委員長に対して書簡を送り、2013年9月10日に開催する公聴会での証言を求めるとともに、この証言に先立ち、連邦控訴裁判所の命令に従うためにNRCが実施した活動の内容、安全性評価報告(SER)の各分冊の公表に向けたスケジュールに関する情報を2013年9月6日までに提出するよう求めたことを明らかにした。また、本書簡においてエネルギー・商務委員会は、利用可能な予算やこれまでに行われたSERの策定作業を考慮に入れた場合、裁判所の命令に従うための最初の行動として、許認可申請書の審査を再開すること、及びSERを完成させ公表することをNRCに対して期待するとしている。なお、今回の措置は、2013年2月28日のエネルギー・商務委員会の環境・経済小委員会の公聴会において、NRCの委員長が裁判所の判決を尊重するなどと証言したことによるものとしている。

【出典】

【2013年10月31日追記】

原子力規制委員会(NRC)は、2013年10月23日に、連邦控訴裁判所の2013年8月13日の職務執行令状を受け、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係るNRCの許認可活動の対応状況についての月次状況報告書を連邦議会に提出した。月次状況報告書は、2013年9月10日開催の連邦議会下院エネルギー・商務委員会の公聴会において、NRCの委員長が連邦議会の関連委員会幹部への提出を約束していたものである。

今回提出された月次状況報告書は、2013年8月13日から9月30日までを対象とするものであり、完了した事項として、2013年8月30日付けの関係者への意見提出命令及び本命令を受けた関係者の意見提出、NRCスタッフへの費用推定作業の指示が挙げられている。また、実施中の事項としては、関係者から提出された意見とNRCスタッフによる費用・スケジュール見積りを検討した上で、以下を含む活動について委員会で審議を行って連邦控訴裁判所の職務執行令状による命令への対応を決定することが示されている。

  • 安全性評価報告(SER)の完成
  • ユッカマウンテン処分場の補足環境影響評価書(SEIS)の完成
  • 裁決手続(原子力安全・許認可委員会(ASLB)によるヒアリングの実施)
  • 許認可支援ネットワーク(LSN)(詳細はこちら)の再構築
  • 再開があり得るNRCに対する訴訟への対応

関係者から寄せられた意見でのNRCが優先して実施すべき事項としては、NRCスタッフやネバダ州を含め、安全性評価報告(SER)の完成が挙げられている。裁決手続の再開については、原子力エネルギー協会(NEI)は、SERの完成後に改めて検討すべきとしているが、地元自治体らは原子力安全・許認可委員会(ASLB)の再立上げを含めた迅速な再開を求めている。なお、ネバダ州は、許認可支援ネットワーク(LSN)の再構築を対応事項の筆頭に掲げており、SERの完成に向けた作業と同時に進めるべきとしているほか、ラスベガス地域でのヒアリング施設再整備なども必要としている。また、エネルギー省(DOE)は、対応事項の判断はNRCに委ねるとした上で、自らの予算として約3,000万ドル(約28億円)以上が使用可能との見込みを示している。

NRCの月次状況報告書では、放射性廃棄物基金(NWF)からの予算の使用状況も開示されており、2013年9月末までの報告対象期間で約5万ドル(約500万円)が使われ残額は約1,100万ドル(約10億円)であることなどが報告されている。

【出典】


  1. 連邦控訴裁判所のうち、コロンビア特別区(D.C.)巡回区控訴裁判所が担当(米国の首都ワシントンD.C.地区における訴訟事件を取り扱う)。 []

米国のエネルギー省(DOE)のカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2013年8月1日付けのプレスリリースにおいて、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の新しい廃棄物定置用の第7パネルについて、2013年7月半ばにニューメキシコ州環境省(NMED)からTRU廃棄物の処分のための使用承認が得られ、運用準備が整ったことを公表した。

WIPPで処分されるTRU廃棄物は軍事起源のもののみであるが、放射性物質と化学的有害物質が混合している廃棄物(混合廃棄物)がほとんどである。放射性廃棄物の処分については、環境保護庁(EPA)の適合性認定を受けているが、有害廃棄物を規制する連邦資源保全・回収法(RCRA)で必要とされる許可については、EPAの承認の下でニューメキシコ州が規制に当たっている。有害廃棄物の許可条件に基づいて、新たなパネルごとに、有害廃棄物の許認可当局であるNMEDの使用承認を受ける必要がある。

現在、第6パネルでTRU廃棄物の定置が行われているが、第6パネルでの定置が終了した後、2013年8月にも第7パネルでの廃棄物定置を開始するとしている。第7パネルでは、ロスアラモス国立研究所(LANL)の地上で貯蔵されているTRU廃棄物、アイダホ国立研究所(INL)で貯蔵されている「直接ハンドリングが可能なTRU廃棄物」(CH廃棄物)及び「遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物」(RH廃棄物)の処分を実施するとしている。

1999年3月26日の操業開始以来、2013年7月29日までのWIPPへのTRU廃棄物の輸送は11,479回、総輸送距離が約2,209万kmに達し、2013年7月27日現在で、約87,501m3のCH廃棄物と約343m3のRH廃棄物が処分されるなど、順調な操業が継続されている。

なお、WIPPは、「米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会」の最終報告書で同意に基づく処分場立地の米国での良好事例とされるとともに、2013年9月にも最終環境影響評価書(DEIS)が出される予定のクラスCを超える低レベル放射性廃棄物(GTCC廃棄物)の処分の選択肢の一つとされている

【出典】

2013年6月27日に、米国の連邦議会上院のエネルギー天然資源委員会のウェブサイトで「2013年放射性廃棄物管理法」の法案が公表された。本法案については、2013年4月25日に公表された討議用ドラフトに対してコメントを募集していたが、2013年5月24日の期限までに提出された2,500件を超えるコメントを反映して修正を行ったものとしている。本法案は、2名の民主党及び2名の共和党による超党派の上院議員が共同で連邦議会上院に提出したものである。

今回提出された法案について、法案の要点を示した文書で示された規定内容の概要を以下に示す。なお、下線を付した部分は、討議用ドラフトからの変更点などを示している。

放射性廃棄物管理組織

本法案により、一人の長官が指揮を執る新しい連邦政府関係機関(行政府に設置される独立機関)を設立する。長官は、連邦上院の助言・承認に基づいて大統領に任命され、エネルギー省(DOE)が設定した高レベル放射性廃棄物計画を実施する。
また、新しい放射性廃棄物管理組織による計画の実施を監督するため、独立した監視委員会を創設する。監視委員会は、大統領が任命して連邦上院が承認する、異なる任期を持つ5名の委員で構成される。これは、連邦政府の当局者により委員会を構成することを懸念するコメントに対応したものである。

集中貯蔵及び処分場の同意に基づくサイト選定プロセス

本法案では、新しい放射性廃棄物管理組織が、閉鎖された原子炉サイトからの使用済燃料、及び運転中の原子炉から緊急に輸送される使用済燃料を受け入れるパイロット規模の中間貯蔵施設を建設することを規定している。また、民間の使用済燃料及びDOEの国防関連の廃棄物を一時的に貯蔵する1つ、または複数の集中中間貯蔵を建設することも規定している。
本法案により、処分場及び集中貯蔵施設に適用する新しいサイト選定プロセスを策定する。このサイト選定プロセスでは、新しい放射性廃棄物管理組織は、以下を実施する必要がある。

  • サイトを評価するための技術的なサイト選定ガイドラインを開発する
  • 自主的にサイトとなるような州及び自治体を募集する
  • サイト調査実施のための州及び地元の協力を得る。協力協定については、貯蔵サイトは任意とし、処分サイトは必須とする
  • サイト特性調査の開始前(貯蔵サイト、処分サイト)、処分サイトとして適性を最終的に決定する前に、パブリックヒアリングを開催する
  • 処分場、または貯蔵施設のサイトとして選定するための州及び地元の同意を得る
  • 処分場、または貯蔵施設の建設、操業のための原子力規制委員会(NRC)の許認可を得る

貯蔵施設と処分場のサイト選定プロセスとを2つの部分に分けることは、討議用ドラフトからの変更点である。さらに、長官は、法律の施行後の180日以内にパイロット規模の貯蔵施設の公募を開始することが要求され、法律の施行後の1年以内に処分場に関するガイドラインを策定することが要求されている点も、討議用ドラフトとの相違点である。

集中貯蔵施設と処分場とのリンク

本法案は、直ちにパイロット規模の貯蔵施設のサイト選定を開始することを認めるが、貯蔵施設の貯蔵容量に制限を設定しない。長官は、より大規模な貯蔵施設について、法律の施行後10年間は、並行する処分場プログラムの実施のための資金が義務付けられているならば、サイト選定を継続することが可能である。施行後10年以降に関しては、長官は、処分場のための候補地としての評価のために少なくとも1カ所のサイトを選定している場合、新しい貯蔵施設を立地することができる。

放射性廃棄物基金

本法案により、放射性廃棄物管理組織が歳出予算措置を経ずに利用可能となる、新しい運営資本基金を財務省に創設する。新たに創設される基金には、電力会社からの拠出金が預託される。本法案の成立前に収集された拠出金は、従来からの放射性廃棄物基金に残り、歳出予算の対象となる。

【出典】

 

 

【2015年3月19日追記】

米国の連邦議会上院で、2015年3月10日に、「放射性廃棄物インフォームドコンセント法」の法案(S.691)が提出された。全4条からなる同法案は、少数党院内総務のリード議員などが提出したものであり、現在、原子力規制委員会(NRC)で許認可申請書の審査が行われているユッカマウンテン処分場についても、地元ネバダ州の承認を必要とすることを趣旨とした法案になっている。リード議員は、ネバダ州選出で民主党の上院議員であり、かねてからユッカマウンテン計画に反対する態度を鮮明にしてきた。法案の規定内容の概要は、以下のとおりである。

  • エネルギー長官が、処分場候補地の州知事、影響を受ける地方政府、当該地方政府に隣接して輸送経路となる地方政府、及び影響を受ける先住民族と書面による合意を締結しない限り、原子力規制委員会(NRC)は建設認可を発給してはいけない。
  • この法律は、施行時に存在しているか、または、将来提出される建設認可の許認可申請書に対して適用される。

なお、連邦議会下院においても、2015年3月13日に、ネバダ州選出議員により同じ内容の法案(H.R.1364)が提出されている。

リード議員などによる法案の提出に対し、連邦議会上院の歳出委員会エネルギー・水資源小委員会のアレキサンダー委員長は、2015年3月10日のプレスリリースにおいて、「連邦議会は既にユッカマウンテンを米国の放射性廃棄物処分場として承認しており、原子力規制委員会(NRC)も同地において安全に処分できると言っている。ユッカマウンテンに反対し続けることは、法律と科学を無視することである」とした上で、ユッカマウンテンに次ぐ新たなサイトを確保するための法案を準備していること、その法案においてもユッカマウンテンは解決策の一部であることなどを表明している。

【出典】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2013年6月24日に、NRCの文書データベース・システムであるADAMSにおいて、使用済燃料の中間貯蔵に関する「廃棄物保証」1 に関する連邦規則の改定案、ドラフト包括的環境影響評価書(DGEIS)を公表し、今後、環境保護庁(EPA)と共同で75日間のパブリックコメントを開始する意向を示した。

今回、改定案が示された連邦規則は、2012年6月に連邦控訴裁判所において無効判決が下されていた「廃棄物保証」規則に相当するものであり、NRCの原子炉等の許認可手続における環境影響評価について定めた10 CFR Part 51「国内許認可及び関連規制機能に対する環境保護規則」の第23条(a)項(以下、「10 CFR Part 51.23(a)」という。)である。2010年9月の改定条項には「いずれの原子炉から発生した使用済燃料も運転許可期限を過ぎても最低60年間は環境に重大な影響を与えることなく貯蔵可能であり、また、高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料の処分のため、必要な時期に地層処分場が利用可能」というNRCの決定を示す記述が含まれていたが、上記のとおり裁判で無効となっている。

今回の10 CFR Part 51.23(a)の改定案においては、廃棄物保証に係る包括的環境影響評価書(GEIS、NUREG-2157)の検討・作成により、以下のような結論を得たと規定している。

  • NUREG-2157での解析により、原子炉の運転許可期限を過ぎた使用済燃料の貯蔵に関する環境影響評価の問題についての包括的な対応を行った。
  • NUREG-2157での解析は、原子炉の運転許可期限を過ぎた使用済燃料を安全に貯蔵すること、及び原子炉の運転許可期限を過ぎて60年以内に地層処分場が存在することについて、実現可能であると決定することを支持している。

なお、地層処分場が60年以内に存在するとしたのは、2013年1月11日にエネルギー省(DOE)が公表した「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」(DOE戦略)において、2048年に地層処分場の操業開始が示されたことに依拠しているとされている。

NRCは、新規原子炉の建設・運転、原子炉の寿命延長などの許認可に影響があることから、「廃棄物保証」に関する情報をホームページでまとめており、2014年9月までに包括的環境影響評価書(GEIS)及び「廃棄物保証」規則を策定することなどが示されている。

【出典】

 

【2013年09月17日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2013年9月12日のプレスリリースにおいて、使用済燃料の中間貯蔵に関する「廃棄物保証」に関して、連邦規則の改定案、ドラフト包括的環境影響評価書(DGEIS)について、2013年11月27日を期限とする75日間のパブリックコメントを開始することを公表した。

連邦規則(10 CFR Part 51)の改定案は、当初案から大きな変更はなく、2013年9月13日の連邦官報に掲載された。また、ドラフト包括的環境影響評価書(DGEIS)については、2013年9月6日に、NRCの廃棄物保証に関する特設ページに掲載されている。

なお、今回の廃棄物保証の連邦規則等の改定に関しては、全米12カ所でパブリックミーティングを開催するとしており、2013年10月1日のメリーランド州ロックビルにあるNRC本部から開始し、2013年11月14日までの開催予定が2013年9月6日の連邦官報に掲載されている。

【出典】

 

【2014年7月28日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)の運営事務局長(EDO)は、2014年7月21日に、原子炉の許可期間終了後の使用済燃料の貯蔵等に係る「廃棄物保証」に関して、連邦規則を改定する最終規則案、及び包括的環境影響評価書(GEIS、NUREG-2157)案をNRCの委員に提出した。これらの案は、2013年9月に公表された連邦規則(10 CFR Part 51)の改定案とドラフト包括的環境影響評価書(GEIS、NUREG-2157)に対するパブリックコメント等を受けて見直されたものであり、今後、NRCの委員による承認の後、連邦官報で告示される。

NRCのEDOがNRCの委員に提出した文書では、2013年9月公表のドラフトからの変更点が以下のように示されている。

〇連邦規則(10 CFR Part 51)改定に係る変更点

  • 本手続、連邦規則の該当条文(10 CFR Part 51.23(a))及びGEIS(NUREG-2157)で使用されていた「廃棄物保証」(waste confidence)を「使用済燃料の継続貯蔵」(continued storage of spent fuel)という名称に変更
  • 連邦規則の条文中から、地層処分場が利用可能となる時期、及び運転許可期間終了後の使用済燃料貯蔵の安全性についての記述を削除
  • 独立使用済燃料貯蔵施設(ISFSI)の許可更新にも本規則が適用されることを明確化
  • 原子炉の早期サイト許可(ESP)や建設許可における本規則適用を明確化
  • 原子炉や独立使用済燃料貯蔵施設(ISFSI)の許可等で必要とされる環境影響評価書(EIS)には、NUREG-2157が組み込まれていると見なす
  • その他、文章構成変更などによる追加的な変更

〇包括的環境影響評価書(GEIS、NUREG-2157)の変更点

  • 無期限貯蔵における制度的管理に関する情報追加
  • 目的、必要性、代替オプションに関する記述の再構成・明確化
  • 国際的な経験及び規制枠組みに関する情報を追加
  • 高燃焼度燃料に関する付属書を追加
  • 2013年9月の連邦規則(10 CFR Part 51)の改定案及びドラフト包括的環境影響評価書(GEIS)に対するコメントへの回答を追加

【出典】


  1. 廃棄物保証(waste confidence)とは、原子力規制委員会(NRC)の原子炉等の許認可手続における環境影響評価で必要とされる、原子炉から発生する使用済燃料による環境への影響について、NRCが一般的な決定事項を示したものである。具体的には、使用済燃料が安全に処分可能か、処分場またはサイト外貯蔵施設がいつ頃利用可能となるか、原子炉施設等の許可期間が終了した後もサイト外での処分または貯蔵が可能となる時期まで安全に貯蔵可能かという点を示している。この所見に基づいて、NRCの環境影響評価に関する連邦規則である10 CFR Part 51が規定されている。 []

2013年4月25日に、米国の連邦議会上院のエネルギー天然資源委員会は、ブルーリボン委員会の最終報告書・勧告を実施に移すための法案について、4人の超党派の議員により作成した討議用ドラフト法案を公表した。エネルギー天然資源委員会のウェブサイトによると、発電事業者、環境保護団体やブルーリボン委員会委員などのステークホルダーや専門家からの本法案に対するコメントなどを2013年5月24日まで募集するとしている。

本法案の名称は「2013年放射性廃棄物管理法」とされており、討議用ドラフト法案の要点を示した文書においては、ブルーリボン委員会が勧告した放射性廃棄物管理組織の設立、同意に基づく高レベル放射性廃棄物の管理施設のサイト選定プロセスを創設するとしている。また、本法案により、連邦政府の高レベル放射性廃棄物管理に関する義務を果たすとともに、民間の使用済燃料の処分が実現できていないことによる高額な負担を終了させるとしている。さらに、本法案によって使用済燃料の集中貯蔵・処分システムを確立することにより、二酸化炭素の排出のない原子力利用の拡大につながるとしている。

以下では、討議用ドラフト法案の要点を示した文書においてコメントを募集している事項として、「放射性廃棄物管理組織」、「集中貯蔵及び処分場の同意に基づくサイト選定プロセス」、「集中貯蔵施設と処分場との関連」、「放射性廃棄物基金」に関する法案での規定内容の概要を示す。

「放射性廃棄物管理組織」についての規定内容の概要

本法案により、一人の長官が指揮を執る新しい連邦政府関係機関(行政府に設置される独立機関)を設立する。長官は、連邦上院の助言・承認に基づいて大統領に任命され、エネルギー省(DOE)が設定した高レベル放射性廃棄物計画を実施する。また、大統領府管理・予算局(OMB)の副長官、陸軍工兵部隊のチーフエンジニア、エネルギー副長官により構成される監視委員会を創設し、新しい放射性廃棄物管理組織による計画の実施を監督する。

「集中貯蔵及び処分場の同意に基づくサイト選定プロセス」についての規定内容の概要

本法案では、新しい放射性廃棄物管理組織が、閉鎖された原子炉サイトからの使用済燃料、及び運転中の原子炉から緊急に輸送される使用済燃料を受け入れるパイロット規模の中間貯蔵施設を建設することを規定している。また、民間の使用済燃料及びDOEの国防関連の廃棄物を一時的に貯蔵する1つ、または複数の集中中間貯蔵を建設することも規定している。
また、本法案により、処分場及び集中貯蔵施設に適用する新しいサイト選定プロセスを策定する。このサイト選定プロセスでは、新しい放射性廃棄物管理組織は、以下を実施する必要がある。

  • サイトを評価するための技術的なサイト選定ガイドラインを開発する
  • 自主的にサイトとなるような州及び自治体を募集する
  • サイト調査実施のための州及び地元の同意を得る
  • 調査の開始、またはサイトとして選定する段階での多数のパブリックヒアリングを開催する
  • 処分場、または貯蔵施設のサイトとして選定するための州及び地元の同意を得る
  • サイトとなることの同意協定の連邦議会による承認を得る
  • 処分場、または貯蔵施設の建設、操業のための原子力規制委員会(NRC)の許認可を得る

「集中貯蔵施設と処分場との関連」についての規定内容の概要

本法案は、直ちに集中貯蔵施設のサイト選定を開始することを認めるが、貯蔵施設の貯蔵容量に制限を設定しない。本法案では、貯蔵施設の建設・操業中に、長官に対して、自身のミッションプランに照らしながら、処分場のサイト選定及び建設を継続して進展させることを求める要件を提案している。長官、または監視委員会は、処分場に関して着実な進展がなされていないと判断した場合には、すでに貯蔵している放射性廃棄物はそのままとしながらも、貯蔵施設への輸送を停止する。

「放射性廃棄物基金」についての規定内容の概要

本法案により、放射性廃棄物管理組織が歳出予算措置を経ずに利用可能となる、新しい運営資本基金を財務省に創設する。新たに創設される基金には、電力会社からの拠出金が預託される。本法案の成立前に収集された拠出金は、従来からの放射性廃棄物基金に残り、歳出予算の対象となる。

【出典】

 

【2013年6月6日追記】

米国の連邦議会上院のエネルギー天然資源委員会は、「2013年放射性廃棄物管理法」の法案へのコメント募集を2013年4月25日に開始していたが(期限は2013年5月24日)、2013年6月5日に、提出を受けた意見・コメント等を集約して法案へのコメント募集の特設サイトに掲載した。

現状、法案への意見・コメント等の内容の分析結果などは示されていないが、3,211ページに及ぶコメントがほぼそのままの形で掲載されている。

コメントを提出しているのは、原子力エネルギー協会(NEI)などの業界団体、米国原子力学会(ANS)、ユッカマウンテンの地元であるネバダ州ナイ郡、エナジーソリューションズ社などの原子力関連会社、地球の友(FoE)などとなっている。

【出典】

2013年4月10日に、米国で2014会計年度1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表された。2012年1月26日に公表されたブルーリボン委員会の勧告に基づいて、高レベル放射性廃棄物管理の包括的な計画の枠組みをDOEが検討を行い、2013年1月11日に「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」(以下「DOE戦略」という)を公表していた。今回公表された大統領の予算教書では、このDOE戦略を実施に移すための予算として6,000万ドル(55億8,000万円、1ドル=93円で換算)を要求している。なお、ユッカマウンテン処分場関連予算の要求はない。

大統領の予算教書とともに各省庁の予算概要が公表されており、このうち、DOEの予算概要では、DOE戦略を実施に移すものとして、以下のような活動を行うとしている。

  • DOE戦略の実施のための基盤となる輸送、貯蔵、処分、サイト選定に係る活動
  • 上記に関連する研究開発

また、今後、エネルギー省(DOE)のウェブサイトにおいて、DOEの予算要求資料が公表される見込みである。

なお、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査を担当している原子力規制委員会(NRC)については、大統領の予算教書・各省庁の予算概要に記載がない。また、NRCの予算要求資料では、2014会計年度の高レベル放射性廃棄物処分関連として、将来的な処分の代替戦略のための研究・フィールド調査などの予算が記載されているが、ユッカマウンテン処分場の審査に関する予算要求は記載がない。

【出典】

【2013年4月15日追記】

2013年4月11日に、米国のエネルギー省原子力局(DOE/NE)は、高レベル放射性廃棄物処分、使用済燃料の中間貯蔵などのDOE戦略の実施を含む2014会計年度の予算の説明資料を公表した。この中で、パイロット規模の中間貯蔵施設の建設・操業、大規模な中間貯蔵施設及び地層処分場の計画の実施に当たって、今後10年間で56億ドル(約5,200億円、1ドル=93円で換算)の予算が必要と評価している。

また、2014会計年度の予算による実施事項のうち、「研究開発」については、3,000万ドル(27億9,000万円、1ドル=93円で換算)の予算で以下の事項を行うとしている。

  • 使用済燃料の長期貯蔵を支援するための研究開発
  • 代替処分環境に関する研究開発(モデル化、評価、試験等)
  • 発熱性の廃棄物の処分に対する岩塩処分科学の促進のためのフィールド試験の実施
  • ボアホール研究:深部結晶質岩の水理地球化学、物理地質学、構造地質学、地球物理学的状態、工学的特性のさらなる理解のために必要な研究開発の実施
  • 既存の国際的知見を活用するための国際機関との関与の促進
  • 長期貯蔵燃料の輸送をサポートする研究開発:輸送中の実際の荷重を評価するためのフィールド試験

さらに、2014会計年度の予算による実施事項のうち、「高レベル放射性廃棄物管理及び処分システムの設計活動」については、3,000万ドル(27億9,000万円)の予算で以下の事項を行うとしている。

  • 同意に基づくサイト選定プロセスのための計画策定の継続
  • 廃止措置された原子炉サイトからの最初の使用済燃料の輸送の解析の完了
  • 一般的な貯蔵施設及び輸送支援システムの概念設計の継続
  • 種々の使用済燃料管理システムのシステム構成及び動作評価の実施
  • 貯蔵、輸送、将来の処分のため標準のコンテナの評価の継続
  • 輸送問題に関する州の地域グループとの協力した取組の継続
  • 廃止措置した原子炉から一般的な集中貯蔵施設への最初の輸送に対応するための国家輸送計画のアップデート

また、DOE戦略に係るその他の予算としてDOEは、環境保護庁(EPA)による「サイトを特定しない処分基準」の改定に係る費用が別途計上されているとしている。処分基準は、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物処分のサイト選定に当たっての指針的な役割を担うものとしている。

【出典】

【2014年1月20日追記】

米国の連邦議会は、2014年1月16日に、2014年包括歳出法案を可決した。「使用済燃料処分等プログラム」(UFD)を含む燃料サイクル研究開発プログラムの歳出予算については、本法案の条文には記載されていないが、付随する説明文書においてエネルギー省(DOE)の予算要求額を上回る1億8,650万ドル(約182億8,000万円)と示されている。

また、2014年包括歳出法案では、ユッカマウンテン処分場に関する記述はなく、ユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物処分場に係る開発関連予算は計上されていない。ただし、連邦議会下院の歳出委員会が公表した歳出予算要約資料では、政策事項の一つとして、「ユッカマウンテンの将来利用のための可能性を維持し、安全性評価報告(SER)の第3分冊を完成させるための先年予算の継続」が示されている。SERの第3分冊は「閉鎖後の処分場の安全性」である。

なお、2014年度の歳出予算については、会計年度が開始された2013年10月1日までに歳出法案が制定されず、2013年10月17日から継続予算が執行されていた。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2014会計年度の予算は2013年10月からの1年間に対するものである。 []

米国のエネルギー省(DOE)は、2013年1月11日に、「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」(以下「戦略」という)を公表した。米国では連邦議会が、ブルーリボン委員会の最終報告書の公表後6カ月以内に使用済燃料などの管理戦略を策定するようDOEに求めており、DOEは戦略の策定に向けた取り組みを続けてきた。

今回公表された「戦略」では、連邦政府や連邦議会が使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分に関する国家的プログラムを策定することができるようにするため、ブルーリボン委員会の最終報告書で示された基本的な考え方に沿って、実施可能な枠組みが示されている。また、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の処分という連邦政府の責任の実施に向けたプログラムの策定と実施の基礎となるものであるとともに、短期的にDOEが実施すべき措置を示している。

スケジュール

「戦略」では、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の包括的な管理と処分システムの構築のため、段階的で、適応性があり、同意に基づくアプローチが示されており、今後10年にわたって、以下のスケジュールで関連施設の建設を行うための計画を進めるとしている。

  • 2021年までに、最初は閉鎖された原子炉のサイトからの使用済燃料の受け入れに焦点を当て、パイロット規模の中間貯蔵施設の立地、設計と許認可、建設と操業の開始。
  • 2025年までに、より大規模な使用済燃料の中間貯蔵施設が使用可能となるように、サイト選定と許認可を実施。この中間貯蔵施設は、廃棄物管理システムに柔軟性をもたらすことができ、今後の政府の債務1 を抑制しうるような貯蔵容量を持つものとする。
  • 2048年までに、地層処分場を実現するよう、処分場のサイト選定とサイト特性調査を進める。

さらに、地層処分場と中間貯蔵施設との設置の時期的なリンクを図るため、地層処分場のサイト選定は2026年までに、サイト特性調査、処分場の設計及び許認可を2042年までに、処分場の建設及び操業の開始を2048年とすることを実施の目標としている。

管理・処分の実施主体

「戦略」では、実施主体の組織形態がどのようなものになるとしても、組織の安定性やリーダーシップの継続性、監督と説明責任、及び公衆の信頼が成功のための重要な要素であるとして、連邦議会とも協力し、実施主体の設立が、その任務の遂行のために必要となる十分な権限やリーダーシップの確保につながるようにするとしている。さらに、実施主体の任務の規定は慎重に行わなければならず、実施主体が利用できる資金は、放射性廃棄物の管理・処分という使途にのみ用いられるようにすべきであるとしている。

資金確保

資金確保に関して「戦略」では、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分という任務の遂行のため、適宜、信頼できる形で、過去に徴収され、今後徴収される拠出金と利息を利用できるようにすることを主要な課題としている。この目的を達成するために、現在の資金確保制度の刷新が必要であり、新しい制度には、継続的な裁量的歳出予算、予算上の取扱い変更による毎年の拠出金へのアクセス、及び将来における放射性廃棄物基金(NWF)の残高へのアクセスといった要素が必要であるとしている。

立法が必要な事項

「戦略」では、その実現のためには連邦議会による歳出承認と立法措置が必要であり、今後10年にわたって、以下の活動を許容し、または対処するためには、早期の立法措置が必要であるとしている。

  • パイロット規模の中間貯蔵施設及びフルスケールの中間貯蔵施設のサイト選定と、地層処分場のサイト選定及びサイト特性調査のため、広範な、国家的な、同意に基づいたプロセスへの積極的な関与
  • 最初は閉鎖された原子炉のサイトからの使用済燃料の受け入れに的を絞った、パイロット規模の中間貯蔵施設のサイト選定、設計、許認可及び操業の開始
  • システムに柔軟性をもたらし、連邦政府の債務の抑制を可能とする、より大規模な中間貯蔵施設のサイト選定と許認可における目に見える前進
  • 閉鎖された原子炉からの使用済燃料の移動を開始するための輸送能力(人員、プロセス、設備)の開発
  • 従来通りの裁量による予算配分を維持し、また、拠出金等の予算上の区分変更など、追加的な資金を必要に応じて確保しうる資金確保制度の刷新
  • プログラムの実施のための新しい組織の設置。新しい組織は、引き続き行政府や立法府の監督を受けつつ、より大きな自律性を備えたものとする。

なお、「戦略」では、現行の法的枠組みの中で実施可能な事項として、廃棄物管理システムの設計概念の検討、同意に基づくサイト選定プロセスの計画の立案、処分場への種々の地質の適性に関する研究開発の実施を挙げている。

【出典】


  1. DOEは1982年放射性廃棄物政策法(NWPA)の規定に基づいて原子力発電事業者と契約を締結しており、原子力発電事業者は放射性廃棄物基金への拠出金の支払を行い、DOEは1998年1月31日までに使用済燃料を引き取ることとなっている。処分場開発の遅れにより使用済燃料の引き取りが行われていないため、多くの訴訟が原子力発電事業者等から提起されており、債務不履行による賠償金の支払が既に一部確定している。 []

米国・廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)のウェブサイトに2012年11月29日付で公表されたニュースレター(TeamWorks)によると、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場であるWIPPでのTRU廃棄物の輸送の受入れが、2012年11月20日で11,000回に達したとのことである。なお、WIPPは、法律により、軍事関係で発生したTRU廃棄物のみが処分対象と制限されている。

TRUPACT-IIIパッケージのモデル

TRUPACT-IIIパッケージのモデル

ニュースレターによると、エネルギー省(DOE)のカールスバッド・フィールド事務所(CFO)の輸送チームは、原子力規制委員会(NRC)の容器承認を受けたB型輸送容器(TRUPACT-II、HalfPACT、RH-72B及びTRUPACT-III)による輸送を管理しており、廃棄物発生場所からWIPPまでの総輸送距離は、延べ1,300万マイル(約2,090万km)を超えたとされている。また、11,000回目の輸送は、イリノイ州シカゴ近郊のアルゴンヌ国立研究所(ANL)で発生した「遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物」(RH廃棄物)のものであり、距離は1,720マイル(約2,770km)に及ぶものであったとされている。なお、WIPPでは、TRU廃棄物の5,000回目の受け入れは2006年9月に、9,000回目の受け入れは2010年10月に、10,000回目の受け入れは2011年9月に、それぞれ達成している。

一方、WIPPへの「直接ハンドリングが可能なTRU廃棄物」(CH廃棄物)の輸送では、円筒縦型のTRUPACT-IIが主に使用されてきたが、2011年6月にNRCの容器承認を受けたTRUPACT-IIIも使用されている。容器承認書によれば、TRUPACT-IIIは、主として車両による輸送を想定して設計された角型輸送容器であり、幅2,500mm、奥行き4,288mm、高さ2,650mmとなっている。また、内容物の最大重量は5,210kgであり、内容物を含めた輸送容器の最大重量は25,000kgとなっている。

TRUPACT-IIIパッケージの写真

TRUPACT-IIIパッケージの写真
http://www.flickr.com/photos/departmentofenergy/7515730204/in/photostream/

TRUPACT-IIIパッケージの写真(2)

TRUPACT-IIIパッケージの写真(2)
http://www.flickr.com/photos/departmentofenergy/7515730406/in/photostream/


【出典】