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フランス

フランスの原子力安全機関(ASN)は、2008年4月24日付けプレスリリースにて、ASNと産業省エネルギー・資源総局(DGEMP)によって2006年に策定された「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)に関連するデクレ(政令)が2008年4月18日に公布されたことを公表した。同デクレの制定は、2006年の「放射性物質及び放射性廃棄物の持続可能な管理計画法」(以下「放射性廃棄物等管理計画法」という)の第6条において規定されており、策定された国家計画を具体的に施行させるものである。

放射性廃棄物等管理計画法では地層処分について、2015年までに処分場の設置許可申請、2025年には操業が開始できるように研究・調査を実施することが規定されている。同デクレでは、放射性廃棄物等管理計画法の規定に従い、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が実施すべき事項や時期について、次のように具体的に規定している。

    処分場の建設許可申請に先立って実施される公開討論会のための書類作成を目的とする研究を地下研究所の周辺区域(250km2)において実施する1)

  • 2009年末までにエネルギー、研究及び環境担当の大臣に次のことを提案する。
    -処分場の建設に適した制限区域(30km2)の選定
    -設計、操業安全及び長期安全、可逆性に関するオプション
    -対象となる廃棄物のインベントリモデル
    -処分場を補完する貯蔵施設のオプション
  • 公開討論に資する研究成果や処分場サイトに関する提案を含む資料を、2012年末までにエネルギー、研究及び環境担当の大臣に提出する。
  • 遅くとも2014年末までに、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は地層処分場の建設許可申請書を提出する。

また同デクレでは、長寿命低レベル放射性廃棄物(黒鉛・ラジウム廃棄物)について以下を規定している。

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は2009年末までに、廃棄物を受け入れることができるサイトの現地調査に基づく分析結果をエネルギー、研究及び環境担当の大臣に提出する(処分場サイトに関する地質学的・環境的選定基準との適合性を評価するため)。
  • 2013年の処分場操業(放射性廃棄物等管理計画法で規定)までは貯蔵を行う。

【注1】
ANDRAによるムーズ県の南部からオート=マルヌ県の北東部にまたがるビュール地下研究所の周辺区域(250km2)における調査研究は、2007年9月に既に開始されている

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)、2008年4月24日のプレスリリース、http://www.asn.fr/sections/accueil /actualites/decret-precise-conditions-gestion
  • Décret n° 2008-357 du 16 avril 2008 pris pour l’application de l’article L. 542-1-2 du code de l’environnement et fixant les prescriptions relatives au Plan national de gestion des matières et des déchets radioactifs〔環境法典のL542-1-2条の適用のために採択され、放射性物質及び放射性廃棄物国家管理計画に関連する規定を定める2008 年4月16日付のデクレ2008-357〕
  • Plan National de Gestion des Matières et des Déchets Radioactifs 2007 – 2009 〔放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画(PNGMDR)〕

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2008年4月2日付のプレスリリースにおいて、ビュール地下研究所近傍で地層処分に関する技術センターの建設を開始したことを公表した。このセンターでは地層処分プロジェクトが公衆に紹介される予定であり、2009年上半期に一般公開される。技術センターは2008年3月より敷地整備等の建設工事が開始されている。

技術センターはビュール地下研究所の南西500mのオート=マルヌ県のソードロン(Saudron)に建設されている。同センターは、4,000m2の広さの施設であり、このうち3,000m2を占める部分では、可逆性のある地層処分に適用される各種設備や機器のプロトタイプなどの試験や有効性の確認が行われる。これらを公開することで、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2015年に設置許可申請を予定している地層処分場について、より具体的に理解できるようになることが期待されている。また、この技術センターには、多目的ホールと会議室からなる1,000m2の情報提供スペースが併設されることとなっている。

技術センターのイメージ(放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のプレスリリースから引用)

長寿命中レベル放射性廃棄物用コンテナ(左)及び廃棄物運搬機器の実証設備(右) (放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のプレスリリースから引用)

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、2008年4月2日のプレスリリース、http://www.andra.fr/popup.php3?id_article=1052

フランスの規制当局である原子力安全機関(ASN)は、2008年3月21日付のプレスリリースで、放射性廃棄物の地層処分場に関する安全指針を公表した。同指針は、地層処分場の操業終了後の安全確保のために、1991年6月に当時の安全規制当局により策定された、処分場に関連する調査・建設段階における安全目標を定めた安全基本規則(RFS)III.2.fに代わるものとされている。

同プレスリリースによると、原子力安全機関(ASN)は、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が1991年放射性廃棄物管理研究法のもとに実施した研究から得られた知見、国際的な見解、2006年放射性廃棄物等管理計画法の規定を反映させるために今回の改定を行ったとしている。なお、ASNは、今回の改定文書が規則の性格を持つ安全目標に加え、目標の達成方法についても説明しているため、安全基本規則ではなく安全指針として位置付けることを決定したとしている。

また、同プレスリリースでは、今回の改定の主なポイントとして以下を挙げている。

  • 可逆性の概念の導入
    ただし、ANDRAが地層処分場の建設許可申請を提出した後に制定される法律によって規定されることとなっている可逆性の条件は示されていない。
  • 再処理されない使用済燃料の直接処分を考慮した廃棄物インベントリの拡大
  • 多重バリア概念における安全機能の概念の導入
    安全機能により多重バリア概念のロバスト性(頑健性)が実証されなければならない。
  • 監視プログラムの開発
    同プログラムが、プロジェクトの進展が想定範囲内であることの確認を可能とし、処分場の閉鎖を決定するための確実なデータを得ることを可能とする。
  • 廃棄物パッケージの安全目標を定めた手引き
    この手引きは、放射性廃棄物等管理計画法や改定安全基本規則に沿った多様な操業進展を包含することとなる廃棄物パッケージに関する指針(廃棄物パッケージの承認手続きの記述や各段階における関係者の規定等が含まれる)によって補足される。

原子力安全機関(ASN)は、2003年から安全規則(RFS)III.2.fの改定作業を開始しており、今回公表された安全指針は、2007年初頭に原案が作成され、同年6月にASNの諮問機関である「放射性廃棄物についての常設専門家グループ(GPD)」が示した意見を反映した後、2008年2月にASN内で承認されたものである。なお、ASNは同指針を関連機関である放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、AREVA社、フランス電力株式会社(EDF)、原子力庁(CEA)に2008年2月27日付で送付している。

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)、2008年3月28日のプレスリリース、http://www.asn.fr/sections/accueil/actualites/asn-publie-guide-surete-relatif-au
  • 原子力安全機関(ASN)、2008年2月27日の関連機関宛てのレター、http://www.asn.fr/sections/rubriquesprincipales/publications/publications-pour/listes-publications/downloadFile/attachedFile_unvisible_11_f0/lettre_version_diff.pdf

フランスの原子力安全機関(ASN)の2008年3月4日のプレスリリースにおいて、2008年2月28日付のデクレ(政令)により、「原子力安全情報と透明性に関する高等委員会」(HCTISN)を構成する委員34名が任命され、同委員会が発足されたことが公表された。HCTISNは、2006年の原子力安全・情報開示法に基づいて設置される委員会である。
同法の規定では、HCTISNは原子力活動に伴うリスク、及びこれらの活動が人の健康、環境、並びに原子力安全に与える影響について、情報の提供を行うとともに討論などを行うための組織であり、以下のような活動を行うとされている。

  • 原子力活動分野における監視と情報に関するあらゆる問題に対する意見表明
  • 原子力安全に関する情報へのアクセスに関する事項を取り扱い、原子力分野における透明性の確保或いは向上のための措置の提案
  • 原子力安全担当大臣、上院・下院の所管委員会の委員長、議会科学技術選択評価委員会(OPECST)委員長、地域情報委員会(CLI)委員長、原子力事業者から依頼される、原子力安全及び監視に関するあらゆる情報に関する問題の検討

また、2006年の放射性廃棄物等管理計画法では、「原子力安全情報と透明性に関する高等委員会」(HCTISN)が放射性廃棄物等の持続可能な管理に関する協議や討論を定期的に行うことを規定している。原子力安全機関(ASN)のプレスリリースによれば、HCTISNは原子力安全・情報最高会議(CSSIN)に取って代る組織としており、CSSINはこれまで次のような組織として活動を行ってきた。

  • 原子力安全や放射線防護分野における、公衆及びメディアへの情報提供に関して幅広い役割を担う諮問機関
  • 議会議員、科学・技術・経済・社会の専門家、情報提供・コミュニケーションの専門家、労働組合、自然・環境保護団体、事業者、直接関係する行政(首相、防衛、環境、産業、内務、保健、労働)担当者で構成
  • 原子力安全や放射線防護分野における情報提供活動の効率向上につながる勧告を環境、産業、保健の各担当大臣に対して行う。

原子力安全機関(ASN)のプレスリリースによると、「原子力安全情報と透明性に関する高等委員会」(HCTISN)は、議会、地域情報委員会(CLI)、事業者、関連機関、労働組合、国の関係部局の代表者、学識経者等で構成されており、ASNの議長も委員となっている。なお、HCTISNの委員長には、現在議会科学技術選択評価委員会(OPECST)の委員長であるルヴォル上院議員が務める。

また、同プレスリリースでは、原子力安全機関(ASN)は、HCTISNの発足はフランスの原子力の安全と透明性にとって重要なステップであり、HCTISNが必要とされる支援を行うとしている。

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)、2008年3月4日のプレスリリース、 http://www.asn.fr/sections/accueil/actualites/haut-comite-pour-transparence
  • Loi no 2006-686 du 13 juin 2006 relative à la transparence et à la sécurité en matière nucléaire〔原子力に関する安全及び透明性に関する法律(2006-686/2006.6.13)(原子力安全・情報開示法)〕
  • Loi no 2006-739 du 28 juin 2006 de programme relative a la gestion durable des matieres et dechets radioactifs 〔放射性廃棄物及び放射性物質の持続可能な管理に関する計画法(2006-739)〕
  • Joint Convention on the safety of spent fuel management and on the safety of radioactive waste management, Second national report on the implementation by France of the obligations of the Convention, September 2005〔放射性廃棄物等安全条約に基づくフランス国別報告書(第2回)〕

フランスのビュール地下研究所の地域情報フォローアップ委員会(CLIS)のウェブサイトにおいて、CLIS委員長に国民議会(下院)のバタイユ議員が任命され、2008年2月6日付のムーズ県及びオート=マルヌ県の両県議会議長によるアレテ(命令)が公布されたことが公表された。CLISは地下研究所または地層処分場のある地域において、実施主体と地元住民との間の情報の仲介、放射性廃棄物処分に関する研究の監視、情報提供、協議に関する全般的な使命を担う組織である。

ビュール地下研究所のCLISは1991年放射性廃棄物管理研究法(通称バタイユ法)に基づいて設置されていたが、2006年に制定された放射性廃棄物等管理計画法により改組されることが決定された。2007年5月7日付のデクレ(政令)によりCLISの構成員等が規定され、地下研究所を有する県の県議会議長によるアレテによってCLISの委員長及び委員が任命されることとなっていた。

今回CLISの委員長に任命されたバタイユ議員は、1990年に議会科学技術選択評価委員会(OPECST)委員として高レベル放射性廃棄物等の管理について分析した報告書を取りまとめ(同報告書をもとに1991年に放射性廃棄物管理研究法が制定された)、その後の地下研究所のサイト選定では、調停官として公募方式を導入するとともに応募地域との事前協議を実施した。また、2006年の放射性廃棄物等管理計画法制定前の2005年には、OPECST報告書として放射性廃棄物の管理に関わる勧告を取りまとめるなど、ビュール地下研究所の設置や高レベル放射性廃棄物等の管理方策等の検討において深く関与してきた人物である。

地域情報フォローアップ委員会(CLIS)の委員は、政府の代表、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の代表、国民議会(下院)と上院それぞれから2名、関係する地方自治体の議員、環境保護団体のメンバー、農業その他の職能団体の代表、学識経験者などによって構成されている。CLISの会合は少なくとも年に2回開かれることになっており、CLISには処分に関する研究の目的、内容と成果に関する情報が提供される。CLISは地下研究所に関して、環境及び周囲に影響を及ぼすようなすべての問題を討議し、外部専門機関の活用やヒアリングを行うこともできる。

1991年放射性廃棄物管理研究法のもとでは、地域情報フォローアップ委員会(CLIS)の活動資金はムーズ県及びオート=マルヌ県の公益事業共同体(GIP)によって賄われてきたが、2006年放射性廃棄物等管理計画法によって、CLISの活動資金は、国の補助金と処分関連事業者による拠出金で均等に負担される形に変更されている。なお、1991年の放射性廃棄物管理研究法に基づき、ビュール地下研究所のある2つの県に2000年より設置されていたGIP(ムーズ県GIPとオート=マルヌ県GIP)も、2006年の放射性廃棄物等管理計画法に基づき2007年に改組されている。このGIPは、以下の3つの役割を果たすこととされている。

  • 地下研究所または地層処分場の設置及び操業の促進
  • 地下研究所または地層処分場の周辺区域などにおける国土整備及び経済開発事業の自県内での推進
  • 地下研究所内において研究されている諸分野及び新しいエネルギー技術分野などにおける、人材養成事業ならびに科学的技術的知見の開発、活用及び普及事業の推進

なお、これらの役割を果たすための財源として、GIPには原子力基本施設(INB)に課税される連帯税及び技術普及税による税収の一部が割り当てられている。

【出典】

  • 地域情報フォローアップ委員会(CLIS)ウェブサイト、 http://www.clis-bure.com/
  • Loi no 2006-739 du 28 juin 2006 de programme relative a la gestion durable des matieres et dechets radioactifs 〔放射性廃棄物及び放射性物質の持続可能な管理に関する計画法(2006-739)〕
  • Loi no 91-1381 du 30 decembre 1991 relative aux recherches sur la gestion des dechets radioactifs 〔放射性廃棄物管理研究に関する法律〕
  • 経済・財政・雇用省ウェブサイト、http://www.minefe.gouv.fr/
  • Décret no 2007-720 du 7 mai 2007 relatif à la composition et aux modalités de fonctionnement du comité local d’information et de suivi institué par l’article L. 542-13 du code de l’environnement auprès des laboratoires souterrains de recherche sur la gestion des déchets radioactifs et modifiant le décret no 99-686 du 3 août 1999〔CLIS改組デクレ〕
  • Mission de médiation sur l’Implantation de Laboratoires de Recherche Souterrains, Rapport du Médiateur, Christian Bataille Député du Nord aux Ministres de l’Industrie et de l’Environnement, 20 décembre 1993〔地下研究所の立地に関する交渉活動-廃棄物交渉官の1993年の報告書〕
  • Décret no 2006-1606 du 14 décembre 2006 relatif aux groupements d’intérêt public régis par l’article L. 542-11 du code de l’environnement〔公益事業共同体(GIP)改組デクレ〕

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のウェブサイトにおいて、ANDRAにおける情報公開活動に関する評価やフォローアップを行うための委員会(COESDIC)が同機関内に設置され、その初会合が2007年11月13日に開催されたことが公表された。COESDICは、ANDRAによる地元住民に対する情報公開手続を支援するために設立された委員会であり、その対象は高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物処分プロジェクト(HAVLプロジェクト)であるが、長寿命低レベル放射性廃棄物である黒鉛・ラジウム廃棄物の処分プロジェクトも、必要に応じて対象に含まれるとされている。

同ウェブサイトによると、今回の初会合により表記委員会(COESDIC)の活動の枠組が決定された。COESDICは、これまで設置されていた地下研究所の運営をフォローするためのANDRA内の委員会を踏襲するもので、今後、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の科学評議会と連携してANDRA理事会に意見を示すとされている。また、マリー=クロード・デュピュイANDRA理事長は、放射性廃棄物等管理計画法に規定されている公開討論会に備え、実用的かつ革新的な公衆参加方法を推進したいとの意向を表明しているとのことである。

表記委員会(COESDIC)の最初の使命は、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物処分プロジェクト(HAVLプロジェクト)の枠内で提案されている情報提供や住民意見反映方法の取りまとめについて支援することとされている。この方法については、現在、報告書として取りまとめられているところであるが、これにより放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、全国および地方の窓口機関と、これらの方法に関する事前協議を開始することができるとしている。更にANDRAは、この事前協議が理想的には地元関係者との協議につながり、これらの協議を経て、今後のサイト選定における科学的な基準に加えて、地域の社会環境等に関する基準が開発されることも期待している。

同ウェブサイトによると、同委員会(COESDIC)は公衆参加の分野に関する専門家で構成されており、放射性廃棄物管理事業者や国際的に著名な学識経験者も含まれている。なお、COESDICの委員は以下のとおりである。

  • ミシェル・カロン:放射性廃棄物管理機関(ANDRA)科学評議会評議員、パリ国立高等鉱業学校教授、パリ鉱山大学イノベーション社会学センター所属社会学者
  • アンヌ・ベルグマンス:社会学者、アントワープ大学助教授
  • ピェール・ブノア・ジョリー:経済学者、社会学者
  • サイダ・ララロチ・エングストローム:スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)の環境影響評価・情報公開部門の責任者
  • ブライアン・ウィン:物理学博士、英国ランカスター大学社会学教授、ゲノム技術経済的社会的影響研究センター副所長、気候変動研究センター研究部長、ロンドン王立協会社会科学委員会委員

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr/interne.php3?id_article=1010&id_rubrique=80

2007年9月19日付けの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のプレスリリースで、2007年9月18日にANDRAがビュール地下研究所の周辺地域において新たな調査を開始したことが公表された。今回の調査は、ビュール地下研究所がある地質とその特性が類似しているムーズ県の南部からオート=マルヌ県の北東部にまたがるビュール地下研究所周辺の250km2の区域について、その地質環境に関する知見を得ることを目的としている。また、今回の調査結果は、深度400m~600mの粘土層における、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の可逆性のある地層処分場の設置を可能とする約30km2の区域を確定することに寄与するとされている。なお、2006年の放射性廃棄物等管理計画法では、地層処分場に関する今後のスケジュールとして、2015年に処分場の設置許可申請、2025年に操業開始ができるよう研究・調査を実施することを規定している。ANDRAはこのスケジュールに基づいて、2009年には候補サイトの提案を行うことを予定している。

同プレスリリースによれば、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は6基のプラットフォームから14本のボーリング孔掘削を行う予定であり、2007年9月18日にはムーズ県のトレヴレイ(Tréveray)において掘削作業が開始され、ゴンドルクール=ル=シャトー(Gondrecourt-le-Château)、モンティエ=シュール=ソー(Montiers-sur-Saulx)、ポワッソン(Poissons)、シュビヨン(Chevillon)において2008年6月まで実施されることとなっている。また、これらのボーリングにより得られる測定結果は、2007年10月~11月に実施される振動装置を用いた物理探査による地球物理学的研究によって補完されるとのことである。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、 http://www.andra.fr/interne.php3?id_article=1000&id_rubrique=80
  • Rapport d’activité 2006 – Rapport de gestion et états financiers(ANDRAの2006年活動報告書)

フランスにおいて、放射性廃棄物等の管理に関する研究の進捗状況を評価する国家評価委員会(新CNE)の第1回評価報告書が、政府刊行物などを扱うウェブサイトにおいて公表されたことが放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のウェブサイトで示された。新CNEは、2006年6月の放射性廃棄物等管理計画法に基づき2007年4月に設置されており、上記の進捗状況を評価して毎年報告することが義務付けられている。今回の報告書では、新CNEの評価方針、ANDRAによる放射性廃棄物等の管理研究の基本方針及び原子力庁(CEA)による核種分離・変換等の研究プログラムに対する評価などが示されている。

同報告書において、国家評価委員会(新CNE)は、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物、長寿命低レベル放射性廃棄物(黒鉛・ラジウム廃棄物)のそれぞれの処分を、放射性廃棄物等管理計画法で定められたスケジュールに沿って実施する目的で放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が提案した研究調査プログラムについて、そのスケジュールが非常に厳しいものであるとしている。放射性廃棄物等管理計画法では、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の処分については、2015年に可逆性のある地層処分場の設置許可を申請し、2025年に操業を開始することが求められている。また、長寿命低レベル放射性廃棄物についても、2013年に処分場の操業を開始することが求められている。

上記のスケジュールに関する新CNEの評価の理由は次のとおりである。

  • ANDRAが提案する高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の処分に関する研究調査プログラムは、法に定められている期限と行政上の制約を勘案して構築されているが、技術的な不確実性や重大な行政上の遅滞の余地が一切無い。
  • ANDRAが研究している、長寿命低レベル放射性廃棄物のパッケージを何らかの被覆によって侵食から保護された層厚約50mの粘土層内へ定置するという処分概念は、未だ実用化されたものではなく、2009年にサイトを選定するというANDRAの暫定スケジュールに基づけば、選定サイトの特性等に依存する情報などの不確実さなどの問題もあり、その実現は厳しい。

また、同報告書の基本方針において、国家評価委員会(新CNE)による評価対象は、政府によって3年毎に策定される全ての放射性廃棄物の管理に関する国家放射性廃棄物等管理計画(PNGMDR)に沿ったものとされているが、その対象範囲は広範であるため、原子力安全機関(新ASN)との合意に基づいて、今後数カ月以内にデクレ(政令)により明確に定められることが望ましいとされている。

なお、今回の報告書は、放射性廃棄物等管理計画法に基づき、国家評価委員会(新CNE)が放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、原子力庁(CEA)、フランス国立科学研究所(CNRS)から資料提供を受けると共にヒアリングを行うなどして、2007年6月に作成されたものである。その後、同報告書は議会に提出され、2007年7月には議会科学技術評価委員会(OPECST)による新CNEに対するヒアリングが行われていた。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr/
  • Commission nationale d’évaluation des recherches et études relatives à la gestion des matières et des déchets radioactifs, Rapport d’évaluation n°1, Juin 2007 (原典はこちらのサイトから入手可能、http://www.ladocumentationfrancaise.fr/rapports-publics/074000493/index.shtml)
  • 国民議会(下院)ウェブサイト、http://www.assemblee-nationale.fr/13/cr-oecst/06-07/c0607005.asp

2007年5月14日付けで、フランスの原子力安全機関(ASN)がウェブサイトにおいて、ASNと産業省エネルギー・資源総局(DGEMP)によって策定された「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)を公表した。PNGMDRは、2005年7月にASNが政府関係者、事業者、関係団体で構成されるワーキンググループの枠組のもとに草案を作成した「放射性廃棄物及び再利用可能な物質の管理に関する国家計画」(当初は PNGDR-MVと称されていた)の最終版である

原子力安全機関(ASN)のウェブサイトによると、「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)の目的は、放射性廃棄物等の管理方法の総括評価を行い、中間貯蔵施設又は処分施設の要件等について調査したうえで同施設に必要な処理能力及び貯蔵期間を明確にするとともに、最終的な管理方法が定められていない放射性廃棄物についての新たな管理目標を設定することにあるとされている。

原子力安全機関(ASN)のウェブサイトによると、「放射性物質及び放射性廃棄物の持続可能な管理計画法」(以下「放射性廃棄物等管理計画法」という)が2006年6月に公布された後、「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)の草案は、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物を含む、さまざまなカテゴリーの放射性廃棄物の管理方策を決定する上での諸目標を定めた同法第3条及び第4条などを考慮して、修正されたとされている。

「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)は、放射性廃棄物等管理計画法の第6条において、政府が2006年末までに策定し、以後3年毎に改訂するとともに、議会に提出、公開することが規定されていたものであり、2007年3月に議会に提出された後、議会科学技術選択評価委員会(OPECST)が評価を行い、評価結果はOPECSTのウェブサイトで公表されている。

原子力安全機関(ASN)のウェブサイトによると、今後、ASNは、産業省エネルギー・資源総局(DGEMP)と連携し、「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)に定められている諸施策の進捗状況の監視と2009年度版PNGMDRの策定を行うワーキンググループの活動を引き続き推進していくとされている。

【出典】

  • 原子力安全機関(ASN)ウェブサイト、http://www.asn.fr/sections/accueil/actualites/premier-plan-national-gestion-matieres
  • LOI n° 2006-739 du 28 juin 2006 de programme relative à la gestion durable des matières et déchets radioactifs(2006年6月28日の放射性廃棄物及び放射性物質の持続可能な管理に関する計画法第2006-739号)

2006年6月29日付のフランス官報にて高レベル・長寿命放射性廃棄物を含む放射性廃棄物全般の管理に関する「放射性物質及び放射性廃棄物の持続可能な管理計画法」(以下「放射性廃棄物等管理計画法」という)が公布された。同法は2006年4月から議会において「放射性物質及び放射性廃棄物の管理計画法案」という名称で審議が行われていたものである。議会審議においては法律名の変更、地層処分場の可逆性についての条件の法定化及び地層処分場の建設・操業等のための基金設置に関する項目などの追加がなされ、2006年6月15日に修正案が国民議会(下院)を通過していた。

公布された放射性廃棄物等管理計画法における高レベル・長寿命放射性廃棄物の管理に関する主な規定は以下の通りである。

  • 長寿命放射性核種の分離・変換については、新世代の原子炉及び放射性廃棄物の核変換を専用に行う加速器駆動炉に関する研究及び調査との関連において研究・調査を実施(第3条)
  • 可逆性のある地層処分場については、2015年に処分場の設置許可申請、2025年に操業開始ができるよう研究・調査を実施(第3条)
  • 中間貯蔵については、中間貯蔵施設を2015年までに設置できるよう研究・調査を実施(第3条)
  • 処分場の設置許可申請は、地下研究所による研究の対象となった地層に関するものに限定(第12条)
  • 可逆性についての条件を定める法律の制定後にデクレによって処分場設置許可を発給(第12条)
  • 処分場の閉鎖許可発給は法律の制定によるものとし、設置許可において100年以上の可逆性を確保する期間を設定(第12条)
  • 管理研究の評価を2007年以降毎年行う国家委員会を設置(第9条)
  • 政府が管理計画を2006年末までに策定し、以後3年毎に改訂するとともに、議会に提出、公開(第6条)
  • 原子力安全・情報開示法に基づいて原子力安全に関する情報公開と情報提供のために設置される高等委員会は管理に関する協議・討論を定期的に実施(第10条)
  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)によるインベントリの作成(3年毎に改訂)(第14条)
  • ANDRAによる管理費用の見積と公表(第14条)
  • 中間貯蔵施設及び地層処分場に関する調査及び研究活動に必要な資金確保のため、『研究税』を資金源とする基金をANDRA内に設置(第15条)
  • 中間貯蔵施設及び地層処分場の建設・操業等に必要な資金確保のため、事業者からの拠出による基金をANDRA内に設置(第16条)
  • 地下研究所区域に地域情報フォローアップ委員会(CLIS)の位置づけ、構成、活動財源を変更(第18条)
  • 地層処分場区域のある各県に公益事業共同体を設置(第13条)
  • 地層処分場などの原子力基本施設(INB)に対して、ANDRAによる研究活動の財源となる『研究税』、公益事業共同体の活動の財源となる『連帯税』と『技術普及税』の3つの新たな税を導入(第21条)

なお、放射性廃棄物等管理計画法は、環境法典に組入れられている1991年放射性廃棄物管理研究法を主に修正する形が取られている。

【出典】

  • 上院ウェブサイト、http://www.senat.fr/dossierleg/pjl05-315.html
  • LOI n° 2006-739 du 28 juin 2006 de programme relative à la gestion durable des matières et déchets radioactifs(2006年6月28日の放射性廃棄物及び放射性物質の持続可能な管理に関する計画法第2006-739号)