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カナダ

カナダの連邦天然資源大臣は、2003年6月25日に、核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が2002年3月末に公表した年報(既報)に対する声明を公表した。連邦天然資源大臣は、NWMOが広範な対話活動を通じて研究を進めていることを評価し、また「総合的なプログラムを行うにあたっての素晴らしい第一ステップを踏み出した」とコメントしている。大臣による声明には、その他に以下のポイントが示されている。

NWMOの2002年の活動全体に対するコメント:
天然資源大臣は、NWMOの年報で倫理および社会的側面が考慮された廃棄物管理オプションを開発することに重点が置かれている点を評価している。この点は、2002年11月に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)により要求されている研究の中心事項である。
カナダ政府は、核燃料廃棄物の安全で環境的に健全な管理を優先事項としている。政府は、長期的な管理として今後行われる活動が総合的、かつ経済的に健全な方法で実施されることをカナダ国民に対して保証している。天然資源大臣は、政府の考えと同じことがNWMOの年報でも強調されていることを評価し、核燃料廃棄物の長期的な管理の解決に向けた活動が着実に前進することへの期待を述べている。
広範な対話活動について:
NWMOは2005年11月に複数の長期的な管理オプションを提出することになっており、この目標に向けて研究を3段階で進め、そのなかでさまざまな利害関係者との対話を進めていく方針である。この対話活動では、先住民も含めた、カナダの様々な団体、天然資源省を交えた議論が進められている。天然資源大臣は、これら議論の過程において有益なコンサルテーションが実施されることへの期待を述べている。
「諮問機関」の役割について:
カナダにおける一般公衆の考えを考慮するとともに、NWMOは長期の活動について独立の専門家からの勧告を得る予定となっている。天然資源大臣は、核燃料廃棄物法に基づきNWMOが設置した諮問機関から重要な勧告が得られることへの期待を述べ、諮問機関によって行われるNWMOの活動のレビューがNWMOの活動の透明度を確保することに確信を持っているとコメントしている。
財政的な側面について:
年報では、原子力企業およびカナダ原子力公社(AECL)が信託基金に対して拠出金を支払ったことが示されており、カナダ国民は、原子力業界が、長期的に必要となる財政的な責任を果たす意思があることを確認することができる。
年報での主な記述:
NWMOの年報では、2002年10月の設立後3カ月における以下の活動について報告されている。

  1. NWMOの組織体制
  2. 原子力企業とカナダ原子力公社(AECL)の信託基金設立
  3. 信託基金に対する拠出合計額(5億5000万カナダ・ドル)【429億円(1カナダ・ドル=78円として換算)】

(なお、年報について詳しくは こちらを、また、核燃料廃棄物法の施行およびNWMOの設立については、こちらを参照のこと)

【出典】

  • 天然資源省 核燃料廃棄物局(NFWB)ウェブサイト 大臣の声明   http://www.nfwbureau.gc.ca/english/View.asp?x=645&oid=19#skipnav

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、機関設立の2002年秋からの3カ月間の活動をまとめた年報、「対話から意思決定へ:核燃料廃棄物管理」を公表した。この年報は、2002年11月に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)における規定(第16条(1)および第26条(1))に基づいて作成されたものであり、2003年3月28日に初の年報として天然資源大臣に提出された。(核燃料廃棄物法の施行およびNWMOの設立については既報を参照のこと)。

同法の定めによれば、NWMOは、2005年11月15日までに核燃料廃棄物の長期管理に対する計画を政府に対して提案しなければならない。この使命を達成するために、NWMOは、科学技術的な側面からだけでなく、倫理、社会、経済的な問題も考慮したさまざまな管理方法の総合的な研究を行わなければならない。

年報では、2002年における主な活動が記述され、また、関係機関との対話の開始、対話から得られた教訓および今後の予定などがまとめられている。主な内容は以下のとおりである。

1.2002年における主な活動

NWMOは、非営利の法人で、核燃料廃棄物の主な所有者であるオンタリオ・パワージェネレーション社、ハイドロ=ケベック社、ニューブランズウィック社によって創設されたものである。核燃料廃棄物法では、資金確保方策について「信託基金」の設立を規定し、基金への拠出は上述の3つの原子力事業者およびカナダ原子力公社(AECL)が行うことが規定されている。2002年における拠出額は以下のとおりである。

オンタリオ・パワージェネレーション社 5億CAD(約405億円)
ハイドロ=ケベック社 2,000万CAD(約16億円)
ニューブランズウィック社 2,000万CAD(約16億円)
カナダ原子力公社(AECL) 1,000万CAD(約8.1億円)

(CAD=カナダドル、1CAD=81円として換算)

また、NWMOは、2002年秋に「諮問機関」を設立しており、そのメンバーには原子力技術に精通した人だけでなく、連邦、州および地元レベルの政府機関において優れたキャリアを有し、公共政策の社会的な側面などの重要性についても見識のある人が選任された。この諮問機関は、NWMOの廃棄物管理オプションを倫理および社会的な側面から評価し、また市民を含めた関連機関とのオープンで透明性の高い対話を行うこととなっている。

さらに、NWMOは、設立の当初より、原子力発電所が所在する地元の市長、コンサルタント、規制機関、議員などを含めた幅広い利害関係者や、諸方面の専門家などとの対話を行ってきている。

2.今後の活動に向けて

さまざまな利害関係者との対話を通してNWMOが受けたメッセージには、「核燃料廃棄物管理研究の分析は、総括的、独立的かつ客観的でなければならず、また過度に原子力産業や政治による影響を受けてはならない」ことや、「研究の過程は、透明性が確保され、またさまざまな人が関与出来る方法で進めなければならない」というものがあった。

これらのコメントを受け、NWMOは今後の活動計画を予備検討段階で公表し、NWMOの考えを提供しつつ対話を進める方針である。NWMOは2005年11月15日までの3年間に行う研究を3段階に分け、それぞれの段階で以下の事項に焦点を置いて研究を進めようと考えている。

第1段階: 期待することについての対話
一般公衆と対話をし、NWMOの使命を知ってもらい、研究計画をまとめるために助言を得る
第2段階: 基本的な問題の探求
第1段階で明らかとなった基本的な問題を考慮し、さまざまな放射性廃棄物管理オプションを研究する
第3段階: 核燃料廃棄物の管理アプローチの評価
第2段階で明らかとなった特定の管理アプローチについて評価を行う

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト3月28日ニュースリリース http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=73,50,19,1,Documents
  • Annual Report 2002 From Dialogue to Decision: Managing Canada’s Nuclear Fuel Waste, NWMO, 2003 http://www.nwmo.ca/adx/asp/adxGetMedia.asp?DocID=72,18,1, Documents&MediaID=140&Filename=NWMO_2002_Annual_Report_E.pdf
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)に基づいて設立された核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、核燃料廃棄物の長期管理アプローチを調査研究するという自らの使命をサポートするため、2003年1月31日付けで、ウェブサイト(www.nwmo.ca)を始動させた。NWMOの理事長でCEOのElizabeth Dowdeswell女史は、このウェブサイトに関し、今後3年間にわたって一般公衆との対話を実施するための重要なツールになるとコメントしており、また人々が核燃料廃棄物管理についてさらに学んでいくことの出来るようなダイナミックなバーチャル環境を提供し、これらの問題がどのように対処されるのかについて情報を把握することを手助けするようになっていくであろうと言及している。

このウェブサイトは、まだ開発段階ではあるが、NWMOとNWMOが担う使命に関し、導入的な情報を載せている。NWMOが前進するに従って、意見書、報告書、調査研究報告書などの中央保管所となっていくとしている。また、一般公衆の考えなどを募るため、コメントの受付、オンライン調査やインターネットを通じた簡単な世論調査などを行う対話的な環境の整備も考えられている。

また、Elizabeth Dowdeswell女史は、我々の成功は、重要な政策の議論に関係者をいかに関与させるかという我々の能力がどの程度あるかにより決定されるであろうともコメントしている。アクセス可能で、ナビゲートしやすいウェブサイトは、双方向のやり取りが可能なように、我々が取り組んできた数々の技術のうちの1つであると指摘している。

NWMOの設立は、2002年11月15日に発効された核燃料廃棄物法の要求事項の1つであった。NWMOは、核燃料廃棄物の長期的な管理のための少なくとも3通りの特定のアプローチを今後3年間にわたって研究し、カナダ連邦政府に対して勧告することとなっている。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイトニュースリリースより http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=51,50,19,1,Documents

カナダでは、2002年11月15日付けで「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)が発効されたが、これとほぼ同時期に、全般的な監督を行う「核燃料廃棄物局(NFWB)」が天然資源省内に創設され、処分の実施主体となる核燃料廃棄物管理機関(NWMO)1 も設立された。また、実施主体の諮問機関となる諮問評議会のメンバー構成についても発表が行われている。

核燃料廃棄物法に基づく要求事項に関しては、連邦政府(具体的には天然資源大臣)がNWMO、原子力事業者、カナダ原子力公社(AECL)の監督を行うこととされている。この監督責任を果たすため、連邦政府および天然資源大臣は、天然資源省内に新たな組織「核燃料廃棄物局(NFWB)」を創設した。この核燃料廃棄物局の任務は以下のとおりである。

  • NWMO、原子力事業者およびAECLを含めた利害関係者と定期的に会合を行う。
  • 適切かつ効果的な監査プログラムを実施する。
  • 現在の知見、適切な専門的技術、および国内外における情報に基づき、(処分の)監督を行う。
  • 連邦政府の果たすべき責任として先住民との相互交流を行う。
  • ホームページを含めた様々なコミュニケーション媒体を通じて、一般市民への継続的な情報提供および協議活動を行う。

また、原子力事業者であるオンタリオ・パワージェネレーション社、ハイドロ=ケベック社、ニューブランズウィック社は、核燃料廃棄物法に基づく要求事項を実施するため、共同で処分の実施主体となる核燃料廃棄物管理機関(NWMO)を設立した。このNWMOの設立目的は、核燃料の長期管理方法を提案するとともに、総督が選定した管理方法を実施することである。NWMOの理事長には、政治、教育、外交といった幅広いキャリアを持つElizabeth Dowdeswell女史が選ばれた。

さらに、核燃料廃棄物法に基づき、NWMOの諮問機関として、合計8名の委員の指名が行われた。この諮問評議会は、NWMOに対し核燃料廃棄物の長期管理方法に関する独立した助言を与える任務を有する。

【出典】

  • カナダ連邦政府天然資源省核燃料廃棄物局ウェブサイト http://www.nfwbureau.gc.ca/english/View.asp?x=1
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

  1. 法律では、廃棄物管理機関(Waste Management Organization)と記述されている []

カナダの天然資源大臣は、2002年10月25日、同年6月13日に女王陛下の裁可1 が得られた「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(案)」(略称:核燃料廃棄物法)の施行日を2002年11月15日にすることを発表した。

天然資源大臣は、「本法律の制定は、カナダにおける核燃料廃棄物の長期的な管理に対する解決策を確立する上での重要な第一歩になる」と言及している。同大臣はまた、核燃料廃棄物法は原子力安全管理法と共に、放射性廃棄物の長期的な管理が管理面と財政面での責任の配分、確固としたスケジュールおよび意思決定プロセスを持った形で、カナダの権益を一番に守りながら実施されることを保証する法律になると言及している。核燃料廃棄物法は、核燃料廃棄物の長期的な管理に関し、政府の戦略の重要な柱となるものである。また本法律は、公衆、州政府、廃棄物保有者および他の利害関係者との協議および上院と下院の委員会における数多くの議論に基づいて成立している。

本法律は、原子力企業2 に対する廃棄物管理機関(WMO)【訳者注:廃棄物管理プログラムの実施主体】の設立とWMOの政府への定期的な報告を義務づけている。法律の発効に当たって、WMOが様々な責任を負えるよう、努力がなされてきている。WMOは政府に対し核燃料廃棄物の長期的な管理オプションを提示しなければならない。本法律はまた、汚染者負担の原則に基づき、廃棄物の長期的な管理活動を行うための資金確保策として、信託基金の創設を規定している。これにより、カナダの納税者が今後、廃棄物管理の財政的な負担を負わないことが保証されることとなる。

天然資源大臣は、本法律における法的な枠組みが、核燃料廃棄物の長期的な管理に責任を持った対応を取るというカナダの積極的なアプローチを確立している とコメントしている。本法律は、1996年に政府が公表した「放射性廃棄物の政策的な枠組み」と整合を取ったもので、放射性廃棄物の管理が安全で環境的に健全であり、また費用対効果に見合った、統合的な方法で実施されることを保証するという政府の全般的な公約を反映している。

また本法律では、WMO、原子力事業者、カナダ原子力公社(AECL)の監督責任を政府が行うことを明記している。この監督責任は天然資源省が担当する。天然資源省では、新たな責任と意思決定過程における公衆の参加を促すことを目的として、本法律の施行日である2002年11月15日に「核燃料廃棄物局ウェブサイト」(http://www.nfwbureau.gc.ca/)を開設する予定である。

【出典】

  • カナダ連邦政府天然資源省ホームページ (http://www.nrcan.gc.ca/media/newsreleases/2002/2002127_e.htm)
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

  1. 上述の女王陛下の裁可とは、連邦議会を通過した法案にカナダの君主である英国国王が法案に対して同意を与える行為のことを言い、カナダでは連邦議会を通過した後にこの裁可を得る手続きがとられている。 []
  2. 核燃料廃棄物法において原子力企業は、オンタリオ・パワー・ジェネレーション社、ハイドロ・ケベック社、ニュー・ブルンスウィック社およびこれらの企業の譲受人、またAECLの譲受人であると定義されている。 []

2002年6月13日、カナダにおける高レベル放射性廃棄物管理の枠組みを定めた「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(案)」(核燃料廃棄物法)がカナダ連邦議会の上院において可決され、同日、女王陛下の裁可1 が得られた。この法案は、2001年4月25日に連邦天然資源省(NRCan)のRalph Goodale大臣によって下院に提出されており、既に2002年2月26日に下院を通過していた。なお、本法律の施行日については現在確認中である。

核燃料廃棄物法は、法律の目的、適用、廃棄物管理組織、資金確保、廃棄物管理組織による研究、廃棄物管理組織による報告、アプローチの変更、受益権者による取消し、記録、会計帳簿および財務諸表、違反罰則、施行の各規定項目から構成されている。本法律の主なポイントは、原子力企業2 に対し、廃棄物管理プログラムを実施する主体として廃棄物管理機関(WMO)を設立すること、また、廃棄物管理のための資金確保の方策として信託基金を創設すること等を規定している点である。WMOは、以下の3つの核燃料廃棄物管理アプローチについての研究を実施し、連邦天然資源(NRCan)大臣に研究成果を提出しなければならないとされている。

  1. カナダ楯状地での深い地層中への処分。この処分方法は、1994年にAECLが作成した「カナダの核燃料廃棄物の処分概念に関する環境影響評価書」に記述された概念に基づくものであるとともに、1998年に環境評価パネルが公表した「核燃料廃棄物管理と処分概念の環境評価パネルの報告書」で説明されている見解を考慮したものである。
  2. 原子力発電所サイト内での貯蔵。
  3. 地上または地下での集中貯蔵。

さらに、WMOは核燃料廃棄物法に基づき、諮問会議を創設しなければならない。この諮問会議の役割は、廃棄物の長期管理に対し提案されたアプローチおよび要求された報告書を吟味しコメントすることである。

今後の予定として、新設されるWMOは、上述の3つの核燃料廃棄物管理アプローチについての研究を法律の施行後3年以内に連邦天然資源大臣に提出しなければならない。また、原子力企業は、法律の施行後10日以内に信託基金に第一回目の拠出金の納付を行うよう求められている。

【出典】

  • カナダ連邦議会ホームページ http://www.parl.gc.ca/common/Bills_ls.asp?lang=EParl=37&Ses=1&ls=C27&source=Bills_House_Government
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

  1. 「女王陛下の裁可」とは、連邦議会を通過した法案に国王が法案に対して同意を与える行為のことを言い、カナダでは連邦議会を通過した後にこの裁可を得る手続きがとられている。 []
  2. 核燃料廃棄物法において原子力企業は、オンタリオ・パワージェネレーション社、ハイドロ=ケベック社、ニューブランズウィック社およびこれら の企業の譲受人、またAECLの譲受人であると定義されている。 []