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フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、現在、人身事故で建設工事を中断しているビュール地下研究所について、2002年11月21日、バール=ル=デュックの大審裁判所が工事の再開を許可する命令を下したことに対して歓迎する内容の発表を行った。

ビュール地下研究所は、1991年12月30日の放射性廃棄物管理研究法(詳細はこちら)で規定された3つの研究分野のうちの1つである、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の深い地層中への処分の実現性に関する研究を行うために欠かすことの出来ない施設である。今年の5月15日に発生した作業員の死亡事故以来、建設工事が中断されており、今年10月に公表された国家評価委員会(CNE)の第8回評価報告書でも、その進捗の遅れについての懸念が指摘されていた

今回の命令は、地下研究所建設サイトにおいて立坑と横坑の建設工事を担当していた請負業者グループ(GFE)による工事再開について、大審裁判所が仮処分として許可するというものである。GFEとANDRAは、6月20日の裁判所の命令に従い、工事再開に向けて、建設現場における作業環境を出来るだけ良い状態に改善するために、国際的に評価の高い専門家の集団を結成した。今後の数週間のうちに、当該地域の技術検査を担当する技術検証組織(APAVE)による所見や勧告を踏まえた形で、GFEとANDRAは、作業チームの厳格な訓練と掘削機材の改善を行うことにしている。

これらの準備が完了してから、掘削作業が段階的に再開されることになる。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)プレスリリース(http://www.andra.fr/pdf/021121_TGI.pdf)

カナダでは、2002年11月15日付けで「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)が発効されたが、これとほぼ同時期に、全般的な監督を行う「核燃料廃棄物局(NFWB)」が天然資源省内に創設され、処分の実施主体となる核燃料廃棄物管理機関(NWMO)1 も設立された。また、実施主体の諮問機関となる諮問評議会のメンバー構成についても発表が行われている。

核燃料廃棄物法に基づく要求事項に関しては、連邦政府(具体的には天然資源大臣)がNWMO、原子力事業者、カナダ原子力公社(AECL)の監督を行うこととされている。この監督責任を果たすため、連邦政府および天然資源大臣は、天然資源省内に新たな組織「核燃料廃棄物局(NFWB)」を創設した。この核燃料廃棄物局の任務は以下のとおりである。

  • NWMO、原子力事業者およびAECLを含めた利害関係者と定期的に会合を行う。
  • 適切かつ効果的な監査プログラムを実施する。
  • 現在の知見、適切な専門的技術、および国内外における情報に基づき、(処分の)監督を行う。
  • 連邦政府の果たすべき責任として先住民との相互交流を行う。
  • ホームページを含めた様々なコミュニケーション媒体を通じて、一般市民への継続的な情報提供および協議活動を行う。

また、原子力事業者であるオンタリオ・パワージェネレーション社、ハイドロ=ケベック社、ニューブランズウィック社は、核燃料廃棄物法に基づく要求事項を実施するため、共同で処分の実施主体となる核燃料廃棄物管理機関(NWMO)を設立した。このNWMOの設立目的は、核燃料の長期管理方法を提案するとともに、総督が選定した管理方法を実施することである。NWMOの理事長には、政治、教育、外交といった幅広いキャリアを持つElizabeth Dowdeswell女史が選ばれた。

さらに、核燃料廃棄物法に基づき、NWMOの諮問機関として、合計8名の委員の指名が行われた。この諮問評議会は、NWMOに対し核燃料廃棄物の長期管理方法に関する独立した助言を与える任務を有する。

【出典】

  • カナダ連邦政府天然資源省核燃料廃棄物局ウェブサイト http://www.nfwbureau.gc.ca/english/View.asp?x=1
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

  1. 法律では、廃棄物管理機関(Waste Management Organization)と記述されている []

2002年10月9日、フランスの国家評価委員会(CNE)は第8回の評価報告書を公表した。同報告書は、1991年12月30日の放射性廃棄物管理研究法(詳細は こちら)によって設置されたCNEが、2006年の高レベル・長寿命放射性廃棄物の管理方法に関する研究の総括評価に向けて、「長寿命放射性核種の分離・変換」、「深い地層中への可逆性のあるまたは可逆性の無い処分(以下、深い地層中への処分)」、「放射性廃棄物の固定化処理及び長期地上貯蔵技術」の3つの研究分野の進捗状況等について毎年まとめるもので、それらを公表することが同法によって規定されている。

今回の第8回評価報告書では、3つの研究分野のうち、何年にもわたり不確実であった「放射性廃棄物の固定化処理及び長期地上貯蔵技術」に関する展望が開けてきたとする一方、「深い地層中への処分」と「長寿命放射性核種の分離・変換」については、研究にかなりの遅れが生じていることが指摘されている。

特に「深い地層中への処分」については、まず、ビュール地下研究所の建設が大幅に遅れている点を挙げている。同地下研究所建設については、これまでも何度か作業の遅れが発生していたが、2001年末の中断に加えて、2002年5月15日に発生した事故により現在も主立坑の掘削作業が停止している。さらに掘削速度が当初の予測を大幅に下回っているという事実があり、主立坑が必要な深度に到達するのは早くて2003年末になる見通しで、計画されている実験の実施に必要な複数の坑道の掘削を終え、坑道内で実際に作業を行うことの出来る期間は2005~6年の2年間しか残されていないと見ている。CNEは、この2年間において、断層や亀裂等の地質学的観察や掘削の影響等の岩石力学的観察は可能と考えているが、地下水の移動や地層内での放射性核種の移行などの地球化学的な実験については、予備的な結果しか得られないと見ており、スケジュールの大幅な見直しが必要との見解を示している。

また本報告書では、「深い地層中への処分」の研究分野に関し、解決が望まれるもう一つの点として、第2地下研究所についての計画が現在までのところ進められていないことが挙げている。この第2地下研究所は、粘土質岩(ビュール)と花崗岩(サイト未決定)の2つの地下研究所を建設するという1998年12月9日の政府決定によるものである。様々な地層の比較及び科学的な結果に基づいた選択肢を提示するために第2地下研究所の存在が重要であることが強調されており、放射性廃棄物管理研究法では、地下研究所が建設されるべき岩種は特定されておらず、また2つの地下研究所で同時期に調査を実施する必要性も規定されていないとして、第2処分場の建設地の対象岩種を花崗岩以外の岩種(粘土質岩を含む)にすることについて、その可能性を探ること等も視野に入れるよう指摘している。

【出典】

  • 国家評価委員会(CNE)第8回報告書

スウェーデン エストハンマル自治体(フォルスマルクサイト)では、使用済燃料最終処分場候補地を選定するため、ボーリング調査をはじめとしたサイト調査が行われている。2002年10月28日には、最初の大深度ボーリング孔が予定した1,000mに到達した。現時点での調査結果からは、調査対象地区の岩石が良質であることが示されている。

地下1,000mから取り出されたボーリングコア(SKB社提供)

スウェーデンでは、既存文献に基づいた調査を行うフィージビリティ調査及び総合立地調査を終了し、現在はサイト調査として地表からボーリングによる地下の調査が行われている。調査対象となっている自治体はエストハンマル自治体とオスカーシャム自治体で、ともに各自治体議会による調査受入の議決を踏まえて調査が開始されている。調査は2自治体で平行して進められているが、このうち、エストハンマル自治体で行われているボーリング孔が、予定された深度(1,000m)に達し、掘削を終了した。処分場は約500mの深さに建設されることが現在想定されている。採取されたボーリングコアからは、約200m以深の岩盤は亀裂が少なく良質であると判断された。ボーリング孔への地下水の流入は測定不可能な程度であり、このことはボーリング孔を貫通した亀裂の透水性が非常に低いことを意味している。

ボーリングマシーンは、約2km東の次の場所に移される。2004年の終わりまでに合計5本のボーリングが計画されており、更に5本~10本のボーリングが計画されている。その後、測定結果の評価を行い、サイト調査を終了する予定である。

同様な調査がオスカーシャム自治体でも行われる。岩盤が安全要件を満たしていることを確認した後、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、調査終了時にこれらの場所の中から最終処分場建設予定地として1カ所を選定する予定である。

【出典】

  • SKBプレスリリースより

カナダの天然資源大臣は、2002年10月25日、同年6月13日に女王陛下の裁可1 が得られた「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(案)」(略称:核燃料廃棄物法)の施行日を2002年11月15日にすることを発表した。

天然資源大臣は、「本法律の制定は、カナダにおける核燃料廃棄物の長期的な管理に対する解決策を確立する上での重要な第一歩になる」と言及している。同大臣はまた、核燃料廃棄物法は原子力安全管理法と共に、放射性廃棄物の長期的な管理が管理面と財政面での責任の配分、確固としたスケジュールおよび意思決定プロセスを持った形で、カナダの権益を一番に守りながら実施されることを保証する法律になると言及している。核燃料廃棄物法は、核燃料廃棄物の長期的な管理に関し、政府の戦略の重要な柱となるものである。また本法律は、公衆、州政府、廃棄物保有者および他の利害関係者との協議および上院と下院の委員会における数多くの議論に基づいて成立している。

本法律は、原子力企業2 に対する廃棄物管理機関(WMO)【訳者注:廃棄物管理プログラムの実施主体】の設立とWMOの政府への定期的な報告を義務づけている。法律の発効に当たって、WMOが様々な責任を負えるよう、努力がなされてきている。WMOは政府に対し核燃料廃棄物の長期的な管理オプションを提示しなければならない。本法律はまた、汚染者負担の原則に基づき、廃棄物の長期的な管理活動を行うための資金確保策として、信託基金の創設を規定している。これにより、カナダの納税者が今後、廃棄物管理の財政的な負担を負わないことが保証されることとなる。

天然資源大臣は、本法律における法的な枠組みが、核燃料廃棄物の長期的な管理に責任を持った対応を取るというカナダの積極的なアプローチを確立している とコメントしている。本法律は、1996年に政府が公表した「放射性廃棄物の政策的な枠組み」と整合を取ったもので、放射性廃棄物の管理が安全で環境的に健全であり、また費用対効果に見合った、統合的な方法で実施されることを保証するという政府の全般的な公約を反映している。

また本法律では、WMO、原子力事業者、カナダ原子力公社(AECL)の監督責任を政府が行うことを明記している。この監督責任は天然資源省が担当する。天然資源省では、新たな責任と意思決定過程における公衆の参加を促すことを目的として、本法律の施行日である2002年11月15日に「核燃料廃棄物局ウェブサイト」(http://www.nfwbureau.gc.ca/)を開設する予定である。

【出典】

  • カナダ連邦政府天然資源省ホームページ (http://www.nrcan.gc.ca/media/newsreleases/2002/2002127_e.htm)
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

  1. 上述の女王陛下の裁可とは、連邦議会を通過した法案にカナダの君主である英国国王が法案に対して同意を与える行為のことを言い、カナダでは連邦議会を通過した後にこの裁可を得る手続きがとられている。 []
  2. 核燃料廃棄物法において原子力企業は、オンタリオ・パワー・ジェネレーション社、ハイドロ・ケベック社、ニュー・ブルンスウィック社およびこれらの企業の譲受人、またAECLの譲受人であると定義されている。 []

スイスにおける放射性廃棄物処分概念専門家グループ(EKRA)は、2002年10月9日に放射性廃棄物管理に関して、「スイスにおける放射性廃棄物処分戦略への貢献」という新しい報告書を公表した。EKRAは、放射性廃棄物の処分概念を検討する目的で、1999年に連邦環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)により設立された専門家グループであり、2000年には処分の技術的な観点から「放射性廃棄物の処分概念」という報告書を公表している。一方、UVEKは多くの制度的な問題点にも注目し、EKRAに対して検討を要求していた。EKRAは、今回の報告書で処分事業の進捗が遅い理由を責任体制、法制度、社会的な対話と公衆参加、廃棄物プログラム、研究、資金確保といった観点から分析した上で、以下のような勧告を行っている。

  • 放射性廃棄物の地層処分に対する権限は、連邦レベルに委ねられるべきである。
  • 連邦政府は、放射性廃棄物の処分場の操業開始について拘束力のあるスケジュールを設定し、計画管理体制を整えるべきである。
  • 許可発給および安全規制を行う連邦官庁は、膨大な任務を効果的に遂行するために財政的および組織的に強化がなされるべきである。
  • 放射性廃棄物管理に関連する機関は、達成されるべき目的に則した実施計画を策定すべきである。
  • 放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)の予算、資金計画および事業計画は、独立した組織による評価が行われるべきである。
  • 安全性に関連するすべての活動に対する高質の安全管理システムのための概念が提案されるべきである。
  • 「廃棄物管理協議会」(訳者注:放射性廃棄物管理は社会的な対話が必要となる問題であるため、そのような社会的な対話や公衆参加を促進するための協議会)を設立する根拠が国内外の知見を活用して、用意されるべきである。
  • 独立した学際的な廃棄物管理研究プログラムおよび深い地層への処分実施に関する特定の調査研究プログラムを進め、これに対する財政支援が行われるべきである。
  • 地層処分を実現化するためには、財政面からのバウンダリー・コンディション(例えばモニタリング期間やその技術的な側面など)が明確に規定されるべきである。
  • 「原子力における賠償責任に関する法律」が改正された場合を想定して、安全性の理由から実施される廃棄物の回収に対する保険制度の確立について検討が行われるべきである。

【出典】

  • 環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)連邦エネルギー庁(BFE)プレスリリース http://www.energie-schweiz.ch/bfe/de/information_links/medienmitteilungen/2002/oktober/unterseite1/index.html
  • EKRA「スイスにおける放射性廃棄物処分戦略への貢献」 http://www.energie-schweiz.ch/imperia/md/content/informationenlinks/broschren/13.pdf
  • EKRA「付録:報告書の背景」 http://www.energie-schweiz.ch/imperia/md/content/informationenlinks/broschren/14.pdf

2002年9月30日、米国の原子力規制委員(NRC)は、1月25日に連邦官報に掲載されたネバダ州ユッカマウンテンの放射性廃棄物処分場に関する規則案(10 CFR Part 63の一部修正)に変更を加えずに最終化することを発表した。この規則案は、処分場が性能評価において地下水防護と人間侵入に関する線量基準を満たすか否かを判断する際に、「発生する確率の低い」考慮する必要のない地質学的、水文学的、気候学的FEP(特性、事象、プロセス)を決定するための確率を規定している。今回の規則案は、高レベル放射性廃棄物処分実施から10,000年間に発生する確率が10%未満のFEP(特性、事象、プロセス)を「確率の低い」ものとして、地下水防護と人間侵入を評価するシナリオから除外することとし、具体的な数値を示したものである。

NRCは、ユッカマウンテンに適用する規則(10 CFR Part 63)の策定に当たっては、1992年に制定されたエネルギー政策法(EnPA)に従い、環境保護庁(EPA)の策定した環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)を取り入れている。この中でEPAは、地下水防護と人間侵入に関する線量基準について、「確率の低い」FEP(特性、事象、プロセス)または連続するプロセスを除外することを規定している。この確率限度については、EPAはこれを明確化しないまま環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)を最終化しており、今回のNRCの決定が待たれていた。

新しい規則案は1月25日にパブリックコメントの得るために連邦官報に掲載されたが、コメントによる修正はなく、NRCは提案した規則案をそのまま最終化することとした。なお、この「確率が低い」FEPは、個人防護基準(15mrem/年、0.15mSv/年)を満たすかどうかを判断する際には考慮する必要がある。

この規則の修正をもって、ユッカマウンテンに係るNRCの安全基準がすべて整うこととなる。

【出典】

  • 連邦官報 Vol. 67 No. 17 (Federal Register Vol. 67 No. 17 Friday, January 25, 2002 / Proposed Rules)
  • 原子力規制委員会(NRC)ニュースリリース 9月30日 (http://www.nrc.gov/reading-rm/doc-collections/news/2002/02-115.html)

スイスのニドヴァルデン州ヴェレンベルグで計画中の低中レベル放射性廃棄物処分場に関して、同州が探査坑掘削許可を与えることについての州民投票が2002年9月22日に行われ、反対57.5%により否決された。探査坑は、処分場としての適性を調査するために掘削される予定となっていた。州民投票で否決されたことにより、ヴェレンベルグ・プロジェクトは、永久にでなければ、数年間、政治的に中断されることとなる。

現在、原子力発電所から発生する放射性廃棄物は、原子力発電所および貯蔵施設ZWILAGで貯蔵されているが、少なくとも40年間の原子力発電所操業から発生する廃棄物を貯蔵するだけの容量は確保されており、低中レベル放射性廃棄物管理についての時間的な問題はない。しかし、貯蔵では廃棄物管理の長期的な解決とはならないため、最終処分場を探すことは引き続き必要である。スイスの原子力発電所の操業者は、連邦政府に対し、低中レベル放射性廃棄物管理問題の解決が実現できるような政治的および法的な環境を整備するよう求めている。

スイスにおいては、すべての廃棄物の処分場に対し、積極的な管理によらないで安全を確保することが求められている。そのため、低中レベル放射性廃棄物処分場においてもこのような安全を確保することが要求されており、この処分場サイトとして1993年にニドヴァルデン州のヴェレンベルグが選定された。処分場の建設および探査坑での地下調査に対しては、連邦からの許可に加え、州からの許可が必要となるため、州はプロジェクトに対する拒否権を有している。ニドヴァルデン州の場合、州からの許可は州民投票の対象となっており、今回の州民投票結果により、この許可は発給されないことになった。

ヴェレンベルグ問題に対する州民投票は、今回で2回目となる。1995年に行われた第一回目の州民投票では、(処分場の建設と操業を行う)ヴェレンベルグ放射性廃棄物管理共同組合(GNW)は、探査坑掘削と処分場建設の申請を同時に行ったために、いくつかの政治団体からの反対され、反対52.5%で否決された。今回は段階的なアプローチが取られ、最初に探査坑に対する州民投票が行われ、この調査結果が望ましいものであった場合は、次の建設許可について投票が行われる予定であった。また、処分概念も、モニタリング期間が延長され、廃棄物の回収が可能となるように改善されていた。このアプローチは、第三者的ワーキンググループ(EKRA等)によって推奨されたものであったが、反原子力グループは、「探査坑は処分場に向けての後戻りすることのできない第一歩を踏み出すことである」としてプロジェクトに反対、州民も許可を拒否した。サイトにおける地層の適性については連邦および専門家により確認されているため、問題は政治的なものとなる。

【出典】

  • ヴェレンベルグ放射性廃棄物管理協同組合(GNW)プレスリリースより抜粋 (http://www.nagra.ch/english/aktuell/presse/wlb.pdf)

2002年9月10日時点でのサイト調査の進捗状況は下記のとおりである。

(1) 空中物理探査

2002年の夏から開始されたヘリコプターによる空中物理探査は、当初の予定より多少遅れて2002年9月18日に終了する予定である。遅延の理由は、測定機器に技術的な問題が生じたことと、強風のために数日間測定を行うことができなかったことである。

(2) ボーリング調査

最初のボーリング孔の掘削は、週4日24時間体制で実施されており、現在地下458mに達している。金曜日には機械および測定システムの点検が行われ、掘削は行われない。現時点での評価としては、亀裂の発生頻度が1mあたり1カ所程度であることと、地下水の流入量が少ないこととが報告されている。

(3) その他の調査

上記に加えて、現在、Geocon社によるGPSの設置、スウェーデン地質調査所(SGU)による地質調査、農業大学による土壌調査が行われている。また、2002年9月中は、SGUにより川、湖、海から水の採取が行われる予定である。

(4) 準備状況

エストハンマル自治体におけるサイト調査エリア

調査地点へのアクセスを容易にするためのサイト内道路改良計画が、県域行政機関と森林保護機関から許可された。整備予定は図に示されているとおりで、特にブールンド湾周辺の道路(図中実線)が整備される。カーブを緩やかにして補強工事と舗装を行うとともに、側溝を敷設し、電線および光ファイバーケーブルを設置する予定である。ストゥールシェーレット(第三ボーリング孔近辺)への道路(図中点線)は、周辺の牧草地・遊牧地保護の観点から舗装工事のみが行われる。工事は2002年末までに終了する予定である。

これにあわせて、第二、第三のボーリング孔を掘削するための準備が行われている。ボーリング調査にあたっては、まず表層を剥いで新鮮部を露出させ、分布図のデ-タを取得するために岩種と亀裂を調査し、その後砂利を敷き詰める。第二ボーリング孔では現在調査が行われており、第三ボーリング孔でも引き続き作業が実施される予定である。これらの作業は、2002年秋のうちに完了する予定である。

(5) サイト見学

2002年の夏期には、フォルスマルク発電所の見学ツアーの一環として、ボーリング調査場の見学が行われた。これまで約3,000人がボーリング調査を見学している。

なお、弊センターでは、今後も随時サイト調査の状況について報告予定である。

【出典】

  • SKBニュースレター2002年9月10日号

2002年7月29日、英国の環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、放射性廃棄物の管理に関する次の協議段階についての発表を行った。これは、2001年9月の英国政府とスコットランド、ウェールズ、北アイルランド行政府による「放射性廃棄物管理に関する協議文書」の発表以降、半年間にわたって行われてきた協議が今年3月12日に終了し、その協議報告書「放射性廃棄物管理に関する協議文書:協議文書への見解の概要、2001年9月~2002年3月」が出されたことを受けたものである。なお、管理対象となっている廃棄物は、固体の長寿命放射性廃棄物で、現在貯蔵中のものが1万トン以上、将来の発生が50万トンと見込まれる廃棄物である。

環境・食糧・農村地域省は、まず、放射性廃棄物管理方法のレビュー・プロセス(検討経緯)を監督するための独立の組織を2002年の末までに設立するとしている。このレビュー・プロセスにおいては、利害関係者、公衆、そして政府各省庁の見解を求めることになる。

上記の新しい組織は、公衆の信用を勝ち得ることができ、開かれた、透明性のある包括的な方法で運営されるべきであるとされている。また、レビューは利害関係者や公衆が関与した形で行われなければならないとされている。レビューの第1ステップは、対象となる廃棄物、各廃棄物の管理方法、それぞれの管理方法が評価されるべき基準について、広く合意を得ることによって、議論のための枠組みを設定することである。続く第2ステップは、今後必要とされる新しい研究の提示も含めて、それぞれの管理方法についての評価を行うことである。最終ステップでは、関係大臣への勧告を作成するとされている。

また、「放射性廃棄物管理に関する協議文書」で示された5つの段階の協議プロセスについては、これまでの協議で得られた様々な見解と研究の結果を考慮して、以下のような4つの段階からなるプロセスに修正されている。その第1段階は「放射性廃棄物管理に関する協議文書」の発表と協議であり、次の第2段階は、今回発表された新しい独立組織の設立によって始まる。この第2段階では、管理方法のレビューが行われ、政府決定の発表と説明がなされるまで続けられる。第3段階は、2006年頃となる見通しで、サイト選定基準を含む、政府決定が実行される方法についての公開討論がなされる。最後の第4段階は、2007年頃になり、必要な法整備をも含めた実行プロセスが開始される。

さらに今回の発表では、廃棄物管理方法の評価において、現在廃棄物として区分されているものだけでなく、使用済燃料と分離されたプルトニウムやウランも含まれるとしており、長期間において廃棄物として管理される可能性のあるその他の物質も対象とすることが重要であると明言されている。

今後の予定として、2002年の夏から秋にかけて、新しい独立組織とその権限、第2段階についてのより詳細な提案等が発表されることとなっている。

【出典】

  • 英国環境・食糧・農村地域省プレスリリース (http://www.defra.gov.uk/news/2002/020729c.htm)
  • 英国環境・食糧・農村地域相の議会への書簡 (http://www.defra.gov.uk/environment/radioactivity/waste/pdf/radwaste_sofs-letter.pdf)
  • 「放射性廃棄物管理に関する協議文書:協議文書への見解の概要、2001年9月~2002年3月」 (http://www.defra.gov.uk/environment/radioactivity/waste/pdf/radwaste_response-summary.pdf)