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スウェーデンの使用済燃料処分の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社 (SKB社)は、2005年5月12日付のプレスリリースにおいて、処分の際に使用済燃料を封入するキャニスタの溶接方法として、「摩擦撹拌溶接」(friction stir welding、FSW)を採用する見込みであることを発表した。 プレスリリースでは、使用済燃料を安全に密封する方法が開発できたことが、放射性廃棄物処分におけるマイルストーンであるとしている。

スウェーデンでは、使用済燃料は銅製のキャニスタに封入され、地下約500mに建設される処分場に定置されることとなっている。プレスリリースによる と、SKB社は、オスカーシャム自治体にあるキャニスタ研究所において数年間にわたり、キャニスタを密封するための2つの溶接方法について検討を行ってき たとしている。

プレスリリースでは、キャニスタを連続的に高品質で溶接できることが可能になり、放射性廃棄物処分に関する問題を解決するための手法開発において、画期的なポイントに到達したとのSKB社の社長のコメントが紹介されている。

また、プレスリリースによると、SKB社はキャニスタ封入施設をオスカーシャムにある集中中間貯蔵施設(CLAB)の隣に建設する予定であり、キャニスタ封入施設の建設許可申請を2006年に提出する予定である。なお、地層処分場の許可申請は2008年に提出するよう計画している。現在、オスカーシャム およびエストハンマルの2つの自治体においてサイト調査が行われており、同社の 2005年3月23日付けプレスリリースによると、両自治体でのサイト調査では、ボーリング調査が中間段階まで終了し、好ましい結果が得られていることが 示されている。

なお、キャニスタを密封する2つの溶接方法に関しては、2004年9月にSKB社により公表された「研究開発実証プログラム 2004」(RD&Dプログラム2004)において研究の状況が報告されていた。同プログラムによると、SKB社は、今回採用することとした「摩擦撹拌溶接」の他に「電子ビーム溶接」を研究していた。また、 スウェーデンにおいて使用される予定のキャニスタは、銅-鉄の二重構造(外部が銅製、内部が鋳鉄製)となっている。

【出典】

  • スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)2005年5月12日付けプレスリリース
    http://www.skb.se/upload/Foretaget/Media/Pressmeddelanden/Safe%20method%20for%20encapsulation%20of%20the%20spent %20nuclear%20fuel_050512.pdf
  • 研究開発実証プログラム2004, SKB社 2004年 / RD&D-Programme 2004 Programme for research, development and demonstration of methods for the management and disposal of nuclear waste, including social science research. SKB, 2004
  • スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)2005年3月23日付けプレスリリース
    http://www.skb.se/upload/Foretaget/Media/Pressmeddelanden/Promising%20results%20in%20both%20Oskarshamn%20and%20Forsmark_050323.pdf

2005年4月28日に、放射性廃棄物管理委員会(KNE)1 の「NAGRAのチュルヒャー・ヴァインラントにおけるオパリナス粘土プロジェクト-地球科学的なデータの基礎および工学的な実現可能性についての判断」と題する評価報告書が原子力施設安全本部(HSK)のウェブサイト上に公開された。同報告書は、放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が提出した「処分の実現可能性実証プロジェクト」報告書 に対して、KNEが地質学および工学的側面における評価をまとめたものである。この中で、KNEはチュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土層が、使用済燃料、高レベル放射性廃棄物および長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分場サイトとして地質学的に適していることが実証されていると結論を下している。

KNEの評価報告書では、チュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土層について、これまでの地質学的な変遷に関する入手可能なデータによる解析および解釈の結果、今後数百万年間のうちに、地層処分場を露出させるような侵食を生じるプロセスの存在を示唆するものは無いとしている。また、NAGRAが長期的な安全評価のために用いた地質学上の仮定は、慎重に収集および解析されたデータに基づいており、地質に関するデータを最新の技術を用いて適切にまた正しく解釈していると評価している。

また、KNEは同報告書の中で、深さ650mのオパリナス粘土層における処分場建設に関する工学的な概念の評価も行い、技術的に実現可能であるという結論を下している。なお、処分場のアクセス坑道のレイアウトや立坑の建設に関して、坑道の規模などに関するいくつかの重要な問題点や提案を示しているが、これらは処分場の実現可能性には影響しないとしている。

さらに、KNEは、評価報告書の中でNAGRAに対して、今後の調査の過程で明らかにされるべき問題点や勧告なども示している。これらの問題点の多くは、処分場の建設過程および放射性廃棄物の処分によって生じ得る熱の発生などの物理的および化学的な変化が、オパリナス粘土の特性に与える影響に関するものである。KNEは、これらの問題に関しては、将来処分場サイトに設置される地下特性調査施設での原位置試験によって解決されるべきであるという見解を示している。

一方、スイスの連邦エネルギー庁(BFE)は、2005年4月28日付のニュースリリースで、放射性廃棄物管理ワーキング・グループ(AGNEB)2 の年次報告書が公表されたことを発表した。同ニュースリリースによれば、このAGNEBの年次報告書には、NAGRAの「処分の実現可能性実証プロジェクト」に対する政府関係機関の評価に関する進捗などがまとめられており、評価結果の一つとして今回公表されたKNEによる評価報告書の要旨も示されているとしている。またAGNEBの年次報告書には、2004年4月に公表された経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)の国際レビューチームによる「処分の実現可能性実証プロジェクト」に対する評価報告書において、「NAGRAの安全評価は現行の国際的な勧告および慣行に適合しており、チュルヒャー・ヴァインラントでのオパリナス粘土層の好ましい特性と人工バリアシステムの安全性に関する科学的な根拠が提示されている」と評価されたことも言及されているとしている。

なお、同ニュースリリースでは、現在、HSKおよび原子力施設安全委員会(KSA)による「処分の実現可能性プロジェクト」報告書の評価も進められており、こうした結果は、2005年秋には公表される予定であるとしている。また、これらの報告書および専門家の意見を基に、連邦評議会が2006年中には今後の放射性廃棄物管理の進め方について決定を下す予定であるとしている

【出典】

  • 連邦エネルギー庁(BFE)2005年4月28日付プレスリリース http://www.entsorgungsnachweis.ch/news.php?userhash=&lID=1&newsID=26
  • 放射性廃棄物管理委員会(KNE)「NAGRAのチュルヒャー・ヴァインラントにおけるオパリナス粘土プロジェクト-地球科学的なデータの基礎および工学的な実現可能性についての判断」2005年2月 http://www.hsk.psi.ch/deutsch/files/pdf/gus_28_04_05_d.pdf

  1. 放射性廃棄物管理委員会(KNE):連邦地質学専門委員会(EGK)の小委員会として連邦環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)によって設置され、放射性廃棄物処分に関連した地球科学的な問題に関してHSKに助言を与える機関。 []
  2. 放射性廃棄物管理ワーキング・グループ(AGNEB):1978年に連邦評議会によって設置され、BFE、HSK、パウル・シェラー研究所(PSI)などの代表で構成されており、連邦評議会およびUVEKに代わり、スイスの放射性廃棄物管理に関する専門家の見解などをまとめる役割を有す。 []

米国の環境保護庁(EPA)は、2005年5月16日付けの連邦官報において規制案件資料を公表し、ユッカマウンテンの高レベル放射性廃棄物処分場に適用される環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)の見直し規則案の連邦官報告示を2005年9月に予定していることを明らかにした。環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)は2001年に制定されたが、2004年7月9日の連邦控訴裁判所判決によって、1万年という基準遵守期間を定めた規定が無効とされていた

連邦官報において公表された規制案件資料は、環境保護庁(EPA)によって半年ごとに公表されており、検討中の規則案等についての検討状況などが示されている。今回公表された2005年春の規制案件資料では、環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)の見直しについて、裁判所の判決に対応するためには、全米科学アカデミー(NAS)の勧告の観点から時間枠を再評価しなければならないことが示されている。同勧告では、数十万年先と想定される線量がピークとなる時点で基準遵守を取り扱うべきとしていた。
ユッカマウンテンにおける放射性廃棄物処分に係る環境放射線防護基準については、1992年エネルギー政策法の規定によって、環境保護庁(EPA)は全米科学アカデミー(NAS)の勧告に従って基準の設定を行うことが必要とされている。

なお、連邦控訴裁判所判決は2004年秋には確定したが、2004年12月に環境保護庁(EPA)が公表した規制案件資料では、環境放射線防護基準(40 CFR Part 197)については記載されていなかった。

【出典】

米国の連邦エネルギー省(DOE)は、2005年5月11日、クラスCを超える(GTCC)低レベル放射性廃棄物(以下「GTCC廃棄物」)1 の処分に関する環境影響評価書(EIS)の準備を行うことについての事前段階の通知を連邦官報に掲載した。GTCC廃棄物は、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法に基づく原子力規制委員会(NRC)の連邦規則(10 CFR Part 61)による処分が認められない放射性廃棄物で、連邦政府が処分責任を負っている。エネルギー省(DOE)は、寄せられたコメント等も踏まえた上で、2005年秋に環境影響評価の実施に関する通知を告示する予定を示している。 検討対象となるGTCC廃棄物は、主に以下の3つに分類される。

  • 密封線源: 主に医療、産業、科学研究等で使用されるもので、長半減期または高濃度のもの
  • 放射化金属: 主に原子力発電所の炉心近傍の金属が放射化されたもので、多くは原子力発電所の廃止措置に伴って発生する
  • その他: 主に原子力発電所や研究所などで発生する雑廃棄物。

また、米国ではエネルギー省(DOE)が保有する低レベル放射性廃棄物は、原子力規制委員会(NRC)の連邦規則の適用は受けず、DOEが自ら処分することとされているが、これらの内でGTCC廃棄物と似通った特性を持つものについては、GTCC廃棄物と共に処分を検討することとされている。 官報掲載の事前告示では、環境影響評価で検討される可能性があるGTCC廃棄物の処分オプションとして、より隔離性能の高い形態、地層処分、強化型浅地中処分施設などを含む、新規または既存のエネルギー省(DOE)または民間の処分施設が考えられるとしている。隔離性能に優れた新規施設としては、ボーリング孔処分、中間深度処分、その他の方式による処分施設が可能としている。また、GTCC廃棄物は多種にわたるため、廃棄物の特性に応じて複数の処分施設を利用するオプションも検討対象と考えられている。環境影響評価では、廃棄物の発生量や処分が必要とされる時期についての検討も行われる。 今回の事前告示では、2005年6月10日まで評価の対象や範囲などについての意見募集が行われる。エネルギー省(DOE)は、2005年秋に予定している環境影響評価の実施通知に向けて、これらのコメントを検討するとともに、処分量を始めとするGTCC廃棄物関連情報のアップデートを開始する予定を示している。 なお、米国では連邦政府が環境に影響を及ぼす可能性がある決定を行う際には、国家環境政策法(NEPA)に基づいて環境影響評価が必要とされている。

【出典】


  1. 米国では、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法および同法に基づく原子力規制委員会の連邦規則(10 CFR Part 61)において、地表30m以内に処分が可能な低レベル放射性廃棄物としてクラスA、B、Cの分類が定められている。GTCC廃棄物は、放射能濃度などがクラスCの制限値を超える放射性廃棄物で、同法・規則に基づいて操業されている低レベル放射性廃棄物処分場での処分は行えないものである。「GTCC」はGreater Than C Class(Cクラスを超える)の略。 []

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2005年5月9日付けのプレスリリースにおいて、同社がオルキルオトで2004年6月から建設を行っている地下特性調査施設(ONKALO)の建設作業の進捗状況を公表した。プレスリリースによると、坑道掘削距離は410メートル1 に達し、地下掘削作業において初めて坑道がカーブする箇所に到達したとのことである。なお、2004年12月時点では坑道掘削距離は122メートルであった

ONKALOの建設にあたっては、坑道は発破掘削工法により1回当たり約5メートルずつ掘削されているが、同プレスリリースによると、特定の地域では良好な結果を保証するために、4メートルずつ掘削しているとのことである。また、坑道は約20メートル掘削するごとにグラウト2 されている。ポシヴァ社の現場管理者によると、状況に応じては、一度に掘削しすぎない方が、作業がより安全かつ迅速になるとしている。

同プレスリリースでは、掘削作業に加えて、ONKALOの入り口付近での建設作業も行われているとのことである。Technical building3 の建設も2005年春の間には開始される予定であり、新たな建設が開始される前には、ボルトやコンクリート吹付けを含む最終的な補強工事が終えられる予定である。また、ONKALOサイトにおける地上作業は2005年6月末には完了するとポシヴァ社の現場管理者は見込んでいる。

なお、ONKALOの完成は2010年とされており、最終処分施設の建設許可申請が2012年までに政府に提出され、操業開始は2020年の予定とされている


ONKALOの建設状況(2005年3月30日現在)
(ポシヴァ社ウェブサイトより引用)

【出典】

  • ポシヴァ社ウェブサイト、 http://www.posiva.fi/cgi-bin/newsarcposiva.cgi?dataf=20050509121638.txt&dpic=standard.gif&title=Excavation+of+ONKALO+reaches+400+metres&arctype=&arcfile=&arctitle=&newstype=uutinen&lang=eng&date=20050509000000
  • ONKALO Underground Rock Characterisation Facility – Main Drawings Stage, Posiva Oy, Working Report 2003-26

  1. 地下特性調査施設(ONKALO)は長さ5.5kmのアクセス用坑道(斜坑)、換気孔、 深度420m(メイン)および 深度520mの調査レベルから構成される。アクセス坑道の勾配1:10から逆算すると、坑道掘削距離410メートルは、約40メートルの深度となる。 []
  2. 岩盤や構造物の間隙・割れ目・空洞に強化や止水を目的として固結材を注入する工法 []
  3. Technical buildingには計器や、電気、通信、測定機器などが含まれる(ポシヴァ社情報) []

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2005年5月4日のプレスリリースにおいて、探査活動が凍結されているゴアレーベン地下の岩塩ドームに変更を加えることを禁止する政令案が閣議決定されたことを発表した。ドイツでは、今後は放射性廃棄物最終処分施設のためのサイト選定手続きが法的に規定される予定であるが、この政令案は、立地調査確保のためにゴアレーベンの岩塩ドームが利用不能な状態にならないようにするためのものである。また、これはゴアレーベンの将来について明示的な決定をするものではなく、ゴアレーベンが今後も処分場候補地となる余地があるかないかは、最適な候補地選択のためのサイト選定手続きの結論次第であるとされている。なお、政令の制定には連邦参議院の承諾が必要とされている。

ドイツでは、ニーダーザクセン州ゴアレーベンにおいて最終処分施設建設のための調査が1970年代から行われてきたが、2000年10月1日からは新たな探査活動が凍結されていた。プレスリリースでも示されているが、この探査活動凍結などを取り決めた2000年6月14日の連邦政府と電力会社間の協定において、ゴアレーベンの岩塩ドームを現状のまま維持し、第三者の侵入から保護する義務を連邦政府が負うことになった。これを受けて、2002年4月に大幅に改正された原子力法 では、処分場立地調査地域における現状変更禁止を規定する条項が追加されている。

プレスリリースによれば、政令案は、ゴアレーベン地下の岩塩ドームのみの保護を図るものである。岩塩ドームを損傷する行為は今後すべて禁じられるが、家屋や灌漑施設の建設のようなその他の行為は政令の適用外とされている。政令案では、周辺自治体を含む地域が計画地域として指定され、地表から100mより深い場所への変更が禁止される。さらに特別に指定された3つの区域については、50mより深い部分での変更も禁止される。変更が禁止される期間は、政令の公布から10年間とされている。
今回のゴアレーベンの岩塩ドームの現状変更禁止に関する政令については、地元および周辺自治体に政令案を提示して協議を行うことが2004年7月に発表されており、地元からの意見のいくつかが政令案に加えられたことがプレスリリースにおいて示されている。

なお、ドイツでは、2002年12月のサイト選定手続委員会(AkEnd)の勧告 を受けて、2003年から約2年間にわたって公開の場で議論を行った上でサイト選定手続きについて法的拘束力のある決定が下される予定が連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)から示されていたが、地元のニーダーザクセン州や電力業界の反発等もあり、具体的な動きは公表されていない。

【出典】

  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)プレスリリース(Nr.108/05, 2005年5月4日) (www.bmu.de/fset1024.htm)
  • ゴアレーベン「現状変更禁止」政令案(www.bmu.de/files/atomenergie/downloads/application/pdf/gorlebenvspv.pdf)
  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)ウェブサイト情報 (www.bmu.de)
  • ニーダーザクセン州環境省ウェブサイト情報 (www.mu1.niedersachsen.de)
  • ドイツ原子力産業会議(DATF)ウェブサイト情報 (www.kernenergie.net)

【2005年8月31日追記】

本政令案は2005年6月17日に連邦参議院により承諾され、2005年8月17日に発効した。

  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)ウェブサイト情報(http://www.bmu.de/atomenergie/downloads/doc/35431.php)

2005年4月4日、英国の放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、プレスリリースにおいて、2006年7月に政府に勧告することになっている放射性廃棄物管理オプションの候補リストを15から4つまでに絞り込んだことを公表した。CoRWMが今回発表した候補リスト及びその評価手法案については、2005年4月4日から開始される、CoRWMが実施している公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムの第2協議段階において、協議されることになる。

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、2003年11月の活動開始以降、政府への勧告に向けて、4つの検討段階を踏んで放射性廃棄物の管理オプションを検討することを予定しており、現在はその第2検討段階にある。同プレスリリースによると、CoRWMは放射性廃棄物管理オプションについて、9つの基準に基づいて評価を行ってきた結果、以下の4つの管理オプションを候補リストに残すことを正式に決定したとのことである。

  • 地層処分
  • 段階的地層処分
  • 短寿命放射性廃棄物の浅地中処分
  • 中間貯蔵

また、15あったオプションのうち、以下の5つのオプションが正式に候補リストから外されることになったとしている。なお、貯蔵オプションは1つのオプション内で中間貯蔵と無期限貯蔵の2つに区別されていたため、ここで表記するオプション数は実質16となっている。

  • 宇宙処分
  • 氷床処分
  • 地層への直接注入処分
  • 海洋処分
  • 無期限貯蔵

今回、候補リストから外されなかった以下の7つのオプションのうち、1.から4.のオプションについては、CoRWMは管理オプションとしては考慮しないが、将来において管理オプションと共に利用される技術として位置づけている。5.から7.のオプションについては、現時点では、CoRWMは候補リストから外すべきとの意向を示すに留まっている。

  1. 原子炉内燃焼
  2. 焼却
  3. 核種分離・変換
  4. 金属溶融
  5. プレート沈み込み帯への処分
  6. 希釈処分
  7. 海洋底下処分

同プレスリリースによると、この4つのオプションからなる候補リスト及びその評価手法案について協議される公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムの第2協議段階は、2005年4月4日から2005年6月27日までの期間、実施されることになっている。PSEプログラムは、会合、ワークショップ、ディスカッショングループなどを通じて、英国全土においてCoRWMが実施する放射性廃棄物に関する大規模な協議プログラムである。PSEプログラムにおける協議段階は、CoRWMが実施している各検討段階ごとに開催される予定となっている。なお、PSEプログラムの第1協議段階は2004年11月から2005年1月の期間において実施されていた。また、2005年中には第3協議段階が実施されることになっている。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)のウェブサイトの2005年4月4日付けのプレスリリース、http://www.corwm.org/content-729
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)のウェブサイト、http://www.corwm.org/content-232
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムの第2協議段階資料

【2005年8月15日追記】

2005年8月11日、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、プレスリリースにおいて、公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムの第2協議段階における協議の結果、正式に放射性廃棄物管理オプションを上記4つに絞り込んだことを公表した。CoRWMは、PSEプログラムの第2協議段階において、公衆、原子力産業、環境団体等の利害関係者及び科学者等の専門家を含む幅広い人々と協議を行ったとしている。また、CoRWMは、今回の管理オプション・リストの決定により第2協議段階が終了したとしている。

今後、CoRWMは、どのオプションもしくは、オプションの組合せが、市民や利害関係者が示した安全、健康や環境への危険性、費用等の9つの基準を最も満たすかについての評価を行うこととしている。

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)のウェブサイト 2005年8月11日付けのプレスリリース、http://www.corwm.org/content-594

英国の公的部門における原子力遺産と称される過去の原子力債務については、これを管理する機関として原子力廃止措置機関(NDA)が設立されていたが、2005年4月1日より活動を開始したことがNDAのウェブサイトにおいて公表された。また、同ウェブサイトでは、NDAの2005年から2006年にかけての最終的な年間活動計画書も公表されている。なお、NDAは、2004年に成立したエネルギー法に基づき、政府によって設置された政府外公共機関(NDPB)である

同ウェブサイトによると、NDAの活動開始によって、英国核燃料公社(BNFL)と英国原子力公社(UKAEA)が管理してきた、研究施設、核燃料再処理施設、放射性廃棄物処分施設、マグノックス原子力発電所などの原子力施設について、廃止措置開始までの操業及び廃止措置に対する責任はNDAが有することとなった。

今回、発表された2005年から2006年の年間活動計画書は、エネルギー法において、NDAが作成し、その内容についてはステークホルダーとの事前協議が必要であるとされていたものである。

同ウェブサイトによると、NDAの活動は、廃止措置の対象となっている20の原子力サイトにある39の原子炉、5つの核燃料再処理施設、3つの燃料製造施設、1つの濃縮施設、5つの原子力研究施設について、4つの地域に分けて行われることになる。NDAは現在も採用活動を進めており、同ウェブサイトによると、2005年4月1日時点では、最終的な人員数とされる約250名の半数近くが採用されている。

また、同ウェブサイトによると、NDAが管理する廃止措置費用の総額は、約500億ポンド(約9兆9,000億円)となっている。2005年から2006年のNDAの活動に費やされる額は、約22億ポンド(約4,356億円)とされており、このうちの90%がNDAと廃止措置作業受託者に支払われるとされている。(1ポンド198円として換算)

【出典】

  • 原子力廃止措置機関(NDA)ウェブサイト、http://www.nda.gov.uk/
  • 原子力廃止措置機関(NDA)、2005-2006年次活動計画書、http://www.nda.gov.uk/documents/annual_plan_0506.pdf

2005年3月29日、フランスの議会科学技術選択評価委員会(OPECST)1 は、OPECSTのメンバーであるバタイユ議員2 を中心として、2005年1月から2月にかけて開催した放射性廃棄物管理に関する公聴会に基づく、OPECSTの報告書を国民議会のウェブサイト上で公開した。同報告書では、現在、1991年の放射性廃棄物管理研究法(詳細はこちら)に基づいて研究が進められている放射性廃棄物管理方針の3つの選択肢である、地下研究所の建設(研究状況については、こちらを参考)を中心とした可逆性のあるまたは可逆性の無い地層処分、長寿命放射性核種の分離・変換、放射性廃棄物のコンディショニングと長期の地上貯蔵についての勧告が示されている。

OPECSTは、国内外の関係機関の専門家を招待し、2005年の1月20日、1月27日、2月3日の3回にわたり、放射性廃棄物管理についての公聴会を開催した。公聴会は、放射性廃棄物管理研究の分野ごとに、第1回目が分離・変換、第2回目が可逆性のあるまたは可逆性の無い地層処分、第3回目がコンディショニングと長期地上貯蔵を対象として行われた。

今回のOPECSTの報告書の要約版では、以下の8つの勧告がなされている。

    • (勧告1)
      放射性廃棄物の管理に関わる研究成果の情報提供は、地方、国、国際レベルで改善されるべきである。
    • (勧告2)
      分離・変換および可逆性のある地層処分に関する研究は2006年以降も継続されるべきであり、議会は引き続きその推進と、時間的な設定を行うべきである。
    • (勧告3)
      1991年の放射性廃棄物管理研究法に基づく研究の地域的・国家的な活用は、政府と原子力事業者が互いに連携し、学術・大学・産業レベルで進展させるべき分野である。
    • (勧告4)
      議会は3つの放射性廃棄物管理方針、すなわち①分離・変換を取り込むことを当該分野における究極目標として位置づけ、②可逆性のある地層処分及び③長期貯蔵という手段を用いるという原則を盛り込んだ法案を作成すべきである。
    • (勧告5)
      議会は政府活動の目標として、以下の期限を定める提案の実施を勧告する。
      • 2016年:長期貯蔵の開始と可逆性のある地層処分場の建設許可の発給
      • 2020年~2025年:実証用変換炉の運転開始と可逆性のある地層処分場の操業開始
      • 2040年:核種変換事業の実現
    • (勧告6)
      国家放射性廃棄物管理計画(PNGDR-MV)3 を放射性廃棄物管理の一般的な枠組みとして盛り込んだ法律の立案を勧告する。
    • (勧告7)
      議会は、必要な資金調達を長期的に保証するため、国の責任の下で放射性廃棄物発生者から分担金を徴収し、廃棄物関連研究の資金を賄う特別基金の設置を決議すべきである。
    • (勧告8)
      放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の任務を、放射性廃棄物管理全体および再処理されていない使用済燃料またはMOX燃料の長期貯蔵にまで拡大することを勧告する。

1991年の放射性廃棄物管理研究法では、これらの研究結果について政府が2006年までに総括評価を行い、可逆性のある地層処分が最善とされた場合には、地層処分場の建設許可等に関する法案を議会に提出することになっている。OPECSTは、政府が作成した総括評価報告書について、議会のために審査を行うことになっている。

なお、今回のOPECSTによる公聴会開催及び報告書の作成、公開については、1991年の放射性廃棄物管理研究法や議会の要請などで求められたものではない。

【出典】

    • フランス上院ウェブサイト、http://www.senat.fr/opecst/rapports.html
    • フランス国民議会ウェブサイト、http://www.assemblee-nat.org/12/dossiers/dechets_radioactifs.asp
    • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)よりの情報

  1. OPECSTは、1983年に設置された、科学的・技術的な選択によって生ずる結果について、議会が決定を行うために必要な情報収集、調査実施、評価を行う機関とされている。 []
  2. バタイユ議員は、1990年にもOPECSTのメンバーとして放射性廃棄物管理についての報告書を作成、議会及び政府に提出している。政府はこの報告書を基に、1991年の放射性廃棄物管理研究法を制定している。 []
  3. フランス国内の放射性廃棄物全般を包括的に管理するものとして2000年から原子力安全当局 (ASN)の監視のもと策定が進められてきた計画(PNGDR)を、再利用可能物(MV)も含める形で拡張し、2005年末までに策定すべきとしているもの。 []

米国のエネルギー長官は、2005年3月16日のニュースリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物の処分場建設が予定されているユッカマウンテン・プロジェクト関係の業務を行っていた内務省管轄の地質調査所(USGS)の職員が、書類の改ざんを行っていた事実が判明したことを明らかにした。この書類は、エネルギー省(DOE)と原子力規制委員会(NRC)の品質保証プログラムの一部として必要とされているもので、水の浸透と気候関係のコンピュータ・モデルに関するものである。このニュースリリースは、エネルギー長官の声明として出されている。

本声明によれば、改ざんの事実は、許認可支援ネットワーク(LSN、詳細はこちら)の準備作業において、USGSの職員が書類を改ざんしたことを示唆する、複数の電子メール(期間は1998年5月から2000年3月)をDOEの管理・操業契約者が発見したことで発覚した。DOEは、この書類およびデータについての科学的調査を開始しており、レビューの過程においてこれまでの作業の一部でも不完全であると判明した場合には、適切な品質保証基準に適合するような分析および書類で補充または置き換えられる予定としている。また、当該個人の行った作業の全てについて、徹底的な調査を実施していることも明らかにされた。

また、本声明では、DOEはUSGSとネバダ州にも通知するとともに、最近4年間に行ってきた品質保証改善が今回と似た状況の再発防止に十分であるかの評価を開始したことが示されている。さらに、プロジェクト関係者に対して品質保証手続の重要性を改めて強調する予定としている。エネルギー長官は、ユッカマウンテン・プロジェクトに関連する作業の一部が改ざんされていた可能性のあることに強い不快感を示すとともに、本件についてDOEの監察官による徹底的な調査を命じている。

本声明の最後には、処分場安全の分析のための確かな科学的基盤と放射性廃棄物の安全な取扱いおよび処分は、政府およびDOEの最優先事項であること、全ての関連する決定は従来も今後も確かな科学に基づくものであること、また、米国にとっての処分場の必要性は変わらないため、今後もネバダ州民の安全確保を大前提として目標達成に向かっていくことが示されている。

【出典】

  • 連邦エネルギー省(DOE)プレスリリース
    (www.energy.gov/engine/content.do?PUBLIC_ID=17629&BT_CODE=PR_PRESSRELEASES&TT_CODE=PRESSRELEASE)

【2005年4月4日追記】

2005年4月1日、連邦議会下院行政改革委員会の連邦組織・職員小委員会委員長はプレスリリースを公表し、対象の電子メールの一部を公表した。電子メールでは、品質保証用に改ざんしたファイルを別に用意する等、改ざん行為を示す記述が見られる。なお、本件については、4月5日に下院の同小委員会、4月7日には上院エネルギー・天然資源委員会でヒアリングが予定されている。

下院連邦組織・職員小委員会委員長プレスリリース(2005年4月1日)

【2005年4月8日追記】

2005年4月6日、エネルギー省民間放射性廃棄物管理局(DOE/OCRWM)は、本件についてのメッセージと作業計画をウェブサイトに一旦掲載したが、その後削除されており、掲載した作業計画が最終決定前のもので時期尚早であった旨のメッセージを掲載している。この作業計画では、監察官(IG)による違法行為調査に加えて、申請関連の情報への影響についての内部調査、プロジェクト管理・品質保証等についての独立調査委員会を設置しての調査について、報告期日も含めた作業計画が示されていた。
また、2005年4月4日の追記で示した下院小委員会でのヒアリングが2005年4月5日に予定どおり実施されたが、今回の追記時点では議事録は公開されていない。なお、4月7日に予定されていた上院委員会でのヒアリングは中止されている。

・エネルギー省民間放射性廃棄物管理局(DOE/OCRWM)ウェブサイト情報(2005年4月6日~7日)(www.ocrwm.doe.gov)

【2005年6月29日追記】

2005年6月6日に開催されたNRCとDOEとの四半期管理会議において、改ざんは、基本的な地下水浸透解析の結果に変更を与えるものではなく、サイト推薦書や準備中の認可申請書の技術的根拠を損なうものではないとのDOEによる予備的調査の結論が示された。

NRC/DOE四半期管理会議(2005年6月6日):DOE発表資料(※約8MBとファイルサイズが大きいのでご注意下さい)