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フィンランド国有の有限責任会社で研究開発機関であるフィンランド技術研究センター(VTT)は、2021617日付のプレスリリースにおいて、VTTが所有する研究炉FiR1の廃止措置に関して、フィンランド政府が許可を発給したことを公表した。廃止措置に伴い発生する低中レベル放射性廃棄物は、ロヴィーサ原子力発電所を所有・運転するフォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)が今後、ロヴィーサで貯蔵・処分する計画である。なお、FiR1の廃止措置に伴って発生する低中レベル放射性廃棄物の総放射能量は5テラベクレル(TBq)以下であり、中間貯蔵用容器へ収納した場合は140トン、100m3程度になると推定されている。

研究炉FiR1は、首都ヘルシンキの西隣のエスポー市にある旧ヘルシンキ工科大学(現在のアールト大学)に置かれ1962年に運転を開始し、1971年にVTTへ移管された。これまで原子力に関する教育訓練や放射線治療などで活用されてきたが、VTT2015年にFiR1の運転を停止し、2017年に政府へ廃止措置に係る許可を申請した。なお、FiR1は、フィンランドで廃止措置される初めての原子力施設となる。

研究炉由来の放射性廃棄物管理について

フィンランドでは原子力法に基づいて、原子力利用に伴い発生する放射性廃棄物については発生者がその管理・費用に対して責任を有することが定められている。VTTは、研究炉FiR1の運転及び廃止措置で発生する放射性廃棄物について、その処分を含めた管理の計画・実施に関する責任を有している。これまでのFiR1の運転で発生した放射性廃棄物は、研究炉の施設内において貯蔵されている。また、VTTは原子力法に基づいて、雇用経済省(TEM)が所管する国家放射性廃棄物管理基金(VYR)に廃棄物管理費用を積み立てている。

VTTは放射性廃棄物処分場を有していないため、国内の原子力発電事業者と交渉を行い、20203月にFPH社と研究炉の廃止措置に係る協力協定を締結した。FPH社は、協力協定に基づき廃止措置に係る計画策定、原子炉の解体、低中レベル放射性廃棄物の貯蔵・処分を実施することとなる。今後FPH社は、それらの放射性廃棄物をロヴィーサ原子力発電所において貯蔵・処分するために必要な許可を取得する予定である。VTTは、2017年に政府へ提出した廃止措置に係る許可申請書において、自社が責任を有する放射性廃棄物について、それらが処分される処分施設が閉鎖されるまで、引き続き管理責任を全うすることを記している。

なお、研究炉で使用していた燃料は米国から供給されたものであり、米国との協定に基づいて20211月に使用済燃料は米国へ返還されており、研究炉に由来する高レベル放射性廃棄物はフィンランドに存在しない。フィンランドでは原子力法により使用済燃料の輸出入は禁止されているが、研究炉の使用済燃料については例外扱いとなっている。

今後の予定

VTTは、廃止措置に向けた準備を既に開始するとともに、並行してFPH社と協力して廃止措置計画書の最終化を進めている。放射性物質を含む構造物の解体を開始するには放射線・原子力安全センター(STUK)の許可を受ける必要があるため、VTT2022年初頭に廃止措置計画書を提出し、審査を受ける計画である。2022年末にはFPH社が解体作業を開始し、解体には約1年を要する見通しである。廃止措置の完了後、原子炉が設置されていた建屋は所有者であるアールト大学に返還されることとなっている。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)は、2021年6月10日までに、DOEのウェブサイトにおいて、2022会計年度1 の「原子力ほか」(第3巻パート2)及び「環境管理」(第5巻)の予算要求に係る詳細資料(以下「DOE予算要求資料」という。)を公表した。2022会計年度の予算要求については、2021年5月28日に、大統領の予算教書が公表されたが、使用済燃料管理等に係るDOEの予算要求資料については、概要資料のみが公表されていた。DOE予算要求資料では、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「高レベル放射性廃棄物」という。)の管理については、予算教書の添付資料で示されていた「統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)プログラム」の38,000千ドル(40億円、1ドル=105円で換算)のほか、「使用済燃料処分等研究開発プログラム」として62,500千ドル(65億6,250万円)が要求されている。

米国における放射性廃棄物管理に関連する予算の構造は、以下のようになっている。なお、表中には、放射性廃棄物処分等に関係が深い独立機関の予算も参考として併せて示している。

 

予算項目

プログラム

サブプログラム
(サブプログラムがない場合は括弧内に概要説明)

2022会計年度要求額(単位:千ドル)

財源

DOE

原子力(Nuclear Energy)

燃料サイクルR&D
(Fuel Cycle Research and Development)

使用済燃料処分等研究開発(Used Nuclear Fuel Disposition R&D)

62,500

一般

統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)
(Integrated Waste Management System)

38,000

放射性廃棄物処分
(Nuclear Waste Disposal)

放射性廃棄物基金(NWF)監督(Nuclear Waste Fund Oversight)

(NWFの監督、ユッカマウンテンサイトの維持・管理)

7,500

NWF

エネルギー先端研究計画局(ARPA-E)
(Advanced Research Projects Agency – Energy)

ARPA-Eプロジェクト

(廃棄物減少技術を含め、新たに15のFOA)

(FOA全体で500,000)

一般

国防環境クリーンアップ
(Defense Environmental Cleanup)

廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)

WIPP操業ほか
(換気システム等の設備更新を含む)

437,230

独立機関

原子力規制委員会(NRC)

高レベル放射性廃棄物処分

(高レベル放射性廃棄物処分場の許認可審査)

0

NWF

放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)

活動費

(DOE研究開発活動の評価等)

3,800

NWF

FOA:資金提供公募(Funding Opportunity Announcement)

■DOEの放射性廃棄物処分関連予算の全体概要

DOEの高レベル放射性廃棄物処分関連の予算については、DOE予算要求資料「原子力ほか」(第3巻パート2)の原子力(Nuclear Energy)の予算項目でのDOE原子力局(NE)の予算として、燃料サイクル研究開発(R&D)プログラムの下で、「使用済燃料処分等研究開発プログラム」及び「統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)プログラム」の予算が要求されている。また、放射性廃棄物処分(Nuclear Waste Disposal)の予算項目の中で、放射性廃棄物基金(NWF)の監督やユッカマウンテンサイトの維持・管理を行う放射性廃棄物基金監督プログラムの予算がNWFを財源として計上されている。その他、2022会計年度には、新たにエネルギー先端研究計画局(ARPA-E)における資金提供公募(FOA)のテーマの1つとして、「高レベル放射性廃棄物を飛躍的に減少させる技術」が示されている。さらに、TRU廃棄物処分関連の予算については、DOE予算要求資料「環境管理」(第5巻)の国防環境クリーンアップの予算項目として、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の予算が計上されている。

■原子力/燃料サイクル研究開発(R&D)プログラムの予算

DOE予算要求資料「原子力ほか」(第3巻パート2)でのDOEの燃料サイクル研究開発(R&D)プログラムのうち、使用済燃料処分等研究開発プログラムでは、処分方策に中立な放射性廃棄物管理プログラムの開発や高レベル放射性廃棄物のインベントリを勘案したオプションを開発することに主な焦点を当てるものとして、前年度の歳出予算額と同額の62,500千ドル(65億6,250万円)の予算が示されている。今回のDOE予算要求資料で、処分の研究開発では、引き続き3つの母岩(粘土質岩、岩塩及び結晶質岩)における処分システムの長期的性能の理解を深めることを目的としている。具体的に、使用済燃料処分等研究開発プログラムにおいて2022会計年度に実施する活動のうち、直接的に処分に関連する事項としては以下が示されている。

  • 新しい事故耐性燃料(accident tolerant fuels)の貯蔵・輸送・処分性能特性の試験、評価
  • 様々な地層で実施されている研究開発を活用するための国際的パートナーとの協力を含め、様々な廃棄物及び使用済燃料の廃棄体の処分オプション探求に関連した、高優先度の研究開発活動の継続
  • キャニスタの再パッケージの必要性を解消することができるよう、輸送・貯蔵兼用キャニスタの直接処分での技術的フィージビリティを評価
  • 廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)における原位置試験プロジェクトを含め、岩塩における発熱性廃棄物の処分に係る科学的・工学的技術基盤の継続

また、使用済燃料処分等研究開発プログラムにおいては、原子力規制委員会(NRC)や産業界と協力して、高燃焼度燃料の貯蔵に係るフルスケールでのキャスク実証試験、及び高燃焼度燃料の輸送・貯蔵に係る研究開発活動等を継続することも示されている。

「統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)プログラム」については、前政権の2021会計年度の予算でDOEは廃止を提案したが、2020年12月27日に成立した2021会計年度包括歳出法(H.R.133、Public Law No.116-260として成立)ではIWMSプログラムの予算が計上されていた。なお、2021会計年度については、前政権が新設を要求した「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督」プログラムにおいて、中間貯蔵及び輸送計画に関する活動に係る予算が計上されていたが、2022会計年度の予算要求では、中間貯蔵等の活動予算はIWMSプログラムに移管されている。今回のDOE予算要求資料では、IWMSプログラムの予算として38,000千ドル(39億9,000万円)が要求されており、うち少なくとも20,000千ドル(21億円)は、商業用使用済燃料の短期的な貯蔵への要求に対応するため、同意に基づく中間貯蔵プログラムの開発・実施をサポートする予算とされている。2021会計年度包括歳出法では、IWMSプログラムの予算は18,000千ドル(18億9,000万円)であったが、「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督」プログラムの中で20,000千ドル(21億円)が中間貯蔵プログラムの予算として割り当てられていた。

今回のDOE予算要求資料では、IWMSプログラムは、包括的な使用済燃料管理システムの一部として、同意に基づく中間貯蔵プログラムの開発・実施の取組みをサポートするとともに、貯蔵や輸送等に係る活動を行うものであり、高レベル放射性廃棄物が現在貯蔵されている地域や政府、関係者との協働も含まれるとの考え方が示されている。また、潜在的な立地自治体(potential host communities)との協働による同意に基づくサイト選定アプローチに係る具体的な活動としては、以下が示されている。

  • 連邦中間貯蔵施設の同意に基づくサイト選定プロセス実施のために考慮すべき要因に焦点を当てて情報要求(Request for Information)を発出
  • 連邦・州・地方の議員、組織、担当官、コミュニティ及び先住民族を含むステークホルダーからのフィードバックを要請
  • 前回の同意に基づくサイト選定イニシアチブに参画していたステークホルダーと接触し、立場の変化の確認とともに追加的な考慮事項を議論する機会を提供
  • 社会的公正と環境正義(environmental justice、環境に係る利益と負担の不公平な配分の是正)を織り込んだ廃棄物管理システムの構築
  • 連邦と民間の中間貯蔵施設アプローチの費用便益評価
  • 予備的設計概念の開発
  • 様々な設計・立地における規制に関する環境の考慮事項の分析
  • オプション解析と輸送計画への情報として、対象の放射性廃棄物インベントリの量及び詳細情報の収集に係る重要データの更新と分析
  • 大規模輸送のためのシステム能力とインフラのニーズを確立するための取組みを継続

IWMSプログラムにおける2022会計年度の実施事項としては、これらの同意に基づくサイト選定アプローチに係る活動に加えて、先進技術を踏まえた貯蔵アプローチ・解決策の開発継続、施設許認可や操業計画を支援するコンピュータ解析ツールの開発継続のほか、輸送に係るものとして、輸送インフラの評価や鉄道輸送車両の試験・実証の継続、鉄道輸送のセキュリティ・安全監視システム開発の着手などが挙げられている。

■放射性廃棄物処分/放射性廃棄物基金(NWF)監督プログラムの予算

DOE予算要求資料「原子力ほか」(第3巻パート2)では、放射性廃棄物基金からの支出で賄うものとされる「放射性廃棄物基金(NWF)監督」プログラムについては、2022会計年度の実施活動として、以下が示されている。

  • 放射性廃棄物基金(NWF)の投資ポートフォリオに係る適切な投資戦略の実施と慎重な管理
  • 標準契約2 の管理
  • ユッカマウンテンサイトについて、DOE令(DOE Order 473.3A)に基づく物理的セキュリティ要件、メンテナンスや環境要件の維持
  • 連携連邦スタッフ等のサポート

■国防環境クリーンアップ/廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の予算

米国で超ウラン元素を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場として操業中の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)については、DOE予算要求資料「環境管理」(第5巻)において、2022会計年度の実施項目として、メンテナンスや鉱山活動を含む処分活動の継続のほか、換気システムや新たな立坑の建設、代替処分パネル建設に向けた規制対応、環境保護庁(EPA)の適合性再認定やニューメキシコ州環境省(NMED)への対応なども挙げられている。WIPPに係る予算要求額が、2021会計年度歳出予算から17,164千ドル(約18億円)増額の430,424千ドル(約451億円)となっている理由としては、各廃棄物発生サイトからの輸送費用の増加のほか、インフラ再整備プロジェクトの継続や鉱山の近代化が挙げられている。DOE予算要求資料では、WIPPにおけるインフラや機器の一部は設計寿命を超えて使用されるなど劣化等が進んでおり、大掛かりな補修・交換による鉱山内施設の近代化が必要なことが示されている。

【出典】

 

【2021年7月2日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2021年7月1日に、2022会計年度の予算要求に係る詳細資料(以下「NRC予算要求資料」という。)を公表した。2022会計年度の予算要求については、2021年5月28日に大統領の予算教書が公表され、さらに、2021年6月10日までにエネルギー省(DOE)の予算要求詳細資料が公表されていたが、NRCの予算要求については予算教書の添付資料で概要が示されるのみとなっていた。今回公表されたNRC予算要求資料では、使用済燃料のためのユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査活動及び高レベル放射性廃棄物のためのその他の予算は要求されていないことが、予算の概要及び「核物質・廃棄物安全」の予算項目で明示された。

NRC予算要求資料の「核物質・廃棄物安全」の予算項目においては、放射性廃棄物処分及び貯蔵に関連する活動のための予算が示されている。このうち、使用済燃料の貯蔵に関する活動項目では、民間で計画している2カ所の集中中間貯蔵施設に対する安全性・セキュリティ・環境の審査について、裁判形式の裁決手続を含むものとして、約40万ドル(約4,200万円、1ドル=105円で換算)、常勤換算人員数では1.0の予算が要求されている。集中中間貯蔵施設に係る予算については、許認可申請書の審査が完了することにより、2021会計年度よりも減少することが示されている。なお、2021会計年度のNRC予算要求資料では、集中中間貯蔵施設の許認可審査に係る予算要求額は約4百万ドル(約4,000万円)、常勤換算人員数では12となっていた。

2014~2022会計年度のNRC予算
(NRC予算要求資料から引用)

また、NRC予算要求資料によれば、2022会計年度のNRC全体の予算要求額は約887.7百万ドル(約932億円)、常勤換算人員数では2,879となっている。これは、2014会計年度と比較すると、予算額で約16%、常勤換算人員数では約24%の減少となる。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2022会計年度の予算は2021年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  2. DOEは、1982年放射性廃棄物政策法により、使用済燃料処分のための「標準契約」を原子力発電事業者と締結することが必要とされている。標準契約では、原子力発電事業者による拠出金の支払義務、DOEによる使用済燃料引取り義務等が定められている。 []

米国で2021年5月28日に、2022会計年度1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表された。2022会計年度の予算要求については、2021年4月9日に、裁量的予算(discretionary funding)に関する概算要求が示されていたが、詳細な予算教書の提出は遅れていた。

今回の大統領の予算教書は、2021年1月に誕生した民主党のバイデン政権による初めての予算教書となるが、共和党のトランプ政権や民主党のオバマ政権とは異なり、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「高レベル放射性廃棄物」という。)の管理・処分については、重要方針の中で言及されていない。

ただし、予算教書の添付資料では、放射性廃棄物基金からの支出で賄われる予算として、高レベル放射性廃棄物処分(Nuclear Waste Disposal)の項目において、「放射性廃棄物基金監督(Nuclear Waste Fund Oversight)」プログラムとして7,500千ドル(約7億9,000万円)が要求されている。同プログラムでは、ユッカマウンテンサイトの維持や環境要件、セキュリティ関連の活動などユッカマウンテンサイトの安全性確保、並びに、1982年放射性廃棄物政策法で規定された管理義務を含め、放射性廃棄物基金の監督を継続することが示されている。なお、トランプ政権の2021会計年度の予算要求では、高レベル放射性廃棄物処分の項目において「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督(Interim Storage and Nuclear Waste Fund Oversight)」プログラムの予算として27,500千ドル(約28億8,750万円)が要求され、2020年12月27日に成立した2021会計年度包括歳出法(H.R.133、Public Law No.116-260として成立)でも同額が承認されていた。

エネルギー省(DOE)の予算概要資料では、ユッカマウンテン計画の再開に関する予算は要求されておらず、使用済燃料中間貯蔵の同意に基づくサイト選定について、基盤作りに向けた活動を行う方針が示されている。

高レベル放射性廃棄物の管理・処分に係る予算については、DOEの予算要求に係る詳細資料が公表されていないために詳細は不明であるが、DOEの予算概要資料では、「燃料サイクル研究開発プログラム」の一部として、38百万ドル(約40億円)を「統合廃棄物管理システム(IWMS)」サブプログラムに計上することが示されている。燃料サイクル研究開発プログラムの下では、民間使用済燃料の中間貯蔵オプションを確立するための取組を含め、高レベル放射性廃棄物の管理・処分の進展を促進し得る先進燃料サイクル技術の研究開発の実施、並びに、使用済燃料の中間貯蔵に係る同意に基づくサイト選定を効果的に、環境公正的に実施するための基盤作りに必要な活動の計画や策定のための予算も含まれていることが、DOEの予算概要資料で示されている。2

なお、高レベル放射性廃棄物管理に関する研究開発については、DOEのエネルギー先端研究計画局(ARPA-E)における2022会計年度の資金提供公募(FOA)の新規テーマの1つとして、「高レベル放射性廃棄物を飛躍的に減少させる技術」が示されている。DOEの予算概要資料では、安全性及びセキュリティの面で放射性廃棄物に内在するリスクを排除する新しい技術・プロセスを通じて、放射性廃棄物処分の喫緊の必要性に応えることが重要な要素であるとの考え方を示している。

DOEのその他の放射性廃棄物処分関連の予算では、ニューメキシコ州で操業中の軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、437,230千ドル(約459億920万円)が要求されている。2021会計年度歳出予算から約17百万ドルの増額となっている理由として、インフラ再整備プロジェクトの継続や鉱山活動の近代化、各廃棄物発生サイトからの輸送費用の増加が挙げられている。

一方、原子力規制委員会(NRC)の予算要求についても、詳細な予算要求資料は未だ公表されていないが、2022会計年度の予算教書の添付資料によれば、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査活動のために放射性廃棄物基金から支出される予算は要求されていない。

また、放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)については、2021会計年度歳出予算から微増の3,800千ドル(3億9,900万円)の予算が要求されている。NWTRBの予算要求資料では、DOE研究開発活動の評価、客観的な技術的・科学的情報の構築や連邦議会及びエネルギー長官への報告など、2021~2022会計年度の戦略目標や達成目標も示されている。なお、NWTRBは、1987年放射性廃棄物政策修正法に基づいて、エネルギー長官が行った高レベル放射性廃棄物処分に係る活動の技術的及び科学的有効性を評価するため、行政府に設置された独立の評価機関である。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2022会計年度の予算は2021年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  2. 中間貯蔵の同意に基づくサイト選定のための活動がIWMSで、先進燃料サイクル技術の研究開発が使用済燃料処分等研究開発(UNFD研究開発)プログラムと思われるが、UNFD研究開発プログラムの予算金額を含め、詳細は示されておらず、不明である。 []

フィンランドでオルキルオト原子力発電所を運転するテオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)は、2021年5月14日付のプレスリリースにおいて、TVO社がエウラヨキ自治体にある同発電所エリアで計画している極低レベル放射性廃棄物の地表埋立て処分に関する環境影響評価(EIA)報告書を雇用経済省(TEM)に提出したことを公表した。TVO社は、オルキルオト原子力発電所の保守・点検作業等で発生した防護服やプラスチック製養生シート等の放射能レベルが極めて低い放射性廃棄物について、今後、地表埋立て処分を行う計画である。

TVO社による極低レベル放射性廃棄物処分計画の概要

オルキルオト原子力発電所では、原子炉2基がそれぞれ1978年と1980年に運転を開始しているほか、欧州加圧水型炉(EPR)である3号機が2022年に運転を開始する予定である。TVO社は、原子炉の運転に伴って発生する低中レベル放射性廃棄物を、同発電所サイト内の地下60~100mの岩盤空洞中に建設された処分場(サイロ型の地下空洞処分場)において、1992年から処分している。所定のクリアランスレベルを満足する廃棄物は、発電所に隣接する自社敷地内の埋立て地で産業廃棄物として処分している。しかし、放射能レベルが極めて低いがクリアランスできない廃棄物については、低レベル放射性廃棄物として地下空洞処分場で処分していた。

フィンランドでは原子力令の2015年改正により、「極低レベル放射性廃棄物」(1kgあたりの放射能量が10万Bq未満)が定義され、これに該当する廃棄物は地表での埋立て処分が可能となった。TVO社は、今後発生する廃棄物については極低レベル放射性廃棄物を分別し、それらを地表埋立て処分することにより、既存の地下空洞処分場の処分容量を有効に活用したい考えである。

TVO社が検討している地表埋立て処分場の概念は、地表地盤上にシーリング層を構築し、その上に廃棄物パッケージを積み上げた後、雨水の浸入を防止する上部シーリング層を施工して覆土するものである。地表埋立て処分場の大きさは80m×110mを予定されている。廃棄物パッケージの処分は5~10年毎のキャンペーン方式で実施され、2090年代まで続く見通しである。地表埋立て処分場の底部に設置された排水/集水システムにより、浸出水の水質をモニタリングする。最終的に処分される極低レベル放射性廃棄物の総放射能量は1TBq未満である。

環境影響評価手続きの流れと予定

TVO社は、今回の環境影響評価(EIA)報告書の提出に先立ち、2020年8月に雇用経済省に極低レベル放射性廃棄物の地表埋立て処分事業に関するEIA計画書を提出していた 。TVO社はEIA計画書に対する公衆の意見や監督官庁の意見書を踏まえて、地表埋立て処分による環境影響の評価を実施し、EIA報告書を取りまとめている。当初、EIA計画書で示された地表埋立て処分の説明では、クリアランスされた廃棄物用の埋立て地(既存)を転用する案が残されていたが、EIA報告書ではその案が削除されている。

雇用経済省(TEM)は、TVO社から提出を受けたEIA報告書について、2021年6月1日から7月31日にかけて公衆などからの意見募集を行うほか、2021年6月17日に公衆向けのオンラインセミナーを開催する予定である。

なお、TVO社はEIA報告書において、地表埋立て処分場は重大な原子力施設には該当しないため、原子力法に基づく政府による原則決定、建設・操業許可の申請手続きは不要であるものの、極低レベル放射性廃棄物の地表埋立て処分を実施するためには、原子力法に基づき放射線・原子力安全センター(STUK)が発給する許可が必要となると説明している。TVO社は、極低レベル放射性廃棄物の処分を2023~2024年頃に開始する予定である。

<参考>環境影響評価(EIA)

フィンランドでは環境に重大な影響が生じる可能性がある事業について、市民を含む利害関係者が情報を事前に入手し、計画策定や意思決定に参加する機会を増やすことを目的として、環境影響評価制度が設けられている。

EIAは、①EIA計画書の作成段階と、②EIAを実施して報告書にまとめる段階から構成されている。事業者がEIA計画書を監督官庁(原子力施設の場合は雇用経済省)に提出し、監督官庁が対象地域住民を含めた利害関係者に意見を求め、寄せられた意見を踏まえて、監督官庁は、必要に応じて計画書に変更を指示することとなっている。

また、EIA報告書が提出された後に雇用経済省は、原子力法の規定に基づき、地元自治体で公聴会を開催するとともに、公告を通じた意見募集で寄せられた意見を踏まえ、実施されたEIAの適切さについての判断を意見書として取りまとめることとなっている。

環境影響評価(EIA)手続きの概要

環境影響評価(EIA)手続きの概要

【出典】

 

使用済燃料の処分概念(出典:Posiva Oy)

使用済燃料の処分概念(出典:Posiva Oy)

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2021年5月7日付けプレスリリースにおいて、2016年12月に開始した使用済燃料処分場の建設状況に関して、地下約450メートルにおいて最初の処分坑道5本の掘削工事を開始したことを公表した。処分坑道は、高さ4.5m、幅3.5m、最長350mであり、1本の処分坑道に使用済燃料を収納したキャニスタ約30体(使用済燃料約65トンに相当)を定置することができる。ポシヴァ社は、処分坑道5本の掘削に約18ヶ月を要すると見込んでいる1

使用済燃料処分場のイメージ図(出典:Posiva Oy)

使用済燃料処分場のイメージ図(出典:Posiva Oy)

使用済燃料処分場は、フィンランド南西部のエウラヨキ自治体オルキルオト島に位置しており、地上のキャニスタ封入施設と地下400~450mに設置される最終処分場で構成される。今回の処分坑道の掘削開始にあたってポシヴァ社は、安全規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)による事前確認を受けており、STUKは掘削作業を開始するための規定された前提条件が満たされていることを確認している。ポシヴァ社が実際に使用済燃料を処分するには、別途、政府による処分場の操業許可を取得する必要がある。

 

EKAプロジェクト

ポシヴァ社は使用済料処分場の操業開始を2020年代半ばに予定しており、これに向けてEKAプロジェクトと呼ばれるプロジェクトを2019年に開始している。EKAプロジェクトの作業項目には、地上のキャニスタ封入施設の建設、地下の処分施設への最終処分用システムの設置、最終処分方法や施設とそのシステムに必要な許可の取得、処分場整備に必要なサプライチェーンの準備などが含まれており、プロジェクト費用は約5億ユーロ(約620億円、1ユーロ=124円で換算)と見積もられている。また、EKAプロジェクトの雇用効果としては、最大約500人が雇用され、エウラヨキ自治体を含むサタクンタ地域において約2,500人年の雇用が生まれると推定されている。プレスリリースによれば、現在、地下の処分施設エリアでは約数十社の下請け業者が参加して300人が働いている。

【出典】


  1. ポシヴァ社は、使用済燃料を最大6,500トンの受け入れに対応可能な処分場を計画しており、処分場の操業期間100年間にわたって処分坑道を100本掘削する予定であり、処分坑道の総延長は約35kmになる。 []

米国の放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)は2021年4月30日に、「米国の放射性廃棄物管理プログラムを進めるための6つの包括的な勧告」と題する報告書(以下「NWTRB報告書」という。)を公表した。今回のNWTRB報告書の目的は高いレベルでの提言をエネルギー省(DOE)に示すものであり、もし採用された場合、NWTRBは、地層処分を成功に導くための基礎を築くことを含め、米国における頑健で(robust)、安全、実効的な放射性廃棄物管理能力の形成をサポートすることを確信すると考えていると表明している。NWTRBは、1987年放射性廃棄物政策修正法に基づいて、エネルギー長官が行った高レベル放射性廃棄物処分に係る活動の技術的及び科学的有効性を評価するため、行政府に設置された独立の評価機関であり、今回のNWTRB報告書も連邦議会及びエネルギー長官に宛てられたものである。

NWTRB報告書の表紙

NWTRB報告書「米国の放射性廃棄物管理プログラムを進めるための6つの包括的な勧告」

NWTRB報告書の第1章から第3章では、報告書の目的・範囲、課題の規模、地層処分を巡るこれまでの取組、米国の使用済燃料管理プログラムにおける制約を示したうえで、第4章でNWTRBからの6つの包括的な勧告が示されている。

課題の規模(1.2節)については、軍事起源のDOE管理の高レベル放射性廃棄物のほか、将来的に13万トン以上まで増加が見込まれる民間からの使用済燃料など、米国における高レベル放射性廃棄物のインベントリが示され、ゼロカーボン電源である原子力発電の将来のためにも、地層処分の実現に向けた動きが急務との認識が示されている。また、地層処分の課題(第2章)については、地層処分は評価の時間枠が100万年に及ぶなど、他に類を見ない長期を対象とするため、処分場の性能評価にも不確実性が伴い、特に、将来の地質、環境、人間活動の変化が起こり得る中で、科学的・技術的課題は大きいことが指摘されている。このような科学的・技術的課題の克服は、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書で立証されたように可能ではあるが、純粋に技術的な問題に加え、社会的、政治的な問題も大きな課題としてあることが指摘されている。

米国における高レベル放射性廃棄物管理プログラムにおける制約(第3章)については、廃棄物管理プログラムの推進のための国家的な計画の欠如に加え、組織的な複雑さが課題として挙げられている。米国では、原子力発電及び使用済燃料貯蔵は民間事業者の責任であるが、使用済燃料の輸送と処分は連邦政府であるDOEの責任とされている。前段の原子力発電の運転段階や貯蔵に係る活動は輸送や処分に影響することから、このような組織の複雑性は、放射性廃棄物管理システムに影響することが指摘されている。

NWTRB報告書では、処分事業が進んでいる国のプログラムを見ることで示唆が得られるとの認識が示されており、その勧告の多くは、他国や米国の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での進展事例の調査結果から得られたものであることが示されている。具体的には、処分場建設に向けて進んでいる国のプログラムには、以下の特性があると指摘している(「第4章 勧告」のBox 4-1)。

  • 独立の外部審査(external review)で得られる強固な科学・技術基盤
  • 新たな知見や公衆の意見に照らして適応・変更への意欲
  • 透明性・公開性を大きく強調
  • 安全性の立証、安全文化の構築、短期・長期安全や操業能力に対する公衆の信認の獲得を最重点化
  • 同意に基づく処分場サイトの選定プロセス(または、少なくとも公衆の関与)
  • サイトのスクリーニングに使用される明確なサイト適合性基準(site-suitability criteria)
  • 処分場候補サイトと同様の母岩における地下研究所での長期的研究プログラム

NWTRB報告書の第4章では、このような他国におけるプログラムとの交流や、過去のDOE向けの報告書などから、放射性廃棄物管理プログラムの構築をサポートするために現在実施可能なものとして、以下に示すような6つの包括的な勧告がまとめられている。

  1. 統合的な組織のアプローチを確保
    • DOE担当部局、国立研究所、及び契約者の間のより広い情報共有を促進
    • 協力の最適化、重複の最小化、効果の最大化のため、DOEの環境管理局(EM)、原子力局(NE)、その他の部局で実施されている研究開発プログラムの更なる統合強化
    • 原子力産業の事業者、キャスク製造会社、燃料製造者等と、より効果的な放射性廃棄物管理プログラムの開発・実施のための協働を模索
    • 放射性廃棄物管理に関わる様々な主体のコミュニケーションや関与の改善を促進するため、DOE主導の会議やワークショップを通じた革新的情報の共有方法の模索
  2. 必要なインフラと人的ニーズの予測
    • 今後10年にわたる物理的なインフラ、情報技術、及び人的ニーズに係る統合的計画の開発及び情報交換
    • 施設の老朽化(aging)の影響を想定する研究プログラムやインフラの継続的支援の形成・実施
    • バックエンド燃料サイクルに関連したプロセスやシステムの解析・シミュレーションのため、DOEの先端的・高性能なコンピュータ資源を活用する能力の構築・維持
    • 現在及び可能な範囲で過去の関連研究開発プログラムの情報を、長期間、オープンかつ効率的に取り出せるデータ管理システムのインフラ構築と実施
    • 技術訓練プログラム、より効果的な学部生奨学金・特別研究員・ポスドク研究員、地下研究所でのインターンシップ設立などを通して新しい世代に指導体制を拡張し、人員の高齢化に対応
  3. 仮説検証(Hypothesis Testing)も包含するよう研究パラダイムを拡張
    • 研究開発プログラムでの予期しない結果の可能性を想定し、すべての研究プログラムが方向性や焦点の変更の可能性に対応できるよう十分な準備を確保
    • 研究室から地下研究所での実規模原位置試験まで、複数のスケールでの実験的設計を活用して代替仮説を検証
    • 重要プロセスを捉えている既存モデルの能力を検証し、システム特性の推定を改善する新たな概念モデルの必要性を評価するため、新たな計測を継続してデータベースを構築する
    • 性能評価におけるモデルの有用性強化のため、既存及び新たな仮説の反復的な検証結果を活用
    • 地下プロセスの原位置調査やモデルの検証、さらには、国際共同作業を行うための研究者や学生に必要な機会を提供する、国内の地下研究所を1箇所以上設置する
  4. 放射性廃棄物管理プログラムの開発・管理に反復的で適応性のあるアプローチを適用
    • 放射性廃棄物管理プログラムの個々の構成要素の試験と、廃棄物管理システム全体の統合モデルの試験を、試験から得られた知見に基づいてそれぞれのアプローチを適応させることを念頭に、反復的に実施
    • 放射性廃棄物管理プログラムのあらゆる側面で予期しない事実に対応できるように構造化し、門戸を開き、常に以前の決定の再評価・再考への意欲
    • 放射性廃棄物管理プログラムの外部の独立の科学者・技術者、州・地方政府等、原子力発電事業者、関心を持つ公衆など、すべての影響を受けるステークホルダーからの意見やフィードバックを促し、奨励するためのメカニズムを進行中の評価の一部として確立
  5. 教訓を活かすための国際的コミュニティとの関与(engagement)を拡張
    • 世界的で重大な環境課題の中で、科学・技術の世界的協力の必要性を認識し、国際的コミュニティとの関与を拡張するため、現在のイニシアチブを強化・継続
    • 緊密な関係で得られる明確な有益性に鑑み、国際的プログラムへの積極的な関与を維持
    • 共同国際地下研究所活動への参加を継続・拡張。仮にDOEが米国内で地下研究所を開発した場合は、国際参加を奨励
    • 処分場開発の実証/建設承認段階の知見強化のため、これらの段階にある国との関与を強化
  6. 公開性、透明性及び関与を重視
    • 放射性廃棄物管理プログラムのあらゆる側面の計画・審査の早い段階で、公衆や他のステークホルダーに対する情報提供と関与
    • 意思決定の透明性とステークホルダーの有意義な参加へのサポートを提供
    • コミュニケーションの改善、自治体の視点のより良い理解、プログラムの無用な遅延回避のため、公衆への情報提供と公聴についての他国で得られた教訓を考慮
    • 許認可の要件ではないが、DOEは、廃棄物管理概念や多重バリアその他の安全性に寄与する特性に関する施設の明確な特性を、プロセスの早い段階で構築し、公表すべき。新たな情報・知見が得られた場合には、安全性概念は改定されることを明確に認め、伝達、確約することも必要
    • 曖昧さや解釈の幅を最小化するため、サイト選定の開始前にサイト適合性基準を開発し、プロセスの客観性と結果への公衆の信頼の確保を支援。サイト選定プロセスの途中で基準変更が必要な場合は、透明で有意義な参加プロセスが必要
    • 米国内で地下研究所が開発される場合、研究機能に加え、地下へのアクセス、安全概念や操業能力の背後にある科学・技術への信頼と信頼構築のために、広報や公衆との関与のために活用されるべき

なお、NWTRB報告書とは別の動きとして、米国原子力学会(ANS)、廃止措置プラント連合(DPC)、エネルギー自治体連合(ECA)、全米公益事業規制委員協会(NARUC)、原子力エネルギー協会(NEI)、放射性廃棄物戦略連合(NWSC)らが、2021年5月3日に、エネルギー長官宛の書簡を送付している。本書簡では、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物に係る活動の中心となり、外部のステークホルダーとの関与、有意義な活動を行うものとして、エネルギー長官直属の専門機関を早急に設置することなどを要求している。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)のカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2021年4月8日付けのニュース記事において、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、2つの代替処分パネルの建設などに係る補足分析(SA:Supplement Analysis、以下「補足分析」という。)を完了したことを公表した。補足分析は、1969年国家環境政策法(NEPA)の要件を満たすためのものであり、代替処分パネルの建設によっても環境への影響に重大な変化が生じることはなく、現行の環境影響評価書(EIS)は引き続き有効であるとのDOEの判断が示されている。WIPPでは、2014年2月の放射線事象によって、処分エリアの一部のエリアが汚染されたことなどから、代替処分パネルの建設が提案されたものである。

新たに建設される代替処分パネルは、WIPPの既存の処分パネルと同様の方式で掘削され、処分パネル内に設置される処分室も既存と変わらない設計となっている。WIPPの各々の処分パネルには、長さが約300ft(約91m)、幅が33ft(約10m)、高さが13ft(約4m)の処分室が7つ設けられている。代替処分パネル(第11パネル及び第12パネル)は、以下の配置図に示されるように、既存の処分パネルとは離れた位置に建設される計画となっている。

代替処分パネル(第11パネル及び第12パネル)の提案配置図

WIPPにおけるTRU廃棄物の処分容量は、1992年WIPP土地収用法において620万ft3(約17.6万m3)と規定されている。建設される第11パネル及び第12パネルは、未使用の処分パネルの代替として建設されるものであり、WIPPの処分容量は変更されない。WIPPの既存の処分エリアでは、第1パネル~第8パネルのアクセス坑道として使用されていた部分について、第9パネル(相当)及び第10パネル(相当)として廃棄物が定置される予定となっていたが、2014年2月の放射線事象による一部エリアの汚染、及び岩盤管理状態の悪化による作業安全上の問題から、未使用のまま閉鎖されることとなった1

既存処分エリアの未使用処分スペース

補足分析によれば、第11パネル及び第12パネルの掘削にはニューメキシコ州環境省(NMED)の事前の承認が必要とされている。DOEは、2023年夏にNMEDの承認を得ることにより、第8パネルでの操業終了時に代替処分パネルでの定置が可能になるように計画している。なお、これら代替処分パネルへのアクセス坑道の掘削については、2021年夏にも開始される可能性があると指摘している。また、DOEのニュースリリースによると、WIPPでの将来的な開発については、2021年の後半に開始する予定のパブリックミーティングで議論することとなっている。

【出典】


  1. 第9パネルに相当するエリアは、2016年に閉鎖の方針が決定され 、未使用のまま閉鎖された []

韓国で2016年に策定された「高レベル放射性廃棄物管理基本計画」(以下「基本計画」という)の見直しのために産業通商資源部(MOTIE)が設置した「使用済燃料管理政策再検討委員会」(以下「再検討委員会」という)は、2019年5月から進めてきた使用済燃料の管理政策の見直しに関する検討を踏まえ、2021年3月18日に、政府に対する勧告を公表した。再検討委員会は今後、勧告を政府に伝達した上で、活動を終了することとなっている。

再検討委員会は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の漸進的な脱原子力政策に沿った場合の使用済燃料の発生量予測の変化などを踏まえて、使用済燃料の最終処分と中間貯蔵、管理施設のサイト選定手続き等の課題について、専門家検討グループや市民参加団を設置するなどして検討を進めてきた。再検討委員会による政府への勧告は、以下のように8項目にわたっている。

  1. 使用済燃料の管理の原則
    • 今後の「第2次高レベル放射性廃棄物管理基本計画」(以下「第2次基本計画」という)1 の策定に当たって、「原子力発電所の持続可能な発展」という記述を残すか否かを、さらにコミュニケーションを実施した上で検討すべきである。
    • 使用済燃料管理の原則に「意思決定の可逆性」と「回収可能性」に関する原則を追加すべきである。
  2. 使用済燃料政策決定システム
    • 使用済燃料管理政策の決定過程について、具体的な国民参加の原則と手続きなどを含む制度案を策定すべきである。
    • 使用済燃料管理政策を担当する独立行政委員会の新設を優先的に考慮すべきである2
  3. 最終処分施設や中間貯蔵施設の確保
    • 新たに策定する第2次基本計画では、同一サイトに最終処分施設と中間貯蔵施設の両方を建設する政策を優先すべきである。ただし、最終処分施設のサイト確保の不確実性を理由に別のサイトに中間貯蔵施設を確保しようという意見や、リスク分散の観点から分散型の中間貯蔵施設を確保しようという意見にも配慮すべきである。
    • 地層処分技術の安全性と現時点での実現可能性や、基本計画に示されたサイト選定期間(12年間)の適切性に関しては、様々な意見があることを考慮した上で、地層処分の安全性を中心とした技術開発と、サイト選定に関連した地域の受容性の向上のため、具体的な推進策を策定すべきである。
  4. 管理施設のサイト選定の手順
    • 第2次基本計画の策定の過程において、科学技術的妥当性と国民・住民の受容性の両方を確保できるサイト選定の原則と手続きを提示すべきである。
    • 専門家検討グループが設置に合意したサイト選定委員会の構成や運営、サイト選定手続の法制化等について、具体的な方策を策定すべきである。
    • 住民の合意と科学技術的な評価等に基づいて、受容性の高いサイト選定手続きを策定すべきである。
  5. 管理施設の立地地域の支援原則と方法
    • 第2次基本計画策定の過程において、地域コミュニティを対象に支援するという原則に基づいて、住民が共感でき、地域社会全体に利益が均等に行き渡る合理的な支援策を策定すべきである。
    • 支援の原則と範囲について法制化し、これらの法令には、住民からの意見収集の方法を含めるべきである。
    • 具体的な支援対象範囲を定めるに当たっては、管理施設との距離を考慮して、専門家、住民などと積極的にコミュニケーションすべきである。
  6. 使用済燃料の一時貯蔵施設の拡充
    • 月城(ウォルソン)原子力発電所の使用済燃料の一時貯蔵施設の増設については、原子力安全委員会の許認可等の法的手続きが行われており、地域の意見収集の結果、市民参加団の81.4%が増設に賛成した3 。政府は適切な時期に、安全性を確保しつつ月城原子力発電所の使用済燃料の一時貯蔵施設を増設すべきである。
    • 政府と原子力発電事業者は、法令上公開可能な情報を最大限に公開して透明性を高めて、積極的な説明とコミュニケーション活動を展開して、原子力発電所と一時貯蔵施設の安全性に対する国民の信頼を獲得できるように努力すべきである。
    • 第2次基本計画の策定過程において、使用済燃料の一時貯蔵施設の定義と建設のための手続きに関する法的、制度的な整備案を策定すべきである。
    • 使用済燃料の一時貯蔵施設の設置に関する地域支援と補償システムを精査して、合理的な地域支援方策を策定するために努力すべきである。
    • 使用済燃料の一時貯蔵施設の拡充については、再検討委員会による月城(ウォルソン)原子力発電所の使用済燃料の一時貯蔵施設の増設に関する意見収集の経験も踏まえ、第2次基本計画の策定過程において、原子力発電所立地地域住民、市民社会、原子力産業界などの利害関係者の参加のもと、新たに議論を進めるべきである。
  7. 使用済燃料の発生量と貯蔵容量飽和の展望
    • 貯蔵容量の飽和見通しの推定に関する専門家の多様な意見を十分に検討して、重要な管理施設が段階的に適切な時期に設置できるように方策を策定すべきである。
  8. 使用済燃料の管理技術の開発
    • 第2次基本計画の策定において、地層処分をはじめとする様々な最終処分方式の安全性と妥当性の検証技術を確保できる方策と研究支援体制を早急に整備すべきである。
    • 見解が分かれた政策決定と技術開発の連動の有無等の関係もバランスよく確立し、使用済燃料の管理政策と関連技術の開発が有機的に推進されるようにすべきである。

再検討委員会は、勧告をより体系的に実行に移すには、使用済燃料管理特別法の制定が必要であり、同法には、使用済燃料の定義などの基本概念からサイト選定の手続きと誘致地域の支援などに至るまで、使用済燃料の管理政策全般を含める必要があると勧告している。また、再検討委員会のキム・ソヨン委員長は、勧告の内容の多くが立法政策事案であるため、政府と国会が協力して取り組む必要があると指摘している。

【出典】


  1. 高レベル放射性廃棄物管理基本計画は2016年7月に策定されており、今回の再検討委員会の勧告において、今後策定される改定版の高レベル放射性廃棄物管理基本計画は「第2次高レベル放射性廃棄物管理基本計画」と呼ばれている。 []
  2. 新たな委員会の設置について、勧告によると、専門家検討グループからは国務総理傘下に諮問委員会を設置する案、独立行政委員会を設置する案、原子力振興委員会傘下に専門委員会を設置する案などが出された。全国を対象とした意見収集では、独立行政委員会を設置すべきという意見が多数意見となった。 []
  3. 勧告をまとめた報告書は、月城原子力発電所の使用済燃料の一時貯蔵施設増設に関する意見収集において、対立が激化し、手続きをスムーズに進めることができなかったことにも言及している。 []

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は2021年3月24日に、地層処分場(CIGÉO)の設置に関する社会経済評価(Évaluation socioéconomique)の報告書及びANDRAの同報告書に対する政府の投資総局(SGPI)1 による評価・見解を示した報告書を公表した。ANDRAは、公益宣言(DUP)2 の申請の一環として、3年間以上にわたり社会経済評価を実施しており、その結果を2020年8月に報告書として取りまとめていたが、これまで公表を保留していた。フランスでは、公的機関による投資額が1億ユーロ(124億円、1ユーロ=124円として換算)を超えるプロジェクトに関する社会経済評価の際には、政府の投資総局(SGPI)による評価・見解の取得が義務付けられている3 。そのため、ANDRAは、SGPIによる報告書が2021年2月に完成するのを待って、今回、ANDRAによる社会経済評価の報告書をSGPIによる報告書と併せて公表した。

ANDRAは、今後の地層処分場の開発の進め方を変えた4つのオプションを比較検討することにより、現行の計画に基づいて地層処分場の開発を進めることが、将来世代に最も配慮した有益なオプションであると結論づけている。

■ANDRAによる社会経済評価の概要

ANDRAは社会経済評価について、費用と便益とを分析することにより、事業への投資が十分な価値を生み出すかどうかを判断するために使用されるものと説明している。地層処分事業のような商業目的ではない公益事業は、経済的収益を生み出すことはまれであるものの、社会経済評価においては、経済的収益に加えて、健康、社会、環境などに関わる価値が検討される。様々な種類の価値を比較するために、金銭の時間的価値、CO2排出量の価値などを通貨単位に置き換えるとともに、仮想的な事故の発生を想定して、その影響に対する保険料の支払い行動や長期的な経済影響等を推定している。

社会経済評価の目的のためにANDRAは、今後約600年4にわたる将来のフランス社会が①安定であり、経済成長が継続するシナリオ、②持続的かつ深刻な制度的、社会的危機(国土での戦争等)が発生することで、経済成長が停滞し、安全水準が低下することで事故リスクが増大する不安定化シナリオの2つのシナリオを想定した上で、地層処分事業の進め方に関する4つのオプションでの費用と便益を比較している。ANDRAは、社会が不安定化するシナリオで仮定する混沌とした状況を予測することはできないものの、合理的に排除することもできないと述べている。

  • オプション1:ANDRAが現在計画している地層処分場の2段階の進め方:2030年頃から開始するパイロット操業フェーズでは、模擬廃棄体及び実廃棄体を用いて処分場の安全性に関わる試験を実施し、その評価を行う。その後、処分場全体の操業許可を取得した後に、2040年頃より2100年頃にかけて長寿命中レベル放射性廃棄物の処分を行い、2080年頃から2145年頃に高レベル放射性廃棄物の処分を行う。
  • オプション2:長寿命中レベル放射性廃棄物のみに限って処分する条件の下、パイロット操業フェーズを開始し、2040年より長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分を行う。高レベル放射性廃棄物については、管理方法の研究を継続し、2070年に地層処分または超深孔処分のいずれかの実施が決定される。
  • オプション3:パイロット操業フェーズを開始するが、放射性廃棄物の地層処分の可否判断に至らず、2070年まで地層処分以外のソリューションも含めた研究開発投資を継続する。2070年に地層処分または超深孔処分の実施が決定される。長寿命中レベル放射性廃棄物と高レベル放射性廃棄物の処分方法には様々な組み合わせがありうる。
  • オプション4:地層処分場の初期投資を先送りし、2070年頃まで放射性廃棄物を長期貯蔵しつつ、研究開発を継続する。2070年時点での将来に向けた決定では、地層処分の実施や長期貯蔵の継続等、様々な選択がありうる。

ANDRAは、今回の地層処分場(CIGÉO)の設置に関する社会経済評価に関し、以下のような結果を示している。

  • 現行の計画に基づいて地層処分場の開発を進めるのが、将来世代に最も配慮した有益なオプションである
  • 長期貯蔵(オプション4)は、社会が不安定化するリスクを完全に排除しない限りは地層処分場の開発(オプション1)に対する優位性はなく、将来世代に配慮したオプションであるとは言えない
  • 今後150年間で社会が不安定化するシナリオの発生確率を10%程度とみた場合、地層処分は、放射性廃棄物を安全に、また、将来世代が負担するコストを抑制しつつ管理することを保証するものであると言える

■政府の投資総局(SGPI)の評価・見解

ANDRAによる社会経済評価報告書を受けて、SGPIは2020年9月に、再査定を行う専門家チームを任命した。専門家チームは2020年12月から2021年1月にかけて、ANDRAやフランス電力株式会社(EDF)等の廃棄物発生者・責任者、政府関係機関等からのヒアリングや地層処分場の建設候補地の訪問調査に加え、2名の哲学者からの意見聴取を実施し、2021年2月5日に独自の評価を取りまとめた報告書をSGPIに提出した。

SGPIは、ANDRAが取りまとめた社会経済評価報告書に関して、「地層処分プロジェクトは、不安定な社会において放射性廃棄物が十分な監視がなされないままの状態で貯蔵される場合の環境リスクや公衆衛生リスクに対して、有益な価値を提供するものである」とした肯定的な見解を示している。なお、今回のSGPIの見解は、2021年第2四半期に予定された公益宣言(DUP)に関する公開ヒアリングに供されることになっている。

 

【出典】


  1. 投資総局(SGPI)は、首相の権限の下で、未来への投資計画の実施に責任を負うとともに、主要な公共投資プロジェクトの社会経済評価や、ヨーロッパの投資計画の調整を行う機関である。 []
  2. 公益宣言(DUP)は、公用収用法典に基づいて、公共目的で行う開発のために私有地を収用する際の行政手続きである。当該開発プロジェクトを実施する事業者からの申請を受けて、公開ヒアリングを実施したうえで、政府が公益宣言を発出する。 []
  3. フランスでは「公的投資の評価手続きに関する2013年12月23日のデクレ」に基づき、公的機関による投資額が2,000万ユーロ(約25億円、1ユーロ124円として換算)を超えるプロジェクトに関する社会経済評価の実施が義務付けられている。ANDRAは「商工業的性格を有する公社」(EPIC)として、公的機関に該当する。さらに、投資額が1億ユーロを超えるプロジェクトの場合、政府の投資総局(SGPI)による評価の取得が必要となる。 []
  4. ANDRAは、600年間という評価期間は他のオプションと比較した場合の地層処分の長所を示すのに十分な長さではないこと、また「これを超えると評価結果の変動がわずかになる」という閾値となる期間は600年間よりも短いことを説明している。さらに、規制機関による地層処分に関する安全指針において記録保存期間が500年間とされていることを参考として示している。 []

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2021年2月26日付けプレスリリースにおいて、地下特性調査施設(ONKALO)において、統合機能試験(Joint Functional test(フィンランド語の略称はYTK))1 と呼ばれる試験のための試験用坑道の掘削を開始していることを公表した。統合機能試験は、処分施設の試運転(コミッショニング)の一部と位置付けられ、使用済燃料を収納していないキャニスタを用いて、処分環境下で実際に使用される機器・装置を用いて小規模スケールで模擬的な処分を実施する。Posiva社は、統合機能試験により、最終処分作業に関連する作業工程を計画どおりに実施可能であることを実証したいとしている。

ONKALOでは、地下約420mにおいて、処分場を構成する主要坑道の一部(約60m分)が掘削済である。ポシヴァ社は統合機能試験の開始に向けて、この主要坑道から側面方向に分岐する長さ80mの処分坑道の掘削を今冬から開始しており、2021年2月時点で48m分の掘削を完了させている。ポシヴァ社は現在、掘削が完了した処分坑道のうち19m~48mの区間において、掘削に伴う亀裂や水みちの発生状況や岩盤への影響を確認する調査を実施している。この調査の後に残る32m分の掘削を再開し、2021年4月から5月頃には、全長約80mの処分坑道を完成させる予定である。なお、実際の処分坑道の典型的な長さは350mであり、統合機能試験のために掘削される処分坑道はこれより短いものとなっている。

■統合機能試験は2023年に開始予定

統合機能試験(YTK)では、今回掘削している処分坑道の床面に4つの処分孔を掘削し、実規模の模擬キャニスタを定置し、その周囲に緩衝材(ベントナイト)を設置した後、処分坑道を埋め戻すまでの一連の運用性を試験し、検証する。処分坑道の埋め戻し後においては、処分孔を対象としたモニタリングは行わないが、処分孔周辺の地下水流動等のモニタリングは実施する予定である

統合機能試験に使用される処分坑道は実際の処分坑道と同等であることから、ポシヴァ社は、今回の坑道掘削作業の計画段階から、規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)と協力して実施している。STUKは、将来の操業許可申請に伴う安全審査を視野に入れて、統合機能試験を監督することになっている。

ポシヴァ社は、統合機能試験のための処分坑道が完成した後に、実際の最終処分に使用する最初の5本の処分坑道の掘削を開始する予定であり、処分施設の操業許可を得た後に、使用済燃料を収納したキャニスタを用いた最終処分を行う予定である。ポシヴァ社は、今回のプレスリリースにおいて、この5本の処分坑道のうちの1本での最終処分が2025年頃に始まる見通しを明らかにしている。

【出典】


  1. ポシヴァ社は、以前は統合作動試験(Joint operation test)と表現していた。 []