Top » 海外情報ニュースフラッシュ(全記事表示モード)

スイスの連邦原子力安全検査局(ENSI)は、2019年9月26日に、地層処分場の長期安全性を確保するために適用される目標を定める指針ENSI-G03「地層処分場」の改訂版の草案(以下「指針案」という)を公表し、意見聴取を開始した。意見聴取は2020年1月10日まで行われる。今回ENSIが公表した指針案は、2009年にENSIが策定した指針ENSI-G03「地層処分場の設計原則とセーフティケースに関する要件」を置き換えるものである。ENSIは、原子力令第11条(地層処分場の設計についての原則)の規定に基づいて、地層処分場のための特別設計原則を指針として定めることになっている。

2009年の指針ENSI-G03の策定後、国際原子力機関(IAEA)が2011年に特定安全要件 No.SSR-5「放射性廃棄物の処分」を策定しているほか、2014年には西欧原子力規制者会議(WENRA)が「放射性廃棄物の処分施設の安全性に関するレファレンスレベル」を策定している。ENSIは、これらの国際的な議論を指針案に反映したとしている。

サイト選定第3段階とENSI-G03の改訂

スイスでは、特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)に基づいてサイト選定を行っており、現在、サイト選定第3段階にある。サイト選定第2段階において地質学的候補エリアが3カ所まで絞り込まれ、2018年11月からサイト選定第3段階が開始された。現在、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は、3カ所の地質学的候補エリアを1カ所にまで絞り込む作業を行っている。NAGRAは、2024年に地層処分場の候補サイトを提案し、概要承認申請書の提出を予定している。概要承認申請書の審査プロセスにおいては、地層処分場の長期安全性を評価するための基準は、指針ENSI-G03(2009年の指針、あるいは今回改訂する指針)が使用されることになっている。なお、地層処分場プロジェクトの概要承認の発給は、連邦評議会1 が行うことになっている。

スイスでは、概要承認の発給を受けてから地下特性調査施設の建設を含む詳細な地球科学的調査が実施される。地層処分場を建設するためには、別途、建設許可を受ける必要がある。

ENSI-G03の指針案の文書構成

高レベル放射性廃棄物の処分場概念図

「高レベル放射性廃棄物の処分場概念図」(NAGRA技術報告書NTB16-01「処分義務者による放射性廃棄物管理プログラム2016」を元に原環センターが作成)

スイスの原子力令第64条において地層処分場は、放射性廃棄物を処分する主処分施設、パイロット施設及び試験区域から構成されると定めている(右図参照)。このうち、パイロット施設については、原子力令第66条の規定において、少量の代表的な実廃棄物を定置して、廃棄物、埋め戻し材及び母岩の挙動などをモニタリングし、地層処分場の閉鎖決定のための根拠を得ると定めている。

ENSI-G03の指針案は、現行版と同様に、地層処分場の長期安全性を確保するための防護目標及び防護基準、ならびに地層処分場の設計、建設などに係わる要件を定めるとともに、地層処分場の段階毎のセーフティケースを規定している。ENSI-G03「地層処分場」の指針案の構成を以下の通り示す。

1 はじめに
2 法的根拠
3 対象及び適用範囲
4 基本条件
 4.1 地層処分場の防護目標
 4.2 防護目標を実現するための原則
 4.3 防護基準
 4.4 安全性の最適化
5 設計
 5.1 基本的要件
 5.2 追加的要件
6 監視、パイロット施設及びマーカー
 6.1 監視
 6.2 パイロット施設
 6.3 永続的なマーカー
7 地層処分場における活動
 7.1 地球科学的調査
 7.2 最終処分
 7.3 埋め戻しとシーリング
 7.4 多大な費用を発生させない回収
 7.5 操業期間中における一時的な閉鎖
 7.6 地層処分場の閉鎖
8 土木工学上の計画と建設
 8.1 地下構造物
 8.2 地上施設及び補助アクセス施設
9 セーフティケース
 9.1 操業段階のセーフティケース
 9.2 閉鎖後段階のセーフティケース
10 セキュリティと保障措置
 10.1 セキュリティ
 10.2 保障措置
11 品質保証とドキュメンテーション
12 参照文献一覧
付属書1 概念(ENSI用語集による)
付属書2 地層処分場の計画、建設、操業及び閉鎖段階の流れを示す概略図

:補助アクセス施設は、換気用立坑及び掘削した岩石の搬送用の建設立坑から構成される。

【出典】


  1. 日本の内閣に相当 []

フィンランドの雇用経済省(TEM)は、2019年9月2日付のプレスリリースにおいて、TEMが設置した2つのワーキンググループがそれぞれ作成した報告書として、原子力廃棄物管理に関する報告書、国家放射性廃棄物管理基金の運用に関する報告書を公表した。各々の報告書の概要は、以下の通りとなっている。

■原子力廃棄物管理に関するワーキンググループの報告書

雇用経済省は、原子力発電に伴って発生する原子力廃棄物のみならず、医療・産業・研究から発生する放射性廃棄物1 の全体について、安全で費用対効果の高い管理の目標、開発方法や可能な解決策を検討するため、2017年6月に雇用経済省、社会保健省、放射線・原子力安全センター(STUK)等の国の機関、処分実施主体のポシヴァ社、原子力発電事業者、大学の専門家などから構成されるワーキンググループ(原子力廃棄物管理に関する国家協力グループ)を設置していた。

本ワーキンググループは、フィンランドにおける原子力廃棄物管理の開発について、1983年の原子力廃棄物管理に係る政府原則決定に従って進められ、これまで着実に進展してきたとしている。今後、2020年代にオルキルオトに建設中の使用済燃料処分場が操業開始する予定であるほか、フィンランド技術研究センター(VTT)が保有している研究炉の廃止措置、原子炉新設に向けたプロジェクトを進めているフェノヴォイマ社による使用済燃料処分場のサイト選定等が予定されている。一方、フィンランドの現行の法規制では、原子力発電に伴って発生する原子力廃棄物は“原子力法”で規制されており、それ以外の医療・産業・研究から発生する放射性廃棄物管理は“放射線法”で規制されている。ワーキンググループは、廃棄物管理分野の法規制における重要な課題として、これらの2つの法律に基づく規制の一貫性を図るとともに、国際法の適切な反映、下位レベルの規制文書の策定などの作業を進めるよう、雇用経済省に提言した。

報告書においてワーキンググループは、既に発生した放射性廃棄物や将来発生する放射性廃棄物について、その発生場所や発生者、発生方法に関わらず、適切な管理を実施することが重要であると指摘している。また、報告書においてワーキンググループは、国の省庁や事業者等に対する勧告・提案を示しており、フィンランドで発生するあらゆる放射性廃棄物の管理における協力(例えば、既存の処分場へ他の事業者からの廃棄物を処分すること等)が可能となるような許認可手続や監督の実施方法を可能とする法整備のほか、フィンランドにおける放射性廃棄物管理における専門性維持や人材確保のために、実際のニーズの評価分析を行うよう勧告している。

さらに、ワーキンググループは、本報告書での勧告・提案への対応の実施状況を監督する監視グループを設置することも勧告している。

■国家放射性廃棄物管理基金の運用に関するワーキンググループの最終報告書

フィンランドでは原子力法に基づいて、原子力施設から発生する原子力廃棄物の処理・輸送・貯蔵・処分等に係る管理費用について、原子力発電事業者は、雇用経済省が所管する国家放射性廃棄物管理基金(VYR、以下「基金」という)へ積み立てている。また、原子力法により、原子力発電事業者が基金から資金貸付を受けることが可能な制度となっている。

この基金の運用に関するワーキンググループ(以下「基金ワークンググループ」という)は、基金の運用方法を規制する法制度に対する評価を行い、必要な改善策を提案することを目的として、2018年4月にTEMにより設置された。

基金の運用は1988年の設置から30年以上続いており、2018年末時点の基金残高は約26億ユーロ(約3,250億円、1ユーロ=125円で換算)となっている。また、オルキルオト原子力発電所3号機が運転を開始すれば、基金残高は更に大きくなると見込まれている。

基金ワーキンググループは、今回の報告書において、基金の長期にわたる運用状況を改善しつつ、廃棄物管理に将来必要となる費用を賄うのに十分な資産を確保しつつ、基金の長期の運用状況を改善できるように運用方法を改善できるとの見解を示している。また、より高い運用益を得られるようにするための手段として、積み立てを行っている原子力発電事業者に対する基金からの貸付を制限することにとり、保有資金の運用先を拡大するとともに、拡大した運用先への貸付期間を長くする方法を提案している。さらに、報告書では、基金運用やそのリスクマネジメント及び貸付業務を行う組織や管理体制の変更案が提示されている。

【出典】


  1. フィンランドでは、原子力利用に伴い発生した廃棄物を「原子力廃棄物」と定義し、それ以外の「放射性廃棄物」と区別されている。 []

米国において、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)を所管するエネルギー省(DOE)カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2019年8月22日に、「2019-2024年戦略計画」の最終ドラフト(以下「ドラフト戦略計画」という。)を公表した。ドラフト戦略計画は、WIPPの今後5年間の戦略計画を示すものであり、ステークホルダーの意見を求めるものとされている。ドラフト戦略計画に対するコメントは、2019年9月30日まで受け付けられている。

公表されたドラフト戦略計画は、2014年にWIPPで発生した事象から得られた教訓を反映したプログラムの強化策を示すとともに、以下のような項目についての将来を展望するものであるとされている。

  • インフラの再投資
  • 施設及び操業方法の刷新
  • 今後に必要となるプロジェクトの承認を得るため、規制プロセスの戦略的利用
  • 有害廃棄物施設許可の10年目の許可更新1
  • 1992年WIPP土地収用法で規定する処分容量2のTRU廃棄物を定置するための処分パネル増設
  • 輸送のためのTRU廃棄物の特性評価/認証活動の合理化・改善

また、ドラフト戦略計画では、直近のDOE戦略計画との整合性を示した上で、カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)の4つの達成目標、規制アプローチ、岩盤管理(ground control)、地下の処分施設南側区域の閉鎖、ステークホルダーとの関わりなどが示されている。CBFOの達成目標としては、以下の4点が掲げられている。

  1. 安全上重要で不可欠なWIPPの主要インフラシステムの再投資及び刷新
  2. フル操業の定置能力までの輸送の大幅な増加
  3. カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)の安全管理プログラムの継続的改善
  4. 関連する規制戦略とともに処分場計画・設計の成熟化

なお、カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2019年8月19日付のフェイスブック記事においても、ドラフト戦略計画を公表して意見を求める予定を伝えていた。このフェイスブック記事では、以下の2回のパブリックミーティングを開催することが伝えられている。

  • 2019年8月26日:ニューメキシコ州サンタフェ市
  • 2019年8月28日:ニューメキシコ州カールスバッド市

【出典】


  1. 資源保全・回収法(RCRA)に基づく有害廃棄物処分に係る許可であり、RCRAの下での規制権限を有するニューメキシコ州環境省(NMED)によって発給されている。許可期間は10年間であり、2010年に1回目の許可更新が行われている。 []
  2. WIPPにおけるTRU廃棄物の処分容量は、1992年WIPP土地収用法で620万立方フィート(約17.6万m3)と規定されている。WIPPにおける処分量については、従来は最も外側の廃棄物コンテナの容量で計算されていたが、2018年12月にニューメキシコ州環境省(NMED)によって承認された許可変更により、1992年WIPP土地収用法上の処分量は、廃棄物コンテナに収納されている最も内側の廃棄物容器(例えば、55ガロンドラム)の容量で計算されることとなった。2019年8月17日時点での1992年WIPP土地収用法上の処分量は約68,489m3であり、従来ベースの処分量(約96,718m3)より3割近く少なくなっている。 []

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は2019年7月17日、BMUの特設ウェブサイト「ダイアログ(対話)最終処分場安全」において、「高レベル放射性廃棄物の最終処分の安全要件」及び「処分場サイト選定手続における予備的安全評価実施要件」を定める2件の政令案を公表した。また、BMUは、公開シンポジウム「安全要件と安全評価:高レベル放射性廃棄物処分場選定の枠組みにおける政令案に関する対話」を2019年9月14日と15日の2日間、ベルリンで開催する。これらの政令案に対する意見募集は、2019年9月20日まで行われる。

2017年に全面改正された「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)1 では、高レベル放射性廃棄物処分の安全要件及び処分場サイト選定における予備的安全評価の実施要件を政令として定めることを規定している。また、これらの政令は、サイト選定手続きの第1段階において、サイト区域と地上からの探査対象のサイト地域の絞り込みに先がけて実施する予備的安全評価(第1次予備的安全評価)までに策定することになっている。

■「高レベル放射性廃棄物最終処分の安全要件」に関する政令案

高レベル放射性廃棄物の最終処分安全要件に関する政令案は、2010年にBMUが策定した「発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する安全要件」(以下「2010年安全要件」という)を置き換えるものであり、処分場の長期安全性、サイト調査と処分場計画、定置された廃棄体の回収可能性確保、処分場の建設・操業・閉鎖等に関する要件を定めることになっている。今回公表された政令案は、2010年安全要件を踏襲しており、線量基準値のほか、安全性の評価期間を100万年とすること、定置済みの廃棄体の回収可能性を処分場閉鎖後500年間確保する要件などは変更されていない。

本政令案では、高レベル放射性廃棄物処分場において、低中レベル放射性廃棄物を受け入れる場合には、処分場の頑健性に影響しないこと、地下の処分領域やインフラを分離することなどを要求する規定が盛り込まれている。これは、2015年に連邦政府の承認を受けた「使用済燃料及び放射性廃棄物の責任ある安全な管理のための計画」(国家放射性廃棄物管理計画)において、アッセⅡ研究鉱山から回収する放射性廃棄物を高レベル放射性廃棄物処分場との同一サイトで処分することを想定していることを受けたものである。

■「高レベル放射性廃棄物処分場サイト選定手続における予備的安全評価実施要件」に関する政令案

サイト選定法に基づく処分場のサイト選定手続きでは、3段階のプロセスの各段階で予備的安全評価が実施されることになっている。本政令案は、セーフティケースの作成における国際的に標準とされる手順や、放射性廃棄物管理に関してBMUに助言を与える諮問組織である廃棄物管理委員会(ESK)によって、これまでに提出された予備的安全評価に関する勧告に基づいて、予備的安全評価の構成要素や実施に係る要件を規定するものである。

予備的安全評価の構成要素としては、地質学的状況の解析、処分場の安全概念や設計概念の提示、処分システムの解析、処分場の操業中における安全性の解析、処分場閉鎖後の長期安全性の解析、処分システムの包括的評価、不確実性に関する評価、今後調査研究・開発が必要な事項の特定などの項目を挙げている。

【出典】

 

【2020年9月15日追記】

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は2020年9月10日、「高レベル放射性廃棄物の最終処分の安全要件」及び「処分場サイト選定手続における予備的安全評価実施要件」を定める2件の政令が、連邦議会で承認されたことを公表した。「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)では、BMUがこれらの要件を政令として定め、連邦議会で承認を得ることを規定している。

今回、連邦議会で承認された2件の政令は、2019年7月の意見募集時に公表された政令案の段階から、内容に大きな変更はない。これらの政令は近日中に連邦官報で公示され、その翌日に発効する予定である。

【出典】


  1. 2017年5月の法改正により「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」から法律名が変更された []

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2019年7月17日付けのニュースリリースにおいて、クラスCを超える(GTCC)低レベル放射性廃棄物及びエネルギー省(DOE)が管理するGTCC類似廃棄物(以下、GTCC低レベル放射性廃棄物とGTCC類似廃棄物とを合わせて「GTCC廃棄物等」という。)1 の処分に係る新たな規制のためのドラフト規制基盤(regulatory basis)について、パブリックコメントを募集することを公表した。GTCC廃棄物等の処分に係る規制基盤は、2015年12月22日付けのNRC委員会文書で策定が指示されたものであり、GTCC廃棄物等が浅地中処分施設で処分可能であるか、可能な場合に規制変更が必要なのか、協定州2 による規制が認められるべきかなどについて評価・分析が行われている。ドラフト規制基盤に対するパブリックコメントの募集は、連邦官報の告示から60日間行われ、2019年8月27日にはテキサス州でパブリックミーティングを開催する予定も示されている。

規制基盤の策定を指示した2015年12月22日のNRC委員会文書では、規制基盤における分析の結果として、浅地中処分が適している可能性があると結論が得られた場合には、連邦規則(CFR)の改定案を策定することとされていたが、今回公表されたドラフト規制基盤では具体的な連邦規則案を含むものではなく、以下のような内容を示すものとなっている。

  • 連邦規則改定により、どのように問題が解決し得るかの説明
  • 規制問題に対応するためのいくつかのアプローチを同定し、連邦規則策定及びその他のアプローチの費用便益を評価
  • 評価において使用された科学、政策、法律、技術的情報の提供
  • 規制基盤のスコープや品質上の限界についての説明
  • 規制基盤の技術的部分の策定過程でのステークホルダーとのやり取り、及びステークホルダーの見解についての議論

ドラフト規制基盤では、GTCC廃棄物等の危険性、連邦規則の改定やその他のオプションを評価した上でのNRCの結論として、以下の2点が示されている。

  1. ほとんどのGTCC廃棄物等(全体量の約80%)は、偶発的な人間侵入やサイト外での個人の確実な防護に係る変更など、追加的な管理や解析が行われれば、浅地中処分が適している可能性がある。
    ※GTCC廃棄物等の処分場の許認可申請に際しては以下が必要となる。

    • 偶発的な人間侵入に関するNRCの連邦規則の性能要件を満たしていることを示すサイト固有の人間侵入評価の提出
    • GTCC廃棄物等の処分は、地表から5m以深とし、500年以上にわたって有効な侵入防止バリアの設置
  2. ほとんどのGTCC廃棄物等(潜在的に浅地中処分に適していると決定されたGTCC廃棄物等の量の約95%)は、NRCの連邦規則(10 CFR Part 150「協定州における規制の適用除外及び継続等」)の一部に変更が推奨されるものの、協定州によっても安全に規制し得る。

米国でGTCC廃棄物等は、連邦政府が処分責任を有し、DOEがNRCの許可を受けた施設で処分すべきことが「1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法」で規定されている。NRCの連邦規則では、NRCが個別に承認した場合を除き、GTCC廃棄物等は地層処分しなければならないことが規定されており、テキサス州の規制当局が、GTCC廃棄物等の処分場に対する許認可権限が協定州にあるのかなど、法的権限の明確化をNRCに求めていた。テキサス州では、GTCC廃棄物等を低レベル放射性廃棄物処分場で処分することを禁止しているテキサス州法の修正をウェイスト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社が求めていた

一方、GTCC廃棄物等の処分責任を有するDOEは、GTCC廃棄物等の処分方策に係る最終環境影響評価書(FEIS)を2016年2月に公表し、その後、2017年11月に連邦議会に提出した報告書では、推奨される処分方策として商業施設における陸地処分を主として考慮しているとの見解を示している。さらに、2018年10月には、テキサス州のWCS社の低レベル放射性廃棄物処分場でのGTCC廃棄物等の処分に係る環境アセスメント(EA)も公表している。NRCのドラフト規制基盤においても、DOEのFEISが参照されており、FEISで示されたGTCC廃棄物等が分析の対象とされている。

DOEが商業施設における陸地処分をGTCC廃棄物等の処分方策として推奨し、NRCで規制基盤の検討作業が進められる中、2019年4月26日にテキサス州知事は、州が許認可権限を持たない現状ではテキサス州のWCS社処分場におけるGTCC廃棄物等の処分には反対する主旨の書簡をエネルギー長官及びNRCの委員長に送付している。NRCの委員長から州知事に宛てた返書では、ドラフト規制基盤の公表後のプロセスでテキサス州や他のステークホルダーの見解表明の機会があること、2019年後半にテキサス州で規制基盤に関するパブリックミーティングを開催する予定であることなどが示されている。

なお、2015年12月25日付けのNRC委員会の指示文書では、NRCの連邦規則(10 CFR Part 61「放射性廃棄物の陸地処分のための許認可要件」)の改定作業の完了から6カ月以内にGTCC廃棄物等の処分のドラフト規制基盤を提出することとされていた。しかし、10 CFR Part 61の改定作業が長期化・遅延する中で、GTCC廃棄物等の規制基盤の策定は10 CFR Part 61の改定作業とは切り離して行うことが、2018年10月23日に指示されていた。

【出典】


  1. 米国では、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法、原子力規制委員会(NRC)の連邦規則(10 CFR Part 61「放射性廃棄物の陸地処分のための許認可要件」)において、地下30mより浅い浅地中処分が可能な低レベル放射性廃棄物としてクラスA、B、Cの分類が定められている。GTCC廃棄物は、放射能濃度などがクラスCの制限値を超える低レベル放射性廃棄物であり、連邦規則に基づいて操業されている浅地中処分場での処分をNRCが承認しない場合、地層処分しなければならないこととなっている。 []
  2. 原子力法及び1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法の規定によれば、州はNRCと協定を締結し、低レベル放射性廃棄物の処分を規制する権限を得ることができる。 []

英国政府は2019年7月4日、イングランド1 における地層処分社会基盤(Geological Disposal Infrastructure)に関する国家政策声明書(National Policy Statement, NPS2 )を英国議会に提出した。NPSは、2014年の白書『地層処分の実施-高レベル放射性廃棄物等の長期管理に向けた枠組み』(以下「2014年白書」という)において、地層処分施設(GDF)のサイト選定プロセスの初期活動の主要目標の一つとして、英国政府が策定を進めていたものである。イングランドにおいては、地層処分施設(GDF)の候補サイトを評価するために行われるボーリング調査、その後のGDFの建設に先がけ、計画審査庁からの勧告を受けた担当大臣による開発同意令(Development Consent Order ,DCO)が必要である。国家政策声明書(NPS)は、開発同意令(DCO)の発給審査の基礎文書となるものであり、2018年12月から新たに始まったサイト選定プロセスにおいて、地域における地層処分社会基盤に関する開発合意の認可に関する法的な枠組みを提供するものとなる

英国政府は、2018年1月にNPS案を公表し、約3か月にわたる公衆協議を実施するとともに、英国議会下院のエネルギー・産業戦略委員会にNPS案に関する審議を付託していた。今回、英国政府は、公衆協議で得られた見解やエネルギー・産業戦略委員会の審議結果を踏まえてNPSを最終化し、英国議会の承認を求めている3

地域社会との協働プロセス
(出典:BEIS, 政策文書「地層処分の実施-地域社会との協働:放射性廃棄物の長期管理」(2018)の図を一部修正)

英国では2018年12月より、地層処分事業の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM社)4 による地層処分施設(GDF)の新たなサイト選定プロセスが開始されている。RWM社は、今後約5年間でGDF設置の潜在的な適合性を確認する「調査エリア」を特定し、その後、調査エリア内から候補サイトを特定するために、地上からのボーリング調査を実施する予定である。

国家政策声明書(NPS)の内容

英国における国家政策声明書(NPS)とは、「2008年計画法」(2015年3月改正)により設定された、エネルギー、運輸、水資源及び廃棄物に関する「国家的に重要な社会基盤プロジェクト」(NSIP)について、当該施設の開発や建設に関する国の政策文書であると同時に、事業者が作成する開発同意申請書のガイダンス的な役割を持つものであり、事業の方針や背景情報、当該施設の必要性や当該施設に関する評価原則などを示す必要がある。地層処分社会基盤に関するNPSでは、英国政府の地層処分方針、地層処分施設(GDF)等の開発や建設の必要性、NPSの策定に当たって行う必要がある持続可能性評価(AoS)及び生息環境規制評価(HRA)に関する原則などを示している。

今回提出されたNPSは、以下の5つの章で構成されている。

第1章「イントロダクション」

ボーリング調査と地層処分施設(GDF)の定義、対象地域がイングランドのみであること、ボーリング調査とGDF開発の計画申請の審査において検討すべき事項、持続可能性評価(AoS)及び生息環境規制評価(HRA)の概要5 に加え、NPSの目的を述べている。

  • 英国政府の地層処分方針を実行すること
  • GDF等の社会基盤の必要性を示すこと
  • 明確かつ透明性のある計画及び開発におけるサイト固有ではない包括的な影響や一般的なサイト選定での検討事項を示すことにより、長期的にセキュリティ及び安全性があり、持続可能なボーリング調査とGDFの開発を可能とするとともに、開発申請者のためのガイドにもなること
  • 開発同意令(DCO)の発給審査の基礎文書となること
  • 地域計画当局による影響評価報告書の作成を支援すること

第2章「英国政府の高レベル放射性廃棄物等の管理方針」

英国政府の管理方針、地層処分、処分対象廃棄物の概要に加えて、処分実施戦略におけるポイントを述べている。

  • 2014年白書 に代わる政策文書である『地層処分の実施-地域社会との協働:放射性廃棄物の長期管理』(以下「2018年政策文書」という)では、実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM社)のみに、地域社会との協働プロセスを適用するとしているが、本NPSはボーリング調査とGDFの開発を希望する全ての者に適用される。
  • ボーリング調査とGDFの開発の際には、担当大臣による開発同意令(DCO)、イングランドの環境規制機関(EA)による環境許可、原子力規制局(ONR)による原子力サイト許可が必要となる。各規制当局は段階的な規制アプローチに基づき、GDFの開発計画・建設・操業・閉鎖の各段階において、相互に適切に関与するものの、規制が重複しないような体制を構築する。

第3章「地層処分施設の必要性」

技術・倫理・法律等の各観点から、高レベル放射性廃棄物等の管理方針として、他の管理方法を説明するとともに、地層処分が適切である理由が説明され、英国政府が公衆協議等を経て地層処分方針の採用を決定し、NPSの策定に至ったことを示している。

第4章「評価原則」

GDF等による環境・経済・地域への影響を評価するための主な原則として、設計・環境・健康・安全・セキュリティについての評価原則を述べている。

第5章「影響」

大気・騒音・生態系と自然保護・気候変動・文化遺産・社会経済・人口・洪水・湾岸侵食・健康・景観・土地利用・交通・水質等の主要な影響についての評価方法、マイナス影響を回避・緩和・補償するための措置等について述べている。

【出典】

 

【2019年10月18日追記】

英国政府は、2019年10月17日に、イングランドにおける地層処分社会基盤(Geological Disposal Infrastructure)に関する国家政策声明書(National Policy Statement, NPS)が制定されたことを公表した。これは、NPSの承認を求めて、最終案を2019年7月4日に英国議会に提出していたことを受けたものである。また、英国政府は、NPSの制定の要件として実施していた、生息環境規制評価(HRA)及び持続可能性評価(AoS)の報告書も公表した。

国家政策声明書(NPS)について英国政府は、英国において高レベル放射性廃棄物等の安全管理に地層処分施設が必要であることを示すとともに、計画審査庁やビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の大臣がイングランドにおける地層処分社会基盤の開発同意令(DCO)の発給審査及び発給決定を行うための基礎文書になるとしている。

 

【出典】


  1. 英国では、地方自治政府(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)のうち、イングランド以外は地方自治政府に放射性廃棄物管理の権限が委譲されており、イングランド以外で地層処分施設を計画する場合は各地方自治政府が定める許可制度が適用される。 []
  2. このNPSは、イングランドにおける特定サイトではなく一般的なサイトを対象として作成されている。 []
  3. 2008年計画法(2015年3月改正)では、21会期日以内にNPSが可決または、「NPSを進めるべきではない」との決議をしていない状態で会期が終了した場合、NPSが制定されるとしている。 []
  4. 原子力廃止措置機関(NDA)の完全子会社。 []
  5. 英国政府は、国家政策声明書(NPS)の制定後、持続可能性評価(AoS)及び生息環境規制評価(HRA)の最終版を発行するとしている。 []

フランスの会計検査院(CDC)は2019年7月4日に、放射性廃棄物管理のコスト、エネルギー政策の変更によるバックエンドへの影響等に関する問題について、評価報告書を公表した。これは、これらの問題が長く公開討論会で扱われていなかったことから、2019年4月から2019年9月までの予定で開催されている2019~2021年を対象とした「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)に関する公開討論会に向け、情報資料として提示されたものである。

会計検査院は、以前から原子力産業のコスト評価報告書を取りまとめて公表しており、主な報告書として、2005年の「原子力施設の廃止措置と放射性廃棄物管理に関する報告書」、2012年の「放射性廃棄物管理を含む原子力発電コストに関する報告書」があり、2014年には2012年の報告書を更新している

会計検査院は今回の評価報告書において、原子力政策を所管する環境連帯移行省や同省のエネルギー・気候総局(DGEC)、放射性廃棄物処分の実施主体である放射性廃棄物管理機関(ANDRA)等に対して、以下の10の提言を示している。

  1. DGEC及びANDRAは、2021年までに、貯蔵施設、処分場の容量と、放射性物質や放射性廃棄物の発生量とをより緊密に関連づけて廃棄物インベントリを補完すべきである。
  2. DGEC及びANDRAは、2020年までに、廃棄物インベントリでANDRAが想定している原子力・燃料サイクル政策に関する複数のシナリオについて、それぞれ地層処分場の建設コストを試算すべきである。
  3. DGEC及びANDRAは、2020年までに、2016年に試算された地層処分プロジェクトのコスト について、考えうるリスクや有利な状況の進展を現実的に考慮し、更新すべきである。
  4. 環境連帯移行省は、2019年中に、環境法典に基づき、再利用が想定されている放射性物質と処分が想定される放射性廃棄物との分類について、同省が変更する場合の方針を明確化すべきである。
  5. DGEC及び経済・財務省の国庫・経済政策総局は、2019年中に、放射性廃棄物管理に係る引当金及び見合資産の計上に関して、産業面での実際に即した観点を反映すべきである。
  6. ANDRAは、2020年までに、地層処分プロジェクトの実現に際して、特に使用済みのMOX燃料や使用済みのURE燃料1 を地層処分場に処分することになった場合など、エネルギー政策の変更による影響について、地層処分場の建設に向け、ANDRAが策定する放射性廃棄物の基準インベントリの更新が必要となるマイルストーンを明確化すべきである。
  7. DGECは、2019年に開催中のPNGMDRに関する公開討論会や、今後の多年度エネルギー計画(PPE)2 に関する公開討論会に際して、フロントエンドとバックエンドの関係性を明らかにして議論を行うべきである。
  8. DGECは、2019年に、廃棄物インベントリにおけるシナリオと、事業者が策定する燃料サイクルの影響に関する文書3 、多年度エネルギー計画(PPE)、PNGMDRにおけるシナリオとを整合させ、特に、これらの文書におけるレファレンスシナリオを1つに統一すべきである。
  9. 環境連帯移行省は、DGECと原子力安全機関(ASN)が多様な検討結果等を踏まえ、総合的な視点で計画を策定するために十分な期間を確保できるよう、初回の公開討論会の成果も踏まえ、PNGMDRの策定期間を2020年まで延長すべきである。
  10. 環境連帯移行省は、2019年中に、事業者が提出したデータや研究結果に関して、DGECが独自の分析や、原子力発電事業のコスト便益分析を実施する能力を強化すべきである。

今回の会計検査院のバックエンドコストに関する評価報告書の公表を受けて、ANDRAは2019年7月5日付けプレスリリースにおいて、地層処分プロジェクトの次回のコスト見直しに向けた取組を開始していることを表明するとともに、会計検査院に対して2019年6月17日付けで先行して提出していた意見書を公表した。ANDRAは、会計検査院が示した提言に関して、以下のような見解を示している。

  • 地層処分プロジェクトが段階的に進められていることの妥当性が会計検査院の評価報告書の中でも認められている。ANDRAは、この段階的な取組によって、同プロジェクトが今後の技術進展やエネルギー政策の変更にも適応可能であると考える。
  • 地層処分対象となる放射性廃棄物のインベントリに関して、ANDRAは、地層処分場の設置許可申請に向けて策定した基準インベントリの他に、放射性廃棄物管理方法の変更やエネルギー政策の進展に付随する不確実性を考慮に入れた予備インベントリも策定している4
  • 地層処分プロジェクトのコストに関しては、ANDRA及び電力会社等による試算が2014年以降実施されたが、当時は地層処分場の設計の初期段階にあり、不確実性が高かったため、試算結果には大きな幅があった。このため、最終的には2016年に、政府が今後の必要性に応じた見直しをすることを前提に、コストの目標額を定めた。地層処分プロジェクトは非常に長期にわたるものであり、前述したコスト試算の経緯も踏まえると、会計検査院が地層処分場のコストを正確に試算することは不可能であると指摘しているのは妥当である。
  • 地層処分プロジェクトのコストに関してANDRAは、すでに次回のコスト見直しに向けた取組を開始している。2014年からのコスト試算時と比較して、地層処分場の設計等が詳細化されており、また、地層処分場が予備インベントリに適応するためのコストも試算する予定である5
  • 会計検査院の提言10にあるとおり、放射性廃棄物の貯蔵、処理の状況や、燃料サイクルに関する総合的な視点を持つために、環境連帯移行省のエネルギー・気候総局(DGEC)が分析や専門的能力を強化することは重要である。

【出典】


  1. Uranium de retraitement ré-enrichi, PWR使用済燃料からの回収ウランの再濃縮による燃料 []
  2. 2015年8月に制定されたエネルギー転換法に基づき、フランス政府は、エネルギー供給保証、エネルギー効率、再生可能エネルギー利用促進、エネルギー価格の競争力維持等の観点から、連続する2期間(各5年)を対象としてPPEを策定する。 []
  3. 原子力安全機関(ASN)は2000年以降、フランス電力株式会社(EDF社)に対し、燃料サイクルに係わるOrano社等の事業者と共同で、燃料サイクルの実施状況とその原子力安全等への影響について検討した結果をまとめた “Impact cycle”文書を定期的に提出するよう要請している []
  4. 環境法典第D542-90条では、地層処分場の建設に向けた基準インベントリと、不確実性を考慮に入れた予備インベントリを策定することが規定されている。 []
  5. 環境法典第D542-94条では、長寿命中・高レベル放射性廃棄物の長期的な管理の実施に係るコストの評価は、定期的に更新され、特に、地層処分場の設置許可時、操業開始時、パイロット操業フェーズの終了時、定期安全レビュー時には必ず更新することが規定されている []

フランスにおいて国家評価委員会(CNE)は2019年6月27日に、第13回評価報告書を議会科学技術選択評価委員会(OPECST)に提出し、CNEのウェブサイトで公表した。CNEは、2006年の放射性廃棄物等管理計画法の規定に基づいて、放射性廃棄物等の管理に関する取組や調査研究等の進捗状況について毎年評価を行い、評価結果を取りまとめた報告書を議会に提出することになっている。なお、前回の第12回報告書は、2018年6月21日に公表されている

CNEは、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)による高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分プロジェクトの他、長寿命低レベル放射性廃棄物や極低レベル放射性廃棄物の管理研究について、以下のような見解を示している。

  • 地層処分場の設置許可申請は2020年に提出可能な見込みであるが、許認可手続きが非常に複雑であり、審査を統合する等の手続きの簡略化を検討すべきである。
  • ANDRAが地層処分場の「操業基本計画」を政府に提出した後、同計画の実行や改定のために、誰がどのようにANDRAに見解を示すのかを早急に詳細化する必要がある。2017年の第11回評価報告書において指摘したように、CNEは見解を示す専門機関が必要であると考えており、CNE自身が操業基本計画に関するANDRAへの聴聞を毎年実施する。
  • 地層処分場の建設が開始されれば、立地地域の経済産業状況を一変させると同時に、ANDRAの内部組織も大きく変わると予想される。CNEは、これらの変化に全ての関係者が最適な形で関与すべきと考えている。また、ANDRAは地層処分事業の責任者として、外部発注先の管理等の責任を果たすとともに、全ての決定事項のトレーサビリティを確保しなければならない。
  • 短寿命低中レベル放射性廃棄物の管理については、これまでに策定されてきた「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)1 に基づく多数の研究の枠組みにおいて、適切に進められていると考える。これらの研究の結果から、極低レベル放射性廃棄物及び長寿命低レベル放射性廃棄物の管理方法の検討に必要な成果が得られると期待される。ただし、長寿命低レベル放射性廃棄物については、現時点では有効な管理方法が特定されていないと考えている。
  • 極低レベル放射性廃棄物の有害性に応じた管理に関しては、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が開発した指標2 を用いることにより、実行可能性の高い方法論を確立するよう勧告する。
  • これまでに実施されている極低レベル放射性廃棄物や長寿命低レベル放射性廃棄物等に関する研究の質を高く評価する。しかし、ほぼすべての研究報告書において、経済的要素の重要性について言及されており、検討作業に支障をきたすおそれがある。このため、これらの廃棄物の管理に関する概念研究の実施を可能とするような合理的な計画を立案し、技術的検討を通じて、可能性のある管理オプションを明らかにするよう勧告する。
  • 極低レベル放射性廃棄物や長寿命低レベル放射性廃棄物に関する研究成果についても、毎年CNEに報告するよう希望する。

 

【出典】

CNEウェブサイト、Le rapport d’évaluation No. 13
https://www.cne2.fr/telechargements/RAPPORT_CNE2_13_2019.pdf


  1. 2019年から2021年を対象とするPNGMDRに関しては、2019年4月から9月にかけて、全国公開討論会の開催中である。 []
  2. IRSNは個人の被ばくに関する4つのシナリオを想定し、被ばく線量と化学毒性の指標に基づき、廃棄物の有害性を分類する方法を提案している。 []

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2019年6月25日付けプレスリリースにおいて、使用済燃料処分場の地上施設を構成するキャニスタ封入施設の建設を開始したことを公表した。本施設は、国内2カ所の原子力発電所から使用済燃料を輸送キャスクに収納して受け入れ、処分用の銅-鋳鉄キャニスタ(外側が銅製、内側が鋳鉄製)に使用済燃料を移し替えて封入する施設である。乾燥させた使用済燃料は、キャニスタに収納され、アルゴンガスが充填される。キャニスタの蓋部分は「摩擦撹拌溶接法」(friction stir welding、FSW)と呼ばれる方法により、接合部周辺を塑性流動させて練り混ぜて一体化することにより、使用済燃料が密封される。

ポシヴァ社は2012年12月に、地上のキャニスタ封入施設と地下の処分施設の建設許可申請書を政府に提出し、政府は2015年11月に建設許可を発給していた。地下の処分施設の建設は、2016年12月より開始されており、キャニスタ封入施設の建設開始とあわせて、処分施設との接続に必要なシステムも設置される予定である。

また、ポシヴァ社は、キャニスタ封入施設と処分施設を合わせた処分場全体の建設費用が約5億ユーロ(625億円、1ユーロ=125円で換算)になるとしている。ポシヴァ社は、現在のところ2021年末に操業許可を申請し、2020年代に操業を開始する予定である

キャニスタ封入施設のイメージ図(ポシヴァ社ウェブサイトより引用)

キャニスタ封入施設のイメージ図(ポシヴァ社ウェブサイトより引用)

銅-鋳鉄キャニスタ(写真:ポシヴァ社ウェブサイトより引用)

銅-鋳鉄キャニスタ(写真:ポシヴァ社ウェブサイトより引用)

【出典】

 

 

【2019年7月2日追記】

ポシヴァ社は、キャニスタ封入施設の建屋建設について、スウェーデンの大手建設会社であるSkanska社と工事契約を締結したことを公表した。ポシヴァ社のプレスリリースによると、キャニスタ封入施設は床面積約11,500m2、コンクリート使用量約16,000m3であり、工事契約額は約4,500万ユーロ(約56億3,000万円、1ユーロ=125円で換算)である。竣工は2022年夏の予定である。

Skanska社は、スウェーデンの首都ストックホルムに本社を置く建設・不動産開発企業である。原子力施設の建設にも携わっており、フィンランドのオルキルオトでも原子力関連事業を請け負った経験も有している。なお、今回の工事契約の締結に先立ってポシヴァ社とSkanska社とは、2018年11月にキャニスタ封入施設建設プロジェクトの準備に関する契約を締結していた。

【出典】

韓国の産業通商資源部(MOTIE)は、2019年5月29日のプレスリリースにおいて、「使用済燃料管理政策再検討委員会」(以下「再検討委員会」という)を設置し、使用済燃料の管理政策の見直しに本格的に着手したことを公表した。今後、再検討委員会は、2016年に策定された「高レベル放射性廃棄物管理基本計画」(以下「基本計画」という)について、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の漸進的な脱原子力政策に沿った場合の使用済燃料の発生量予測の変化などを踏まえて、使用済燃料の管理政策の枠組みに関する検討を行い、勧告書をMOTIEに提出する予定である。再検討委員会は当面の作業として、原子力発電所の立地地域住民を対象に使用済燃料の管理政策に対する意見を収集する。

2016年にMOTIEが前政権の下で策定した基本計画では、高レベル放射性廃棄物の管理の方針として、①最終処分施設の許認可取得を目的とした地下研究所(URL)、②使用済燃料の中間貯蔵施設、③最終処分施設の3施設を1カ所のサイトにおいて段階的に建設するとし、最終処分施設サイトの選定に12年間を掛けることなどの計画を示していた。MOTIEは、基本計画に沿った法案策定を進めていたが、2017年5月の政権交代を受けて、国会審議は無期限延期となっていた。

文政権の漸進的な脱原子力政策と使用済燃料管理政策の見直し

韓国で2017年10月に閣議決定された「エネルギー転換ロードマップ」では、原子力発電について、計画中の原子炉は建設せず、既設炉も設計寿命を超えた運転を認めない方針としていた。これを受けて、産業通商資源部(MOTIE)は2018年5月に「高レベル放射性廃棄物管理政策再検討準備団」(以下「準備団」という)を発足させ、基本計画の見直しのための再検討委員会の構成案、国民意見の収集方法などについて2018年11月まで検討を行っていた。

今回設置された再検討委員会の構成についてMOTIEは、韓国社会を代表するように、人文・社会、法律・科学、コミュニケーション・紛争管理、調査・統計などの中立的な専門家15名を集めるとともに、30代から60代の男女がバランスよく構成されるよう配慮したと説明している。

MOTIEは、再検討委員会の独立性を確保するとし、再検討委員会が勧告書を取りまとめる時期について言及していない。また、MOTIEは、再検討委員会が今後提出する勧告書を最大限尊重し、使用済燃料の管理政策を推進する考えを表明している。

表 使用済燃料管理政策再検討委員会委員
氏名 所属 専門分野
チェヒョンソン 明知大学 行政学科 教授

人文・社会

イヒョクウ 培材大学 行政学科 教授
キムジョンイン 水原大学 法・行政学部 教授
ユウォンソク 弁護士

法律・科学

シンヨンジェ 弁護士
キムスヨン KAIST 科学技術政策大学院 院長
チャンボヒェ 弁護士
キムミン 忠北大学 化学科 教授
チョンチョンファ 江原大学 公共行政学科 教授

コミュニケーション・紛争管理

イユンソク ソウル市立大学 都市社会学会 教授
キムドンヨン KDI国際政策大学院 教授
ユギョンハン 全北大学 新聞放送学科 教授
チョンジュジン 平和紛争研究所 所長
パクインギュ 高麗大学 統計学科 教授

調査・統計

キムソクホ ソウル大学 社会学科 教授

【出典】

 

【2019年11月18日追記】

韓国の産業通商資源部(MOTIE)が設置した「使用済燃料管理政策再検討委員会」(以下「再検討委員会」という)は、2019年11月12日付けのプレスリリースにおいて、使用済燃料管理政策の再検討に関する意見の収集に向け、専門家検討グループを発足させたことを公表した。専門家検討グループは今後、再検討委員会が国民と原子力発電所の立地地域住民を対象に使用済燃料の管理政策に対する意見を収集する際、提示する専門的資料を作成するほか、再検討委員会が政府に提出する勧告書の作成にも参加する。専門家検討グループは、19名の技術グループと15名の政策グループの2つのサブグループで構成されており、原子力発電所の立地自治体、原子力業界及び再検討委員会からの推薦によってメンバーが選定された。

技術グループ及び政策グループは、それぞれ以下の課題について検討を行う。

  • 技術グループ:①使用済燃料の発生量と貯蔵施設の飽和時期の見通し、②使用済燃料管理の技術水準、③最終処分・中間貯蔵・一時貯蔵に関する課題
  • 政策グループ:④使用済燃料管理の原則、⑤使用済燃料政策の決定プロセス、⑥使用済燃料管理施設のサイト選定手順、⑦使用済燃料管理施設の地域支援の原則と方法

再検討委員会のプレスリリースによると、2019年11月8日に専門家検討グループの準備会合が開催され、上記の2つのサブグループの役割や今後の検討スケジュールについて確認が行われた。なお、専門家検討グループのメンバーの氏名や所属、今後の具体的な検討スケジュールは現時点で公表されていない。

【出典】

 

【2020年3月31日追記】

韓国の産業通商資源部(MOTIE)が設置した「使用済燃料管理政策再検討委員会」(以下「再検討委員会」という)は、2020年3月18日に、専門家検討グループによる検討結果に関する報告書を公表した。専門家検討グループは、技術グループと政策グループの2つのサブグループで構成されており、2019年11月の発足から約3カ月間で合計14回の会合が開催されて議論を行った。

専門家検討グループの議論における合意事項と合意に至らなかった事項

専門家検討グループは、使用済燃料の安全かつ国民の合意が得られる管理政策の策定に向け、国内原子力発電所における使用済燃料の発生状況と貯蔵容量が飽和する時期、国内外の使用済燃料の管理政策と管理状況、技術に関する状況などを検討し、以下の通り、9の合意事項と12の合意に至らなかった事項を整理した。

  • 専門家検討グループで合意に至った事項
  1. 使用済燃料の特性や貯蔵施設の飽和等を考慮し、国民の安全と環境の保護のために最終処分が必要であること
  2. 最終処分には回収可能性の概念を反映させること
  3. 現時点における最終処分方式として、相対的に最も適している地層処分方式の適用を検証する研究や技術開発を推進し、超深孔処分などの他の処分方式の研究も並行して実施する必要があること
  4. 使用済燃料の発生量と貯蔵容量の飽和時期算定の前提条件として、第8次電力需給基本計画を基に算出することは合理的であること
  5. 最終処分まで使用済燃料を安全に管理するためには、中間貯蔵施設が必要であること
  6. 2016年7月に策定された「高レベル放射性廃棄物管理基本計画」(以下「基本計画」という)において、使用済燃料管理の原則の一つとして「原子力発電の持続可能な発展」が打ち立てられているが、現政権による「漸進的な脱原子力政策」に基づき、放射性廃棄物の管理は原子力発電の推進と分離する必要があるため、「原子力発電の持続可能な発展」という事項の削除が望まれること。一方、使用済燃料管理の原則には、「意思決定プロセスの可逆性」と「処分施設運営過程での回収可能性」を追加すること
  7. 使用済燃料の管理政策は、国民の合意が重要であることから、政策決定過程で国民や住民参加を制度的に反映させる必要があり、意思決定プロセスに直接参加するためのシステムを用意すること
  8. 使用済燃料管理施設のサイト選定のために、独立した機関である「サイト選定委員会」の設置が必要であること
  9. 使用済燃料管理施設の誘致地域への支援原則として、「個人より地域社会とコミュニティを対象に支援」、「現在の世代だけでなく、将来世代も恩恵を受けられるような長期・段階的支援」、「地域対立解消のため、サイト選定過程に参加した全地域への適切な支援」を考慮する必要があること
  • 専門家検討グループで合意に至らなかった事項
  1. 使用済燃料の発生量の推定における、第8次電力需給基本計画上の原子力発電利用率の適用の妥当性
  2. 使用済燃料管理の技術開発と政策決定を連動して推進すべきか否か
  3. 最終処分方式である地層処分技術の安全性が立証済みか否か
  4. 韓国で考えられる地層処分システムの安全評価、地質調査結果に基づく、現時点での地層処分の実現可能性
  5. 基本計画(2016年7月)では、最終処分施設のサイトの選定期間を12年と設定しているが、その期間の長さの妥当性
  6. 中間貯蔵施設と最終処分施設とを同一のサイトに建設することの是非
  7. 中間貯蔵施設を一箇所に集中すべきか、または複数箇所へ分散すべきか
  8. 2016年以前に建設された軽水炉に付属している使用済燃料プールにおいて、貯蔵ラックを稠密化することの安全性
  9. 発電所敷地内に使用済燃料プールや乾式貯蔵施設等の貯蔵施設を増設する場合における全国公論化の必要性
  10. 基本計画(2016年7月)に示された使用済燃料管理原則のうち、「高レベル廃棄物管理の効率性向上」の項目における「使用済燃料の発生の最小化」との文言の追加の必要性
  11. 使用済燃料政策を決定する制度に関する改善の必要性
  12. 使用済燃料管理施設のサイト選定段階での住民の同意による受容性と科学的・技術的評価による安全性の確保に関して、どちらを優先的な考慮事項とするか

報告書に関する公開討論会

再検討委員会は、専門家検討グループによる報告書の内容に基づいて、2020年3月25日に公開討論会を開催した。公開討論会では、技術グループ、政策グループにおける検討結果を再検討委員会の委員2名から説明し、その後、パネルディスカッションが行われた。パネルディスカッションでは、専門家検討グループ2名、科学技術系1名、人文社会系1名、市民社会系1名の5名で技術グループ、政策グループの検討結果がそれぞれ議論された。なお、今回の公開討論会は、新型コロナウイルス感染症対策のため、オンラインにて行われ、再検討委員会の委員や専門家の議論への意見をオンラインで収集し、これに対して委員や専門家が回答を行う形式とされた。

今後、2020年3月18日に公開された専門家検討グループによる報告書や公開討論会で提示された意見は、全国の原子力発電所立地地域での意見収集の際に、参考資料として活用される。

【出典】

 

【2020年5月27日追記】

韓国の産業通商資源部(MOTIE)が設置した「使用済燃料管理政策再検討委員会」(以下「再検討委員会」という)は、2020年5月25日のプレスリリースにおいて、使用済燃料管理の中長期政策に関する国民の意見収集のため、全国民から選出された549名で構成される市民参加団を組織し、2020年5月23日にオリエンテーション会合を開催したことを公表した。オリエンテーション会合は、韓国中部のテジョン市のメイン会場と全国14カ所のサテライト会場を結んだウェブ会議形式で行われた。

再検討委員会は、使用済燃料管理政策の見直しに向けた国民意見の調査・収集を迅速に行うため、議論を実施するための市民参加団の設置計画を2020年4月14日に明らかにしていた。市民参加団員の選出は、入札公募と提案評価を経てMOTIEより委託された調査会社であるHankook Research社が行った。同社は2020年4月17日より同年5月22日までの約1カ月の間に、全国民から無作為抽出した2万人に対して、電話で市民参加団への参加意思を確認した。その後、参加意思を表明した者を対象に、性別、年齢、地域などの統計学的特性を反映するように無作為抽出する方法で549名を市民参加団員として選出した。

使用済燃料管理の中長期政策を議論する市民参加団は、今後約4週間にわたり動画資料を活用したオンライン学習を行う。その後、総合討論会を2回開催する予定である。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応のため、総合討論会は全国の複数箇所に設置される会場でのビデオ会議や、分科会ごとで異なる会場の利用などが予定されている。市民参加団が議論するテーマとしては、以下の5点がある。

  • 処分と中間貯蔵
  • 使用済燃料管理の原則
  • 使用済燃料政策の決定のためのシステム(意思決定構造と手続き)
  • 管理施設のサイト選定手続き1
  • 管理施設の地域支援の原則及び方法

再検討委員会は、市民参加団に参加していない国民の意見も収集できるようにするため、オンライン公開討論会の実施も計画している。

なお、再検討委員会の2020年4月14日付けプレスリリースでは、使用済燃料管理の中長期政策に関する市民参加団とは別に、原子力発電所内における使用済燃料の一時貯蔵に関する市民参加団について、原子力発電所の立地地域住民から参加者を募集して組織する予定であることも併せて公表している。

【出典】

 

【2020年11月6日追記】

韓国の産業通商資源部(MOTIE)が設置した「使用済燃料管理政策再検討委員会」(以下「再検討委員会」という)は、使用済燃料管理政策の見直しに向けた国民意見の調査・収集を迅速に行うため、「使用済燃料管理の中長期政策を議論する市民参加団」(以下「市民参加団」という)を設置していたが、2020年10月30日に、市民参加団から意見収集を行った結果を公表した。

市民参加団は、全国から性別、年齢、地域などの統計的特性を反映するように選定された549名で構成されている。市民参加団のメンバーは、2020年5月23日に開催されたオリエンテーション会合の後、7週間にわたって学習を行うとともに、2020年7月には3日間にわたる第1次総合討論会で議論を行った。引き続き3週間の学習を行って、2020年8月に2日間にわたる第2次総合討論会で議論を行った。再検討委員会は、市民参加団を通じた意見収集について、以下のように結果を整理している。

  • 使用済燃料の管理シナリオとして集中中間貯蔵を行うべきか、または、最終処分を行うべきかについて議論が行われた。市民参加団の63.6%が「集中型の中間貯蔵と最終処分の組み合わせ」を支持しており、学習を通じてこの割合が増加している。
  • 使用済燃料の中長期管理方針の決定のための政策決定システムに関して、必要な改善策について議論を行った結果、市民参加団の91.9%が「原子力振興委員会とは別に使用済燃料管理委員会(仮称)を新設すべき」という意見に賛成している。
  • 最終処分施設や中間貯蔵施設のサイト選定をどのように進めるべきか議論を行った結果、市民参加団の80.1%が「適性を科学的に評価した後、地域住民の過半数が同意すればサイトとして選定する」という意見に賛成している。

再検討委員会は、市民参加団のオンライン形式の学習・総合討論の期間を通じて、4回にわたって原子力に関する知識を問うアンケート調査を行ってきたが、回を追って市民参加団の正答率が向上してきたことから、学習期間の設定が総合討論会における熟議の向上に役立ったとの認識を示している。今後、再検討委員会は、市民参加団からの意見収集の結果等を検討した上で、政策勧告案を策定するとしている。

【出典】


  1. 「管理施設のサイト選定手続き」については、特定のサイトを選定することではなく、サイト選定の方法を決定することが議題とされている。 []