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《米国》NRCが「廃棄物保証」規則の改定案などを提示

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2013年6月24日に、NRCの文書データベース・システムであるADAMSにおいて、使用済燃料の中間貯蔵に関する「廃棄物保証」 1 に関する連邦規則の改定案、ドラフト包括的環境影響評価書(DGEIS)を公表し、今後、環境保護庁(EPA)と共同で75日間のパブリックコメントを開始する意向を示した。

今回、改定案が示された連邦規則は、2012年6月に連邦控訴裁判所において無効判決が下されていた「廃棄物保証」規則に相当するものであり、NRCの原子炉等の許認可手続における環境影響評価について定めた10 CFR Part 51「国内許認可及び関連規制機能に対する環境保護規則」の第23条(a)項(以下、「10 CFR Part 51.23(a)」という。)である。2010年9月の改定条項には「いずれの原子炉から発生した使用済燃料も運転許可期限を過ぎても最低60年間は環境に重大な影響を与えることなく貯蔵可能であり、また、高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料の処分のため、必要な時期に地層処分場が利用可能」というNRCの決定を示す記述が含まれていたが、上記のとおり裁判で無効となっている。

今回の10 CFR Part 51.23(a)の改定案においては、廃棄物保証に係る包括的環境影響評価書(GEIS、NUREG-2157)の検討・作成により、以下のような結論を得たと規定している。

  • NUREG-2157での解析により、原子炉の運転許可期限を過ぎた使用済燃料の貯蔵に関する環境影響評価の問題についての包括的な対応を行った。
  • NUREG-2157での解析は、原子炉の運転許可期限を過ぎた使用済燃料を安全に貯蔵すること、及び原子炉の運転許可期限を過ぎて60年以内に地層処分場が存在することについて、実現可能であると決定することを支持している。

なお、地層処分場が60年以内に存在するとしたのは、2013年1月11日にエネルギー省(DOE)が公表した「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」(DOE戦略)において、2048年に地層処分場の操業開始が示されたことに依拠しているとされている。

NRCは、新規原子炉の建設・運転、原子炉の寿命延長などの許認可に影響があることから、「廃棄物保証」に関する情報をホームページでまとめており、2014年9月までに包括的環境影響評価書(GEIS)及び「廃棄物保証」規則を策定することなどが示されている。

【出典】

 

【2013年09月17日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2013年9月12日のプレスリリースにおいて、使用済燃料の中間貯蔵に関する「廃棄物保証」に関して、連邦規則の改定案、ドラフト包括的環境影響評価書(DGEIS)について、2013年11月27日を期限とする75日間のパブリックコメントを開始することを公表した。

連邦規則(10 CFR Part 51)の改定案は、当初案から大きな変更はなく、2013年9月13日の連邦官報に掲載された。また、ドラフト包括的環境影響評価書(DGEIS)については、2013年9月6日に、NRCの廃棄物保証に関する特設ページに掲載されている。

なお、今回の廃棄物保証の連邦規則等の改定に関しては、全米12カ所でパブリックミーティングを開催するとしており、2013年10月1日のメリーランド州ロックビルにあるNRC本部から開始し、2013年11月14日までの開催予定が2013年9月6日の連邦官報に掲載されている。

【出典】

 

【2014年7月28日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)の運営事務局長(EDO)は、2014年7月21日に、原子炉の許可期間終了後の使用済燃料の貯蔵等に係る「廃棄物保証」に関して、連邦規則を改定する最終規則案、及び包括的環境影響評価書(GEIS、NUREG-2157)案をNRCの委員に提出した。これらの案は、2013年9月に公表された連邦規則(10 CFR Part 51)の改定案とドラフト包括的環境影響評価書(GEIS、NUREG-2157)に対するパブリックコメント等を受けて見直されたものであり、今後、NRCの委員による承認の後、連邦官報で告示される。

NRCのEDOがNRCの委員に提出した文書では、2013年9月公表のドラフトからの変更点が以下のように示されている。

〇連邦規則(10 CFR Part 51)改定に係る変更点

  • 本手続、連邦規則の該当条文(10 CFR Part 51.23(a))及びGEIS(NUREG-2157)で使用されていた「廃棄物保証」(waste confidence)を「使用済燃料の継続貯蔵」(continued storage of spent fuel)という名称に変更
  • 連邦規則の条文中から、地層処分場が利用可能となる時期、及び運転許可期間終了後の使用済燃料貯蔵の安全性についての記述を削除
  • 独立使用済燃料貯蔵施設(ISFSI)の許可更新にも本規則が適用されることを明確化
  • 原子炉の早期サイト許可(ESP)や建設許可における本規則適用を明確化
  • 原子炉や独立使用済燃料貯蔵施設(ISFSI)の許可等で必要とされる環境影響評価書(EIS)には、NUREG-2157が組み込まれていると見なす
  • その他、文章構成変更などによる追加的な変更

〇包括的環境影響評価書(GEIS、NUREG-2157)の変更点

  • 無期限貯蔵における制度的管理に関する情報追加
  • 目的、必要性、代替オプションに関する記述の再構成・明確化
  • 国際的な経験及び規制枠組みに関する情報を追加
  • 高燃焼度燃料に関する付属書を追加
  • 2013年9月の連邦規則(10 CFR Part 51)の改定案及びドラフト包括的環境影響評価書(GEIS)に対するコメントへの回答を追加

【出典】


  1. 廃棄物保証(waste confidence)とは、原子力規制委員会(NRC)の原子炉等の許認可手続における環境影響評価で必要とされる、原子炉から発生する使用済燃料による環境への影響について、NRCが一般的な決定事項を示したものである。具体的には、使用済燃料が安全に処分可能か、処分場またはサイト外貯蔵施設がいつ頃利用可能となるか、原子炉施設等の許可期間が終了した後もサイト外での処分または貯蔵が可能となる時期まで安全に貯蔵可能かという点を示している。この所見に基づいて、NRCの環境影響評価に関する連邦規則である10 CFR Part 51が規定されている。[]

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )