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《米国》国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)の立地調査に1,000万ドル強を支給

連邦エネルギー省(DOE)は、2007年1月30日のニュースリリースにおいて、国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)計画における統合使用済燃料リサイクル施設の立地調査を実施することとなった11カ所について、総額で1,000万ドルを超える金額を支給することを発表した。GNEPは、2007年度予算要求で初めて盛り込まれたプログラムであり、国内施策としては使用済燃料の再処理を含めた燃料リサイクルを推進するもので、今回の対象地区は2006年8月の公募を受けて同11月に決定されたものである。

ニュースリリースによれば、支給を受ける11カ所の応募者は、統合使用済燃料リサイクリング施設(先進燃料処理センター(CFTC)及び先進燃焼炉(ABR)施設)の立地可能性を判断するための調査を実施する予定である。立地可能性調査は、ニュースリリース発表当日の2007年1月30日から90日間以内に実施し、2007年5月30日までにサイト特性調査報告書をDOEに提出することとされている。DOEサイト以外の地区については、サイト及び近傍の土地利用、生態系評価、絶滅危惧種、歴史・文化遺産、地質・地震、気象、その他規制上の要件などのさまざまな要素について報告書に織り込むものとされている。なお、これらのサイト特性調査からの情報は、既に1月初旬から開始されているプログラム環境影響評価(PEIS)ドラフトの準備にも使用される予定とされている。

GNEPは、新しい核燃料リサイクル技術の開発及び設置、使用済燃料の効率的管理及び最終処分、リサイクル燃料からの発電を可能とする高度な燃焼炉、核拡散リスクを最小限に保ちながら途上国での原子力利用を可能とする燃料サービス、保障措置整備などの方針が示され、特に使用済燃料管理については以下のようなポイントが示されている。

  • 使用済燃料の再処理で発生する長寿命の核分裂生成物(FP)は、ユッカマウンテンで処分する
  • 短寿命のFPは、低レベル放射性廃棄物として処分できるまで貯蔵を行う
  • 超ウラン(TRU)元素は、高速炉などの燃料とする

GNEPの国内施策については、2006年8月3日、既存技術で実現可能な統合燃料処理センター(CFTC)または先進燃焼炉(ABR)の商業規模実証施設を早期に設置する路線、及び先進燃料サイクル技術の開発を目指す路線の2つで進めることが発表された。CFTCでは、使用済燃料の貯蔵も行われる。第1の路線のCFTC及びABRについては、適用可能技術及び立地の公募が公共・民間団体を対象として行われ、2006年11月に応募者の中から11カ所(内6カ所はDOEサイト)の調査サイトが選定されている。なお、第2の路線の先進リサイクル技術開発は、DOEの国立研究所で実施される。

【出典】

【2009年6月30日追記】

2009年6月29日、エネルギー省(DOE)は、国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)のプログラム環境影響評価(PEIS)を中止することを連邦官報に掲載した。同官報では、前政権のGNEP計画の国内施策で重視されていた、国内商業再処理を追求しないことが示されている。また、DOEの燃料サイクルについては、長期的な研究開発に焦点を当てることが示されている。

【追記部出典】

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )