Learn from foreign experiences in HLW management

《中国》高レベル放射性廃棄物地層処分に関する研究開発計画ガイドが正式に公表

国家原子能機構(CAEA) 1 の2006年2月23日付のニュースリリースにおいて、国防科学技術工業委員会、科学技術部及び国家環境保護総局による「高レベル放射性廃棄物地層処分に関する研究開発計画ガイド」が正式に公表された。

中国では原子力発電所の増加に伴い、発電所から発生する放射性廃棄物の量も増大しており、放射性廃棄物の処分、特に高レベル放射性廃棄物を安全に処分するという問題が、原子力の持続的発展を阻害する一つの要因となっている。2003年に公布された「中華人民共和国放射能汚染防止法」にて、中国の高レベル放射性廃棄物及びアルファ廃棄物 2 は集中的に深地層処分するという基本政策が明確にされたことを受け、中国における原子力の持続的発展のための条件として、高レベル放射性廃棄物の地層処分研究をさらに進展させるための計画整備が求められていた。

この「ガイド」は、今世紀半ばに高レベル放射性廃棄物を安全に処分するという目標の達成に向けて、中国での高レベル放射性廃棄物地層処分に関する研究開発活動を進める上での指針となるものであり、ここには研究開発の全体構想や発展目標、研究開発計画綱要及び「第11次5カ年計画」期間中の主な研究開発課題が示されている。ここで地層処分の研究開発計画は、以下の3つの段階に分けられている。

  1. 2006年~2020年:実験室レベルでの研究開発と処分場のサイト選定、地下研究所の設計及び処分場の概念設計、安全評価
  2. 2021年~2040年:地下研究所の建設、地下研究所での各種試験、プロトタイプ処分場のフィージビリティ評価、建設申請及び安全評価
  3. 2041年~今世紀半ば:プロトタイプ処分場の建設と検証、処分場のフィージビリティ評価、建設申請及び安全評価、処分場の操業申請及び安全評価

今後、中国ではこのガイドを基に、国レベルでの地層処分に関する研究発展計画が立案され、研究開発を全面的かつ科学的に系統立てながら実施し、高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた各種の課題を適切に解決することが求められている。

【出典】

  • 国家原子能機構(CAEA)、ニュースリリース
    http://www.caea.gov.cn/n602669/n602674/n602695/n602700/49147.html
  • 国防科学技術工業委員会ほか、「高放废物地质处置研究开发规划指南」高レベル放射性廃棄物地層処分に関する研究開発計画ガイド、2006年2月
    http://www.costind.gov.cn/n435777/n435781/n435912/appendix/2006224173659.doc

  1. 国家原子能機構(CAEA)は、高レベル放射性廃棄物処分にあたり、政策立案、研究開発資金の提供などの実務管理を行う国の機関である。[]
  2. 中国の「放射性廃棄物分類(GB9133-95)」では、アルファ廃棄物は、固体廃棄物のうち、半減期が30年超のアルファ核種を含み、比放射能が 4×106Bq/kg(4GBq/t)以上の放射性廃棄物として区分されている。[]

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )