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《韓国》中低レベル放射性廃棄物処分施設に関する 特別支援金3,000億ウォンが慶州市に支給される -処分施設の建設事業は計画通り進捗

韓国水力原子力株式会社(KHNP)は、2006年5月8日付けのプレスリリースにおいて、中低レベル放射性廃棄物処分施設誘致地域支援特別法に基づき、慶州市(キョンジュ市)に支給することになっていた特別支援金3,000億ウォン(既報)を全額支給したことを明らかにした。

これは、産業資源部(MOCIE)と慶州市の間で進められてきた特別支援金の支給時期及び方法に関する協議がまとまり、2006年4月20日に産業資源部が韓国水力原子力株式会社に30日以内の支給を指示したことを受けたものである。

産業資源部の2006年4月20日付けのプレスリリースによると、産業資源部と慶州市の合意内容は以下のようになっている。

  • 韓国水力原子力株式会社は、特別支援金3,000億ウォン全額を慶州市名義で開設された預託勘定口座1 に入金する。
  • 慶州市は、預託勘定口座に入金された特別支援金のうち、2007年10月に予想される処分施設建設の実施計画承認時に1,500億ウォン、2008年12月に予想される処分施設の操業開始時に残りの1,500億ウォンを慶州市の特別会計に振り替える。
  • 預託金から発生する利息(年間約120億ウォン)は、慶州市の特別会計として随時振替可能とする。

また、産業資源部のプレスリリースなどによると、慶州市陽北面奉吉里(ヤンブク面ポンギル里)に建設される中低レベル放射性廃棄物処分施設の建設事業については、以下の通り、当初の計画に沿って着実に推進されていると説明されている。

  • 2005年11月に住民投票によって選定された慶州市については、2006年1月2日に陽北面奉吉里一帯(約200万平方km)が、関連省庁の局長クラスが委員を務める電源開発事業推進委員会の審議を経て、産業資源部によって電源開発事業予定区域に指定され、告示された。
  • 現在、2006年初めより約1年半の予定で、韓国水力原子力株式会社及び国内外の専門機関によるサイト特性調査、環境影響評価、放射線環境影響評価、安全解析などの各種調査及び処分施設・輸送船舶の設計作業が行われている。
  • 今後の見通しとして、2007年半ばに産業資源部による実施計画の承認及び科学技術部(MOST)への建設・操業許可の申請を予定しており、2007年下半期に基盤施設工事に着手し、2009年末には第1段階として200リットルドラム10万本規模の処分施設を完成し、貯蔵施設の飽和が近い蔚珍(ウルチン)原子力発電所からの廃棄物に備えて、優先的に2008年末に部分操業を行う計画としている。
  • 中低レベル放射性廃棄物処分施設の処分方式(浅地中処分又は岩盤空洞処分)の選定については、2006年4月4日に韓国水力原子力株式会社が処分方式選定委員会を設置し、国内外の専門機関の技術検討結果を踏まえて、自治体、地域住民、国内外の専門家などの意見を十分反映する形で安全性、環境への負荷、経済性などを検討し、2006年6月末までに処分方式を決定する予定としている。

産業資源部は、2006年3月末、韓国水力原子力株式会社の本社移転計画についても2006年8月までに確定するとしており、2005年12月の陽子加速器事業の協約締結、今回の特別支援金の支給と共に、誘致地域への支援事業が当初の計画通り順調に進んでおり、慶州市の経済活性化及び住民の福祉向上などに大きく寄与するものであるとしている。

【出典】

  • 韓国水力原子力株式会社(KHNP) 2006年5月8日付けプレスリリース
  • 韓国産業資源部(MOCIE)2006年4月20日付けプレスリリース
  • 韓国産業資源部(MOCIE)2006年1月2日付けプレスリリース
  1. 勘定口座に入金された資金を特定の事実が発生した場合にのみ引き出すことの可能な預金口座。 []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )