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《英国》原子力廃止措置機関(NDA)が戦略報告書を公表 -政府が戦略報告書ドラフトを承認

原子力廃止措置機関(NDA)は、2006年3月30日付けニュースリリースにおいて、NDAの戦略報告書が政府によって承認されたことを示すと共に、同報告書を公表した。NDAの戦略報告書は、ドラフトが2005年8月11日にウェブサイトで公表され、2005年11月11日までの3ヶ月間、一般からの意見募集が実施されていたものである。NDAのウェブサイトによると、戦略報告書は2005年12月に、承認を得るために政府に提出されていた。今回、政府によって承認された戦略報告書では、ドラフトから、廃止措置費用、競争原理導入スケジュールなどの修正がなされている。

原子力廃止措置機関(NDA)のニュースリリースによると、戦略報告書では、ドラフトで示された廃止措置・クリーンアップ費用見積りの見直しが行われている。ドリッグ低レベル放射性廃棄物処分場のライフサイクル・コストの総額は、約13億ポンド(2,600億円)から約11億ポンド(2,200億円)へと減少している。また、セラフィールド・サイトの再処理工場及びMOX燃料加工工場の操業・廃止措置等を含むライフサイクル・コストの総額は、約315億ポンド(6兆2,300億円)から約400億ポンド(8兆400億円)へと増加している(1ポンド=201円で換算)。表に、戦略報告書で示されている、対象となる20サイトにおけるライフサイクル・コストの総額を示す。

同ニュースリリースによると、戦略報告書では、サイト管理に対する競争原理導入スケジュールに関して、ドラフトに対して寄せられた意見を反映するとともに、英国原子力グループ社(BNG)の売却を含む形で変更がなされているとしている。BNGの新しい所有者に対しては、セラフィールド・サイトの管理及び操業の契約が5年間与えられる。そのためBNGの売却によって、NDAの最大のサイトであるセラフィールド・サイトへの競争原理の導入による効果が予定よりも早くもたらされることとなるとしている。セラフィールド・サイトへの競争原理の導入に関しては、ドラフトでは2010年に契約が行われることが示されていたが、戦略報告書では競争原理を導入したBNGの売却により、2007年に導入されることが示されている。原子力廃止措置機関(NDA)は、1年以内に低レベル放射性廃棄物処分場であるドリッグ、及び2007年4月までにBNGの売却の一部として、セラフィールドの管理及び操業に競争原理を導入することが優先事項であるとしている。更に、今後も原子力業界の最新の状況等を考慮に入れ、戦略報告書のレビューを継続することも示されている。


【出典】

  • 原子力廃止措置機関(NDA)、2006年3月30日付ニュースリリース、http://www.nda.gov.uk/documents/news_release_-_national.pdf
  • 原子力廃止措置機関(NDA)戦略報告書
  • 原子力廃止措置機関(NDA)戦略報告書 ドラフト
  • 原子力廃止措置機関(NDA)ウェブサイト、http://www.nda.gov.uk/Home_1).aspx?pg=1


【2008年4月3日追記】

2008年4月1日、原子力廃止措置機関(NDA)はプレスリリースにおいて、2006年のNDAの戦略報告書を反映した2008~2011年度の事業計画を公表した。同計画によれば、2008年度、NDAの各サイトでの活動予算の合計は、昨年度より1億2,200万ポンド(290億円)増の25億9,400万ポンド(6,174億円)とされている。また、2008~2011年度の3年間の総予算は86億ポンド(2兆500億円)で、NDA設立後の最初の3年間に比べ6億7,100万ポンド(160億円)増とされている(1ポンド=238円で換算)。

  • 原子力廃止措置機関(NDA)のウェブサイト、2008年4月1日付けのプレスリリース、http://www.nda.gov.uk/news/approved-business-plan.cfm

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )