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《フランス》放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が放射性廃棄物及び 再利用可能な物質に関するインベントリ報告書を公表

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2006年3月6日付けのプレスリリースにおいて、2004年12月31日時点での放射性廃棄物・再利用可能な物質1 のインベントリと関連サイトを示したインベントリ報告書を公表した。ANDRAは、1991年の放射性廃棄物管理研究法(詳しくは こちら)に基づき、インベントリ報告書を作成しており、前回(2004年11月)公表された2002年末時点でのインベントリ報告書からは再利用可能な物質も調査対象としている。

また、産業省の2006年3月6日付けのプレスリリースでは、政府が放射性廃棄物管理方針に関する法案を数週間後に議会に提出するに当たって、このインベントリ報告書も基礎となるとしている。政府は、今後もインベントリ報告書の定期的な作成を望んでおり、法案には作成方針を盛り込むことになるとしている。

産業省のプレスリリースではさらに、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が作成したインベントリ報告書は、公衆との対話のツールとなる文書であり、放射性廃棄物に関して開催された公開討論会においても、前回(2004年11月)のインベントリ報告書が頻繁に活用されたとしている。また、今回公表されたインベントリ報告書では、国際熱核融合実験炉(ITER)や欧州加圧水型原子炉(EPR)のような新しい原子力施設に関係する、あるいは関係する可能性のある放射性廃棄物・再利用可能な物質についての情報も示されているとのことである。

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のプレスリリースによると、今回のインベントリ報告書では、2020年時点における放射性廃棄物・再利用可能な物質のインベントリの見積りも示されているとのことである。ANDRAは、今回のインベントリ報告書における新たな視点は、現存する原子力発電所を更新しない場合と、長期的に原子力発電所を継続していく場合との2つのシナリオを設定し、関連する放射性廃棄物・再利用可能な物質の概念を示すことで、現存する原子力施設の耐用年数にわたって施設で発生する廃棄物の評価を行ったことだとしている。なお、ANDRAは今回のインベントリ報告書に対する公衆からの意見を求めていること、また、2009年に次回のインベントリ報告書を公表する、としている。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、2006年3月6日のプレスリリース、http://www.andra.fr/interne.php3?id_rubrique=156
  • 産業省ウェブサイト、2006年3月6日のプレスリリース、http://www.industrie.gouv.fr/portail/ministre/comm.php?comm_id=6943
  1. 再利用可能な物質とは、使用済燃料、劣化ウラン、回収ウランなどの将来において再利用が可能である物質とされている。 []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )