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《米国》DOEがクラスCを超える低レベル放射性廃棄物処分のドラフト環境影響評価書(DEIS)を公表

米国のエネルギー省(DOE)は、2011年2月25日付連邦官報において、クラスCを超える低レベル放射性廃棄物(以下「GTCC廃棄物」1 の処分オプションに関するドラフト環境影響評価書(DEIS)を公表し、DEISに対する公聴会の開催及び意見募集の開始を告示した。今回のDEISでは、GTCC廃棄物に適用される複数の処分方策を提示しているが、最終的な特定には至っていない。処分方策を含む望ましい管理方策は最終環境影響評価書(FEIS)において提示する予定としている。

同DEISでは、GTCC廃棄物の将来の管理方策について、以下のように、現行の管理の継続という選択肢に加えて、4つの処分方策に関する評価が行われたことが示されている。

  1. 現行の管理の継続(現在実施されているGTCC廃棄物発生施設等での貯蔵の継続)
  2. 廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での処分
  3. ハンフォード・サイト、アイダホ国立研究所、ロスアラモス国立研究所、ネバダテストサイト、WIPP近傍やその他商業サイトにおける、新たな中深度ボーリング孔での処分
  4. 上記3.で示したサイトにサバンナリバー・サイトを加えたサイトにおける、新たな強化型浅地中処分施設で処分
  5. 上記4. で示したサイトにおける、新たなボールト処分施設で処分(地表面下約5mのボールトに処分)

GTCC廃棄物の処分のオプションに関する環境影響評価については、DOEが、2007年7月20日に実施することを公表しており、評価対象の一つとしてユッカマウンテン処分場での地層処分を示していた。しかし、オバマ政権が、ユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物の処分場開発が実行可能なオプションではなく、同計画は中止すべきであるとする方針を示していた。そのため、ユッカマウンテンにおいてGTCC廃棄物専用の処分場を建設するのは合理的なオプションではないとして、ユッカマウンテン処分場はGTCC廃棄物の処分オプションの評価対象とされていない。

また、DOEは、DEISに対する意見募集を2011年7月23日まで行い、さらに、2011年4月19日から5月25日の間に、9か所で公聴会を開催するとしている。

DEISでは、DOEがFEISにおいて示す望ましい管理方策は、複数の方策を組み合わせたものとなる可能性も示されている。また、望ましい管理方策は、DOEの役割及び責任を満たすものとして、以下を考慮に入れて特定するとしている。

  1. DEISに対する意見募集期間中に寄せられた意見
  2. DOE及び原子力規制委員会(NRC)の低レベル放射性廃棄物処分の要件(10 CFR Part 61及びDOE指令435.1)
  3. DEISに示された環境、技術、経済面及びその他の知見

DEISで検討された「GTCC廃棄物の将来の管理方策」の概念
図:GTCC廃棄物等に対するドラフト環境影響評価書 概要(DOE、2011年2月)より引用
処分方策1 処分方策2 処分方策3 処分方策4

DEISにおいて評価対象とされたWIPP処分場の鳥瞰図

DEISにおいて評価対象とされたWIPPの鳥瞰図

中深度ボーリング孔での処分

中深度ボーリング孔での処分

強化型浅地中処分施設で処分

強化型浅地中処分施設で処分

ボールト処分施設

ボールト処分施設

 

【出典】

 

【2013年7月23日追記】

米国のエネルギー省(DOE)の国家環境政策法(NEPA)の担当部署であるNEPA政策・コンプライアンス局は、クラスCを超える低レベル放射性廃棄物(以下「GTCC廃棄物」という。)の処分に関する最終環境影響評価書(FEIS)を2013年9月に公表するとした、2013年7月15日付けの主要スケジュールを公表した。

GTCC廃棄物処分については、2011年3月にドラフト環境影響評価書(DEIS)において複数の処分方策を提示した上で、2011年4月から5月に全米各地で公聴会を開催していたが、FEISの作成・公表は当初予定より遅延し、未定となっていたものである。

GTCC廃棄物処分の担当部署であるDOEの環境管理局(EA)は、GTCC廃棄物に関する特設サイトを開設して種々の情報を提供しているが、DEISの公聴会の発言録も本サイトで公表している。なお、DEISでは、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での処分がGTCC廃棄物に関する管理の選択肢の一つとなっているが、WIPPの地元であるニューメキシコ州カールスバッドにおいて2011年4月26日に行われた公聴会の発言録には、GTCC廃棄物の処分場を誘致する主旨の発言が見られる。

【出典】

 


  1. 米国では、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法及び同法に基づく原子力規制委員会の連邦規則(10 CFR Part 61)において、地下30m以浅に処分が可能な低レベル放射性廃棄物としてクラスA、B、Cの分類が定められている。GTCC廃棄物は、放射能濃度などがクラスCの制限値を超える放射性廃棄物で、同法・規則に基づいて操業されている低レベル放射性廃棄物処分場での処分は行えないものである。「GTCC」はGreater Than Class C(クラスCを超える)の略。[]

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )