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《中国》西北処分場及び北龍処分場の2つの低中レベル放射性廃棄物処分場の操業許可が発給

中国環境保護部核安全管理司1 は、2011年1月4日、西北低中レベル放射性固体廃棄物処分場(以下「西北処分場」)及び広東低中レベル放射性固体廃棄物北龍処分場(以下「北龍処分場」)の2つの低中レベル放射性廃棄物処分場に対して、中国国家核安全局2 からそれぞれ操業許可が発給されたことを発表し、許可証の内容を公表した。

中国の低中レベル放射性廃棄物処分場の位置

西北処分場は、中国北西部甘粛省の鉱山区にあり、北龍処分場は広東省深圳(シンセン)市の大亜湾原子力発電所サイト内にある。2つの処分場では、既に低中レベル放射性廃棄物処分の試験操業が実施されていた。

今回公表された許可証には、北龍処分場について、大亜湾、嶺澳等の原子力発電所の運転と廃止措置で発生する低中レベル放射性廃棄物を処分することが示されている。

今回の操業許可は、「中華人民共和国放射性汚染防止法」及び「中華人民共和国民用核施設安全監督管理条例」と、これらの実施細則の関連要件に基づいて発給されており、処分場の操業者に対しては、以下に示す共通要件と、下表に示す処分場個別の要件の遵守が求められている。

  • 許可される活動内容は、基準を満たす低中レベル放射性廃棄物の受け入れ、貯蔵及び処分である。受け入れ可能な廃棄物の基準として、アルファ核種の平均比放射能濃度は1,000グラム当たり3.7×105ベクレルを超えないものとし、また使用済密封線源の処分は許可されない。
  • 許可証の有効期限は、低中レベル放射性廃棄物の受け入れ開始から、閉鎖許可文書が発行されるまでとする。
  • 許可期間中、処分場の操業者は10年ごとに定期安全評価を行い、評価結果を中国国家核安全局に報告して審査を受けること。
  • 処分場操業者は処分ユニットを閉鎖する1年前に、中国国家核安全局に閉鎖段階の申請文書及びその根拠となる資料を提出すること。
  • 処分場操業者は、国家核安全局に毎年3月31日までに、前年度の操業総括報告を提出すること。
  • 処分場における事故や認可事項の変更などの場合には、中国国家核安全局に報告・届出ること。
  • 中国環境保護部の所管する現地安全監督センター及び地元自治体の実施する監督検査を受けること。
西北・北龍処分場の概要と個別要件
西北処分場 北龍処分場
許可取得者
(処分場操業者)
中核清原環境技術工程有限責任公司 広東大亜湾核電環保有限公司
処分場所在地 甘粛省の鉱山区 広東省深圳市大鵬鎮
(大亜湾原子力発電所敷地内)
処分方式 浅地中処分 浅地中処分
処分場敷地面積 20.5万平方メートル
建設開始時期 1995年 1998年6月
試験操業開始時期 1999年 2000年10月
試験操業時の廃棄物処分量 3,310立方メートル

8.69×1012 ベクレル

787.78立方メートル

2.7696×1013 ベクレル

処分容量 6万立方メートル

3.2×1016 ベクレル

8万立方メートル

5.4×1015 ベクレル

処分ユニット 64×23×5.3(5.7)メートルのユニット18個 17×17×7メートルのユニット70個
処分を許可される放射性核種総量
ストロンチウム90 1.5×1016 ベクレル 3.7×1011 ベクレル
セシウム137 1.7×1016 ベクレル 1.1×1015 ベクレル
ニッケル63 3.4×1012 ベクレル 9.6×1014 ベクレル
炭素14 6.3×1011 ベクレル 3.3×1013 ベクレル
テクネチウム99 1.3×1011 ベクレル 4.2×1012 ベクレル
ヨウ素129 5.2×108 ベクレル 3.3×1015 ベクレル
プルトニウム239 8.4×1010 ベクレル 3.4×1011 ベクレル

【出典】

  1. 「核安全管理司」:中国環境保護部(部は日本の省に相当)に設置されている、原子力安全及び放射線安全の監督・管理を担当する政府機関。 []
  2. 「中国国家核安全局」:中国環境保護部副部長が局長を兼任する原子力関連機関。原子力全般に関する政策・計画・法整備や、申請を受けた許認可の審査・発給などを担当している。 []

(post by j-nakamura , last modified: 2023-10-11 )