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《韓国》低中レベル放射性廃棄物処分センターで第2段階処分施設の建設開始へ

韓国の原子力安全委員会(NSSC)は、2022年7月7日に開催された第160回原子力安全委員会において、韓国原子力環境公団(KORAD)が2015年12月24日に申請していた「低中レベル放射性廃棄物処分センター」の第2段階処分施設の建設・操業許可を発給することを決定した。第2段階処分施設の処分概念は、地表近くに設けた人工構築物(コンクリートピット)に放射性廃棄物を埋設する方式であり、わが国の青森県六ヶ所村で操業中の低レベル放射性廃棄物埋設センターで行われているピット処分と同様な方式である。許可を受けた処分容量は200Lドラム缶換算で12.5万本である。KORADは、原子力安全委員会から建設・操業許可が発給され次第、直ちに本格的な工事に着手するとしている。KORADは、第2段階処分施設の操業を2025年に開始する計画である。

低中レベル放射性廃棄物処分センターの処分施設

低中レベル放射性廃棄物処分センターの処分施設

低中レベル放射性廃棄物処分センターは、韓国東部の慶州市陽北面奉吉里(キョンジュ市ヤンブク面ポンギル里)にあり、海岸部の起伏のある地域に立地している。2015年から放射性廃棄物の処分を開始している第1段階処分施設は、岩盤空洞処分方式を採用しており、山腹にある地上施設の斜坑入り口から約110~160mの深さ(海抜約-80~-130m)に建設された6基のサイロで構成されており、処分容量は200Lドラム缶換算で10万本である

韓国では、産業通商資源部(MOTIE)が2020年12月に策定した「第2次低中レベル放射性廃棄物管理基本計画」において、将来の原子力発電所の廃止措置に伴って発生する放射性廃棄物の処分に備えるべく、2027年までに200Lドラム缶換算で38.5万本の規模の処分容量を3段階で確保する計画となっている。今回の「低中レベル放射性廃棄物処分センター」の第2段階処分施設の建設・操業許可が発給されることにより、第2段階までの準備が整ったことになる。

表:韓国における低中レベル放射性廃棄物の処分容量の確保計画
区分 第1段階 第2段階 第3段階
処分方式 岩盤空洞処分方式 ピット処分方式 トレンチ処分方式
処分可能な廃棄物の分類 中レベル放射性廃棄物以下 低レベル放射性廃棄物以下 極低レベル放射性廃棄物のみ
処分規模
(200Lドラム缶換算)
10万本 12.5万本 16万本

【出典】

(post by eto.jiro , last modified: 2023-10-11 )