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《カナダ》使用済燃料処分場のサイト選定の状況-オンタリオ州セントラルヒューロン自治体が第3段階第2フェーズ実施へ

NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向(2015年10月時点)

NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向(2015年10月時点)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)は、2015年10月29日付で、オンタリオ州セントラルヒューロン自治体(右上図21番)で実施していたサイト選定プロセスの第3段階第1フェーズの机上調査の結果を公表した。NWMOは、セントラルヒューロン自治体がサイト選定要件に合致する可能性が高いと評価し、今後、第3段階第2フェーズの現地での調査を実施するとしている。

セントラルヒューロン自治体は、2014年7月に、使用済燃料処分場のサイト選定プロセスの第3段階にあたる“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”に進む意思をNWMOに伝え、これを受けてNWMOは第3段階第1フェーズとなる机上調査を実施していた。NWMOは第3段階第1フェーズで得られた知見として以下の3点を示している。

  • 予備的な地質学的机上調査によれば、同自治体の地質は、使用済燃料の地層処分場を受け入れるための多くの有利な地質学的特性を備えている。
  • 予備的な調査によれば、同自治体は、エンジニアリング、輸送、及び環境と安全性の観点から求められる要件を満たす可能性を備えている。
  • 「適応性のある段階的管理」(APM)(詳しくは こちら)の実施によって、自治体の福祉が向上する可能性がある。

今回のセントラルヒューロン自治体における第3段階第1フェーズの机上調査が完了したことにより、カナダの使用済燃料処分場のサイト選定プロセスにおいて、初期スクリーニングで良好と判断された全21自治体について、第3段階第1フェーズが完了したこととなる。その結果、11の自治体が第3段階第2フェーズでの現地調査に進んでいるが、このうち、空中物理探査などの初期フィールド調査により、2自治体は地層処分場に適切な場所を特定できる見通しが低いと判断され、サイト選定プロセスから除外されている。このため、2015年10月時点で9自治体がサイト選定プロセスに参画していることになる。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-10-11 )